Sunday, July 21, 2024

アジア月間の5月にデトロイト美術館でアジアイベント

アメリカでは5月はAsian Pacific American Heritage Month:アジア系アメリカ人月間となっている。5月18日と19日の週末、アジア月間を祝う文化紹介とパフォーマンスショーがデトロイト美術館のサポートグループの一つであるFriends of Asian Arts and Culturesの協力によって催された。

 同館が誇る大広間、リベラコートを会場にして2時間半にわたって繰り広げられたプログラムには、インドネシアや中国、台湾、韓国、フィリピン、タイ、ベトナム、インド、ポリネシアンなどの踊り、モンゴルや日本の楽器演奏、さらに、中国のマジック、タイチなど武道のパフォーマンスが組まれた。それぞれの衣装や音楽、楽器に独自の民族色が溢れ、カラフルかつバラエティー溢れるステージが生まれていた。

 多数の観客が訪れ、アジアの伝統のユニークさに触れ、パフォーマンス後には称賛の言葉が飛び交い、美しい民族衣装を纏ったパフォーマーたちと記念撮影をしている多くの人の姿が見られた。パフォーマー同志も写真を撮り合ったり称賛の声をかけあったり、楽器や民族衣装について質問するなど、国の違いを超えた交流の場になっていた。

 日本のパフォーマンスを行なったのはSakura Japanese Performance Group という篠笛や琴、和太鼓など和楽器を中心に演奏活動をしているグループで、今回は日本の民俗芸能である獅子舞と琴と笛による雅やかな曲や、担ぎスタイルの太鼓と篠笛による軽快な現代創作曲などを披露。獅子舞の練り歩きが家族連れなど大勢の観客に大いにウケていた。問い合せなどは以下へ。

sakuraperformancegroup@gmail.com

 2日目のプログラムには、当地のアジア系文化教育団体であるCAPAが5月11日に開催した音楽と踊りの祭典のバトル部門で一位を獲得した中国系の女の子たちのダンスグループも登場し、伝統と現代的な要素を合わせた新鮮かつ美しい舞踊で場を盛り上げた。

 来年の顔触れと演目が今から楽しみである。

DIAではビジュアルアートに限らず、様々な文化イベント、ワークショップを多数開催している。www.dia.orgで情報入手し、この素晴らしい施設を利用したい。

デトロイト美術館で ひな祭り IMAGINE JAPAN

 3月の2日(土)と3日(日)、デトロイト美術館(以下DIA)の恒例イベントとなった日本のひな祭りイベントが開催された。DIA、JBSD(デトロイト日本商工会)/JCD(日本文化開発)、在デトロイト日本国総領事館の共催によって企画をしているプログラムで、JSDウィメンズクラブや当地で日本の芸能や文化をたしなむ人々の協力を得て、ひな祭り関連に限らず、広く日本の伝統文化を紹介している。JCD(日本文化開発)は、財政破綻したデトロイト市そしてDIAを救済する“グランド・バーゲン”への寄付を通してその再生に貢献しており、日米間の友好促進のためにJBSD(デトロイト日本商工会)の一部として組織され、主に日本両国を文化、芸術、教育分野で結ぶ活動に携わっている。

エントランスホール:Great Hallには、七段飾りの豪華な雛壇が畳の上に飾られたほか、数多くの生け花が展示され、ひな祭り気分と春の香りを届けた。福引き「ガラポン」、緑茶の試飲、書道実演、日本昔話の読み聞かせなど、終日にぎわいを見せた。急須を用いて煎茶(緑茶)に湯を注ぐ煎茶道の実演披露に、日本人も高い関心を寄せていた。

 エントランスホールの奥、巨大なフレスコ画壁画に囲まれた荘厳なスペース「リベラ・コート」には特設ステージが設えられ、書道実演、茶の湯実演、琴の演奏とワークショップ、ファッションショーなど、盛りだくさんなプログラムが順次行なわれた。

 琴の演奏はニューヨークを活動の拠点としている石榑雅代さんが披露。石榑さんは琴と三味線のプロ奏者として25年以上の経験があり、米国内、日本や世界各国で演奏活動を意欲的に行なっている。長年にわたり米国における日本文化の紹介に尽力にし、日米間の相互理解及び友好親善促進に貢献した功績により、2016年に在外公館長表彰を受賞している。News week 紙「世界が尊敬する日本人100人」(2017年)に選ばれた経歴もある。DIAでの演奏公演は2度目。前回は昨年11月のアジアギャラリーのオープニング記念イベントで、アジア諸国の伝統音楽奏者らとコラボ演奏を行なった。今回はこのひな祭りイベントの他、3月1日(金)にDIAのプログラム「Friday Night Live」に2回にわたって出演した。見事な弦捌きと素晴らしい音色が来場者を魅了。コロンビア大学で邦楽クラスを受け持つ他、各地で指導にあたっているだけあり、ユーモラスなトークを交えた分かりやすい解説も好評を得た。また、当地の琴奏者である大光晴美さんととのコラボ演奏やワークショップも行なわれた。

 書道の公演は当地で活躍している書家である藤井京子さんが披露。これまでのひな祭りでもダイナミックな書のパフォーマンスを見せてくれた藤井さんが今回は平和を願った曲「イマジン」の音楽とともに、墨で地球の絵、「雛祭りにて世界の平和を願う」の言葉と、そして“愛”と“Love”の文字を2枚の身の丈以上の大きな紙に描いた。涙があふれたという声も寄せられたほど、観客の心を打つパフォーマンスであった。藤井さんはホールの書道ブースでは写経を実演披露。多くの質問ににこやかに対応していた。

茶道の実演は、裏千家鍋田社中、表千家コーラー社中の流派合同によるメンバーがお点前を行なった。様々な施設やイベントで文化紹介のために多数の実演をこなしているだけに、水場も無い即席の茶席ながらも、落ち着きと余裕があり、優雅な時を提供した。解説者が作法の説明に留まらず、茶道具や掛け軸に関わる日本の美意識や‟おもてなし”の考え方についても解説が添えられた。

 今回の“IMAGINE JAPAN”をテーマにした同イベントに日本から招かれ、和洋の音楽をダイナミックに届けたのは、名古屋を拠点に活動している“ネオジャパネスク”というバンド。DIA内の劇場DETROIT FILM THEATREで両日、1時間半に及ぶ演奏を行なった。ネオジャパネスクは、日本の伝統楽器である和太鼓、篠笛、尺八と、西洋のドラム、ベースギター、キーボードでオリジナル曲を中心に演奏。日本の美しい情景や四季の美しさを表現し、古代から続く人々の暮らしや文化を伝えようとする彼らの音楽は、時に静寂を生み出し、時にパワフルな音とエネルギーで会場を満たした。モータウン博物館などを訪れてエネルギーを得、人々の温かさに触れ、「デトロイトが大好きになった」という彼ら。彼らの好印象が日本や世界の人々に伝達されることを期待したい。

 日曜日の終了間近に、1回限りのそしてひな祭り2019の最後を飾るプログラムとしてファッションショーが催された。日本的な創作衣装に興味を寄せ、制作している当地在住の人たちによって、数々の工夫に富んだコスチュームが披露された。着物や忍者装束などを元にデザインを起こし、アメリカで入手できる生地やレースなどを使って創作しているとのこと。子どものファッションモデルも大勢混じり、賑やかなショーになった。

 別会場で和菓子作りのワークショップも開かれ、参加者は、どら焼きを作る機会を得た。長い行列ができるほど、大好評を得ていた。

 米人来訪者からは、当地で日本文化の展示だけでなく、実演を見たり体験したりできる喜びの声が多数寄せられた。架け橋になろうと、時間とタレントを提供している人々による文化紹介を通して、交流と異文化理解が図られていることを実感するイベントであった。

デトロイト日本商工会 会員総会・JBSD基金総会・新年会開催

新年会に 歌手 杉山清貴さんを迎え、盛大に

1月27日、JBSD(デトロイト日本商工会)の新年会がノバイ市にあるバンケット会場Suburban Collection Showplaceで催された。恒例の特別余興イベントには多数のヒット曲を生み出している杉山清貴さんを迎え、JBSD会員や地元団体の代表者などアメリカの招待ゲストを含めて580名が一堂に会する盛大な集まりとなった。

午前中に行われたJBSD総会で任期満了となった藤田佳幸氏に代わって2019 年度の会長に選任された Toyota Motor North America, Incの安井慎一氏が挨拶にあがり、展望を述べ協力を仰いだ。続いて、来賓である中川総領事よりJBSDの発展を期する言葉が述べられた。また、Michigan Economic Development CorporationのPresident & CEOのメイソン氏より、JBSDと日本企業の当地における貢献に対する謝意と、ミシガン/米国と日本との友好がさらに深まるようにとの祈念の言葉が述べられた。

食事後には余興イベントとして、杉山清貴さんが約1時間にわたってギターを奏でながら歌の数々を届けた。選曲はJBSD側の希望に合わせたとのことで、「サイレンスがいっぱい」でスタートし、トークを交えながら、JALのキャンペーンソングおよびミノルタのCMソングにも起用された「最後のHoly Night」などのヒット曲を素晴らしい歌声と華麗なギターさばきで次々に披露した。会場からは「杉山さ~~ん!」の黄色い声がかかり、「嬉しいですね」と杉山さんが笑顔で応じるシーンもあった。今年還暦を迎えるという杉山さんは「40代、50代の人々にはぴったりな世代なのでしょうね」、「このような機会をいただいて嬉しい」と話し、ラストにソロ歌手としてのデビュー曲「さよならのオーシャン」を会場の人々の手拍子と共に熱唱した。熱いアンコールに応えて再登場し、「ふたりの夏物語」で幕を閉じた。演奏を楽しんだ人々からは、「あの曲の頃は自分は高校生で、大ファンでした」「私はアメリカ・・・」「あの頃に戻って若返った気分」との述懐や喜びの言葉が飛び交い、声やメロディーへの称賛がアメリカ人からも多数届いた。

新年を祝う催しに相応しい穏やかさと華やかさに溢れたイベントであった。

新年会の前にはJBSD通常会員総会とJBSD基金総会が開催され、前年度の活動報告、収支報告に続き、2019年度の常任委員が選任され、各担当者より活動方針や予算が報告された。JBSDは商工会であるが、会員企業の事業発展のみならず、日米両国間の相互理解・親睦の促進、地域貢献に繋がる幅広い事業活動を行っている。2018年度には、商工部会による「自動車セミナー」「税務セミナー」など計14のセミナー、文化部会と他団体との共催による「雛祭り、Japan Cultural Development日本文化紹介(於: デトロイト美術館)」「写生大会」や「日本祭り、スポーツ部会によるボウリングやマラソン、ゴルフ、ソフトボール大会など多数の企画、さらに、青年委員会は「蚤の市」や各種バスツアーをはじめとする8件のイベントを提供した。

2 0 1 8 年度の会長を務めた藤田氏より、JBSDの活動に対する会員そして常任委員、ボランティアの方々の支援に対するお礼が述べられたが、多く人々の貢献によって様々な催しが実施されている。

J B S D の活動やイベントの詳細はhttp://www.jbsd.orgで。JBSDには法人や事業者でなくとも、日本人コミュニティに寄与または援助する人は個人会員として入会が可能。

人気のアメリカ国立公園 イエローストーン・ナショナルパーク

今回はアメリカの国立公園の中から、イエローストーンを紹介。

さまざまなアメリカの国立公園人気ランキングで上位にくいこむが、U.S. Newsが発表した国立公園ランキング“20 Best National Parks in the World”で一位を獲得している。アメリカには(アメリカ領を含めて)60の国立公園があり、年間2億人以上の観光客が訪れるという。U.S. Newsはこの人気ランクを決定するにあたり、旅行の専門家と最近の訪問者の両方の意見を考慮に入れたとのこと。

ちなみに、日本のとある旅行サイトではグランドキャニオン国立公園が1位、イエローストーンは7位。色々な絶景が楽しめるという理由などで景観面ではかなり高得点だが、アクセス面でのポイントが低く、総合点を下げている。また、主観の入らない訪問者数としては、グレート・スモーキー山脈国立公園(Great Smoky Mountains National Park)が例年トップ。イーストコーストには数少ない国立公園であり、弊紙(2018年12月号)で紹介したGatlinburg(ギャトリンバーグ)という行楽地要素もある麓町が北側の入り口に在り、利便性の高さや気軽なドライブを楽しめることが訪問者の多さにつながっているのであろう。直近(2017年)のナショナルパークサービス(NPS)集計による訪問者数のランキングでは、イエローストーンは6位。都市部や他の観光地からかなり離れているにも拘らずこの順位というのは、かなりの奮闘ぶり。その自然の特異さと美しさのゆえといえそうだ。

今から140年以上も昔、1872年に大統領ユリシーズ・S・グラントが署名し法的な公園となり、アメリカのナショナルパークの第一号となった。世界で初めての国立公園でもあった。

ナショナルパークに指定されたものの、当初は管理は無いに等しく、動物の密猟や、まだそれほど多くはなかった観光客による破壊などが発生していた。その後、セオドア・ルーズベルトが歴代大統領として初めて、アメリカ西部の国立公園視察を行ない、自然保護と国民による自然景観の共有が必要と判断。道路や宿泊施設の整備などに予算をつけるようになり、現在の姿がある。

イエローストーン・ナショナルパークはその自然系の豊かさと、地学的なユニークさが特徴。火山活動の活発な地域で、最もよく知られているのはアメリカの他の公園ではあまり見られ無い“Old Faithful Geyser”に代表されるガイザー(間欠泉)や煮えたぎる泥の池。これらは日本の別府にもあるが、間欠泉の規模も数もはるかに多い。自然が生み出す躍動やカラフルな景観を楽しむことができる。四国の約半分という広大な公園内には、渓谷もあり、湿地帯もあり、山、湖、滝、と、さまざまな自然の地形がある。そのほとんどはワイオミング州だが、モンタナ州とアイダホ州にもまたがっている。

イエローストーンという名前は、イエローストーン川が流れる大渓谷の絶壁の岩の色が黄色いことに由来している。また、平原や谷、湿地帯は植物が豊かで、バイソンやエルク、熊、狼などの野生動物も多く生息している。

イエローストーン・ナショナルパークは大きく5つのエリアに分けられる。

  • 1)ガイザー・カントリー: Old Faithfulを中心とするエリア
  • 2)マンモス・カントリー: Mommoth HotSprings周辺エリア☆北ゲート近くに
    温泉が流れ込む川がある。天然・露天。
  • 3)キャニオン・カントリー: イエローストーン大渓谷のあるエリア
  • 4)ルーズベルト・カントリー: ラマー・バレーを中心とするエリア ☆動物が多い。
  • 5)レイク・カントリー: Yellowstone Lakeを中心とするエリア

一日ですべての観光スポットを見て回るのは至難の業。最低でも二日は欲しいところ。ポピュラーな観光ポイント以外のハイキングをしたり、野生動物ウォッチングをするには、三日あっても足りない。
最も有名な間欠泉Old Faithfulの名はFaithful=忠実に一定周期で水蒸気や熱湯を噴出するので付けられたそうだが、60分前後から90分前後と幅がある。
噴出の長さと規模により次の噴出時刻をある程度予測ができ、看板に表示してある。ランチやスナックを食べながら待っている人を多く見かけた。最大の噴出をする間欠泉は、これでは無く、噴出時間と噴出間隔の予測が難しいスチームボート・ガイザー。何年も噴出しなかったこともある一方、昨年(2018年)は30回を超え、5 4年前の記録を更新し過去最大になったことがニュースになった。3月15日と4 月1 9 日に、それぞれ約9 1 メートルの高さの噴出を記録したとのこと。NorrisGeyser Basin Museumからのハイキングコースで近くまで行くことができる。

必見すべきは、なんともカラフルなグランド・プリズマティック・スプリング。周囲の緑・黄・赤などの色は、湖に生息するバクテリアによって作り出される。中心部は高温の為バクテリアが生息できず、透明度の高い青色になっている。

主な観光スポットへはパーキングから歩道や木道が整っていて歩きやすい。アクセスと宿泊
公園には東西南北5箇所にあるゲートからアクセス出来るが、北ゲート以外は晩秋から春まで閉鎖するので要注意。日本からのツアーでは日本からの直行便が飛んでいるソルトレイク・シティーに入り、観光バスで、南に隣接するグランドティートン国立公園も巡る行程になって
いるものが多い。デトロイトからも直行便が飛んでいる。ソルトレイク・シティーからイエローストーン公園までは5,6時間はかかる。最寄の空港は西ゲートの近くにあるウエスト・イエローストーン空港だが、直行便は無く、通常かなり割高になる。公園外の宿泊施設が多く、観光ビジネス拠点でもあるのがウエスト・イエローストーンで、車が渋滞しやすい方面でも
ある。グランドティートン国立公園の南にあるJackson Holeの空港から南ゲートまでは1時半ほど。

園内の宿泊施設は9つのロッジに二千室以上あるが、夏場の予約は早めでないと難しい。キャンプ場もしかりだが、予約を取らない、早く着いた者勝ちFirstcome, first-served campgroundsのキャンプサイトが数カ所ある。レポーターは8月中旬に予約無しで訪れ、10時ごろには便利な地区のキャンプ場は満杯であったが、空きの多いキャンプ場もあり、確保できた。便利な地区いうのは、イエローストーン公園の観光ポイントは数字の8の字のような二つのループ状の道路沿いに点在しているが、それを効率良く回るためや、売店やレストランへのアクセスの良い所。中心寄り(8の重なり部分の西側)のCanyon Villageや、北側のMommoth Hot Springs周辺が人気が高い。Yellowstone Lakeの湖畔も滞在場所として好まれる。オンタイムの空き状況をサイトでチェックすることができる。携帯・WiFiが使えないエリアも多く、検索できなくなる可能性があるので要注意。

宿泊情報は別サイトになるが、アメリカ国立公園のホームページwww.nps.govから進める。

夏が観光のメインシーズンだが、冬季も2件のロッジはオープン。雪上ハイキングなど冬ならではの楽しみがある。

西暦2019年 平成31年を迎えて

在デトロイト日本国総領事館
中川 勉 総領事

JAPANニュース倶楽部読者の皆様、明けましておめでとうございます。

 皆様にとって、昨年はどのような一年でしたでしょうか。私は、昨年11月初めに在デトロイト総領事館に着任をし、やっと当地の気候にも慣れてきたところです。本年は皆様と何ができるだろうかと、様々な思いを巡らせているところでもあります。

 昨年一年間を振り返りますと、デトロイト総領事館が管轄するミシガン・オハイオ両州において、様々な草の根交流が行われた一年でした。そのいくつかをご紹介したいと思います。

 昨年、滋賀県とミシガン州の姉妹州県関係が50周年を迎えました。50周年関連行事は、三日月・滋賀県知事をはじめとした使節団の皆様にミシガンにお越しいただき、スナイダー・ミシガン州知事と共に、両州県間の長年の友情を祝うことができました。三日月知事には、台風で大変な状況下ミシガンにお越しいただき、皆様と共に記念すべき年を祝えたことに対し、改めて感謝の意を示したいと思います。三日月知事とスナイダー知事が合作した「湖」の書は海を渡り、アナーバー図書館で「SYODO展」が開催されました。作品は、50年前に両州県を結んだきっかけに思いを巡らせ、50年にわたって両州県の人々が培ってきた絆の強さを表すような、大変力強い書でした。さらに、長浜市からは冨田人形が、マイアーガーデンには信楽焼を始めとした美術品が持ち込まれるなど、両州県の交流は人々の交流を越え、文化交流に及びます。当地の至る所で、日米の互いの文化を分かち合い、互いに楽しむ人々の姿を見られるのはとても喜ばしいことです。1976年以降、両州県が派遣と受け入れを交互に続けてきた友好使節団の中には、親と子の二世代でプログラムに参加された方もおり、長年にわたる友情と、それを支えてきた皆様のご尽力に改めて感謝を申し上げたいと思います。

 オハイオ州では、昨年8月に、埼玉県川口市とフィンドレー市が友好都市関係を結びました。フィンドレーの多くの方に二都市間の友情を知ってもらい、また親しみを持って欲しいとの両市の願いから、川口市から「友」の記念碑が贈られ、リバーサイドパークに設置されました。同公園での式典には、両市長をはじめ、これまで友好都市締結のためにご尽力されてきた大学関係者、日系企業の皆様にも参加をいただきました。また、フィンドレーでの生活を始めたばかりの埼玉県・オハイオ州のプログラム参加者である日本人留学生も参加した記念碑除幕式では、最後に出席者全員が輪になり、二都市間の交流拡大の願いをこめて、フィンドレーの空に向けて風船が手離されました。この友好都市協定の締結により、フィンドレー市での新たな日本語教育プログラムが設置されるに至ったと伺っております。「産官学連携」を合言葉に、これからも文化を通じた相互理解促進の取り組みと、さらなる人的交流活動の発展に、当館からも大きなエールを送りたいと思います。

 本年は、平成から次の時代へと転換の時を迎えます。皆様と共に、新たな時代を築きながら、時代の変遷に立ちあえることをとても喜ばしく思います。今年はラグビーのワールドカップがありますが、来年にはいよいよ東京オリンピック、パラリンピックが控えております。さらに、2025年の大阪万博開催も決定し、大イベントが続きます。米国の「ハートランド」であるミシガン・オハイオ州は、地理的に米国の中心であるだけでなく、政治・経済の震源地としての重要性は今後ますます高まっていくだろうと考えております。新たな時代を盛り上げていくべく、当館としましても、これまで以上に日本の魅力を発信できるよう努めて参りますので、引き続きのご支援、ご協力をよろしくお願いしたいと思います。

末筆ながら、今年一年の皆様のご健勝とご多幸を心より祈念し、新年のご挨拶とさせていただきます。

平成31年1月
在デトロイト日本国総領事館

総領事 中川 勉

デトロイトりんご会補習授業校 宮本正彦校長先生

新年あけましておめでとうございます。

 皆様におかれましては、初春をつつがなく、お迎えられたこととお喜び申し上げます。

 本校は1973年に当地在住の日本人駐在員の方々が集まり、子供達のために自主的に開設したのが始まりで、本年度で創立45周年を迎えました。創立から約45年間、多くの園児、児童生徒が本校で学び、確実に力をつけ成長することができました。こうした学習環境の充実の背景にはデトロイト日本商工会、在デトロイト日本領事館の支援をはじめ、非営利団体である「りんご会」の多大なるご支援と各関係機関による多くのボランティア活動の力が基盤となっています。

 さて私事ではありますが、私は今年度で教職40年目を迎えることとなりました。毎年、多くの子どもたちと関わり、数えきれないほどの思い出や忘れることのできない場面がたくさんあります。そして、卒業後、今でも連絡を取り合っている教え子たちがたくさんいます。教え子の成長を語り、振り返ることができる喜びは教師という職の最大の魅力と思っています。

 クラス会をやると、小学校の面影がまだ残っている教え子もいれば、全くそうでない子もいます。数十年前に私が捉えていたその子の性格や印象が今でもほぼ一致している子もいれば、予想外の成長や変化のある子もいます。

 そうした中で今でも連絡を取り合っている教え子について、紹介をさせていただきます。

20年ぶりの再会    

 この度、私がデトロイトりんご会補習授業校へ着任する過程では、文部科学省や外務省の管轄として実施された多くの研修会がありました。その時、外務省の資料を調べていると記憶にある女性の名前を見つけました。その人は私が初めて教師になった時に学級担任として小学校4年生から6年生の3年間、受け持った子どもでした。明るく、責任感があり、どんなことにも最後まで力を抜かずにやり遂げる子どもでした。彼女とは彼女の結婚式以来、連絡をとることはなかったのですが、この機会に再び連絡を取り合うようになりました。今は外務省の重要な職務を遂行しながら、世界中を飛びまわる外交官として、一人の母親として、忙しくも充実した日々を送っています。ニューヨークの勤務やカナダ(オタワ)の大使館でも勤務の経験があり、今となってとても身近な存在となりました。私が帰国したら、日程を調整して再会の約束をしました。

自己実現に向けた努力と成果 そして、熱い思い

 運動能力が高く、特にサッカーに関しては優れた技能をもち、将来の夢を追い続ける男の子がいました。私もサッカーが好きで、その子には小学校の1年生の時から6年間、サッカーを指導してきました。その子が最初に追い続けた夢(目標)は、全国高校サッカー選手権に出場して全国制覇をすることでした。私は小学校卒業後も彼と連絡を取り合いながら見守っていきました。1991年、彼は東京都のサッカー名門校のキャプテンとなり、東京都代表として全国大会に出場し、見事に全国制覇を実現しました。その後もJリーグの選手として活躍し、今はその母校であるサッカー名門校の監督として、全国制覇を目指しています。今でも彼とサッカーの話をすると、昔と同じように熱く語ります。目を輝かせ、熱く語る姿は30年前の姿と変わっていません。私は彼がその名門校の監督として、全国制覇することを今から楽しみにしながら応援をしています。

私の教育観を根底から変えた男の子

 私が2度目の小学校1年生の担任をした時、発達に障害のある男の子を受け持ちました。授業が始まるとその子は椅子に座っていることができなくなるため、その子の母親も一緒に教室に入っていただき一緒に学習を進めていきました。その子は急に教室から飛び出し、私は何度も全力で追いかけたことがありました。私と母親は何度も何度も話し合いました。そのうち、その子が教室から飛び出しても、ある決まったコースを回ってきたら、必ず教室に笑顔で戻って来ることがわかりました。そんな様子を観ながら、母親は多くの辛い胸の内について涙を流しながら、私に話をしてくれるようになりました。彼と彼のお母さんは私の教育観を根底から変えてくれた存在です。今でも感謝をしています。彼とは毎年、年賀状で連絡を取り合っています。彼は今年で33歳になります。今は彼なりに社会の貢献者として、懸命に生きています。私が日本に帰国したら、一緒に日本酒を飲む約束をしました。

奥深いやさしさと強さを身につけた女の子

 私が小学校6年生の担任をしていた時、女子同士の友達関係でとても悩んでいる女の子がいました。思春期入口の難しくも大切な通過点であるこの時期、私は放課後に二人で時間をかけて何度も話をしました。奥深い優しさと強さをもっている女の子でした。二人で話をしながら、核心に触れるとその子は必ず笑い、笑顔になります。しかし、しばらくすると大粒の涙を流します。そして、別れる時には、その子も私も何かすっきりとした気持ちになっていました。彼女は今、プロのダンサーを目指し猛練習に打ち込んでいます。先日、初舞台の招待を受けました。感性豊かな彼女の表現は、観客を魅了するに違いないでしょう。

 この40年間、多くの子どもたちと出会い、多くのことを学びました。教師の最大の魅力は子どもたちとの出会いを通して、教師自身が成長できることです。

「人間の教育に必要な条件は教わる者も教える者も共に育つことである。」という名言があります。出会った多くの子どもたちに心から感謝をするともにこれからも成長し続ける私自身でありたいと思います。

デトロイトりんご会補習授業校

宮本正彦校長先生

ミシガンで台湾の影絵芝居上演「桃太郎」を日本人とのコラボで

台湾の伝統的な影絵芝居のグループ「永興楽皮影劇団」がミシガンを訪れ、11月10日から13日まで、スポンサーとなったデトロイト美術館のシアターをはじめ、アナーバーの図書館、オークランドコミュニティカレッジなど、4カ所で公演を行なった。数多くのレパートリーから今回選ばれた3つの演目のうちの一つ『桃太郎:Peach Boy』は当地の日本人とのコラボレーションで行なわれた。このコラボレーションはデトロイト美術館のアジアギャラリーのオープニングに合わせて同館のポランティアグループ:Friend of Asiaの台湾メンバーが、 「ぜひ、日本との合同で」との強い願いをもって橋渡しを務め、当地の台湾系団体の協力を得て実現した。

日本で影絵というと黒いシルエットのものを思い起こす人が多いと思うが、台湾の影絵は「皮影劇(ピーインシー)」と呼ばれ、極めて薄い牛の皮に彩色を施した人形や背景などに、背後から光を当てるもので、スクリーンを通してもなお鮮やかで美しい。着物柄などディテールの緻密さに目を奪われた。中国の伝統芸能に端を発し、一説によるとその起源は漢の時代にさかのぼるという。手足や腰などのつなぎ目に金具があり、後ろに付いている長細い棒によって動きを作り出している。「永興楽皮影劇団」は百年以上の歴史があり、家族代々受け継がれ、現在五代目が中心になって、時代に合わせたアレンジを加えつつ国内外で公演を行なっている。拠点である台湾南部の高雄で博物館も運営しているとのこと。

今回の遠征公演では、レパートリーの中から、セリフのない『サンドバッグ
3部:The Sandbag Trilogy』という猿・人間そしてパンダがサンドバッグと戯れる滑稽物、そして、孫悟空が登場する西遊記から火焔山の火を消す扇を手に入れるための対決や化け合いがエキサイティングな『火焔山』、最後に、日本の昔話『桃太郎』を披露。『火焔山』、『桃太郎』は台湾語で演じられ、別スクリーンに英語字幕が映し出された。

『桃太郎』の演目は、おばあさんが川で拾った桃から生まれた赤子を育て、力持ちの男の子になるところまでを台湾の影絵で上演。そして後半、キビ団子をもって鬼ヶ島に向かうところから、道中で供を増やし、戦いに勝ち宝を得る
エンディングまでを、映し出された挿絵に合わせた英語のナレーションの読み聞かせで行われた。このナレーションを務めたのは、国際交流基金日米センターと米国非営利団体ローラシアン協会が共同実施している日米草の根交流コーディネーター派遣(JOI)プログラムに参加し、現在、ランシングを拠点に活動している森下加那子さん。前述したように台湾流の粗筋は日本の昔話とほぼ変わらないが、衣装や家具が台湾風であるだけでなく、老夫婦のキャラクターが一般的な日本の昔話にみられる‘仲睦まじく穏やかな’夫婦とはかけ離れた設定。老夫は遊び惚け、老婦は口うるさく文句を言い、、、といった具合。それなりに仲は良く、桃から生まれた子を天からの授かりものだと共に喜ぶのだが、大きくなった桃太郎に拳術を教えてやろうとしてどちらも体を傷めると「私を先に助けて!」「いやいや、こちらが先!」と桃太郎を競って取り合う始末。桃太郎は公平に二人を一度に担いで家に運び、人並外れた力持ちに育ったことを言下に示して、めでたく(?)皮影劇団の担当部分はエンディングした。

元々の演目ではさらに日本の話とはそぐわない点があり、加那子さんが調整を頼んだとのこと。台湾側は、その意向に快く対応し、ストーリー的に無理のないコラボレーションが出来上がった。『桃太郎』は同劇団の通常のレパートリーの一つだが、日本人とのコラボレーションは初めてのことだという。加那子さんはナレーションのバックグランド音楽を日本的な琴の曲などから音源を調達。また、当地の台湾メンバーと頻繁にミーティングややり取りを重ね、本番に至った。日本人の鑑賞者から、「台湾のグループが桃太郎を演じてくれて嬉しい」「(後半に)紙芝居風に日本の昔話を伝えてくれて有難かった」との感謝の声が多く寄せられた。

それぞれの会場での上演のあとに、Q&A時間が設けられ、人形や蛇などの動きを披露したり、舞台の裏側を見学し人形を操作する体験も提供され、子供も大人も目を輝かせて楽しんでいる姿が見られた。今回の3演目のために、30体に上る人形を持参。1つのキャラクターに対して動きの異なる複数の人形を駆使。1体の人形を1人か2人で動かすそうで、その他、ナレーター、照明、そして今回は小さな太鼓と銅鑼と鳴り物(チャッパ)の生演奏も添えられた。7人だけの団員が様々な担当をこなして創り上げていることに感心させられた。

先月には同じデトロイト美術館のシアターで滋賀県の文化遺産『冨田人形浄瑠璃』の公演があり、こちらも現地の人々の高い関心と称賛を得たが、異国の文化を直に見聞きすることで異文化への理解、そして人種を超えた尊敬の念が根付くことを願いたい。

尚、森下加那子さん(右上写真)の交流活動内容について、以下、ご自身より紹介をして頂いた。

日米草の根交流コーディネーター派遣(JOI)プログラムと通じての活動

私はJOIプログラムを通じ、2017年8月からミシガン州立大学内にあるJapan Center for Michigan Universities (JCMU)に配属されています。ミシガン州の方々が日本に対する興味や関心、そして友好的な認識を持てるよう、日頃から様々な場所で文化的なプレゼンやアクティビティーを行っています。ミシガン州へ来て約1年半弱、人や地域のネットワークが確立されて、環境や仕事にも慣れたきた反面、残り後7か月という任期を強く意識し始めました。「何か形になるような、多くの人々に貢献できるような活動をしなければ」と考えていた矢先、この影絵人形芝居のお話を頂きました。
桃太郎を台湾側と日本側の2部構成で伝える事になったのですが、台湾の物語には彼らの文化的な要素が既に多く反映されていました。それを、話の流れを無理なく日本の桃太郎へと移行できるように、譲歩できる点や修正すべき点を双方で確認しながら作り上げました。

日本人として、本来あるべき桃太郎を先方に説明し修正すべきなのかと当初は考えましたが、1番大切な事は、アジアの文化を通じて、大勢のミシガン州の方々に楽しんでもらうことであった為、なるべく彼らの意向を尊重しようと決めました。その結果、台湾の桃太郎と日本の桃太郎の違いを敢えて表面に出すことで、同じアジアではあるが、違う国が個々に存在しているのだという事実も1つの物語を通じて、観客に伝えることが出来ました。

今回参加させて頂き、台湾の歴史や人に興味を持ちました。訪問した事はまだありませんが、今では親近感さえも抱いてます。これこそ草の根活動の醍醐味なのではないでしょうか。残りの任期でも、1人でも多くの方に、日本そしてアジアとの親近感を覚えてもらえるよう、日々活動していきたいと思います。

JSDウィメンズクラブ・JBSD文化部会共催 2018日本祭り開催

 10月7日(日)、JSDウィメンズクラブとJBSD(デトロイト日本商工会)文化部会の共催による恒例の大イベント日本祭りが昨年同様にノバイ市のハイスクールを会場に開催された。急に肌寒くなり、朝からどんよりとした天候であったが、1時から4時までの開催時間を通して大勢の来訪者で賑わった。「親子で楽しめた。日本を離れて育っている子どもに貴重な経験です」「こんなに大勢の日本人が居て、驚きです」など、喜びや称賛の声が集まった。

 この日本祭りは、アメリカ人や他の文化背景を持つ人たちへの文化紹介と交流を主目的に日本文化紹介の様々な展示や実演などが行われている。周辺に滞在している日本人が楽しむ場にもなっており、当地の秋の行事として定着している。浴衣姿で散策する姿も多く、祭りムードを高めていた。

 オープニングのセレモニーでは、デトロイト日本商工会の文化部会長の挨拶に続き、和田充広総領事、列席したノバイ市長と教育委員長による開会の辞が述べられた。それぞれから、このイベントの開催と日米の文化交流と友好親善を祝福する言葉が伝えられた。

 お祭りらしいヨーヨー釣りや輪投げなどの縁日遊びや、屋台食の販売に加えて、アトリウムと呼ばれるガラス天井から光が差す広々としたスペースには茶の湯の席や、書道・折り紙などの体験のコーナーが設けられ、手馴れた日本人女性たちを中心に実演や体験ワークショップが提供された。茶の湯実演は、当地で活動する裏千家・表千家、2つの流派が手を携え実演が行なわれた。お点前に合わせて英語での丁寧な解説も添えられ、多くの人が興味津々の表情で見入っていた。参観者は和菓子と抹茶を味わうチャンスにも恵まれた。生け花インターナショナルによる秋らしい趣きを添えた展示が文字通り華を添えていた。老若男女、多くの人が生けられた作品の写真や、作品を背景に写真を撮っていた。

 また、ミシガン州と姉妹県関係にある滋賀県による文化紹介ブースを始めJCMU(Japan Center for Michigan University:ミシガン州立大学連合日本センター)など、日本に関連した団体のブースも並んだ。様々な活動や当地と日本との繋がりを知ることができる場としての日本祭りの意義も大きい。

 滋賀県のブースには訪米中の冨田人形のメンバーも特別参加し、人々に滋賀県の魅力を発信した。浄瑠璃人形という、日本人にとっても目の前で見る機会が少ない人形の、巧みな動きに関心と感嘆の声が上がっていた。

 書道と折り紙のワークショップも終始盛況で、ボランティアの女性や学生が懇切丁寧に手ほどきをしていた。書道では、難しい字に挑戦する人も多く、書き上げた作品を褒め合う姿があった。

 総領事公邸の料理人である中野楓さんが一昨年より領事館スタッフの協力のもとプレゼンテーションとワークショップを実施してくれているが、今年は「おにぎり」が題材。「三角にするのは無理」「日本人はシェフじゃなくてもできるって?すごい!」との声も聞こえたが、楽しく美味しいチェレンジに、和気あいあい盛り上がっていた。

体育館には櫓が組まれ、盆踊りを中心にパフォーマンスが繰り広げられた。

 幕開けは和太鼓の音でスタート。「五大湖太鼓センター」が、軽やかな祭囃子の太鼓とは一味異なるダイナミックなパフォーマンス和太鼓の魅力を披露した。

 一転して、可愛いパフォーマーの登場。JSDウィメンズクラブの親子と妊婦さんンのサークルによる「アンパンマン音頭」と「わーお!」の愛らしさ溢れる踊りが来訪者に笑顔と元気を届けてくれた。

 続いて有志メンバーによる盆踊り。何度となく参加してきた人も多く、「炭坑節」「東京音頭」「花笠音頭」の3曲を選び、 練習を重ねてきただけあり、日本の盆踊りの楽しさだけでなく、美しくしなやかに踊る姿を披露した。プログラム終盤にも行われ、見ていた人や他のパフォーマンスの出演者も加わり、賑やかな大きな輪が生まれた。教え合う姿もあり、まさに“交流の輪”となっていた。

 田川八段が長を務めるデトロイト剣道道場による実演は、通常の稽古通りに“礼”から始まり、打ち込み練習が真剣に行なわれ、“礼”にて終了した。短い時間ながらも日本の武道の礼儀正しさと気迫を観客に伝えた。

 ミシガン沖縄県人会「ちむぐぐる会」の演奏は5曲。民族衣装をまとい、琉球エイサースタイルの舞と太鼓を披露した。エイサーもまた盆踊りであるが、大小の太鼓を叩きながらの勇壮さを感じさせる踊りが、中国との文化交流の影響を受けた沖縄文化独特の雰囲気を会場に届けた。

 後半は学生たちの登場。まずは、ミシガン大学の日本学生会メンバーによる「ソーラン節」の切れの良い踊り。日本人に限らず、日本に興味のある学生が交流したり学内外で日本の紹介をしている彼らは、毎年「ソーラン節」を後輩に伝授し、アレンジも加えて踊っている。

 そして9年生から12年生の高校生13 人による「平成Bon Bon」が、「東京五輪音頭2020」を浴衣姿で踊り、会場に華やかさを届けてくれた。この曲は2020年に開催される東京オリンピック・パラリンピックを盛り上げるために作られたもの。飛び入り参加を募ると大勢の人が加わり、今年の日本祭りを大いに盛り上げてくれた。練習は3回ほどとのこと。さすが覚えの良い若者ならでこそ。「平成Bon Bon」メンバーは「豆つかみ」ゲームのコーナーも担当し、交流にも寄与した。

 プログラムの締めも太鼓センターがつとめ、「加賀虫送り」という害虫・災いを追い払う願いをこめたパワフルな曲の演奏で幕がおりた。

 このイベントは、在デトロイト日本国総領事館、日米協会、滋賀県の協力、そして会場のあるノバイ市・ノバイ教育委員会のサポートを得て毎年開催している。今年も多数の団体や個人ボランティアが協力してこのイベントを支えた。

JSDウィメンズクラブが書道コーナーのアレンジや当日の舞台の進行などを執り行なったほか、近隣の日本人女性がボランティアに応募し陰に表に活躍。また、日本語を学習する現地のハイスクール生や大学生たちもボランティアとして参加し、来訪者との懸け橋として若いパワーでイベントを支え、盛り上げていた。

全てのプログロムが終了し、縁日ゲームの賞品やワークショップでの作品を手に、笑顔で帰路につく大勢の来訪者の姿があった。来年もボランティアとして参加したいという高校生の声もあり、Festival.comで情報を得て1時間以上かけて初来訪した米人も「とても楽しく有意義だったので来年もぜひ来たい!」と感想を寄せてくれた。今から次の日本祭りの盛り上がりが楽しみである。

JBSDスポーツ部会主催 親善ソフトボール大会

第27回目となったJBSD(デトロイト日本商工会)のスポーツ部会主催による親善ソフトボール大会が9月9日と9月16日の2日間にわたり開催された。34チーム(1チーム出場辞退)による試合がノバイ市のリクレーションセンターのグラウンド4面を使って順次行われた。

 初日は、急に秋めいて気温が下がった中、ダウンコートを着込んだ観戦者もいたほど。初戦を前に曇り空の下で体を入念に解している姿がめだった。開会式のあと、4つのグランドで初戦がスタート。シード権を獲得した昨年上位4チームはそれぞれ別のブロックに分かれ、トーナメント戦で行なわれた。

 ソフトボールのリーグに入っていて日ごろからゲームに慣れているチームもいる一方、大会直前になって集まり、この日に挑んでいるチームもいる。「見ていてもストライクゾーンが良く分からない」という声もあり、ピッチャーが加減しかねている姿も見られた。5イニング戦、または規定制限時間内という短めのゲームとあり、早く波をつかんだチームに利がある傾向がみられた。

 シードチームを除く初戦14試合(1試合不戦勝)中、5試合が10点以上の差をつけての勝敗となった。午後の試合から登場した昨年の上位4チームはいずれも1回戦を突破。なかでも昨年の覇者である桜組(Sakura-Gumi Softball Club)は37対ゼロと、相手に全く点を与えず圧勝し、強さを見せつけた。昨年第4位のTGNA Tigers も失点なく20点の大差で1戦目を勝ち抜き、ベスト8決定戦でもある2戦目では相手に点を取られながらも38点という大量得点を重ねた。他のシードチームである昨年準優勝のBOMBERS、昨年3位のYazaki Arrowsも順当に勝ち上がり、BEST8に駒を進めた。

 大会2日目。第一試合で全てのBEST8が決まった後、4つのグランドで準々決勝が行われ、昨年の4強チームが固く準決勝に進んだ。それまでのように大量得点は出ないゲームが多いなか、Yazaki Arrowsは21点を獲得して圧勝。その勢いに乗って、昨年も準決勝で対決し、同点によるコイントスで決勝進出を獲得されてしまったBOMBERSを相手に今年はプレーでねじ伏せて決勝に躍り出た。

もう一つの準決勝戦では、本大会最高得点を生み出し進撃を続けてきたTGNA Tigersが桜組の攻防には力及ばず、桜組が決勝進出を獲得。

 注目の決勝戦。攻守優れた両チームによる好ゲームの末、桜組が見事に連覇を果たし優勝の栄冠を再び手にした。

 家族や同僚の応援の声と笑顔にささえられ熱い戦いが繰り広げられた大会は、今年も話題と思い出を残して爽やかに幕を閉じた。親善ソフトボール大会は秋のスポーツイベントとして当地日本コミュニティーに定着している。勝ちを狙いつつも、スポーツを通した温かい交流の場として和やかかつ盛大に続いていくことを願いたい。

クランブルックにて日本関連の講演と フランク・ロイド・ライト設計の家にて茶の湯

 8月25日、Bloomfield Hills市にあるクランブルック(cranbrook)の収集・研究センター:Center for Collections and Research主催で日本に関連したイベントが開催された。クランブルックは世界有数の教育・科学・芸術の総合センターであり、芸術大学ならびに学校、美術館、科学博物館、ガーデンをはじめとする数々の歴史ある施設を保持しているが、今回は広大な敷地内にある科学博物館での講演と、クランブルックが敷地外に所有する“FRANK LLOYD WRIGHT SMITH HOUSE”(以下『スミスハウス』)での茶会の2本立て。講演会の前には日本的なケーキと緑茶を楽しむ“朝の茶会”タイムも設定され、事前に参加登録した数十名の人々がこのイベントや日本への関心について言葉を交わす和んだ姿が見られた。ケーキは受賞歴のあるパティシエChef Doran Brooksが準備。Novi 市並びにClawson市に日本的なケーキやパンの店をオープン予定とのこと。

 同センターのディレクターより挨拶の中で、今から百年以上も前の1915年にクランブルックに日本庭園が造園され、その改修を進めつつ維持しており、また、日本との繋がりを持つフランク・ロイド・ライト設計の『スミスハウス』を保持するなど、日本との関連を祝すためのイベントであると告げられた。

 “Japanese Tea Gardens and Tea Houses: From Japan to Frank Lloyd Wright and Today”と題された講義の前半には、「近代建築の三大巨匠」と呼ばれるフランク・ロイド・ライト(Frank Lloyd Wright、1867 年-1959年)と、彼の日本芸術やデザインとの関係について、Cranbrook Center for Collections and Researchの研究員が弁をふるった。フランク・ロイド・ライトは19世紀後半のシカゴ万国博覧会で日本の芸術や建築に出会い、その後、少なからぬ影響を受けていることが指摘されている。この講義では、スクリーンに浮世絵や清水寺など日本の実存建造物の写真と、ライトによる設計図や彼が手掛けた建築物の写真が並べて映し出され、その共通性や構図の類似性を重ねて指摘。日本の影響を多大に受けたことは間違いないと強調した。帝国ホテル旧本館(通称ライト館)設計は日本における大プロジェクトであり、自身が5年(1918-1922)に亘って訪日していたこと、そして、ライト氏の自宅も日本からの収集品に満ち、また生活スタイルも日本文化に影響を受けていたことも伝えられた。現在クランブルックが所有する『スミスハウス』の持ち主=設計依頼主であったスミス氏は、いち教師であったが、ライト氏設計の家に住むのが夢で、長期ローンを抱えてまで実現した。コストを抑えるために無駄を抑え、各所に日本的な要素が見られる。スミス氏もまた日本文化に興味を持つようになり、多くの日本人を家に招待し、日本の陶磁や版画などを持つようになったという。ライト氏の弟子がこの家の後ろにある池の淵に小さな茶室を設計したが実現には及ばなかったそうである。

続いて、日本のガーデンデザイナーであり一級造園技能士である武内千里氏が講師を務め、“Japanese Garden ~The First Step to Tea(日本庭園 – お茶への第一歩”とのタイトルでプレゼンテーションが行われた。まずは茶の湯についての簡単な解説から始まり、茶人であり僧でもあった千利休が‘侘びさび’というシンブルで自然な有様を尊び、その文化が広がり、茶室の形式を確立させたことが伝えられた。近年では女性が楽しんでいるが元々は武将の交流・戦いの話をする場であり、刀を持ち込まない構造は今も残っているといった話に、観客から小さなどよめきの声があがった。茶室ならびに茶の湯の理念などを説明した後、伝統的な茶室は露地と称する庭園の中に建てられ、その庭園は、掃き清められたうえで故意に季節の花や葉をちらし季節感をだすことや、古さを讃える故、灯篭や石を古めいて見せたり早く苔蒸す状態にする技法なども紹介された。茶室は俗世と隔てた空間であり、客も亭主も

様々な清めの所作があることにも言及し、「茶道で尊ばれる自然を愛で大切にする心や、もてなす心の在りように触れるため、茶庭園と茶室を訪れて欲しい」と願いを届けた。聴講者から大きな拍手が上がった。

 講演の後半には日本独特な庭園スタイルである枯山水の作り方を箱庭づくりで実演紹介した。山に見立てた石や砂など全ての材料は当地の工芸店で調達したものとのことで、聴講者は身近に感じたのか、作業の手元を大きく映し出したスクリーンを身をのりだして注視。石の周りの砂にフォークの背で水紋が描かれると会場のあちらこちらで感嘆の声が漏れた。武内千里氏の招へいは当地の日本国領事館がスポンサーになり実現。寿司や緑茶など食の領域、また漫画やアニメで日本の文化が浸透しているが、日本のガーデニングや、さらには、もてなしの心、自然との調和といった伝統の良さも認められ広がっていくことが期待される。

 午後には、フランク・ロイド・ライト氏が手掛けた住宅の一つである『スミスハウス』で、当地のウィメンズクラブのメンバーが茶の湯を実演披露した。解説を務めた領事館職員により、「ティーバックの緑茶とは異なり、抹茶を点てる茶道は長年にわたり修練しなければならないほど、決まり事や様々な知識を要する芸術である」との説明がなされた。本来であれば外界とは切り離された茶室という静かな環境の中で、社交の会話ではなく、自然や茶器、そして茶の湯そのものを楽しむものであることは、武内氏の講演や同館の案内説明でも伝えられていた。スミス・ハウスは、その直線的な外観や全体の構造ならびに内装、そしてふんだんに使われた美しい木材など、日本的なデザインがあちらこちらに見られるが、かつては住宅と使用され、現在はCranbrookの所有で様々なイベントが行われている施設であるため、茶席が設けられたリビングルームにはグランドピアノや多数の家具や調度品が置かれており、侘び寂びとは程遠い雰囲気。しかしながら、楚々凛としたお点前の所作や立ち居振る舞いに引き込まれたように、参加者たちは物音一つ立てることなく静かに真剣に見入っていた。窓の外には公園のように広々とした明るく緑豊かな自然が広がり、穏やかなひと時となった。参加者から「ライト氏設計の家での茶の湯に参加でき、素晴らしい時間だった」との声が届いた。

 『スミス・ハウス』は常時公開はしていないが、冬季を除き月に数回、見学ツアーが組まれている。

Frank Lloyd Wright Smith House Tour

9/15、9/22、9/23、10/13、10/20、10/21 11/10、11/11に、日に2,3回ずつ予定

*有料。事前レジストレーションが必要

https://center.cranbrook.edu/events/tours

オンタリオ州プリンス・エドワード・カウンティ

カントリーサイドで極上のひととき のんびりとワインや食事を味わう

トロントの東、オンタリオ湖北東に飛び出した半島のような一帯がプリンス・エドワード・カウンティ(PEC)。かつての英国王子の名前をとった地名のこのエリアは18世紀のアメリカ独立戦争以降、独立を嫌う英国王党派“ロイヤリスト”たちがアメリカから移り住み、農地を開拓し静かに生活してきた地域。ローリングヒルと呼ばれる、なだらかな起伏に広がる農園・果実園、そして、素朴で豊かな景観や古めかしい佇まいの街が残されているのが魅力。オンタリオ湖の鮮やかなブルーの湖面も心を洗い流してくれる。

幹線道路“ロイヤリスト・パークウェイ”は絶好のドライブルート。この地域は、穏やかな気候ゆえにロイヤリストの時代から農場や果樹園が多かったが、近年はその土壌の良さが注目を集め、オーガニックの農場や品質にこだわるチーズ工場、ワイナリーなどが続々に誕生している。さらにトロントの有名シェフが移り住んでレストランをオープンするなど、グルメエリアとしても評判を呼んでいるそうだ。トロントから東へ200キロほど。足を延ばして、田舎の旅を楽しんでみては。

実は、トロントに行くついでに何処か立ち寄るところは無いかとオンタリオ州観光局のオフィシャルサイトで探っていたところ、“プリンス・エドワード”の文字が目に飛び込んできた。 “赤毛のアンの島”として知られるアイランドと同じ名前に惹かれた。ワインエリアと知って、寄り道先ではなく滞在先に決めた次第。1泊で、のんびりと・・はできなかったが、景観や雰囲気を楽しみつつ、ワイナリーを10件近く巡った。余談だが、「赤毛のアン」の家、グリーンゲーブルズ(緑の切妻屋根)風な家屋を何軒も見かけ、共通する良さを感じた。

まだ、それほど観光地化していないせいか、学校の夏休みとはいえ平日だったせいか、ワイナリーやレストランの人びともセカセカしていなくて穏やか。土地やワイン造りの歴史を丁寧に語ってくれたオーナーも居た。心休まる、気分爽快なショートトリップであった。

オンタリオ州観光局HP:www.ontariostyle.com

とはいえ、大都市トロント周辺の道路渋滞はラッシュアワーに限らずかなりのもの。ナビによる想定よりも1時間以上かかった。オンタリオ湖の東端キングストンや、セントローレンス川の河口エリアの島々「サウザンド・アイランズ」と合わせて数日回るのもお勧め。秋の紅葉時期には、さらに北東のローレンシャン高原やケベックシティへの途中地点としても良さそう。弊紙ウェブサイトで、「メープル街道 紅葉の旅」と検索し、閲覧いただければ幸い。

挑戦者やこだわりのある生産者による新しいワインの産地

この地でのワイン作りが本格的に始まったのはここ十数年ほど前とのこと。ワイン生産者の組合のホームページに現在載っているワイナリーが33カ所あり、特に南西部の15㎞四方に20件ほどが集中している。PECがワイン作りに最適な風土などの条件に恵まれていることが急増した主因。カルシウム豊富で水はけの良い土、そして比較的冷涼な気候は、ピノ・ノワール、リースリング、シャルドネ、カベルネ・フランなど、ヨーロッパ種のブドウ栽培に最適なのだそうだ。ワイナリーのほとんどは、家族経営や友人と立ち上げた小規模なもの。ワイナリーを訪れないと手に入らない品も少なくない。のどかな田舎道をめぐりながらのお好みワイン探しは、ワイン党ならずとも楽しい散策になることだろう。この地の風光明媚さに惹かれたゆえか、アートギャラリーやスタジオも点在している。ワイナリーツアーも組まれている。

この一帯には時代を感じるビクトリア朝の建物も多く、ワイナリーも、風格のあるお屋敷風、素朴な納屋を改造した施設、可愛いコテージ風の小屋などなど、いわゆるインスタ映えするところが多い。大半が開放的なワイナリーで、Dog Friendly:犬連れOKのワイナリーも多い。レストランを併設している所は数少ないが、ピクニックエリアやバティオで持ち込みのスナック類をつまみながら試飲やワインを楽しめる所もある。ワインの好みがはっきりしている方には、組合ホームページ:www.princeedwardcountywine.caに、ワインのスタイルによって該当ワイナリーを縛りこむ検索機能が付いているので便利。Dog Friendly、ピクニックエリアやレストランの有り無し、車いす対応についてもチェックできる。

ワインの好みも雰囲気の好みもそれぞれ。個性と魅力あるワイナリーの中から、今回は、リポーターが宿泊した先の女性イチオシの(多分、行きやすさもイチオシ要因の)ワイナリーと、人気のピザを提供している家族連れでも行きやすいワイナリーを紹介したい。

Sandbanks Estate Winery サンドバンクス・エステート・ワイナリー

2000年創業、古参ワイナリーの一つ。種類が多く、受賞ワインもいくつもある(下の写真)。

ロゼ系が4種類もあるのも珍しい。5月から10月までは日に3回(10:30am、12pm、2pm*天候による)、無料のワイナリーツアーを提供している。地元産のチーズや、ちょっとしたデリ(つまみ)を置いてあり、ピクニックエリアでワイングラス片手に寛ぐ人たちの姿が多い。屋内には地元アーティストの絵が飾られ、外にはカラフルな椅子がならび、色彩に溢れている。ロイヤリスト・パークウェイ沿いで、アクセスも良い。年中オープン。下記ウェブにテイスティング(試飲)のクーポン有り!

【ウェブサイト】www.sandbankswinery.com
【住所】17598 Loyalist Parkway, Wellington, Ontario

Norman Hardie ノーマン・ハーディ 

幹線から外れたカントリーロードの奥にある。トロントの名門フォー・シーズンズ・ホテルで7年間ソムリエとして活躍していたノーマン・ハーディさんがオーナー兼ワインメーカー。自分ならではの高品質ワイン、特に美味しいピノ・ノワール作りを目指し、世界各地のワイン産地で学んだのち、ピノ・ノワールに最適なこの地でワイナリーをオープンしたという。数種類のワインがあるが、オーナーのイチオシはピノ・ノワール。そしてシャルドネ。「卓越した質」と誇っている。ワインと相性の良いピザがポピュラーで、ランチタイムには平日でも混んでいる。テイスティングルームは年中オープン。レストランは初夏から秋まで。

【ウェブサイト】www.normanhardie.com
【住所】1152 Greer Road, Wellington, Ontario

Rosehall Run

カントリー風。ワインジャムなども販売。

2018年 写生大会 at the DETROIT ZOO


大雨の中で受付スタート

 去る6月3日(日)、JBSD(デトロイト日本商工会)主催による恒例の写生大会が、昨年同様にデトロイト動物園で開催された。

  動物園のゲート外に受付テーブルを設置したころには土砂降りであったが、写生大会は雨天決行。一昨年も土砂降りに見舞われ、昨年も小雨の中でのスタートという雨にたたられることが重なってきた恒例イベント。参加者の多く、特に常連参加者は雨天対策をしっかりと施しての参加。事前応募の半数以上、372名の参加となった。

  駐車場で雨脚を伺って待機していたという人もいたが、午前10時の受け付け開始後やや経って雨が止み始め、人の流れも活発になった。バックパックをビニールカバーで覆って万全の防雨対策の人びと、逆にビーチサンダルと短パンで濡れる覚悟の人びともおり、雨にうろたえることなく闊歩する姿が見られた。

参加4年目だという家族は、「毎回雨で室内で描いた。今回は雨が止む予報なので、(園の)奥の方の外で描くつもり」と歩を進めていた。入り口近くのペンギン館の中でこの日最初の写生をしている人に遭遇。姉妹で仲良く取り組んでいた。両生類館の館内にも数組。建物の軒下や屋根付きのピクニックエリアも雨を避けた絶好のスポットになっていた。

  屋外はTシャツ姿では少々肌寒い気温となったこの日、動物は生き生きとした様子。「ライオンが活発に動き回っているのを初めて見た」と喜びの感想が聞こえた。「動きすぎて描きにくい」のと声もあったが、雨上がりや小雨の日は生態観察には適した日和といえそうである。時たまパラパラと雨が降ったが傘で十分にしのげる程度。予報通り、午後には雨もあがり、作品提出後にはのんびりと散策する姿が多く見られた。

  提出された作品は例年通りレベルの高い作品が多く、当日、JBSD担当者と共に受付や見回りにあたったデトロイトりんご会の校長をはじめ補習校講師たちの入念な審査が行なわれた。次ページに記載の参加者が入賞を飾った。

各部門の金賞作品

三枝千里さんの作品

さとうラケンジさんの作品

石川倖菜さんの作品

東田愛未さんの作品 

佐藤雅和さんの作品 

写生大会 入賞者

【未就学・幼稚園の部】

  • 金賞  三枝 千里
  • 銀賞  三隅 更紗
  • 銅賞  佐々木郁加
  • 努力賞 藤田 陸生
  • 努力賞 うめむらにいな  

【小学校1-3年の部】

  • 金賞  さとう ラケンジ
  • 銀賞  小島 武
  • 銅賞  ほんだ ゆうたろう
  • 努力賞 かまだ さら
  • 努力賞 いしがき しょうご

【小学校4-6年の部】

  • 金賞  石川 倖菜
  • 銀賞  阿部 まや
  • 銅賞  小池 陽
  • 努力賞 かわかみ あかり
  • 努力賞 古里 彩葉
  • 努力賞 野澤 伊織 

【中学生・高校生の部】

  • 金賞  東田 愛未
  • 銀賞  石川 葵彩
  • 銅賞  阿部 颯司
  • 努力賞 川部 明仁香 

【一般の部】

  • 金賞  佐藤 雅和
  • 銀賞  東田 康司
  • 銅賞  渡辺 志保
  • 努力賞 酒井 優士
  • 努力賞 野澤 暁子

シカゴ – シェッド水族館

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 約20年ぶりにシカゴのシェッド水族館を訪れてびっくり!

見事に進化。ミシガン湖に臨む白い風格ある建物の面影はそのままに、子供も大人も楽しめる要素がふんだんな、近代的な施設に変身していた。

とはいえ、日本の人気水族館に比べると、エンターテイメント性より

“水族に親しむ”側面や学術性を重視している感があり、シーワールドのようなテーマパークをイメージしてしまうと期待を裏切られるかもしれないと記しておく。

シェッド水族館はかなりの規模の室内水族館。歴史もある。1930年5月に開館し、海水魚をも保持する初の内陸水族館として名を馳せた。1933年のシカゴ万国博覧会の際には、この水族館も多くの国内外からの訪問者で賑わったそうだ。1971年、人気展示の一つ‘カリビアン・リーフ’が誕生。建物の中心にある円形水槽にカリブのサンゴ礁を再現し、当時としては画期的かつ壮大なものであったとのこと。

その後しばらく、大きな増築はなされなかったが、2003年に‘ワイルド・リーフ’をオープン。1900万リットルという水槽の量は屋内型として世界最大に君臨した時期もあったそうだ。

2008年に休館しての改修が行われ、2009年に新装開館とあいなった。

 地域ごとに展示してあり、アマゾンコーナーが生き物もカラフルで雨季と乾季の違いを示すなどディスプレイも充実している。ミシガンに居住している者なら五大湖自生のコーナーは地味ではあるが見ておくとよいだろう。自然系の豊かさが分かる。Polar Play Zoneでは白イルカ(ベルーガクジラ)が数頭、大きな水槽を悠々と泳いでいる。水面下と上からそれを観ることができる。よくぞはるばる内陸へ連れてきました・・・と感じる。

各地の水生物(魚や水中哺乳類)の数も種類も相当だが、地理的環境や自然の生態を伝えるために、鳥や爬虫類も数多く展示している。魚類の保有数は2万5千。じっくり見て回るには半日はかかるほど充実している。餌付け実演や解説タイムも設けられている。小さなチョウザメに触れられるコーナーもある。夏場にはエイなどに触れるエリアも出現する。

 Aquatic Presentation:生き物ショー

時間指定の白イルカ、アシカなどの実演は無料だが、(入場券の販売窓口ではなく)館内に設置された器械で時間指定の整理券を入手する必要がある。小さな子供が楽しめる内容といえる。ショーと訳したが、アクロバット技を調教するのは人間の都合であって動物愛護に反するという解釈か、派手な演技はない。階下でシロイルカが自然に回遊したりじゃれあったりする様子を眺めている方が癒しとしての価値がありそう。

4-D Experience: 4Dの短編ムービー

ムービー鑑賞には別料金で、時間指定のチケットを購入する必要がある。

「4Dって?」と同伴者の問い。「3D眼鏡をかけて画像が立体的に見える。それと、風が吹くとか、水が飛んでくるとか、かな」と返答。その仕掛け内容は伏せておく。訪れた日には3つのムービのラインナップがあった。映画内容の詳細はチケット売り場にもパンプレットにも記載されていない。若い売り子さんの勧めで、シャーク(さめ)ものを選択。ドキュメンタリータッチで、なかなかの臨場感があり、満喫した。より子供向けのムービーもある。

他にも、シロイルカに触れるプログラムなど体験企画や学習プログラム、キャンプも別料金・要予約で提供している。

詳細はウェブサイトで。 www.sheddaquarium.org 

アクセス

公共バスで行くことも可能。パーキングスペースもあるが、周辺でイベントが行われていることが多いエリアなので渋滞や道の閉鎖情報に要留意。The Field Museum:自然史博物館と隣接している(200メートル弱)。シカゴ観光の目玉であるミレニアムパークから1.4 マイル程(歩いて30分ほど)、シカゴ美術館から1.1マイル。天候の良い日であれば湖畔を眺めながらの良い散歩になる。

1200 S. Lake Shore Drive, 

Chicago, IL 60605-2490 

Miyuki Mori コンサート2018 with Dream Singers

Miyuki Mori コンサート2018 with Dream Singers 1

みんな世界に一つだけの花

   3月11日(日)の午後、森みゆきさんによるコンサートがウォルドレイク市のハイスクール(Walled Lake Central High School) にて催された。春遠いミシガンの広い講堂に明るい歌声が響き渡った。

  みゆきさんはNHK子供番組『おかあさんといっしょ』の第15代‘歌のお姉さん’ として1983年にデビュー。今年デビュー35周年を迎えた。結婚を機に1999年よりミシガン州に在住し、日本とアメリカでの音楽活動のほか、豊かな経験や見聞をもとに、日本の小学校での『わくわく授業』をはじめとする講演や執筆など幅広く活躍を続けている。

  2004年に当地で「ドリームコンサート」を初めて開催し盛況を博し、2006年にも実施。その翌年末に子供パフォーマンスグループ『ドリームシンガーズ(以下D.S.)』を結成し、2008年以来、共にコンサートを毎年開いてきている。プロ歌手であるみゆきさんの指導、そしてプロデュースによる本格的なステージは高い評価を得ている。

  D.S.は日本人に限らず、日本に関心をもつ子ども達がメンバー。みゆきさんは、歌の練習に留まらず、歌を通して美しい日本語や日本文化を習得し、仲間との協調性を学んだり自信をつけたりする場であって欲しいとの信念のもと指導をしている。日本祭りなどの文化紹介イベント、チャリティーイベント、世界子供フェスティバルなどに参加し、国際交流、文化紹介の担い手としても活躍している。 

 今回のテーマは「みんな世界に一つだけの花!」。みゆきさんは、「D.S.も毎週いいこと探しをすることで、ポジティブな物の見方をするようになっていき、ハーモニーや互いを支え合うことで友達を思いやる気持ちや自己表現が豊かになり、様々な違いを認め合う素敵な関係性も育っています」とプログラムに記している。

  オープニングは、みゆきさんのソロで、世界中で愛された映画/ミュージカル作品『サウンド・オブ・ミュージック』の原曲と日本でアニメ化されたテーマ曲『両手を広げて』のメドレーでスタート。みゆきさんはこの作品に感動し、憧れのジュリー・アンドリュース女史やトラップ一家と出会う機会も実現したことで、さらに子供の気持ちを尊重した活動への想いは強固なものとなっていき、今日の「ミユキッズワールド」を確立してきたという。続いて同作品で最も親しまれているといえる『ドレミのうた』をD.S.が加わって合唱。映画の情景が目に浮かんだ観客も多かったのではないだろうか。

  50年以上、どの時代の子供たちにも親しまれてきている“お猿さんだよ~”の歌『アイアイ』、そして、『おかあさんといっしょ』で生まれた人気曲『どんな色がすき?』など、大人も童心に戻るような懐かしい曲の数々の他、一転して、みゆきさんのピアノの弾き語りによる『ハナミズキ』(作曲:マシコタツロウ)がしっとりと奏でられ、ピンク色の照明と相まって、会場は優しい雰囲気に包まれた。

  アニメ『ちびまるこちゃん』の『踊るポンポコリン』の陽気で軽快な曲では、会場からダンサーを募り、和やかが溢れた。

  前半の終盤は、みゆきさん自身の母としての想いを詩にした曲『お母さんっていいね』を慈愛にみちた歌声と表情で届けたあと、D.S.の切れの良い踊りによる『南中ソーラン節』が元気なパワーを会場に届けた。

  後半は、D.S.の女の子たちは白いドレス、男の子はワイシャツにネクタイという正装姿で登場。トーンチャイムを使った演奏は、ガラスのような音色と清楚な姿によって、天使たちの贈りもののようであった。

  盲目の女の子がウサギが「跳ぶ」という言葉を「飛ぶ」と想像したことを歌にした『空飛ぶうさぎ』の曲には、D.S.メンバー自筆の感想画がスクリーンに映し出され、メルヘンの世界に誘った。子ども達の歌声、演奏が与える素晴らしい力を感じさせられた。

  みゆきさんのオリジナル作品『Love Your Life』は、「いじめや差別が減り、互いを尊重できるように、子ども達が強く幸せになるように」との願いをこめ、「もっともっともっと強く生きて」と呼びかけている曲で、D.S.の子ども達と毎年一緒に歌ってきたが、今年は穏やかな子が多いという今年のメンバーらしく、たたみかけるように柔らかく歌い上げた。

  最後に、今回のテーマにぴったりな『世界に一つだけの花』を全員の声を合わせて熱唱。「人は一人一人違うことを認め合い、それぞれが輝けることこそが素晴らしい」と謳っている曲の想いが伝わってきた。

  メンバー唯一の男の子は、今回が3年目の出演となるお姉さんと一緒に、初参加。二人とも大舞台に気後れする様子を見せず、良い表情でひたむきに歌っていた。終了後、ご両親は「みゆき先生が熱心に指導してくださってて、その情熱にひっぱられています」「どちらかというと内気でしたが、自信がついて、堂々としてきました」と話してくださった。

  違いを認め合い、一人一人が輝やけることを大切にしてきたみゆきさんとメンバーたちのパフォーマンスは、観客にも、その素晴らしさが伝播したことであろう。

  なお、オリジナル曲 『Love Your Life』を

通して、みゆきさんは 『Love Your Life

Project』というプロジェクトを昨年スタートした。いじめや差別などなど、人々が傷つけあうことを無くし、互いに尊重できるよう、音楽を通して呼びかけている。手話も添えられおり、Youtubeで世界に発信中。立ち上げた理由を弊紙3月号でみゆきさんが綴っている。

LOVE YOUR LIFE (New Version) 

      作詞・作曲 森 みゆき

どうしてそんなに 悲しい顔しているの
生まれた時は みんな天使だったのに
いじめたりいじめられたり 何が起こったの
ひとりぼっちと 心閉ざしてる
涙は生きるエナジーと信じて
進もう明日へ

LOVE YOUR LIFE
もっともっともっと強く生きて
LOVE YOUR LIFE
きっといいこと待っているから
どうしてうつむいたまま 歩いているの
大きな空を見ることできるはずなのに
冷たい風が 君の心痛く惑わせ
輝くことさえ 置き忘れてる
夢は誰でも持てるパワー
迷わず明日へ

*LOVE YOUR LIFE
もっともっともっと強く生きて
LOVE YOUR LIFE
きっといいこと待っているから

*2回繰り返し

“LOVE YOUR LIFE!” 

写真提供:森みゆきさん

デトロイト美術館で 桃の節句 雛 祭りイベント

デトロイト美術館で 桃の節句 雛 祭りイベント 4

3月4日(日)、デトロイト美術館(以下DIA)の、この季節の恒例イベントとなった日本の雛(ひな)祭りイベントが開催された。在デトロイト日本国総領事館がDIAそしてJBSD(デトロイト日本商工会の共催によって企画をしているプログラムで、JSDウィメンズクラブや当地で日本の芸能や文化をたしなむ人々等の協力を得て、日本の伝統文化を紹介している。

  エントランスホール:Great Hallには、七段飾りの豪華な雛壇と着物の展示、生け花、折り紙と書道の実演展示ブース、折り畳み式茶室(内田繁デザイン)が設けられた。茶室は粗目の籠のように竹を組んだ壁になっており、中が見える造りで、実際に茶の湯の実演も披露された。その横では邦楽グループ『雅』による琴の演奏がアート空間に優雅さと憩いを与えていた。

  子供だけではなく大人たちもわくわくさせ、行列ができたのは「ガラポン」。いわゆる福引きで、箱を回転させて当たり玉をひく抽選である。景品には昨秋の日本ギャラリーオープンニングイベントの折に訪米した日本の伝統工芸師匠たちの作品も充てられ、ガラガラの音と「当たり~!」という声と嬌声がホールに響き渡っていた。外れた人にもお菓子が用意され、笑顔が広がった。

  生け花の実演披露は‟いけばなインターナショナルデトロイト支部”がおこない、当地で身近な花々から生まれた表情の異なる作品に、称賛の声や質問が集まっていた。別室で生け花ワークショップも2回実施され、先着20名の当日応募者がメンバーの手ほどきで生け花に挑戦し、器ごと家に持ち帰る幸運に預かった。生け方の配置図も配られ、花を切る長さの指示も分かりやすく、誰もが形よく仕上げけていた。カーネーションなど入手しやすく、そして少ない数の花で、見事な作品にしあげることができた喜びと驚きの感想が多数聞こえてきた。

  エントランスホールの奥、壁画アーティストの巨匠ディエゴ・リベラが描いた巨大なフレスコ画に囲まれた荘厳なスペース「リベラ・コート」にはステージが設えられ、書道、着付け、茶の湯、折り紙の解説つき実演、そして、琴の演奏が順次届けれた。

書道の実演は書家である藤井京子さんが身の丈以上の書を見事な筆さばきで披露。春を迎える喜びを表した四字熟語と和歌を選んで書き上げた。ダイナミックな書のパフォーマンスを見せた藤井さんはホールのブースでは写経を実演披露。賑やかなホールに静の空間が生まれていた。

  着物の着付け実演は桃の節句:ガールズデーに合わせて女の子が対象。来訪者から体験者を募り、多数の希望者の中から着物の丈に合う少女二人が選ばれた。補正の布や襦袢もきちんと付け、紐や帯を結んで晴れ着姿に整えるまでの煩雑な着付けの工程を、子供たちも魔法でも見るように興味津々の体で見入っていた。着付けの終わった少女たちをモデルにして、歩き方やお辞儀の仕方の手ほどきもあった。

  茶の湯を担当したJSDウィメンズクラブのメンバーたちは、同会場で多数の実演をこなしてきただけに、水場も無い即席の茶席ながらも、準備も実演も落ち着きと余裕があり、文化紹介のみならず豊かな時を提供した。お点前の進行に合わせた所作の意味の他、茶道具や掛け軸に関わる日本の美意識、‟おもてなし”の考え方についても説明が添えられた。

  折り紙の実演では、カルフォルニアから2014年にミシガンに移住した折り紙アーティストMs.Stacie Tamakiが紙を折るだけで楽しむことができる折り紙のPRや折り方のレクチャーを提供した。観客に折り紙が配られ、老若男女、スワンに挑戦。折り上げたスワンを誇らしげに掲げる子どもの笑顔がいかにも嬉し気で、ハンズオン:実践スタイルの文化紹介の良さを再認識させられた。

  様々な才能の人々による実演ステージの締めは『雅』の4名による箏の演奏。

1997年にスタートして以来、300件以上の日本文化紹介イベントなどで演奏をこなしてきた。今回は、水面に散った桜の花びらの情景を表している『花筏』、邦楽の代表曲のひとつ『千鳥』などを選曲。繊細で雅な音色に来訪者はうっとりとした表情で耳を傾けていた。日本の風情を感じさせる和やかな空間が広がった。子供の観客も落ち着いた様子で演奏を楽しんでいた。

  生け花のほか、和菓子作りのワークショップも開かれ、参加者は、どら焼きと、当地で出回っている缶詰の豆(Butter Beans)を使った茶巾しぼり風な菓子を作る機会を得た。缶詰やシュガーのサンプルが展示され、また、どら焼きの中身として、餡の他にいちごジャムやクリームチーズも用意され、和菓子が恋しい日本人にも有難いアイデア提供になっていた。

  米人来訪者からは、当地で日本文化の展示だけでなく、実演を見たり体験したりできる喜びの声が多数寄せられた。

  デトロイト美術館は、自動車産業の繁栄のもと1885年に開館し、着々とコレクションを形成し、今も6万5千点を超える幅広いコレクションを保持するアメリカ屈指の美術館の一つ。2013年にデトロイト市破綻とともにDIAも破綻したが、その翌年にJBSD会員を中心とした日本コミュニティによる$3.2ミリオンという多大な寄付金もあって美術館は存続。そして、その後DIAとデトロイト市救済のためにJBSD 会員の寄付金をつかって、昨年11月に常設日本ギャラリーが開設された。展示品に留まらず、生きた文化紹介を通して、日米交流は活発に続いていくことであろう。

2018 JBSDデトロイト日本商工会 新年会 歌手 尾崎亜美さんを迎え、盛大に

2018 JBSDデトロイト日本商工会 新年会 歌手 尾崎亜美さんを迎え、盛大に 1

1月28日、JBSD(デトロイト日本商工会)の新年会がノバイ市にあるバンケット会場で催された。今回は歌手であり作曲家でもある尾崎亜美さんを余興のゲストに迎え、JBSD会員や地元団体の代表者など、約550名が一堂に会する盛大な集まりとなった。

午前中に行われたJBSD総会で昨年に続いて新会長に承認された藤田佳幸氏の抱負を含めた挨拶、そして在デトロイト日本国総領事館よりJBSDの発展を期する和田総領事の言葉が述べられた。そしてMichigan Economic Development Corporationの代表より当地ミシガン/米国と日本との友好がさらに深まるよう祈念する言葉が表明され、州知事のビデオメッセージも披露された。日本との関係を重視していることが現れていた。

食事後にはメイン企画として、数々のヒット曲を提供している尾崎亜美さんが登場。約1時間にわたり自身のピアノ伴奏で歌を届けた。ご主人で、ベーシストであり作曲家、音楽プロデューサーでもある小原礼氏がベースギターで盛り上げた。久しぶりの共演とのことであったが、演奏も進行も息ぴったりで、さすがであった。

亜崎亜美さんは「還暦です!」と朗らかに語り、会場から「若い~!可愛い!」と驚きの声や賛辞があがった。亜美さんは1976年にデビューし、2016年3月に40周年を迎えたベテラン。代表曲として「冥想」、「マイ・ピュア・レディ」、「初恋の通り雨」、「21世紀のシンデレラ」、「My Song For You」、「蒼夜曲(セレナーデ)」など、多数が知られている他、デビュー3年目より、他のアーティストへの楽曲提供を行ってきている。主なヒット曲は、南沙織「春の予感」、杏里「オリビアを聴きながら」、高橋真梨子「あなたの空を翔びたい」、松田聖子「天使のウィンク」、など日本のミュージックシーンを支えている。今年1月にミニアルバム『〜Life Begins at 60〜』をリリース。ゲスト・ボーカルに槇原敬之、miwaなどが加わっている。

この度の新年会では、「マイ・ピュア・レディ」「オリビアを聴きながら」などのヒット曲を中心に、ベテランでありながら親しみやすい雰囲気と情感あふれる豊かな歌声で、会場を魅了した。この前日にモータウンミュージアムを訪問したという亜美さんは「デトロイトには前々から訪れたいと思っていました」と語り、ミシガン州生まれでモータウンから世界のスターとなったスティービーワンダーの曲を英語で披露した。散会後にはCDの販売/サイン会も行われた。ミシガンの地でライブ演奏の機会を得た幸運を喜ぶ声があちこちで交わされていた。

新年を祝う催しに相応しい華やかさに溢れたイベントであった。

新年会の前にはJBSD通常会員総会とJBSD基金総会が開催され、前年度の活動報告、収支報告に続き、2018年度の常任委員が選任され、各担当者より活動方針や予算が報告された。JBSDは会員企業の事業発展のみならず、日米両国間の相互理解・親睦の促進、地域貢献に繋がる幅広い事業活動を行っている。2017年度には、商工部会による「自動車セミナー」「経営管理セミナー」など計12のセミナー、文化部会による恒例の「音楽祭」および他の団体との共催による「写生大会」や「日本祭り」など、スポーツ部会によるボーリングやマラソン、ソフトボール大会など、さらに、青年委員会が「蚤の市」や各種バスツアーなど8件のイベントを提供した。2017年の特別イベントとして、デトロイト美術館日本ギャラリー公開に合わせたイベント“Japan Culture Days”をJBSD基金のDIA向け寄付を使い、DIAとの共催で実施。開催二日間で7千人以上の入場者を迎え、盛況のうちに催された。 藤田会長は、約2年かけたデトロイト美術館の常設日本ギャラリーの開設実現はJBSDにとって地域社会との新たな文化交流の懸け橋を築くことができたということではないかと思いを語っている。

新年会をはじめ、非会員も参加できるイベントもある。

寒い冬です 鍋が格別に美味しい季節です! ~ レストランの鍋メニュー

寒い冬です 鍋が格別に美味しい季節です! ~ レストランの鍋メニュー 1

 

氷点下の日が続き、「ミシガンは寒い~!」と毎年思っているが、今年は恐ろしいほど特別に寒い!!まだしばらくは厳しい寒さが続くに違いないミシガンの冬。今回は体の芯まで温まる鍋メニューをレポートしました。

自宅で食べる“我が家の鍋”も良いけれど、レストランの鍋料理は別格!自分では手に入れにくい具材やその質と新鮮さが魅力。揃えるのは大変なほど、たくさんの種類の具が入っている鍋メニューにも出会えた。もちろん、ベースとなるダシ(出汁)もシェフの技や素材の質が出ている。

心と体をポカポカにしてくれる鍋料理で長い冬を乗り切りたい!

 居酒屋三平(Canton)

「三平に行ったら鴨鍋!」という人が多いほど。ほとんどのグループ客が鴨鍋をつついていることもある。「冬場に限らず人気です。」と日本人ウエイトレスが話す。同店の看板メニューといえる人気のこの鍋ものは、オーナーが代わる前からの秘伝の割した(スープ)を継承しているオリジナルレシピ。ディナ―メニューのみに入っているが、ランチタイムでも注文が可能。実際にランチ時に食べている人たちをかなり見かける。以前、地元の肉屋で鴨肉を入手して鍋にしたことがあるが、このお店の味やコクは全く出なかった。

注文は二人前からだが、夜には一品物のメニューとして一人前(アパタイザー)サイズがある。こちらは煮込んで出来上がった状態でミニ鉄鍋で供される。

他にも、すき焼き、しゃぶしゃぶ、寄せ鍋(海鮮鍋)がある。寄せ鍋は冬限定。毎週新鮮な魚介を取り寄せている同店ならではの新鮮さが売り。どの鍋も量が多いことに定評がある。鍋類のセット材料(下の写真)のテイクアウトにも応じている。

鴨鍋の他、若鳥の水炊きと湯豆腐、そして冬限定で寄せ鍋も1人前のメニューにある。1人前はディナータイムのみとなっている。テイクアウトもできる。

居酒屋と謳っているだけあり、つまみの種類が多い。「『今日のおすすめ』や、その日の特別メニューもいろいろあります。お酒も各種取り揃えています。ぜひお楽しみください!」

Izakaya Sanpei
43327 Joy Road, Canton MI 48187
Tel: 734-416-9605
*ナショナルホリデーのみ閉店

Oishi(Novi)

日本の麺類(ラーメン、うどん)から寿司、各種つまみなど豊富なメニューを提供しているOishi。寄せ鍋、鴨鍋もあるが、同店が誇る鍋料理が“すき焼き”と“しゃぶしゃぶ”。どちらも、プライムという、高級ステーキハウスが使っているレベルの最高級肉が使われている。一般的なスーパーに置かれている肉とは色つやが違う。もちろん味も柔らかさも抜群。「当店の自慢です。召し上がったお客様から好評いただいています」とのこと。浅めの小ぶりな鉄鍋で少しずつ、、。上品な供し方が高級肉の美味しさを生かしている。

日本人マネージャーは「鍋にもよく合う日本酒や焼酎、日本やアメリカのビールを各種取り揃えています。ワインも豊富にあります。」「ぜひ接待にもご利用ください。メニューのお手伝いもできます。」と話している。お酒類の種類の多さとセレクションの豊富さは定評。

セクションがいくつかに分かれている店内構造なので、30人強のプライベートパーティーも可能。様ざまなシチュエーションに利用できるレストランである。

同店では、ほとんどのテーブルにモダンな電気調理器(IHクッキングヒーター)が備えつけられている。薄型なので、鍋からの取り分けがしやすく、邪魔感が少ないのが嬉しい。

鍋類はいずれも二人前からのオーダー。ランチメニューのリストには載っていないが、ランチのラッシュ時を過ぎれば注文を受けてくれる。「1時以降にはゆっくりと召し上がって頂けます」とのこと。

Oishi
43155 Main St #203, Novi, MI 48375
Tel: 248-380-1600
*月曜日閉店

O’sushi Novi Korean BBQ & Japanese Cuisine (Novi) 

寿司、ラーメンや丼も提供しているO’sushiレストランでは、日本の鍋ものは無いが、韓国の鍋もの(英語で Hot Pot)がある。多くの日本人客に喜こばれているという鍋メニューが韓国風“モツ鍋”。アメリカ人にも好評だという“ミリタリー鍋”はスパイシーなスープにハムやホットドッグ、キムチ、ラーメン麺などが入ったフュージョン料理。

そして「この辺りでこれが食べられるのは、おそらくは当店だけ」とオーナーが挙げたのが“ヤギ鍋”。韓国本国でも手に入りにくい貴重なものとの話。

“ブルコギとタコの鍋”はポピュラーな韓国料理の一品。イイダコのような小ぶりのタコが入っていて、日本でも人気があるようだ。

見た目も味もリッチなのが海鮮鍋で、具材はロブスターをはじめ、魚介がたっぷり!

ワタリガニ、エビ、イカ、タラ、貝の他、シラコ、タラコがわんさか入っている。白菜と春菊、大根、豆もやしも入っていてヘルシー。キムチ鍋ではなく、ややスパイシーで、スンドゥブに近い味だ。魚介類が新鮮、かつ、そのスープの味のお陰もあるのだろう魚介独特の臭みが感じられない。シラコやカラス貝が苦手な人でも大丈夫かもしれない。そして、韓国餅とうどんが魚介のうまみをたっぷりと吸い込んで、味わい深い。

上記の鍋メニューはどれも3~4人向きのサイズで、平たい大鍋で出てくる。二人分の注文も受けてくれるとのこと。ディナーメニューにのみ載っているが、ランチタイムでも可能(同料金)。鍋物にもキムチなどのサイドディッシュ(日替わり)が付くのが嬉しい。

キムチチゲやユッケジャン、カルビタンなどはスープメニューではあるが、具沢山で、食べ応えのある一品物鍋感覚の汁物だ。スンドゥブは海鮮のほかにモツもある。

O’Sushi
41563 W. 10mile Rd., Novi, Mi 48375
Tel: 248-344-1100
*月曜日閉店

西暦2018年 平成30年を迎えて

西暦2018年 平成30年を迎えて 4

新年明けまして おめでとうございます。

当地で迎える正月も3回目となり、年々イルミネーションの輝きと訪れる人々で賑わいを増すダウンタウンデトロイトの移りゆく景色を眺め、月日の流れを実感しています。私もすっかり当地での生活に慣れましたが、地元の文化施設を訪れたり、長年当地に暮らす方々のお話を伺う度に、まだまだ日本とミシガンの関係について知らないことも多いものだと気付かされます。

昨年は、ミシガン大学創立200周年及び全米最初の学際的な日本研究所であるミシガン大学日本研究センターが70周年という節目を迎えたほか、デトロイト日本商工会(JBSD)の貢献によるデトロイト美術館内日本ギャラリーの開設とJapan Cultural Days開催、さらにオークランド郡のイニシアティブによるノバイ市桜ガーデン建設のキックオフなど、新たな日米交流プロジェクトが幕を開け、喜ばしいニュースには事欠かない記念すべき年となりました。年頭に当たって、2018年はどんな「節目」に当たるのか、この機会に調べてみたことをふまえて、列挙してみたいと思います。

先ずは何と言っても、ミシガン・滋賀姉妹州県提携50周年に当たる今年、州内では数々の交流行事が予定されています。両知事による会談、幅広い年齢層の市民から構成される友好親善使節団の相互派遣、そしてミシガン州立大学連合日本センター(JCMU)を基盤とする若者交流を通して深められた両州県の絆は、次の50年も一層強固に、多層的に発展していくことが期待されます。滋賀県・ミシガン州関係以外にもミシガンでは今年55周年を迎えるカラマズー・沼津(静岡)やワイアンドット・小牧(愛知)、40周年のポンティアック・草津(滋賀)、25周年のモンロー・防府(山口)やクリントンタウンシップ・野州(滋賀)など、多くの姉妹都市交流が行われており、当館としてもこれら草の根交流の支援を積極的に行っていきたいと考えています。

JBSDとデトロイトりんご会補習授業校は、1973年にそれぞれの前身であるデトロイト日本人会及びデトロイト日本語補習教室を発足させてから今年で45周年を迎えます。我々館員を含め駐在コミュニティに属する方にとっては特に、これら組織のお陰で日本から遠く離れたミシガンでも安心して家族と共に生活を送ることが出来ていると言っても過言ではないでしょう。こういったネットワーク無しに、日本と異なる環境下で生活を立ち上げていく苦労は想像に難くありません。この45年間、日系企業が地元に根付きながら地域に貢献し、地元市民の信頼を得て受け入れられ、現在の良好な日米関係があることを改めて実感するとともに、日本人コミュニティの皆様の日頃からのご尽力に敬意を表します。

今からちょうど30年前の1988年、オハイオ州メアリズビルで生産されたホンダ・アコードクーペが、日本メーカーが現地生産した車として初めて日本に「逆輸入」されたそうです。日米貿易についてはここ数十年で大きく環境が変化してきましたが、トランプ大統領就任以来、TPP離脱、NAFTA再交渉、税制改革など、引き続き自動車業界に携わる方々は高い関心を持って政権運営の行方を見守っていらっしゃることと思います。グローバル化が進み、北朝鮮による脅威が高まる中、日米経済関係・日米同盟が今後も重要性を増していくことは明らかです。両首脳がしっかりとした信頼関係を維持構築することもさることながら、日米関係の更なる発展のためには、草の根レベルでの交流が今後ますます重要性を増していくことでしょう。

最後に、在デトロイト総領事館は2018年1月1日を以って開設25周年を迎えました。引き続き皆様のお力添えを頂きながら、良好な日米関係の維持・発展に館員一同尽くしてまいる所存です。また、領事出張サービス、旅券や戸籍等の各種証明関係事務の更なる充実・向上に努めるとともに、安全に関する情報についてはタイムリーに発信し皆様が安心して生活できるように安全対策に万全を期してまいりますので、お気付きの点等ございましたら、遠慮なくご連絡、ご指摘下さい。

末筆ながら、本年が皆様にとりまして幸多き一年となるよう、お祈り申し上げます。本年もどうぞ宜しくお願い致します。

デトロイトりんご会補習授業校 宮本正彦校長先生

新年あけましておめでとうございます。

皆様におかれましては、初春をつつがなく、お迎えになられたこととお喜び申し上げます。

本校は1973年に当地在住の日本人駐在員の方々が集まり、子供たちのために自主的に開設したのが始まりで、本年度で創立44周年を迎えました。創立から約44年間、多くの園児、児童生徒が本校で学び、確実に力をつけ成長をすることができました。こうした学習環境の充実の背景にはデトロイト日本商工会、在デトロイト日本国総領事館のご支援をはじめ、非営利団体である「りんご会」の多大なるご支援と各関係機関による多くのボランティア活動の力が基盤となっています。

さて、日本の国際的諸活動の発展に伴い、海外進出している日系企業数は過去最多となり、海外在留邦人も約134万人となりました。その内、義務教育段階の子供たちは平成29年度に8万人を超え、その数は今後も増加傾向にあります。そうした子供たちの多くは日本人学校または補習授業校に通い日本の学習指導要領に基づいた教育を受けています。

現在、日本では小学校は平成32年度、中学校は平成33年度より完全実施される新学習指導要領の準備を計画的に進めています。学習指導要領は時代の変化や児童生徒の実態、社会の要請を踏まえ、10年ごとに改訂されます。そして、これから必要とされる資質や能力を明確にしながら、学校現場では授業実践を通して児童・生徒の育成を図っていきます。また、改定に伴い教科書検定、教科書採択が行われます。現在、使用している教科書においても今後、内容等が変更されることとなります。

学校は社会の準備段階であると同時に、学校そのものが、子供たちや教職員、保護者、地域の人々などから構成される一つの社会です。そうした環境で身についた子供たちの学力こそ、今後の社会の中で発揮されることに大きな期待があります。少し先を想定して、小・中学校では2020年に開催される東京オリンピック・パラリンピックから、その後の10年後の2030年頃を見通した社会で発揮できる子供たちの学力に期待し、その育成をする必要があります。

昨今、日本の人口変動による社会的な変化が予想され、経済界をはじめ多方面から現実的な2030年の日本の姿が述べられています。文部科学省でも新学習指導要領の実施に向けて、教育課程企画特別部会を設定し、論点整理が行われました。そのまとめの中に次のような資料が記されています。

『日本の2030年には、少子高齢化が更に進行し、65歳以上の割合は総人口の3割に達する一方、生産年齢人口は総人口の約58%にまで減少すると見込まれている。そして、同年には、世界のGDPに占める日本の割合も低下し、日本の国際的な存在感の低下も懸念される。グローバル化や情報化が進展する社会の中では、多様な主体が速いスピードで相互に影響し合い、一つの出来事が広範囲かつ複雑に伝播し、先を見通すことがますます難しくなってくると予想される。子供たちが将来就くことになる職業の在り方についても、技術革新等の影響により大きく変化することになると予測されている。子供たちの65%は将来、今は存在していない職業に就くとの予測や、今後10年~20年程度で、半数近くの仕事が自動化される可能性が高いなどの予測がある。また、2045年には人工知能が人類を越える「シンギュラリティ」に到達するという指摘もある。このような中で、グローバル化、情報化、技術革新等といった変化は、どのようなキャリアを選択するかにかかわらず、全ての子供たちの生き方に影響するものであるという認識に立った検討が必要である。』

そうした時代の変化に対応するために、子供たちに「基礎的な知識及び技能」「これらを活用して課題を解決するための必要な思考力、判断力、表現力」および「主体的に学習する態度」の、いわゆる学力の三要素から構成される「確かな学力」をバランスよく育むことが学校の大切な役割です。

本校の教育は日本の教育内容の一部を、年間42日間の授業日(土曜日)を通して補習を行っています。そして、児童・生徒が帰国後、日本の教育環境にスムーズに適応できるようにすることと同時に「米国において平日の現地校と週末の補習校の両方で勉強を続け、努力する子供たちこそ、より国際社会で活躍できる」という目的に向かって園児・児童・生徒の育成に努めています。

本校の園児、児童生徒数の合計は965人(12月10日現在)、常勤職員と臨時職員を合わせると約100人の世界4番目の大規模な補習授業校です。今年も本校教職員が一丸となって、本校の教育目標とめざす園児、児童生徒像の具現化に向けて、着実な授業実践を積み上げ、子供たちの成長を共に喜び合える「チームJSD」として取り組んで参ります。

デトロイト美術館〜日本ギャラリーオープンオープニングイベントと日本文化紹介イベント

デトロイト美術館〜日本ギャラリーオープンオープニングイベントと日本文化紹介イベント 2

Copy of IMG_4959IMG_5380この11月、デトロイト美術館(以下DIA)に常設の日本ギャラリーがオープンし、その祝賀記念として多様な日本文化紹介のイベントがデトロイト日本商工会(JBSD)とDIAの共催により盛大に催された。この日のためにJBSD側はイベントの専任チームとしてジャパンチームを結成。現JBSD顧問の大光敬史氏がチームと責任者となり企画・実行し、美術館側との調整を進め、今回の成功に至った。

遡れば、2013年にデトロイト市破綻とともにDIAも破綻したが、その翌年にJBSD企業会員を中心とした日本コミュニティから$3.2ミリオンという多大な寄付金もあってミシガンが誇る美術館は存続。そして、その後DIAとデトロイト市救済のためにJBSD会員が寄付した一部をつかって、日本ギャラリーが開設された。同ギャラリーは日本コミュニティとデトロイト市の絆が形になったスペースと言えよう。大光氏はアメリカのメディア向けに「当地の日本コミュニティとミシガンの人々は長い間、共に成果と友情のつながりを享受してきました。この絆を築けたことに対して、私たちが働き暮らしている地域社会に還元したいと思いました」と支援の源にある思いを表明している。

IMG_4929IMG_478011月4日の日本ギャラリーの一般公開に先駆けて11月2日には、DIAの大ホール:Great Hallに於いて、ミシガン州知事、在デトロイト総領事ほか政府関係者、大口寄付会社の代表者、さらに日本より滋賀県副知事、豊田市長など、約150人を招いて、Japan Galleryのテープカットとギャラリー見学、そして晩餐会が行われた。ミシガン州と姉妹県である滋賀県が晩餐会で供された白米と信楽焼の茶碗を用意したほか、文化紹介イベント中には滋賀産の煎茶の試飲や淹れ方実演を提供、当地総領事館は和菓子作りのブースを担当。デトロイトと姉妹都市である豊田市からは『棒の手』という農民の武術がもとになった武術の保存会グループが実演披露のために来訪した。

このイベントのために、高校生を主とする10名の着物ガールズと8名の法被(はっぴ)ボーイズのボランティアグループが結成され、着物ガールズは来賓客の誘導やテープカットの介添えなどを、法被ボーイズは御神輿かつぎなどを受け持ち、会場に華やかさや凛々しさを与えていた。

IMG_4833晩餐会では、DIAの理事長、和田総領事、シュナイダー州知事、滋賀県副知事、そして藤田JBSD会長が挨拶に上がり、それぞれが、日本ギャラリー開設の祝辞に加えて、日米の良好かつ強い絆を喜び、その継続を祈念する言葉を述べた。シュナイダー州知事が、滋賀県を訪れ交流したことに触れたあと、「市の破綻という困難な時に、日本の企業・人々という大切な友がいてくれた。乗り越えたことを誇りとし、祝そう」「“美”や“人”の意味するところと素晴らしさを子供たちに、その子供たちに伝えたい」と述べた言葉に多くの参席者が頷いていた。続いて、用意された三つの樽酒で鏡開きが行われ祝賀ムードが最高潮になり、豊田市長の音頭で参列者全員による乾杯が挙げられた。

会の終盤には、日本文化紹介のために日本及びロサンジェルスから来訪した6人の伝統工芸の匠と和菓子職人夫妻の紹介、そして、『棒の手』の武術実演、さらに、50か国以上で海外公演を行なってきたプロの舞踊集団『菊の会』による阿波踊りも披露された。そして最後に、一連のイベントの立役者である大光氏が閉会の辞として、日本ギャラリー開設が実現した喜びと週末の文化紹介イベントの成功を祈念することばに重ねて、文化を通した交流が続いていくことを願うことばなどを伝えた。

常設日本ギャラリーの展示品について、詳細は次号1月号に掲載する予定だが、ざっくり言えば“数より質”で、単なる展示ではなく、能の面や衣装などの隣には日本で作成された概説ビデオ上映があり、掛け軸は本格的な床の間に1点のみが収まっており、茶道具の横にはデジタルの“茶の湯体験コーナー”が設置されている。背景にある伝統文化や、生活の中での美術品の在り様を伝えることに重きを置いている。屏風や掛け軸は季節に合わせて展示を替えていくとのこと。伝統的な物ばかりでなく、入り口には現代作家によるセラミック作品が鎮座し、その奥に配置された兜と好対照をなしている。

IMG_5144日本ギャラリーの奥のスペースには特別展示の茶室が出現。一枚壁ではなく、籠のように外から見通せるデザインで、伝統的な形式とは異なるアート作品であるが、他の展示先では中で実際にお点前を供し、外部の自然とつながる特徴的なスタイルについて茶人からも称賛を得たという。

さらに奥の天井の高い大空間には御輿が飾られ、祭り風景の大画像が壁に投影されていた。この御輿は、本イベントのコーデュネーターを務めた伊東氏の父親である御輿職人が寄贈したとのこと。

IMG_4773多くの人々の関りと奔走・尽力があればこそ、ここに在る展示品の数々である。

4日と5日の午前10時から閉館時刻の午後5時まで終日、館内の6カ所の会場で披露された幅広い分野の日本文化紹介イベントは、日系コミュニティと当地とのかけがえのない絆を祝すにふさわしい、非日本人にとって、また、日本人にとっても貴重かつ多彩な内容で、両日ともに訪問者が溢れるほどの賑わいをみせた。

日本の伝統工芸や和菓子の師匠による実演や講演、そして舞踊や武道の披露のほか、アニメーション映画『君の名は。』の上映もあり、日本で大ヒットした作品を当地で鑑賞できる機会にも恵まれた。

多くの時と人力を投じて準備を進めてきた大イベントは盛況のうちに終了したが、何らかの形でDIAでの日本文化紹介の企画を催してゆくとの話である。今後の展開に目が離せない。

JSDウィメンズクラブ・JBSD文化部会共催 2017年度 日本まつり開催

JSDウィメンズクラブ・JBSD文化部会共催 2017年度 日本まつり開催 17

IMG_4127_edit 穏やかな日和に恵まれた10月1日(日)、JSDウィメンズクラブとJBSD(デトロイト日本商工会)文化部会の共催による恒例の大イベント日本まつりが昨年同様にノバイ市のハイスクールを会場に開催された。1時から4時までの開催時間を通して大勢の人で賑わった。無料の自由参加イベントであり、入場チケットを発行していないため、訪問者の人数は把握できないが、「例年より人出が多い」「昨年より混み合っていた」との声が多く届いてきた。

IMG_4111この日本まつりは、アメリカ人や他の文化背景を持つ人たちへの文化紹介と交流を主目的に様々な展示や実演などが行われている。もちろん周辺に滞在している日本人が楽しむ場にもなっており、当地の秋の行事として定着している。親子で浴衣姿で散策する姿も多く、祭りムードを高めていた。

在デトロイト日本国総領事館、日米協会、滋賀県の協力、そして会場のあるノ バイ市ならびにノバイ教育委員会のサポートを得て毎年開催している。今年も多数の団体や個人ボランティアが協力してこのイベントを支えた。JSDウィメンズクラブが書道コーナーのアレンジや当日の舞台の進行などを執り行なったほか、近隣の多数日本人女性がボランティアに応募し陰に表に活躍。また、ノバイハイスクールの生徒を始め、日本語を学習する現地のハイスクール生や大学生たちもボランティアとして参加し、来訪者との懸け橋として若いパワーでイベントを支え、盛り上げていた。

IMG_4036アトリウムと呼ばれる広々としたスペースには茶の湯や書道の実演や、書道・折り紙などの体験のコーナーが設けられ、手馴れた日本人女性たちを中心に実演や体験ワークショップが提供された。

IMG_4017茶の湯実演は、当地で活動する裏千家・表千家、2つの流派が手を携え、合わせて6回もの実演が行なわれた。お点前に合わせて英語での丁寧な解説も添えられ、多くの人が興味津々の表情で見入っていた。参観者は和菓子と抹茶を味わうチャンスにも恵まれた。生け花インターナショナルによる季節感溢れる数杯もの展示が文字通り華を添えていた。書道パフォーマンスは、書家である藤井京子さんが身の丈以上の書を見事な筆さばきで披露。紅葉の絵を施した和紙に「紅葉」の歌詞が書き上げられた。

IMG_3915IMG_4125また、ミシガン州と姉妹県関係にある滋賀県による文化紹介ブースを始め、デトロイトりんご会補習授業校、JCMU(Japan Center for Michigan University)など、日本に関連した団体のブースも並んだ。日本生まれの商標デザインを元にタオル帽子を作製し患者さんに寄贈する活動をしている「ミシガン・タオル帽子の会」も昨年に続きブースを出した。今回はじめて、ハンドスタンプアートプロジェクトのブースも登場。弊紙8月号で同プロジェクトについて記載したが、この活動は2014年に障がいを持つ子供の親たちが中心になってスタートしたもので、子ども達を支える人々の手形を世界中から集めてひとつのアート作品を作り、2020年東京パラリンピック開会式での掲示することを目標としている。

DSC_7955日本まつりの場で様々な活動や当地と日本との繋がりを知ることができる意義も大きい。

IMG_4101自作の割りばし鉄砲での的当てゲームや輪投げなどの日本の縁日遊びの体験コーナーには長い行列ができていた。書道と折り紙のワークショップも終始盛況で、ボランティアの女性や学生が懇切丁寧に手ほどきをしていた。書道コーナーには仮名や漢字を知っている非日本人の体験者も多く、楽しそうに挑んでいた。出来上がった折り紙作品を嬉しそうに親に見せる子どもの姿もあり、笑顔がたくさん見られた。
IMG_4076taiko6同イベントは隔年で体育館に櫓を組んで盆踊りを中心に夏祭り風にパフォーマンスを組む年と、講堂をステージに演目が披露される年があるが、今年は講堂で、8つのプログラムが順次進められた。

幕開けと締めには「五大湖太鼓センター」が、祭囃子の太鼓とは一味異なるパフォーマンス太鼓のダイナミックな魅力を披露。太鼓の音はアトリウムまで届き、音を聞いて会場にかけつけた人もいた。

IMG_3932田川八段が長を務めるデトロイト剣道道場による実演は、通常の稽古通りに“礼”から始まり、子どもたちの打ち込み練習が真剣そのものに行なわれ、“礼”にて終了した。短い時間ながらも日本の武道の折り目正しさを観客に伝えた。

一転して「ドリームシンガーズ」が会場を華やかに。主催者である森みゆきさんのオリジナル曲『Love Your Life』や『南中ソーラン節』を愛らしく元気に披露した。

IMG_4006ミシガン沖縄県人会「ちむぐぐる会」の演奏は5曲。民族衣装をまとい、琉球エイサースタイルの舞と太鼓を演じた。女性6人によるものであったが、勇壮で荘厳な雰囲気を醸し出していた。

名取である小山みち江さん(花柳徳猿)がオハイオ州から駆けつけ、『荒城の月』などを舞った。御一人での演舞でありながら、堂々たる一挙手一動によって気品ある空間を生み出していた。

IMG_4084邦楽グループ「雅(Miyabi)」は琴と、洋楽器であるバイオリンとチェロを加えて『秋の言の葉』など箏曲を奏で、雅な和の世界へ観客を誘った。

otomodachi混声合唱「音もだち」は男声と女声による層の厚い歌声で『鴎』など3曲を豊かに歌い上げ、穏やかな時を聴衆に届けた。

総領事公邸の料理人である中野楓さんの和菓子プレゼンテーションと、彼女の手ほどきによる“和菓子づくり”は昨年の大好評を得て実施された参加型ワークショップ。老若男女が、柔らかな感触と甘い味を楽しんだ。

準備運営に動き回ったJSDウィメンズクラブ運営委員からは「協力団体はもとより、たくさんのボランティアのサポートがあってのこと、感謝しております」との感謝と合わせて、「改めて日本文化の素晴らしさを実感した一日でもありました」との言葉があった。これは多くの関係者、出演者、訪問者の思いでもあろう。和やかに盛況に続くことを祈りたい。

ルネサンス フェスティバル 2017

ルネサンス フェスティバル 2017 6

IMG_33508月19日から10月1日までの週末と Labor Day、そして’Festival Friday’9/29(金)、Holly(PontiacとFlintの間)でルネサンスフェスティバルが開催されている。広大な野外会場がルネサンス期の衣装をまとった人々で賑わう。貴族や騎士、商人、農民、ジプシー、バイキングや海賊、はたまた寓話の世界からの登場もOKということで、魔法使いに妖精、人魚、トロールまでいる。パフォーマーや店のスタッフだけではなく、エキストラの俳優が歩いていたり口論していたりする。仮装している来場者もかなりいる。カラフルなペンキと花などで彩られた小屋や店は大掛かりな舞台道具のよう。かの時代の市場の賑わいはかくのごときか、といった雰囲気の中で、買い物や飲み食い、踊りや音楽、寸劇などが楽しめる。古代ヨーロッパへタイムトラベルができる期間限定特設テーマパークといったところ。主催者によれば、例年、25万人がミシガン州内はもとより他州やカナダからも訪れる当地指折りのイベントである。

DSC_778617エーカーという広大な敷地に、300を超すアーティストのブースやテントの売店が立ち並び、工芸アート製品 ―エキゾティックなジュエリー、ガラス製品、絵画、皮製品、陶器、などなど― のほか、他所ではあまり見ないルネサンス風な衣装や装飾品を扱う店が多いのが特徴。ナチュラルな石鹸やハーブ、ハニーやスパイスの店もある。さらに、占い屋敷や香りの店が魅惑的な雰囲気を醸し出している。吹きガラス、鍛冶屋の実演も行われている。

IMG_3210場内に17ある大小ステージやストリートではハープやバグパイプをはじめとする様々な楽器による音楽、アイリッシュダンスなどの踊り、コメディー、曲芸などを日がな楽しむことができる。ハイライトは大広場で繰り広げられる馬上競技のショー。内容設定は子供も楽しめるような、茶番で笑いを誘うものだが、本物の馬の颯爽とした走り、そして剣の立ち回りは演出とはいえ見ごたえがある。1日1回(12時半)行われるパレードはなかなかの見もの。

IMG_3198毛色の変わったところで人気を集めていたのは「Birds of Prey」という猛禽(もうきん)のショー。調教した鷹やフクロウを間近でみることができ、ラッキーであれば手や肩に乗せてもらったり、一緒に写真を撮ったりできる機会に恵まれる。

IMG_3224その他、追加料金になるが、食事をとりながら観る特別ショーやカクテルパーティーもある。今年の新しい催しの一つは「New 30 Craft Beers」。クラフトビールばやりを反映している。

子ども向けの人力による乗り物や大人も楽しめるゲームのコーナーがあり、木造りの大ブランコ、斧投げなど、シンプルさがユニーク。コンピューターやハイテクゲームがあふれる時代に、その素朴さが受けるのか、無邪気な歓声があがっていた。クラフトやダンスなど参加型のアクティビティーも数多く企画されている。

IMG_3367開場は10:00am~7:00pm。雨天でも開催。店を覗き、ショーをいくつか観ているうちに2,3時間はすぐに経つ。各週末の特別イベントも組まれている。詳しい情報は、www.michrenfest.comで。

ビールも喫煙もありという、自由なルネサンスらしいフェスティバルだ。前述したように扮装も楽しめる場だが、騎士や海賊につきものの剣など、武器の類は持ち込めないのでご注意を。

IMG_3363入場料:大人$22.95、子ども(5~12歳) $13.95 。*乗り物やゲーム代は別。

ホームページ内のオンライン、またはKroger、Walgreens、Menardsなどの店内で前売り割引券が購入可。Tim HortonやSubwayでクーポンが入手できる。

開催場所:12600 Dixie Hwy, Holly MI 48442

(I-75をExit93で降り、Dixie Highway北上)