Wednesday, April 17, 2024

日本人コミュニティーに近いブリューワリー Ascension B.C – Novi, MI

外観

3週間(11月18日から)のミシガン州保健局長官による非常事態命令でレストランやバーでの店内飲食の規制が再び始まったミシガン。州内には300を超えるブリュワリーが存在している。ミシガン州でも大きな日本人コミュニティーであるノバイにあるAscension-Brewing-Company。Grand River沿いにあるAscension-BCは5年前にオープン。3月の外出禁止命令、7月の再開、そして今回の再度の屋内でのサービスの規制。一段と寒さが増した日、ブリューワリーのパティオでブリューワリーのスタッフのJoshに聞いてみた。

 なかなか尋ねにくかったが、まず今回と3月の規制と違いはあるのかと聞いてみた。きっぱりと、全く違う、と言った。前回は駐車場に全く車がいないほど閑散としたものだったが、今回は違う。家にいなくてもいい、ということで機会がある、という。売上等はコロナ禍前の3分の1ほどになってしまうが、マスクをする、手洗いをするなど、人々はどうしたらいいのかの行動の様式を知っているから、だ。3月以来、オンラインのオーダーを導入し、Door-to-doorの配達サービスもなかなかの数になるという。

 そのような手早く行った対処をしているが、マイクロ・ブリューワリー、という規模への影響もある。保健局は「室内でのサービス」を規制したが、「屋外」までは完全に規制はしていない。Ascensionは夏場はパティオを開放しているが、冬場は開放しない予定だ。暖房や囲いにかかわるコストを考えるとパティオの通年開放はできない。また、ドラフトは提供せず缶のみの販売なので、カウンターのラインナップボードは半分が空白となってしまったのがさびしい。

ブリトー $10(写真提供:Ascension BC)

 しかし、「このような状況下でもチャンスがある」ので、キッチンのメニューもそれほど減らしてはいない。「最近ブリトーを加えた」。1パウンドのブリトーはキャリーアウトとビールにぴったり、とおススメ。IPA、Pale-Aleはもちろん、季節でローテーションしているビールも忘れてはいけない。スイカ、ドラゴンフルーツ、イチゴのフルーツ味のDerp-a-Derp(ABV.-7%)はセンセーショナルな赤いボディーのサワービール。ドラゴンが描かれた缶はサーバーのデザイン。フルーティーなIPAがいい、という人にはMeliorism(ABV.-7%)。クリスマスにはSuper Imperial beer (stout, ABV. 16%) をリリースの予定。年末は地元のブリューワリーをじっくり楽しむのもいいだろう。

(上)Derp-a-Derp. ラベルと赤いボディーがユニーク

 そしてノバイというコミュニティーに日本人が多いことについてはポジティブは言葉をかけてもらった。
「このコロナ禍で旅行者や人の行き来が少なくなっているけれども、お店に来てもらえることに感謝、インターナショナルな雰囲気がこのような状況下でも感じられるのがいい」と語ってくれた。

お土産にも最適なセット $30 (写真提供:Ascension BC)

 

 

 

 

 

文・写真:ヤマトノオロチ

今年はおうちで “Eat, drink, and be thankful!!

0

2020年のサンクスギビングはいつものように旅行や大人数での会食というわけにはいきません。そんな
状況でも、おうちで少しでもサンクスギビングを味わいたいものです。今月は、ミシガン州デトロイト近郊でシェフとして活躍する斉木美乃さんに「おうちでサンクスギビングを楽しむ!」をテーマに、特別レシピをシェアしていただきました! P.3の「6:00pmに全品できあがるタイムライン」もしっかりチェックしてからぜひチャレンジしてください。

 

 


レシピ提供:
斉木 美乃(さいき みの)
職業 シェフ
東京都出身。大学仏文科卒業後
フランスに渡る。そこでの豊かな食文化に魅せられ食の世界でのキャリアに進むことを決意。東京でワインと高級食材の輸入会社に勤務、その後結婚を機に渡米。ミシガン州の料理学校を卒業後、デトロイトアスレチッククラブ、プラムマーケットなどでシェフとして活躍。

シーフード料理専門のブリューワリー Lily’s Seafood Grill & Brewery -Royal Oak, MI

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

11月にオープン21周年を迎える「Lily’s Seafood Grill & Brewery」。ミシガン屈指のトレンドかつポピュラーな雰囲気のRoyal Oakダウンタウン。街角には若者やゆったりと犬の散歩をする人々の姿が見られ、メーンストリートとワシントン・アベニューに多くのレストランが立ち並ぶ。Lily’sはワシントン・アベニュー沿いにある。

 秋から冬にかけてのイベントは行わないが、コロナウイルスでのレストラン等の規制のある中でも常連客は定期的に来店しているから大丈夫、とマネージャーのLiz。レストランとともにブリューワリーを開いて21年の家族経営。ロイヤルオークが地元だが、フロリダ・ジャクソンビルでのレストラン経営の経験と、兄弟が作るビールでLily’s-Seafood &-RestaurantはRoyal-Oakで圧倒的な存在感を示す。

 シグネチャーのサンドイッチメニューはどれも独特の工夫を凝らしたシーフード

Smoked Salmon Reuben $11.99(写真提供:Lily’s)

サンドイッチで満載だ。特に注目は2つのサンドイッチ。Lizは真っ先に、Smoked Salmon Reubenを挙げた。自家製の鮭の燻製のサンドイッチ。鮭とトマトベースのロシアンドレッシングは相性がいい。もう一つはSouthwest Tuna Burger。Tuna(マグロ)のフィレをステーキに見立てサンドウィッチで出すところもあるが、このLily’sでは細かく挽いたAhi tunaをグリルで焼き、アイオリソースを添えるハンバーガー。しっとりとした食感が印象的だ。

 フルレストラン、オンラインオーダー、GRUBHUB、Uber-Eatsも可能。Lily’sはオクトーバーフェスト以降、ワシントン・アベニュー沿いに白い屋外テントも設置している。Lizによると、お客の中には開放感を好む人もいるので、それに対応してこのままテントを設置している、という。

 店内は落ち着いた雰囲気のブース席とバー・エリア。バーテンダーは気さくに

「ボードにあるビールはどれも持ち帰り可能」と言った。5つのレギュラー・ビールと5つのシーズナル・ビール。どれでも4缶で$15。Oktoberfest beer(Marzen)はローストしたモルトとドイツのホップが特徴的なLager。これが売り切れたら、すでにPilsner系のOktoberfest-beerも用意してあり、発売も間近。

 ミシガン屈指のシーフード専門店とビールメニューのLily’sは現在でもひと時の楽しみを求める人が訪れている。ダウンタウン恒例のクリスマス・イルミネーションとともに楽しみたいところだ。

野外に設置されたテントにて(写真提供:Lily’s)
16oz.4缶で$15 

Lily’s Seafood Grill & Brewery
410 S Washington Ave
Royal Oak, MI 48067
Tel: (248) 591-5459
http://www.lilysseafood.com

文・写真:ヤマトノオロチ

“A Family Tradition” 緑豊か 閑静なサイダーミル Franklin Cider Mill -Franklin, MI

0

収穫の秋。りんごの生産が全米3位のミシガン。120年の歴史を持つFranklin-Cider Millは9月5日が今季のオープニングデーだった。閑静な森の中に包まれた14-Mile-Rdと Franklin Rdの交差点にある。Novi方面からI-696とTelegraph(US24)を走れば20分ほどで着く。

 ミル自体が建てられたのは1832年。それから数回オーナーが変わり、1966年からはPelz一家がサイダーを作り続けている。オーナー一家の子孫で昨年からマネージメントを執るLauraは「こんなにやりがいのある仕事だとは思わなかった。亡くなった父も死んだその日もミルで働いていた。サイダーミルはファミリートラディションよ」と語った。かつて医療関係の講座を教えていたが、それ以上に「楽しい」と言う。

 往年の名残を残すミルの建物は圧巻。前を流れる小川は子供たちに人気がありそうだ。そして流れを見ながらベンチに座り、冷えたアップルサイダーとホカホカのドーナツを頬張る。「アップルサイダーもおいしいけれど、うちのジャーマンスタイルのドーナツも人気。ぜひサイダーと一緒に食べてみて」と勧められた。プレーンを食べてみた。素朴な味だが、Honey-Crisp-アップルサイダーの
すがすがしい味と一緒にとてもおいしかった。

 家族経営のサイダーミル。1830年代のりんごのプレス(搾る)道具やサイダーを入れる瓶もショーケースの中に保存されている。かつて使われていた大型のミルも保存されている。見上げるほどの大きさはこれも圧巻。

 行ってみるとわかるが、Franklin-Cider Millには果樹園はない。もともとは小麦などを挽くためのミルだった。それが父の代にミルを購入してからはアップルサイダー作りへと変わった。「ミシガン中のりんごを使い、ここでサイダーを作る。うちのサイダーは新鮮で熱処理をしていない。いろいろな種類のりんごを使うけれども、同じレシピで作り続けている」。伝統そのものだ。ミルでは、袋詰めのりんご、はちみつやジャム、キッチンガゼットも販売している。目を引いたのは、大理石でできたミシガン州の形のカッティングボード(www.foreverflowersbythoddius.com)。

 今季からGrub-Hubなどのデリバリーやオンラインでの注文、ピックアップも始めた。それでもミルで実際に空の下楽しむこともいい。Franklin Cider Millはオープンエアーの野外ミルなので、購入にも飲食にも店内に入ることは全くない。新鮮な空気と緑豊かな森、車の音もない閑静なサイダーミル。「家族で一緒に、がうちの伝統。そして世界中のあらゆるところからお客さんが来てくれるのを楽しみにしている」。訪れた日は家族連れがとても多かった。今年も営業はサンクスギビングデー後の日曜日まで。空が高く見える秋、サイダーミルで楽しもう。

ドーナツとカップのサイダー$1.25。ガロン$11。 ( 写真:Franklin Cider Mill提供 2020.10月時点)
ファミリーにも優しい企画。
写真:Franklin Cider Mill提供

Franklin Cider Mill
7450 Franklin Rd,
Bloomfield Hills, MI 48301
Tel: 248-626-8261
https://www.franklincidermill.com

文・写真:ヤマトノオロチ

ミシガン州 秋だ!デトロイト近郊 サイダーミル リスト

今年もサイダーミルオープンの時期になりました。各農家によって現在のCOVID-19の状況により営業を中止をしているところもあるので、事前に調べてからお気をつけてアップルサイダー&ドーナッツを楽しんでください!

FENTON 周辺

  1. Diehl’s Orchard
    1479 Ranch Rd, Holly, MI 48442
    248-634 8981
    https://www.diehlsorchard.com/Lots of events
  2. Parshallville Cider Mill
    8507 Parshallville Rd, Fenton, MI
    810-629-9079
    https://parshallvillecidermill.com/
  3. Spicer Orchards Farm Market & Cider Mill
    10411 Clyde Rd. Fenton, MI 48430
    810-632-7692
    http://www.spicerorchards.com/

ROCHESTER 周辺

  1. Blake’s Orchard and Cider Mill
    17985 Armada Center, Armada
    586-784 5343
    www.blakefarms.com
  2. Blake’s Big Apple
    71485 North Avenue, Armada, MI 48005
    586-784-9710
    www.blakefarms.com
  3. Stony Creek Orchard & Cider Mill
    2961 32 mile Rd, Bruce Twp, MI
    586-752-2453
    https://www.stonycreekorchard.com/
  4. Goodison Cider Mill
    4295 Orion Rd, Rochester MI
    248-652-8450
    https://goodisoncidermill.com
  5. Hy’s Cider Mill
    6350 37 Mile Rd, Bruce Twp, MI
    810-798-3611
    https://www.facebook.com/hyscidermillMI/
  6. Miller’s Big Red Apple Orchard
    4900 32 Mile Rd, Washington, MI 48905
    586-752-7888
    www.millers-bigred.com
    https://www.facebook.com/bigredorchard/
  7. Paint Creek Cider Mill
    4480 Orion Rochester, MI
    248-651-8361
    https://paint-creek-cider-mill.business.site/
  8. Rochester Cider Mill
    5125 Rochester Rd, Rochester, MI 48306
    248-651-4224
    http://rochestercidermill.com/
  9. Verellen Orchards
    63260 Van Dyke, Washington, M 48095
    (586) 752-2989
    Old fashioned train
    http://www.verellenorchards.com
  10. Westview Orchards & Cider Mill of Romeo
    65075 Van Dyke, Washington, MI 48095
    586-752-3123
    www.westvieworchards.com/
    Cherry Donuts for Xmas season
  11. Yates Cider Mill
    1990 E. Avon Road, Rochester, MI 48307
    248-651-8300
    http://www.yatescidermill.com

    NOVI  周辺
  1. Erwin Orchards (South Lyon)
    61475 Silver Lake Rd, South Lyon, MI 48178
    248-437-0150
    http://www.erwinorchards.com/
  2. Franklin Cider Mill
    7450 Franklin Rd, Franklin Village, MI 48301
    248-626-2968
    http://www.franklincidermill.com/
  3. Long Family Orchard
    1342 East Commerce Rd, Commerce Twp, MI 48382
    248-360-3774
    https://www.longsorchard.com/
  4. 0bstbaum 0rchards
    9252 Currie Rd., Salem, MI 48167
    734-560 2840
    http://www.obstbaum.com/
    Dried Flowers
  5. Parmenter’s Northville Cider Mill
    714 Baseline Rd, Northville, MI 48167
    248-3493181
    http://www.northvillecider.com/ Drive Thru only 2020 (2020.8月末時点
  6. Plymouth Orchards & Cider Mill
    10685 Warren, Plymouth
    734-455-2290.
    http://plymouthorchards.com/tours.html
    https://www.facebook.com/Plymouth-Apple-Orchards-and-Cider-Mill-569799679704361/  今シーズン休業 2020 (2020.08時点)
  7. Three Cedars Farm
    7897 Six Mile Rd.Northville, MI 48167
    248-437-8200
    http://www.threecedarsfarm.org/

ANN ARBOR 周辺

  1. Alber’s Orchard & Cider Mill
    13011 Bethel Church Rd, Manchester, MI 48158
    734 428-9310
    https://www.alberorchard.com/
  2. Dexter Cider Mill
    3685 Central Street, Dexter, MI
    734-426-8531
    http://www.dextercidermill.com/
  3. Wasem Fruit Farms
    734-482-2342
    6580 Judd Rd, Milan, MI (south of AA)
    http://www.wasemfruitfarm.com/
    https://www.facebook.com/Wasem-Fruit-Farm-255034514021/
  4. Wiard’s Orchards & Country Fair
    5565 Merritt Rd,
    Ypsilanti, MI 48197
    734-482-7744
    http://www.wiards.com/
    https://www.facebook.com/wiardsorchards/
  5. Windy Ridge Orchard & Cider Mill
    9375 Saline Milan, Saline, MI
    734-429-7111
    Christmas trees
    https://windyridgeorchard.com/

起死回生を目指す – 好調を続ける Old Nation Brewery -Williamston, MI

0

9月初めまでミシガン州は非常事態宣言発令中。比較的穏やかだったミシガンの夏は例年のようなレストランのパティオは食事を楽しむ人でいっぱいではなく、まばらな感じだった。

 さまざまな困難もあるけれどもビジネスは好調、と話してくれたのは、OldNation Breweryのセールス担当のShane。Old Nation-BreweryはWilliamstonにあるローカルブリューワリー。フラッグシップのM-43をラベルや他のレストランのビールリストでも見聞きした人もいるだろう。NewEngland style のHazy beerは今や日本でも人気だ。
ローカルながら、そのHazy
beerが大人気となったOldNationBreweryは、イリノイ、
ニュージャージー、ペンシルベニア、-マサチューセッツ、フロリダ、ジョージア州でも発売されている。

 「好調」と言ったOld Nation Breweryは
ブリューパブだが、「従業員やお客さんの安全を考え、営業はcurbside pick upだけ」を続けている。コロナウイルスの第二波が深刻化したなら、再びレストラン等が閉鎖になるかもしれないという不安を常に考えているという。「好調」の要因は、ローカルから全米を見据えた生産と販売の両輪をうまく回しているからだった。一つは”contract brew”といい、生産の一部をデトロイト・ダウンタウンにあるBrew
Detroitに任せているからである。BrewDetroitでは自分のブランドのビールも作るが、ミシガンの他のブリューワリーのビールをそれぞれのレシピを使って製造している。スペースが限られているOldNation Breweryは契約を結ぶことにより、自分たちのこだわりを変えることなく生産を増やせる。それと同時に「ローカルの品を全米へ」の挑戦。宅配サービスのTavourへの参加だ。

 春以降、いくつものブリューワリーでcurbside pick up や15分以内等の制限範囲で宅配が受けられる。だが、時間やセレク
ションが限られてしまう。Tavourは全米47州の650の個人経営のブリューワリーをつなぎ、1本からでも宅配するシステム。1回の送料は$14.90(税別)。一定料金なのでこれを最大限に生すこともできる。Shaneが紹介してくれたこのTavourは-iOS、Androidの無料アプリ。このコロナ禍、多くのブリューワリーが厳しい状況だが、Tavourは販売経路を持たない州へも宅配されるので、起死回生につながるシステムだ。全米47州の会員に毎日「おススメビール」を配信する。人気のものはあっという間に売り切れる。全米との競争にはなるが、ミシガンだけではなく「求めている」人とのつながりが広がる。

 Old NationのオーナーはWilliamston在住で、地域に根差したブリューワリーを目指している。特にオープン以来、活動をあまり前面には出していないが学期ごとに地域の学校区への寄付を積極的に行っている。

 OldNationの最新情報。2017年に
シーズナルで発売したCart
Horseが9月上旬にまた出る。NewEnglandStyleのIPA(ABV.7.5%)のHazy  beer。そしてこれはまだどこにも発表していない情報、として10月にはNew Boss Tweedのguava(グアバ)が発売される。IPAはもともとフルーティーな風味があり、マンゴーなどをIPAのフレーバーの一つとしていれる
ブリューワリーも多い。
今回のグアバはどのような味になるか楽しみだ。

 コロナによる影響はまだ続くが、ミシガンブリューワリーの健闘を期待している。

 

新鮮、シンプル – Neu Kombucha -Farmington

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

Grand River Avenue沿いにあるFarmingtonのダウンタウンは手のひらサイズのダウンタウン、と言えるほどコンパクトなダウンタウン。ノバイ地区の中心部から車で10分もかからないが、雰囲気はノバイとがらりと変わり、左右にビクトリア朝の家が連なる歴史的景観に認定されている。コロナウイルスによりさまざまな規制が続いているが、この小さなダウンタウンを散策してみた。

 10年ほど前から市が積極的にダウンタウンの再興に力を入れてきた。20世紀初頭を思わせるような、大きなガラス窓から古めかしいアイロンがけをする人が見えるクリーニング店もあれば、新しいスタイルの店、ユニークなメニューがある店と新旧が織り交ざって今のダウンタウンがある。

 Neu Kombuchaは2015年にオープン。熱処理をしていない生のKombuchaをここで製造、販売している。建物の中に入ると、素朴なスタンド。手前と奥に入り口があり、奥のドアはパブリックパーキングにつながっている。カウンターで注文し受け取るので、「三密」の心配なく楽しめる。オーナーのJennieは以前勤めていた店でKombuchaを作っていた。これは面白い、と感じ、夫や家族からの励ましと手助けもあり、自分の店をオープンさせた。

 以前も他のブリューワリーのKombuchaを紹介したことがある。2000年ほどの歴史を持つアジア起源の発酵飲料。日本でもブーム再来の兆しだ。デトックス作用がある、ビタミンB、Cなどが豊富でエネルギーを生み出すもとになる、酵素が免疫力を向上させる、そして、Neu  Kombuchaはヴィーガンの飲み物としても飲める。

 気温が90度超の日に訪れたので、車のドアを開けてストアーに行くまでにすでに滝のような汗。サーバーからのドラフトでもクーラーからのボトルでも購入できる。10種類ほどあるフレーバーのうち、ジンジャー・ルートビールを選んだ。ジンジャーが甘くさえ思えるほどの爽快感。アルコール分は0.3%なので、だれにでも楽しめる。(12 OZ .$4.75)

 ファーミントンやアナーバーなどのレストラン等でもNeu  Kombuchaは飲めるが、さらにコロナウイルスの影響を懸念する今年の夏にうれしいことが。毎週土曜日にデトロイトのEastern MarketとRoyal OakのFarmers Marketでもスタンドを出している。

 オーナーのJennieとのインタビューで、シンプルなものを究めることこそが、このような不安な時代には強さとして生かされる、と感じた。Farmers Market、地域の産物、手を介して作り上げる作物。半屋外の開放感の中、散歩がてらマーケットを歩く。素朴なスタンドのあるダウンタウンを気ままに歩いてみる。また身近なミシガンを再発見した。

お店では生の瓶入りと専用の容器入り
(いずれもRefill可能)が購入できる。
Grand River Ave.きれいに整備されている

文&写真 by ヤマトノオロチ
Neu Kombucha
33305 Grand River, Farmington, MI 48336

http://neukombucha.com/

ゆるやかに動き出したミシガンブリューワリー HomeGrown Brewing Company -Oxford, MI 48371

収容人数の制限はあるが、6月第二週からミシガン州のブリューワリーも店内での飲食の提供を始めた。Oakland County の最も北の一つにある緑と湖の自然豊かな街、OxfordのHomeGrown Brew Company (HGBC)もその一つ。 To Goで缶の販売を続けていたが、店の裏側にあるビアガーデンは2日後の再開のために準備は万全だった。

 OxfordはM-24沿いにダウンタウンがあり、ちょうどデトロイトとフリントの中間に位置する。今年こそ雪は少なかったが、Bold Mountainのスキー場の近く、1800年代後半の建造物と週末のマーケットがおしゃれなことで有名なCanterbury Villageからも10分足らず。Oxfordの周囲にはゴルフコースが広がり、他のOakland Countyの街に比べると格段に静かさと落ち着きを感じる小さな宝石のようなところ。

 店の正面のドアはこぢんまりとしていて、Oxfordの街並みにフィットしており、ここがブリューワリーとは思わず、見落とすぐらいのシンプルな外観。名の通り、家族経営のブリューワリーで、気さくなJoeが店内を案内してくれた。To Goの缶のラベルのデザインもJoeの作品。Brew Masterは父のJerry。一家でBreweryを盛り立てる。

 「うちのキッチンに冷凍庫はない。すべてここで調理しているから」という。「Oakland County北部の地の利を利用して最高の食材は裏庭ともいえる地元の農家、マーケットにある」とこだわりを見せる。

 元UAW(全米自動車労働組合)の建物をリノベーションしたHGBCの2階はプライベート・パーティー用のミニバー。昨今の営業停止で予約数は減っているが、結婚式、個人パーティーなどのために貸し切りとなっている。

 おすすめはOxford Ale(ABV 4.5)とWhamber Ale(ABV 5.1)。全面開店2日前にToGoをピックアップに行ったので、自宅で缶をあけた。エールならではの甘さの中にあるほど良い苦さ、スムーズさがよかった。また、Ruck-A-Chuck IPA (6.7%)もホップの味を楽しみたい人にはお勧め。

 ミシガンはこれからが夏本番。ちょっと遠出のドライブや大自然を楽しんだ後、ToGoで立ち寄ってはいかがだろう。もちろん、フルキッチンがありサンドイッチ、そうめんを使った料理や中東風の料理もあり、メイン
ディッシュは充実。ダイニングは予約が必要。
  (Tel: 248-800-4244)

ファラフェル(ピタ付$12。 写真:HGBC)
外観
ToGoのGrowler他。
街並みにフィットした外観と、ゆったり広々
としたパティオ席
個性的なラベルの
デザインはJoeによる

文&写真 by ヤマトノオロチ

HomeGrown Brewing Company
28 N Washington St. Oxford, MI 48371
https://www.homegrownbrewco.com

Yates Cider Mill -Rochester Hills, MI

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

Stay Home Order発令から2か月が過ぎた。オークランドカウンティ—は北緯42度に位置し、四季がダイナミック。外出が限られている現在、今年は特に自然の移り変わりを近くの公園で楽しむ人も多いのではないだろうか。今回は近場の散策とサイダーミルを紹介する。

 Yates Cider Millはローチェスター・ヒルズにあり、開業が1863年。クリントン・リバーの水力を生かした水車が特徴。5月1日から今年の営業を再開、12月まで開いている。今年こそ出足は少ないが、人気のサイダーミルだ。サイダーミルと言えば、アップルサイダー・ドーナッツやアップルサイダーが初めに頭に浮かぶだろう。今年はそれに加えてミルから川沿いに延びる「散策路」とその先の「ループ」と呼ばれる「トレイル」を楽しむのもいい。

 散策路は幅も広く、ソーシャル・ディスタンスが十分に取れる。訪れたときにはまぶしいくらいの新緑があふれていた。よちよち歩きの子供からお年寄りまで十分に自然の息吹を感じられる歩きやすい散策路だ。散策路はほぼ直線で、終点近くにはクリントン・リバーの上を渡る橋もある。片道10分ほど。

 さらに自然を満喫したい人は「ループ・トレイル」へ。山道だが、小さい子供連れもやってくる高低のない道だ。両側は沢で尾根を歩く。春が遅かった今年は山桜のほか、すみれやエンレイソウもまだ咲いていた。途中、Shepherd Park,サギが訪れる Holland Pondへの分岐があるが、そのまま1周すると約40分、1.5マイルで、再びサイダーミルの駐車場へと出る。高低もなく、迷う心配もないはっきりした道。自動車の走る音は聞こえるが、このような深い緑が住宅地近くのサイダーミルの裏にあるのはうれしい。

 初心者向けのトレイル1周で少し汗が出たところで、サイダーミル店内へ。有名なドーナツ、アップルサイダーのほかに持ち帰りやギフトに最適のスパークリング・サイダーがある。ノンアルコール。チェリー、クランベリー、りんごの3種の風味があり、1本$6.95。3本で$18強のディスカウント有り。また、アイスクリーム・スタンドもあり、この日は青空が広がる下、楽しむ人たちがいた(Kids $1.75、small $2.75、Large $3.75)。野外ならではのサイダーミルなので、他人との距離を気にせず緑を楽しめる。建物の外は広場やベンチがあり、子供たちものびのびできる。「月曜日と木曜日はあまり人出がないよ」と言われたが、初夏を迎えるミシガン、訪れる人も増えるだろう。これからの季節に訪れる場合は、虫よけの準備をしてからの方がいい。

チェリー、クランベリー、りんごの三つの味
ループ、と呼ばれる散策路。1周徒歩30分ほど。
トレイル。右側には川が流れる


                            
 Enjoy Michigan’s Nature!

文&写真 by ヤマトノオロチ

Yates Cider Mill
1950 E Avon Rd, Rochester Hills, MI 48307
https://www.yatescidermill.com/

White Wolf Japanese Patisserie – Clawson, MI

第一回目のよりみちスポットは、日本スイーツ好きの間で話題になっているオープンしたばかりのWhite Wolf Japanese Patisserie。 中に入ると、外からみるより意外に広く、モダンでゆったりした雰囲気の店内。店名から「ザ・和」といったテイストかと思えばそうでもなく、東京、NYのカフェのよう。よくよく見なければ日本の要素が入ったカフェと一目ではわからないが、カウンターに近づくと、見慣れた和風の茶器、茶せん、日本製コーヒードリップのセットなどが並ぶ。商品をみると日本を色濃く意識したデトロイト近郊でも異色のカフェ・ベーカリーだ。取材には、こちらのトップシェフDoranさんが温かく迎えてくれた。

オーストラリア出身のシェフDoranは、お母様がイタリア人。いつも料理をしていた家庭に育ったという。料理学校ではフレンチを学びその後NYに渡ると、レストラン Morimotoのポジションをゲット。デザートのセクションに配属される。TVショー「料理の達人」“和食の鉄人”こと森本正治シェフのレストランだ。そこでみっちり和のスイーツを極め、その後は、GoogleやPixarなどでもシェフを務める。日本では蕎麦造りをはじめとする真の日本食も経験した。

 ショーケースをみると、日本のスイーツの要素をふんだんに取り入れた数々のケーキやパン、菓子類が美しく並んでいる。 フルーツ、抹茶、あんこ、クリーム、ゆず、ごま、きなこなど、日本人ならみなが親しんできた材料のものばかりだ。お味は、シンプル、というと語弊があるかもしれないが、何が入っているか、シンプルに素材の味がしっかり伝わるものばかり。甘さも強すぎず、すでに日本人の料理好きの間では、「ここは良い」とお墨付き。どこか「今」を感じさせるセンスが光っていて、日本のケーキに+αのアレンジが加えられた新しさを感じる。また、コーヒーは様々なロースターのものを揃えていてそこへもこだわりをみせる。「できる限り地元のものを使用し、素材の味を引き立たせるスローフードの概念を大切にしたい」と言うシェフは、内装は白黒と木の味わいを基調とし、すべてメープルの木で統一。これもメインの商品が引き立つように、と全ての面においてシェフのこだわりを形にしている。

 

 こちらのカフェは、ミシガンの日本食材店ワンワールドやノーブルフィッシュを傘下にもつTrueWorld社と、シェフDoranとのコラボで実現されたベーカリー。新型コロナウイルス拡大の影響を受け、現在はオンラインで注文、ピックアップで対応している。カツカレーや唐揚げもメニューに加わった。
ぜひ、いつかこの窮屈な生活から開放された時に、またゆっくり立ち寄りたい素敵な場所でした。    (JNC編集部)

(再編集:2020年8月25日時点)その後、現在もオンライン販売、カーブサイドピックアップ、配達もあるが、店内での購入も再開した。

 

———————————–
White Wolf Japanese Patisserie
31 E. 14 Mile Road, Clawson, MI
whitewolfbakery.com
———————————–

【ミシガン州】日系・アジア系レストラン Local Carry-out List

ミシガン州の非常事態宣言、自宅待機令が発令され、外食産業も店内での食事は不可能ですが、現在もキャリーアウト(持ち帰り)は可能です。また、スーパーマーケットも開店しています。<編集:2020.7 自宅待機令は解除され、レストランは再開されているところもあり>

電話やオンラインでオーダーができるところもありますので、下記のとおりご紹介します。(通常の営業日・時間ではない可能性があり、変更もありますので詳細は各店舗様またはウェブサイトをご確認ください)

ご利用の場合は、ご自身やご家族、周囲の方のために細心の注意をはらいご利用することをおすすめします。

<日本食材店>

<レストラン>

<他>

 

<編集:2020年9月1日>

Canton Brew Works – Canton, MI

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
(上)Red IPAの AnAether One Bites the Dust
(右)寒い日には Under Investigation

オープンした3年前頃も訪れたが、まだまだ店のスタイルが決まっていないと思い、足が遠のいていた。その間、I-275沿いにはNorthville、Plymouthにいくつかのブリューワリーもオープンした。Cantonにはここ一軒のみのブリューワリー。Ford RoadのIkeaやレストラン等の賑やかな通りからLilley Roadに入り北に1マイルほど進んだ、Joy Roadとの角にあるので見つけやすい場所にある。店の大きな窓に「Tap Room/Brewery」とあり、見落とすことはない。外から中が見えるので、躊躇せずに店の中に入ることができた。

 この日は、平日ながらもTrivia Game Nightだった。店内は2つのセクションに分かれており、一方でイベントが行われ、もう一方は静かに楽しみたい人のために、という気づかい。イベントスペース側はMCの出すクエスチョンと答えに大きなどよめきが響くほどの満員状態。オープンしたての頃にはなかったイベントだ。毎週ゲームナイト、バンド演奏等様々なイベントを企画して、ブリューワリーを訪れる人の心を着実につかんできたことがわかる。

 マイクロブリューワリーなので、キッチンはない。今も簡単にオーブンで焼くピザやプリッツェル等はあるが、3年前と比べてレストラン業界も変化した。Grubhubというオンライン注文、デリバリーを生かせば、好きなものをどこからでも注文できるようになった。Canton Brew Worksのオーナーは、同じCantonにレストランを展開するインド料理Authentikka ( 42070 Ford Rd, Canton )と提携している。ナン、タンドリーチキン等のお馴染みのインド料理から取り合わせの料理までデリバリー注文できる。ビールとインド料理、というユニークなコンビネーションを楽しめる。

 サーバーもフレンドリー。カウンターで飲み物を注文して受け取る。肝心のビールもぐっとレベルが上がっていた。Red IPA(本当に赤銅色をしている)のAnAether One Bites the DustはRed-x molt、Zappa hopという珍しいコンビネーション。グレープフルーツの風味よりも、焙煎したnutsの深い味が特徴的(ABV 6.5%)。Kombuchaのノンアルコール類、最近はやりの兆候を見せているseltzerの低アルコールビールもある。缶で持ち帰りのできるTo Goは現在店頭にはないが、注目はAged barrel stout beer。 「あと14ケースの残りしかない」というUnder Investigationはチョコレートとバーボンの甘み、スタウトタイプのビールのアンサンブル。比較的暖冬のミシガンだが、寒い夜にはもってこいだ。ビン入りで$18(22 oz.)を自宅で楽しめる。

 なお、ネットでCanton, beer と検索するとオハイオ州のブリューワリーが出ることもあるのでよく確認してから訪れていただこう

Canton Brew Works 

8521 N. Lilley Road, Canton MI 48187

http://www.cantonbrewworks.com

Cadillac Straits Brewing Company 

0

Madison Heights市 初のブリューワリー 

文&写真 by ヤマトノオロチ

Cadillac Straits Brewing Companyはここ数年にオープンしたミシガン州のブリューワリーとはビジネスのスタイルが異なっている。ビールやワインだけに特化し、缶等をストアーなどに流通させるマイクロ・ブリューワリーが多い中、このCadillac Straits Brewing Companyは店の床面積は小さいがフルキッチンを持っている。そして、店の右半分は先行してオープンしたホームブリューのサプライ店。いくつかの“歯車”をかみ合わせながら地元を大切にするビジネスを行っている

フロアースペースに限りがあること、メンバーシップを大切にすることをモットーとし、マグクラブの特典やディスカウント率は大きいが、メンバーマグは置かない主義。この敷地面積ながら地元主義なのは「デトロイト」の周辺地区、ということにこだわったからだ。オーナーは二人ともMadison Heights出身と住民。訪れた日はそのオーナーの一人ゴーディと話した。Cadillac Straitsという名は18世紀初めのフランスの探検家にちなんだ名前である。彼はブリューワリーの名前の由来についてこう考えている。「デトロイトはフランス語で“海峡”の意味。 St. Clair湖 と Erie湖を結ぶ海峡。ロゴのひし形は海峡としてのデトロイトを表し、この地域に人々が住み始めた地区ということを意味している。ロゴの中央の刀は探検家としてのCadillac、その人を象徴、波の造形は海峡、デトロイト川、そしてビールの原料の大麦を表している」

 クラフトビール、ワイン、サイダー、ノンアルコールのルートビール、そしてKombucha。今回はFlatbread pizzaもいただいたが、充実度は高い。特にオーストリアのホップを使ったAustralis(7.4%,

New England style IPA)は最近はやりのHazy beerの風味がする。Kombuchaは0.5%のアルコール。4ozのグラスに注がれたブラックベリー、ブルーベリー風味もいいし、見た目もキュート。ノンアルコールの飲み物のCream sodaは、「ミシガンのTrade showで気に入った」のでメニューに加えられている、グランド・ラピッズのソーダ会社のもの。天然のサトウキビ使用。いくつかのフレーバーがあるが、Orange cream sodaはJamaican ginger入りだが、とてもスイート。

 実はこのMadison Heightsはアジア系住民とは縁が深い。ベトナム系のコミュニティーがその中で突出している。州平均居住者率の10倍の1.9%がベトナム系。このブリューワリーが面しているJohn. R Streetにはアジア系の店が一角を占めたり、大きな中国系のスーパーマーケットも数マイルのところにあったりする。このブリューワリーも元は中華店、現在もお隣はタイレストランだ。「ここにオープンしたのは、利便の良さ。I-75とI-696のいずれからもアクセスしやすいのが決め手」という。「Electrical Engineerだが、MBAも取得してビジネスの手腕もある」とゴーディはホームブリュー経験が6年だが、店をオープンさせたことに自信をのぞかせる。To go(アルコール度8%未満ならgrawler$6, 容器$14)で家飲みに応えている。

 

Cadillac Straits Brewing Company

www. CadillacStraits.com
27651 John R. Street, Madison Heights, MI 48071

Two James Spirits – Detroit, MI

0

禁酒法以来、デトロイトで最初に認可された蒸留所。ウィスキーやジン、ラムなどを生産し、試飲ルームではカクテルも提供し、バーとして訪れる人も多い。新築の建物には出せない渋い雰囲気が魅力。

ホームページで「地域の活性化と物づくりの強化を目的に、地元産の農産物を利用し、環境に配慮した最高品質の手作りのスピリットのみを生産することに取り組んでいます」と謳っている。金曜日の夕方と週末にツアーも提供している。

ボトルの形やラベルがなかなか凝っている。Johnny Smoking Gun Whiskeyという名のラベルには“末広がり”という日本語が! 日本料理のうまみに合うように創ったのだそうだ。独自のアジアンブレンド茶を使用し、スモーキーさを個性にしている。

Two James Spirits – Detroit, MI

2445 Michigan Avenue Detroit, MI 48216

Cap’N’Cork – Macomb, MI

0

ブリューワリー隆盛のミシガンならではの挑戦

文&写真 by ヤマトノオロチ

ホームブリューサプライ店の奥にオープンしたタップル・ルーム。ここで1月から月に何回かはホームブリューのビールやワイン造りのノウハウのクラスが開かれる予定だ。

 「ホームブリュー業界はこのブリューワリー用品の店を引き継いだ7年前は最も栄えていたけれど、確実に売れ行きは減っている」。クラフトビールのブリューワリーが隆盛のミシガンで新たな挑戦を挑むのはCap’N’ CorkのAndy。もともと、ここはビールのブリュー用品やホップ、ワインやビールの醸造キット、容器、グラス等を販売する「ホームブリュー ストアー」だった。Andyは6年前に前のオーナーから店を引き継ぎ、2015年から3年かけて店の奥にタップルームを作る準備をしてきた。そして2019年8月に完成した。

 Clawsonの Black Lotus(去る10月に10余年の歴史を閉じた)、Sherwood  Breweryなどでブリューワーを務め、ホームブリューを加えると18年の経験を持つ。イリノイ州で150年の歴史を誇るSiebel Institute of Technologyでビール醸造を学んだ強者。このSiebelとは化学ラボからビール醸造の伝授、禁酒法が施行の前にはベーキング、炭酸飲料等のコースを増やした、現在イリノイ州公認の職業訓練の学校。設立者のDr. Siebelは1920年の禁酒法発効の27日に前に亡くなった、という。激動の禁酒法時代を乗り越えたSiebelで得たノウハウをミシガンのブリューワリーで生かし、今度はそれをホームブリューワーたちに広げようとしている。

 タップルームなのでバーではない。ここでAndyらのチームが醸造したビールやワインは店内で箱入りのキットとして販売されていて、いくつかのビールは缶入り(To go)でも買える。

常に12種類のビールを出すようにしており、12種類すべてFlight(4OZのグラスに好きなものだけを注文できること)にすると$20、という気軽さがいい。タップルームエリアの1970-80年代のアートワークにちなんで、Flightのサーバートレイは古いレコードに穴をあけたもの。Andy自身がレコードに穴をあけてみた、というからその姿を想像すると思わず笑いが漏れてしまった。タップルームに訪れた人たちはのどを潤し、店内のモルツやホップの話を聞きながら袋詰めで買い求めていく、という静かな雰囲気だ。

 新年早々の1月9日(木)の夕方には”Watch us Brew”という公開ブリューの実演がある。また、常時ゲームナイト、フードトラックの予定もある。ホームページには「自分だけのレシピを守りながら、材料のホップやモルツを仕入れるため」のオンラインオーダーフォームもある。

 ブリューパブではないが、このようなノウハウの伝授やもともとの材料を厳選する目をもったエクスパートがいるのはうれしい。ブリューする人たちの底辺を広げつつ、大きなコミュニティーを作る、そんな心意気がこのサプライストアーから窺えた。

Cap’N’Cork

http://capncorkhomebrew.com/
1776 21 Mile Road, Macomb, MI 48044

Cork&Gabel – Detroit, MI

Michigan Aveと16th streetのコーナー、セントラル駅ビルの前にあるレストランだ。

外観の古めかしさに反して、入り口を入った狭い空間は実にポップで彩りに溢れ、さらに店内に入るとシックな広々とした空間が広がっている。窓越しに、駅舎が見える。

古いランプや滑車など、この建物の歴史を伝える数々の装飾品が独特の雰囲気を創っている。(レポーターが訪れた日には)優しいウエイターが一つ一つの物の歴史を丁寧に説明してくれた。

アイルランド料理、イタリア料理、ドイツ料理が融合したレストランで、メニューや盛り付けにも凝っている。今春(2020年4月)、パティオエリアをオープンする予定。

Cork&Gabel – Detroit, MI

2415 Michigan Ave Detroit, Michigan

corkandgabel.com

 

Urbanrest Brewing Company – Ferndale, MI

0

Kombuchaとブリューワリーの両方が楽しめる

文&写真 by ヤマトノオロチ

令和への代替わりとなった今年。日本のビール界ではサッポロビールがソラチエースを凱旋発売するなど、新時代と懐古が織り交じる年になった。ミシガン州でもクラフトビールの人気は続いている。

 Oakland Countyを東西に横切るI-696と南北に走るWoodward Avenue。いずれもデトロイト南東部の大動脈。Ferndaleは自動車産業の興隆とともにベッドタウンとして急成長したが、産業の衰退により、街の再生化を図ってきた。Woodward Avenue と9Mile Rd.近辺にはいくつかのブリューワリーがあるのは、歩行者にやさしく、と街づくりの方向を転換したからだ。1月にオープン3年目に入るUrbanrest Brewing Co.はそのダウンタウンよりも少し住宅地寄りにある。

 洒落たCottage styleの懐古的な家々とそれを両脇から覆いかぶさるように聳えるオークの木々。路上に降り積もった枯葉が閑静な雰囲気を盛り立てる。その先に、Urbanrest Brewing Co.が見えてきた。古いレンガ造りの元は何かの製造工場だった建物は現在、オーガニックと環境にやさしいブリューワリーになっている。

 日本でも「紅茶キノコ」として知られ、数年前から人気のKombuchaはミシガン州の健康食品店だけではなく一般の食料品スーパーでも手軽に手に入る。ブリューマスターは数々の賞を受賞した実力派。そのユニークなビールだけではなく、co-ownerの作るKombuchaも出しているブリューワリーは珍しい。

「KombuchaはScobyから作るのよ。オーナーが自宅で作っていたものをここでも出すようになったの」と、サーバーは気軽に醸造タンクのところに連れて行ってくれた。見ると

ガラス瓶の中には異様な黒い物体が。「これがScobyよ」。Scobyとは種菌のこと。これにsweet teaを入れ発酵させる。菌が糖を食うと二酸化炭素が発生し、アルコールができる。「ほんのわずかのアルコール分だけれど、21歳以下(ミシガン州の飲酒可能年齢)以下には出さない」という。やはり果実の味がついているよりもストレートがいいと思い、Straight up Booch (0.5%)を飲んでみた。見た目はりんご酢のような色合いで酸味も感じたが、それよりもずっとすっきりしている。飲んだ瞬間、カラダにいい、と思えるほどのすっきりさだ。

 「Imperial Pale Aleだけれども、hazy(かすみのある深く明るい黄金色)なFog Hat(6.9%)はIPAと同じ」もよかった。サンクスギビングに合わせてリリースしたバーボンバレル仕込みビールのPrince Junior (8.0%)も話題だ。もちろん飲まない人にも優しい。

Cherry Limeade Sodaは自家製のノンアルコール。グラスといい、色合いといいおしゃれ。ほんわりとする香りもいい。開放的なフロアーは若い客層も多く、活気がある。それでいて、何となく落ち着きのあるのは、さりげなく窓辺やテーブルに飾られた花やトポスが優しさを演出しているのかもしれない。BYOF(Bring Your Own Food)で持ち込み可。フードトラックも来る。Growlerでリフィルもできる。ファミリーも楽しめる健康的なブリューワリーだ。

Urbanrest Brewing Company

2615 Wolcott St, Ferndale, MI 48220

https://www.urbanrest.com/

Al Mar Orchard – Flushing, MI

0

ミシガンの田園地帯にある全米クラスのオーガニック果樹園

文&写真 by ヤマトノオロチ

紅葉が一段と進み、冬の気配を感じる秋の終わり。夏を懐かしみ、秋の豊穣を祝いながら、あちらこちらのサイダーミルを訪れた人も多いだろう。Flushingはミシガン南東部より少し北、Flintの西、農業を主とする小さな町だ。ここにあるAl Mar Orchardはスーパーや健康食品の専門の店でよく見かけるハードサイダーを作っている。

1885年から続く家庭経営のこのサイダーミルは、農業地帯の真ん中にぽつんとある。幸い、建物は比較的大きいBeecher Roadからも見えるので、だだっ広い農業地帯であっても、見失わずに着いた。平屋のかなりクラシックな建物だったので、これがあのハードサイダーの醸造所かと思うほどだ。看板もいたって質素で、300エーカーの果樹園はアメリカでも最大級とは思えないほど素朴。

ここではオーガニックのりんごを育て、サイダーへと仕込む。ベストセラーはJK’s Scrumpy。

Scrumpyとは、古い英語の言葉で、農家のサイダーと言う意味がある。添加物は一切加えず、自然にりんごだけで作り発酵させているという。まろやかな黄金色のこのハードサイダーは甘いと言うよりも深くすっきりしている。以前、Flint近くのブリューワリーをこのコーナーで紹介したときに、そのブリューワリーにもあったサイダーだ。それが健康食品専門の店でも売っていたことに後日驚いた。この農園で育ったオーガニックのりんご園から作ったので、正真正銘のオーガニックサイダー。

 

 次に人気があるのは、Northern Neighbor。Al Marのりんごにカナダ・サスカチュワン産のベリーの実とあわせて作った。酸味も加わった、カナダとミシガンのコラボを楽しみたい気分だ。

Al Marのミルは建物の中も素朴。収穫したりんごを分別する場所からは独特のりんごが発酵する香りが漂う。ここではサイダーのほかにウイスキーも造っており、それぞれテイスティングをしてから購入できる。年季の入ったサーバースタンドにはずらりとノブが並んでいる。ここでは試飲と販売のみで、ここのサイダーですらグラスで飲むことはできない。人気のハードサイダーの醸造所、と言うよりも本当にこのサイダーを求めてやって来る人のためにあるような場所だ。それでも日曜日に訪れたせいか、客足は途絶えることはなかった。12オンスの缶入り、16オンスの瓶入り、32オンスのGlowerer入りと、さまざまな容量で買い求めることができる。実はここのサイダーは北はアラスカから西はニューメキシコまで流通しており、全米級のハードサイダーなのである。

FlushingはFlintの西にあり、US 23やI-75からも少し遠いところにある。しかも、未舗装の道路になり、決して足を運びやすいとはいえない。FrankenmuthやアウトレットモールがあるBirch Runが比較的近いと言えるが、サーバーノブから注がれるサイダーを自分の舌で確かめてから買いたい、というこだわりがある人や、商業色が強いサイダーミルより違った雰囲気を味わいたい人にはいいかもしれない。

もう一つこのサイダーミルでお勧めのものがある。紙袋入りの新鮮なりんごだ。中でも食感と酸味と甘みが混ざったCrimson Crispがよかった。これを使ったサイダーCo-op 39(この名前はりんごのライセンス番号)は、白いラベルの後ろに広がるピンクのボディーがどこにもないような色合いだ。

Al Mar Orchard

1431 Duffield Rd Flushing, MI 48433
Tel: (810) 659-6568
Website: www.almar-orchards.com

DETROIT SHIPPING CO. – Detroit, MI

昨今話題を集めている郵送用コンテナを再利用した食とイベントの施設

 

郵送用コンテナを再利用した施設が増えているが、Detroit Shipping Companyはフードコートのような集合レストラン型のビアガーデンで、デトロイトのダウンタウンLittle Ceasars Arenaの数ブロック北西に生まれ、話題と人気を集めている。外装も内装もコンテナを生かした2階建て。21個のコンテナが使われているという。相席スタイルの長いテーブルが屋内と屋外(屋根は無いが施設内)に並ぶ、いたって飾り気のないスペースだが、なかなか洒落ている。

施設としては、6つのフード店舗と、2つのバー、そして野外にはステージ、2階にはギャラリーにも利用されている通路や広めのオープンスペースがある。屋外スペースは犬同伴もOK。ビアガーデンではあるが、酒の伴や仲間とシェアするのに向いたメニューを提供しているレストランが多く、気楽な雰囲気は子供連れにも人気。

現在開業しているのは以下、1階に4つのフード店と、2階にコーヒー&アイスクリームの店。本店のストリートフード版、スタートアップビジネス(起業・試み)の場としてユニークなスタイルやメニューがみられる。席の予約は受け付けない。プライベートのパーティーなど施設利用が予約により可能。

Brujo Tacos & Tapas

独創的なタコスや、スペインから輸入した珍味など。Tapasはスペインのバーなどで供する小皿料理のこと。いくつものメニューにデトロイトで水栽培した新鮮なエンドウ豆の芽を使っている。

Bangkok 96 Street Food

Bangkok 96の姉妹店。メコン川を旅するバックパッカーが食べたり、バンコックの路上で売っているような食べ物を提供し、タイレストランのメニューとは違うとのこと。

COOP CARIBBEAN CHICKEN

カリビアン風、フュージョン料理。地産の材料を多く取り入れている。24時間マリネ―ドしたチキンが売り。

MOMO CHA

モモチャ?日本のお茶屋?と思いきや、自家製ネパールのダンプリンやスナックを提供してる。ダンプリンの見た目は餃子のよう。調理法として焼き/揚げ/蒸しから選択、具として牛/豚肉/ベジタリアン/ビーガンから選択してオーダーする。ゴマ醤油のタレ、ローストトマトの入った特製タレのチョイスもある。DAL BHATというネパール伝統の豆(レンタル)入りカレーもある。

-320 COFFEE & CREAMERY

目の前で作る濃厚でクリーミーなアイスクリームが大人にも子供にも人気。秘密はマイナス320℉の液体窒素で瞬時にフリーズする工法。ストロベーリー&バジル、フレッシュミント&チョコチップなど、オーガニックな材料にこだわっている。ストロベーリー&バジル味など、ものによってはビーガン(卵・乳製品等の動物性食品を含まない)でのオーダーが可能。

DETROIT SHIPPING COMPANY

474 Peterboro Street Detroit, MI 48201

www.detroitshippingcompany.com

建物の後ろに無料駐車スペース有り。隣に別運営の有料バレットパーキングがあり、金曜と土曜のみ提供。

 

歴史と今が交差する「ならまち」

0

 「令和初」の日本の夏。2020東京オリンピック、パラリンピックもいよいよカウントダウン。超大型の台風10号が西日本を横断しお盆を直撃。日本の暑い夏がますます熱くなっていたときに、奈良を訪れた。

「ならまち」はJR奈良駅を東へ進んだところ、平城宮の外京にあたる。大戦の空襲を受けず、古きたたずまいが残る地区でもある。典型的な観光地、というよりも古の都の風情に触れながら地元の人の生活と訪れた人が交差できる町だ。古民家などを改修して、民泊や飲食店を開業しているところも多い。投宿した「はる家 ならまち」もその一つ。旧庄屋の母屋の「通り庭」という玄関から坪庭まで伸びる通路の空間を受付や井戸水を一服できる簡易台所、共有スペースとして利用し、大小10の和室の宿泊部屋と土蔵はドミトリータイプだ。いわゆる「ウナギの寝床」のように奥行きのあるこの「はる家」はおよそ120年前に建てられた。利用者の90%は海外から。床の間べりに腰を掛けられる空間は、すでに歴史的な建物の多くを失ってしまった中国からの旅行者にとっては「この場所は何をするため?」と不思議がる空間だそうだ。茶箱を縦に置いたように一段一段が大きい箱階段も限られたスペースを有効に使おうとした先人の知恵。一足進めるごとにきしむ床は足裏の感覚をもはや忘れ、西洋式の生活に慣れ切った心をはっとさせる。片引き戸を開けると、一夜を過ごす和室。その和室の窓から下を覗くと「火袋」と呼ばれる吹き抜け。四季の気温に応じて風の通りを工夫した独特の作りだ。食事の提供はないがスタッフのホスピタリティーは抜群。界隈のお勧めのお食事処等の情報を丁寧に教えてくれる。 散策も楽しい。一般の住宅の軒下にも赤い「身代わり申(さる)」が下がっている。「はる家」から5分ほど坂を上がっていくとほんのちょっとのジグザグ道、古代びとが通った街道の名残がある。千年以上も前から人々はこの曲がり角を往来してきたのか。さらに「ならまち」にある世界遺産の「元興寺(がんごうじ)」もすぐそこだ。飛鳥から奈良に遷都した際、法興寺もここに移転し、718年に建てられた大伽藍の一部が残る名所。本堂隣の地蔵群から本堂の屋根を振り返る。赤と青に見える瓦が飛鳥時代のものだという。

 前述「はる家」からの紹介で、15分ほど歩いたところにある「なら麦酒 ならまち醸造所」も訪れた。奈良市内初のブリューワリーで2017年開業。建物自体はお米屋さんを改装。
「ならまち」全体の雰囲気に合わせようと、格子窓。内部は白が基調で、すっきりしている。

200Lの醸造タンクはいつもフル稼働。玄(くろ)、白(はく)、ならまちエールがこの日のラインナップ。やはりミシガン産のものと比べてみたいと思い、American Pale Aleのならまちエール (AVB. 6.0%) をいただいた。Cascade hopを使っているが、特産の大和ほうじ茶も加えている。フルーティーでほんのりしたほうじ茶の香りが特徴。どのような方法でほうじ茶を用いているのかは製造上の秘密だが、日中は34度ほどの奈良の街を歩き回った後の至宝の一杯。フードメニューにもある奈良名物の「柿の葉寿司」とのペアリングもいいだろう。 東大寺や法隆寺と見どころが多い奈良。最も注目を集めるのは平成21年からの「平成の解体修理」が来年2020年に終了する薬師寺東塔。修理が始まった時、令和の時代になることをだれが予想できたであろうか。水煙の飛天たちが奈良の空を舞う姿を想像し、楽人の奏でる天上の音楽が響くのはもうすぐだ。

「はる家 ならまち」 https://yado-haruya.com/naramachi
「なら麦酒 ならまち醸造所」 http://narabeer.jp/