Friday, June 21, 2024

デトロイト美術館 ひなまつりイベントで春を祝う

3月1日(日)、デトロイト美術館において、毎年恒例となったひなまつりのイベントが行われた。当日は、“Girls Day”としてこちらでも紹介されることの多い桃の節句に興味を持つ多くの地元民が駆けつけた。

 館内のあちらこちらに設置されたイベントスペースだが、メインはグレイトホール。スペースを華やかに彩る七段飾りのひな人形が展示され、多くの人たちが記念撮影を楽しんだ。書家の藤井京子氏による書道の実演、OH州で活躍する和菓子作家の杉井ステフェス淑子氏によるねりきり和菓子の実演、折り紙、琴のワークショップ、いけばなインターナショナルデトロイト支部による生花アートの展示、英語による日本昔話の紙芝居など、ホールは日本文化に興味を持つ人で埋め尽くされた。グレイトホールの奥には、デトロイトを象徴したディエゴ・リベラが描く巨大フレスコ画に囲まれたリベラ・コートがあるが、そこにはステージが設置され、JSDウィメンズクラブのメンバーによる茶の湯デモンストレーションも行われた。観客はお手前のひとつひとつの説明に熱心に耳を傾け、ゆったりとした非日常の時間を楽しんでいるようだった。その後は女児の和服着付け・所作の教示、神輿展示なども行われ、こちらも多くの人で賑わった。

 その他、プレンティスコートでは、着物を着たボランティア学生により煎茶とお茶菓子も振る舞われ、日本旅行の経験がある参加者は、「まるで京都のお茶屋に来たみたい」と笑顔で話してくれた。また、ミシガンとの姉妹州県である滋賀県紹介のブースでは近江茶を紹介しており、こちらも留学などで滋賀を訪れた経験のある地元の人も嬉しそうに立ち寄っていた。お茶の試飲やいちご大福づくりのワークショップなど、日本の「食」を体験できる箇所はどこも大盛況。日本食への興味の高さがうかがえる。2017年に開設されたジャパンギャラリー内では三味線と沖縄三線の演奏が行われた。沖縄三線を披露したのは、現在キャントン市の高校に留学中の伊波妃菜(ひな)さん。留学できることになったのも、またこのようなイベントで演奏できる機会に恵まれたのも、すべてこの三線があったから、と明るく話した。この日、パフォーマンスは、美術館に併設された映画館でも「かぐや姫」が上映された。
午後からリベラコートでは、本イベントを共催したデトロイト総領事、JCD会長、美術館代表による挨拶が行われ、中川総領事は「年々日本とミシガンの友好関係がさらに深まっていると実感する」とし、このイベントがミシガンと日本の橋渡しイベントとしても大変良い例であると述べた。また、JCD会長の大光氏によると、来年は、また「新たなひなまつり」が見られるよう皆で協力し合っていくと、JCDとして、さらに日本文化紹介に力をいれると意欲を見せた。

 本イベントは、デトロイト日本商工会のJapan Cultural Development(JCD)、同美術館、在デトロイト日本国総領事館およびJSDウィメンズクラブ協力のもとに開催されているが、もとは、デトロイト総領事官邸において行われた小さなひなまつりの集まりであった。デトロイト美術館関係者がゲストとして招かれ、その後話がまとまったことから同館で行われるようになる。2013年デトロイト市の破綻とともにDIAもその波を受けたが、デトロイトの復興に地元の企業をはじめ、JBSD会員を中心とした日本コミュニティも一丸となり寄付を集め美術館は存続。その後もJBSD会員を軸とする更なる寄付金により同館には2017年、日本ギャラリーが開設された。現在のデトロイト美術館を通したミシガン州と日本コミュニティとの更なる強い繋がりの始まりだった。

 JCD(JapanCultural Development)活動が始まったのもこの時期にあたり、現在はJBSDの文化活動チームとして日本文化理解への推進活動を続ける。

 今年は3月1日(日)の午前11時から午後5時までの実施で3,200人近い入館者が記録され、「2018年、19年の入館者の2,500〜2,800人に比べると地元の方々の日本文化への興味が大いに高まってきていることを感じます。」とJCD大光氏。プログラムのパフォーマーの方々に加えて、多くの企業、ボランティアの方々が関わり、総勢で160人以上の手によってこのイベントが行われた。地元の日本人のみならず大勢の地元の人々で盛り上がりを見せたひなまつりとなった。

  (写真協力:JSDウィメンズクラブ)

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西暦2020年 令和二年を迎えて

新年のご挨拶

 JAPANニュース倶楽部読者の皆様、明けましておめでとうございます。早いもので、在デトロイト日本国総領事として着任してから一年が過ぎ、ミシガンでの冬も2度目となりました。令和初めてのお正月、皆様どのように迎えていらっしゃいますか。

 昨年、平成31年と令和元年を振り返ってみますと、デトロイト総領事館が管轄するミシガン・オハイオ両州は、活気のある年となりました。一昨年に滋賀県とミシガン州の姉妹州県交流が50周年を迎えましたが、昨年は、ミシガン州では大津市

とランシング市、彦根市とアナーバー市が、オハイオ州でも大磯町とデイトン市が50周年を祝いました。また、東近江市と、ミシガン州アッパー・ペネンシュラに位置するマーケット市との姉妹都市交流も40周年を迎え、長年にわたる皆様のご尽力に改めて感謝を申し上げたいと思います。本年は埼玉県とオハイオ州の姉妹州県交流が30周年を迎え、さらには、ミシガン州と日本の姉妹都市交流では最も長い歴史をもつ、豊田市とデトロイト市の姉妹都市交流が60周年を迎えます。

 文化交流も非常に活発な一年でした。クリーブランド美術館では、昨年4月から6月まで「神道展」が開催され、日本でもなかなか目にすることのできない貴重な美術品を観に、オハイオ州内外から多くの人が訪れました。シンシナティ美術館では着物展が開かれ、姉妹都市である岐阜市の皆さんによる着物ショーも開催されました。6月から10月にかけて、ラフカディオハーン訪米100周年を記念した行事も開かれました。デイトン美術館でもこの2月から「月岡芳年展」が開催されると聞いております。デトロイト美術館、ミシガン大学美術館、トレド美術館にも、充実した日本美術品コレクションがあるほか、ミノル・ヤマサキ、フランク・ロイド・ライトの建築作品やフリーアハウスなど、当地には、日本にゆかりのある場所も、数多くあります。

 昨年中には、ミシガン州・オハイオ州にある日本庭園などにも足を運ぶことができました。マイヤーガーデン(グランド・ラピッツ)、クランブルックガーデン(ブルームフィールド・ヒルズ)、ダウズ・アボリータム(オハイオ州ニューアーク)…。フランクリンパーク(コロンバス)、クローン植物園(シンシナティ)では、米国の盆栽愛好家、生け花愛好家に対し、専門家によるレクチャーとデモンストレーションも行われました。

 春先には、ミシガン州立大学トリゲートファームでのお花見や、ベルアイルでの鯉祭りなど、「地元発」の日本関連文化行事もありました。秋には、ミシガン大学に歌舞伎役者の中村京蔵氏が訪問し、これは参加申し込みが多すぎて、観客を限定しなくてはならないほどに大盛況でした。

 今では毎年恒例となった、デトロイト美術館でのひな祭り、アナーバー・ジャパンウィーク、ノバイの日本祭り。2年目も大盛況となったダブリン・七夕祭り。このように、当地のあらゆる所で、多くの地元の方々のあたたかい協力と参加を得て、日米間の人的交流・文化交流が行われていることをとても嬉しく思っております。

 昨年は、大谷翔平選手の復帰戦に沸いたデトロイト。先月には、八村塁選手も

デトロイトでプレーされました。日本はラグビーワールドカップで盛り上がりましたが、いよいよこの夏は、東京オリンピック・パラリンピックです。

 日本と米国の間の堅く太い絆は、当地に在住しておられる日本の皆様一人一人の貴重な御努力の上に、はじめて成り立っているものだと思っております。ミシガン・オハイオ両州の至るところでみられる地元の方々からの「日本への愛」に感謝しつつ、地域コミュニティ活動への積極的な参加等、皆様には、より一層社会に根付いた活動への協力をお願いしたいと思います。私たち総領事館といたしましても、2020年を盛り上げていくため、微力ながらも努力していきたいと思っております。

 末筆ながら、今年一年の皆様のご健勝とご多幸を心より祈念し、新年のご挨拶とさせていただきます。

令和2年1月

在デトロイト日本国総領事館

総領事 中川 勉

 

 

 新年あけましておめでとうございます。これから始まる一年が、皆様にとってかけがえのない素晴らしい年となることをお祈り申し上げます。

 本校は1973年の開校以来、本年度で創立46周年を迎えました。多くの園児、児童生徒が現地校と両立しながら本校で学び、確実に力を高めることができました。それは、デトロイト日本商工会、在デトロイト日本総領事館をはじめ、非営利団体である「りんご会」の多大なるご支援と、各関係機関による多くのボランティア活動、そして保護者の皆様の温かいご理解とご支援によるものです。この場を借りて、厚く御礼申し上げます。

 さて、令和二年、2020年は、東京オリンピック・パラリンピックが開催される年になります。昨年のNHK大河ドラマ「いだてん」に描かれた1964年のオリンピック以来、実に56年ぶりの東京での開催です。オリンピックは33競技339種目、パラリンピックは22競技537種目があり、トータル30日間の日程で行われます。どんなドラマが展開されるのか、今からワクワクしています。

 教育関係では、2020年度は小学校で新たな学習指導要領が完全実施となり、その後中学校、高等学校へと展開していきます。「学習指導要領」は、日本国内全ての学校教育の指針となるものであり、この学習指導要領をもとに、各学校は教育目標の具現化を目指した教育課程を編成します。本校の設置目的にも、「日本の学習指導要領に基づいた教育課程を補習する機会を与える」とあり、その理念や方針などを十分理解した上で、教育課程を編成し、実施していく必要があります。そこで、この紙面を借りて、今回の「学習指導要領」の要点について説明させていただき、ご理解いただきたいと思います。

〇込められた理念:学校で学んだことが,子供たちの「生きる力」となって、明日に、そしてその先の人生につながってほしい。これからの社会が、どんなに変化して予測困難な時代になっても、自ら課題を見つけ、自ら学び、自ら考え、判断して行動し、それぞれに思い描く幸せを実現してほしい。そして、明るい未来を共に創っていきたいという願いが込められています。これまで大切にされてきた、子供たちに「生きる力」を育むという目標は、これからも変わることはありません。この「生きる力」を構成する一つが「確かな学力」であり、さらに「確かな学力」は、「基礎的な知識・技能」「思考力、判断力、表現力」「主体的に学習に取り組む態度」の三要素から成り立ちます。

〇何を学ぶか:小学校では、5・6年に新たに「外国語科」の教科が加わり、週2時間、年間70時間外国語を学びます。また、3・4年生は「外国語活動」が週1時間位置づけられ、4年間を通じて「聞く・話す・読む・書く」の4技能の基礎的な力を育成します。また、既に昨年度より実施されていますが、「特別の教科 道徳」も教科として加わり、答えが一つではない道徳的な課題を、一人一人の子どもたちが自分自身の問題と捉え向き合う「考える道徳」、「議論する道徳」へと転換が求められています。

〇どのように学ぶか:「主体的、対話的で深い学び」の実現を目指します。そのために、「何ができるようになるか」という、子どもたちに必要な資質・能力を育てるために、「何を学ぶか」という学習内容と、「どのように学ぶか」という学びの過程を組み立てていく授業改善が大切になります。

〇社会に開かれた教育課程:学校の教育目標や目指す子どもの姿、それを実現するための教育課程等について、保護者の皆様や地域の皆様に十分理解をしていただき、お力添えをいただきながら、よりよい学校教育を通じてよりよい社会を創るという目標を達成していくことが大切になります。

 これら学習指導要領の理念や方針、また「りんご会」理事・運営委員会の経営・運営方針を受け、本校の教育目標具現に向けた教育課程を編成し、教職員全員の共通理解のもとで力強く実施していきます。年間42日間という限られた時間の中であっても、将来子どもたちに生きて働く「生きる力」を確実に育むことができると信じます。小学校では、指導の中心となる国語、算数、社会等の教科は、教科書も一新されるため、現在年間や単元の指導計画を新たに作り直しているところです。また、それほど多くの時間ではありませんが、教科となった道徳の指導にも力を入れ、子どもたちの道徳性を育んでいきたいと思います。今回の学習指導要領で大事にされていることの一つに、物事を捉える視点や考え方を指す「見方・考え方」を豊かにするということがあります。それぞれの教科での指導はもちろん、特に道徳の時間の中で、仲間と共に互いの見方・考え方による意見を交流したり議論したりすることをとおして、一人一人の「見方・考え方」がより広く、深く、豊かになると考えます。

 このような本校の思いや願いをご理解いただき、本年も、多くの皆様からの今までと変わらぬ温かいご支援、ご協力を賜りますようお願い申し上げ、新年の挨拶に代えさせていただきます。

デトロイトりんご会補習授業校 井口豪校長先生

デトロイトりんご会補習授業校 現地教育者向けのオープンハウス

デトロイトりんご会補習授業校の恒例行事であるオープンハウスが、10月26日(土)に開催された。このオープンハウスは、児童生徒が平日に通う現地の学校の先生や教育委員など教育関係者を招待して行われ、授業参観及び交流と、日本文化紹介を通じて児童生徒への理解と関心を高めてもらい、ひいては現地校での児童生徒への指導に役立つ情報を提供することを目的としている。

 現地の先生にとっては貴重な休日にも関わらず、幼稚部から高等部まで合わせて80名以上の訪問者を迎えた。

 参加者は受付で校内地図などの参考資料を受け取った後、1時間ほど授業を自由に参観。現地校の学級担任やESL(ELL)の先生方は、担当の子ども達が所属する教室を探して訪れ、学習する姿に温かいまなざしを向けていた。幼稚園部では工作や折り紙を園児と一緒に作業する訪問者の姿も多く見られた。廊下には児童生徒による絵日記や研究発表、書道作品などが壁に貼りだされ、教科書や副教材(学習帳)などが並べられ、少しでも理解を深めてもらおうとする担任の先生の想いが現れていた。父母会の案内担当者に熱心に授業内容や教材について質問する参加者も多く、日本の指導法への関心の高さも窺えた。

 来校者からは「ここでも(現地校に居る時と)同じようにのびのび活動していて安心した」「活発に発言している姿が見られた」といった児童に対する感想の他、クラス全体の集中度の高さを称賛する声も寄せられた。「学習形態がかなり違う」「言葉の分からない状況が察せられた。より工夫して指導していきたい。」といった感想も多く、オープンハウス開催の効果は大きい。

 参観後には体育館にて、全体会が行われ、幼稚園部年長組の「つき」と「どんぐりころころ」の愛らしい歌唱によるオープニングに続き、日本の学習指導要領や教育課程について、また同校の歴史や教育課程、高校での指導教科と評価及び現地の高校での単位認定等について、スライドを示しながら説明がなされた。質疑応答では、教師のトレーニングの仕方、帰国後の子どもたちの様子などについての質問があり、興味関心の高さがここでも窺われた。

 例年はこの行事にあわせて催されていたETJ(日本へ教育関係者を送るプロジェクト)報告会は、今年は受け入れ側の事由で日本訪問そのものが実現しなかったために実施されなかったが、廃止されたわけでは無く、再開するとの説明が担当者から伝えられた。

 その後、小学部4年生が太鼓と合唱による「ソーラン節」の演奏と校歌を披露し、最後にりんご会理事長を務める谷口氏がお礼の言葉と願いを伝え、締めくくられた。

 全体会の会場となった体育館には日本の学校生活や風習文化を紹介するパネルや花嫁衣装の着物、こいのぼり、ひな人形などが多数展示され、りんご会の保護者らが説明にあたって交流する和やかな姿が見られた。

 

デトロイト補習授業校学校便り「五大湖」より~高等部が宿泊交流学習を実施しました

高等部では、11月9日(土)から10日(日)にかけて、恒例の宿泊交流学習を実施しました。今年度はコロンバス日本語補習校を5年ぶりに訪ねました。本校からは42人が、コロンバス校からも50人近い生徒が参加し、大人数での交流となりました。今回のディスカッションテーマである「将来グローバル社会の中で貢献するために、自分はどんなことをしているか」について、双方の生徒が混在する5つのグループに分かれて議論し、意見を模造紙にまとめて発表しました。各グループからは個性的な意見が発表され、お互いの見方・考え方から多くを学ぶことができました。その後はカジュアルトークで交流を深めました。短い時間でしたが、とても意義のある交流になりました。また、コロンバス市内の車窓観光、リンカーン大統領や南北戦争の将校たちが訪れたというState House(州議事堂)見学、オハイオ産業科学博物館(COSI)で豊富な展示物の見学や、実際に展示物を動かしたり乗ったりしながら、普段の補習校では味わえない学習を体験しました。この宿泊交流学習を通して、生徒たちは集団の一員としてのあり方や、責任感、協調性の大切さを学びました。今回の貴重な体験を、今後の生活に大いに生かしてくれることを願います。引率いただいた村瀬委員様はじめ、関係者の皆様へ心から感謝を申し上げます。

校長 井口 豪

写真提供:デトロイト補習授業校

JSD ウィメンズクラブ・JBSD文化部会共催 2019日本まつり開催

10月6日(日)、JSDウィメンズクラブとJBSD(デトロイト日本商工会)文化部会の共催による恒例の大イベント日本まつりが昨年同様にノバイ市のハイスクールを会場に開催された。秋の到来が遅めで穏やかな気候のなか、例年にも増して大勢の来訪者で賑わった。

 この日本まつりは、アメリカ人や他の文化背景を持つ人たちへの文化紹介と交流を主目的に日本文化紹介の様々な展示や実演などが行われている。周辺に滞在している日本人が楽しむ場にもなっており、当地の秋の行事として定着している。浴衣姿で散策する姿も多く、祭りムードを高めていた。

 お祭りらしいヨーヨー釣りや輪投げなどの縁日遊びや、屋台食の販売に加えて、アトリウムと呼ばれるガラス天井から光が差す広々としたスペースには茶の湯の席や、書道・折り紙などの体験のコーナーが設けられ、手馴れた日本人女性たちを中心に実演や体験ワークショップが提供された。茶の湯実演は、当地で活動する裏千家・表千家そして石州流という武家茶道の流れを継ぐ流派、3つの流派が手を携え実演が行なわれた。英語での丁寧な解説も添えられ、賑やかな会場にありながら落ち着いた空間が生まれていた。生け花インターナショナルによる秋らしい趣の展示が文字通り華を添えていた。多くの人が生けられた作品に称賛を寄せ、作品の写真を撮っていた。また、書家である藤井京子さんが身の丈以上の書を見事な筆さばきで披露。「イマジン」の曲に合わせて、平和を願うことばをダイナミックにまた華麗に書き上げた。

 書道と折り紙のワークショップも終始盛況で、ボランティアの人々や学生が笑顔で丁寧に手ほどきをしていた。出来上がった作品を嬉しそうに見せ合ったり、褒め合う姿があった。

 また、ミシガン州と姉妹県関係にある滋賀県による文化紹介ブースを始め、JCMU(Japan Center for Michigan University:ミシガン州立大学連合日本センター)など、日本に関連した団体のブースも並んだ。今回は旅行社のブースも設けられ、日本の旅情報などを提供していた。様々な活動や情報、当地と日本との繋がりを知ることができる場としての日本まつりの意義も大きい。

 別室では総領事公邸料理人の中野楓さんが領事館スタッフの極力のもと昨年に続いて「おにぎり」づくりのワークショップを3回開催。作って食べるというダブルの体験に参加者は大満足していた。

 ダブルの体験といえば、割りばしを利用した鉄砲づくりとそれを使った射的遊びも大人気。素朴な工作と遊びに目を輝かせて興じる子どもたちの姿が印象的であった。

 この日本祭りは隔年で体育館に櫓を組んで盆踊りを中心にパフォーマンスが行われる年と、立派なオーディトリウムのステージでの年があり、今年は後者。7つの団体が演奏・演武を披露した。

 幕開けは和太鼓でスタート。「五大湖太鼓センター」が、『雷群』という太鼓の現代曲で雷さながらの力強いパフォーマンス、そして軽快な曲を演奏した。

 続いて、田川八段が長を務める「デトロイト剣道道場」による実演は、通常の稽古通りに“礼”から始まり、子どもたちの打ち込み練習が真剣そのものに行なわれ、“礼”にて終了。分かりやすい解説も添えられ、日本の武道が大切にしている面を観客に伝えた。

 一転して、「雅」による箏の演奏。7つの箏が並び、見た目も優雅に、『秋のささやき』という季節に合わせた曲と軽やかな曲などで雅なひと時を届けた。

 女声合唱「トリリアム」は『赤とんぼ』『椰子の実』など懐かしい日本の曲、男声合唱「ホワイトパイングリークラブ」は組曲

「ふるさとの四季」から『村祭り』『紅葉』など秋らしい曲を中心に合唱。どちらも素晴らしいハーモニーが流れ、郷愁をかられた観客が多かったことであろう。

 ここで子供たちの登場。「TMU Music Studio」というアメリカ先端の音楽教育の生徒たちと、日英2か国語で学ぶ「にじいろ小学校」の児童たちによる合同演奏で、マリンバによる『ルパン三世』の華麗な音色、そして『宇宙への手紙』のピュアな歌声が会場に響いた。『ハッピーメロディー』では会場の観客も参加し、大きな幸せの大合唱となった。

 続いて、「Wa! BON」という今回のために特別結成された盆踊りグループが2020年開催の東京オリンピック・パラリンピックの盆踊り曲『東京五輪音頭』を披露。グループ名の‟Wa!”には「和・輪・ワッと感動する盆踊り」という意味が込められている。祭りムードが一気に高まった。

 プログラムの締めも太鼓センターが務め、交流のあるシカゴの太鼓グループのオリジナル曲と『加賀虫送り』という害虫・災いを追い払う祈りをこめた曲の大演奏で幕がおりた。

 同イベントは在デトロイト日本国総領事館、日米協会、ミシガン州と姉妹県州関係にある滋賀県の協力、そして会場のあるノバイ市ならびにノバイ教育委員会のサポートを得て開催している。今年も多数の団体や個人ボランティアが協力してこのイベントを支えた。JSDウィメンズクラブが当日の舞台の進行などを執り行なったほか、日本人女性がボランティアに応募し活躍。また、日本語を学習する現地の学生たちもボランティアとして参加し、来訪者との懸け橋としてイベントを支えた。

 「日本のお祭り経験が無い子に貴重」「盛りだくさんで、あっという間に過ぎた」「よくオーガナイズされていて感心」など喜びや称賛の声が集まった。今回、現地の友人と訪れる人が多い印象を受けた。交流の場として生かされていることが伺われた。長く盛大に続くことを祈りたい。

 

 

デトロイトりんご会補習授業校新校長 井口校長先生インタビュー

 今年4月に文部科学省の在外教育施設派遣制度によってデトロイトりんご会補習授業校の校長として着任された井口豪校長先生に、インタビューさせていただいた。

 井口校長先生は、岐阜県高山市(飛騨高山)の出身。岐阜県内の小・中学校11校に37年間勤務され、2018年度末に退職するまでの13年間は、教頭、校長の管理職として学校経営に尽力された。在外教育施設派遣は2回目で、前回は1994年度より3年間、南米エクアドルのキト日本人学校に勤務されている。

 小学校と中学校という幅広い指導経験があり、海外赴任も経験された校長先生に、海外帰国児童生徒の特長や日本での適応などについてお話を伺った。

Q. 小学校と中学校で勤務されたとのことですが、ご担当は?

A. 私は勤務した全11校中9校が中学校で、小学校は2校のみの経験しかありません。小学校では、音楽と家庭科、生活科以外は指導した経験があります。また、新任のときに小学校で体育主任を3年間担当しました。その間連続して運動会を雨で延期にしたことがあり、それ以来「雨男」を自認しております。中学校での専門教科は英語です。また、生徒指導主事も10年間担当していました。この仕事は生徒には疎まれることが多いのですが、たくさんの問題を抱える生徒たちと真剣に向き合う中で、私自身が多くのことを学ぶことができました。こうした生徒指導主事の「厳しい」教師のイメージと、誰もが楽しくワクワクしながら英語を学ぶ、「優しく楽しい」教師像とのギャップをいかに埋めるかに四苦八苦していた頃のことを懐かしく思い出します。

Q. 海外育ちの子ども達の良さをどのようなところに感じられますか。

A. よく「井の中の蛙、大海を知らず」とか、「日本の常識は世界の非常識」とか言われますが、海外での生活を経験した子どもたちは、既成概念にとらわれない柔軟な見方・考え方ができたり、自分とは違う人種や肌の色、意見や考え方などを素直に受け入れられたりなど、日本だけで生活していてはなかなか身につけられない資質や感覚が備わっているように感じます。同調圧力の強い日本では、他と同じことがいいことだという意識が強いですが、海外育ちの子どもたちは、他人の目をあまり気にせず、自分の個性を遺憾なく発揮しようとします。自分の考えや思いを臆せず伝えようとします。「みんな違って、みんないい」という中学校の道徳資料がありますが、まさにこの考え方が海外での生活を通して根底に培われているように強く感じます。

Q. 6月に、デトロイトりんご会の一大行事である運動会が催されましたが、どのような感想を抱かれましたか。

A. 正直、とても驚きました。当日までほとんど練習もなくて、本当に大丈夫かと心配していたのですが、千人ほどの子どもたちがテンポよく、またルールをちゃんと守りながら一生懸命競技している姿に、心から感動しました。また運営面では、たくさんの企業の方々や保護者の皆様に多大なご協力を頂き、支えていただいていることにも感動しました。運動会の会場全体が、「主役」である子どもたちを中心に、一体感で満ち溢れているように感じました。こんな運動会は、生まれて初めての体験でした。

Q. 運動会では、校長先生も高校生のリレー競技の教職員チームに加わって、みごとに疾走されました。かなり体を鍛えていらっしゃるとお見受けしましたが。

A. スポーツは見るのもやるのも好きで、これまでに野球やサッカー、バレー、スキー、ゴルフ、テニスなどをしてきました。中学校の部活動では、バレーボール部の顧問を長い間担当しました。常に全国大会出場を目指して指導してきましたが、結果は県大会ベスト4止まりでした。でも、校長になってから2回、全国大会へ出向いて自分の学校の生徒を応援する機会に恵まれました。1回目は2014年の愛媛での女子ハンドボール、2回目は2017年の沖縄での男子ハンドボールと熊本の陸上です。子どもたちからのビッグなプレゼントでした。アメリカに来てからは、移動は車ばかりで歩くこともほとんどないため、敢えて運動する機会をもつことが必要だと感じていました。そこで、5月からジムに通い始め、ウォーキングや筋トレをして体力の維持増進に努めているところです。

Q. 学習時間が限られている補習授業校で日本の学校行事を行う意義は?

A. 42日間という少ない授業日数の中では、どうしても教科指導が中心になります。教育課程には、教科指導の他に学校行事や児童・生徒会活動、学級活動などを総括した「特別活動」、そして道徳の大きく3つがあり、これらを組み合わせて教育課程を編成します。子ども

たちの自発性やリーダーシップ、人間関係形成力、協調性などといった「生きる力」は、この特別活動の中でこそ培われる部分がたくさんあります。本校では

特別活動にあまり時間を割くことはできませんが、運動会や入学式、卒業式のような行事への事前と事後の指導を充実させることで、子どもたちの「生きる力」を少しでも伸ばすことができたらと考えます。

Q. 子ども達が日本帰国後にスムースに適応するために、家庭で心がけておくと良いことや、認識しておくと良いことなどの助言をいただけますか。

A. 教科の学習は、帰国後の学校生活に適応するためには大変重要です。補習校の授業だけでは十分な定着は難しいと思われますので、家庭での学習が継続できるよう、保護者の皆様には励ましたり背中を押したりしていただきたいと思います。それよりも、この海外での生活が、子どもたちの今後の生き方に大きな影響を与えられるよう心がけることが大事だと思います。それは、親の姿勢にかかっています。日本人のコミュニティも大事ですが、積極的に現地の方々と触れ合い、現地に溶け込もうとする姿勢が、子どもたちにも大きな影響を与えると思います。私は、25年前にエクアドルのキト日本人学校に3年間赴任していました。休日は現地のサッカーチームに入り、リーグ戦を戦ったりはしましたが、帰国後連絡を取り合ったりできるエクアドル人が一人もいないことを、今でも後悔しています。多種多様な人たちと触れ合い、この地でしかできないことを子どもたちに体験させてあげること、そのことが子どもたちの今後に大きな影響を与えます。豊かな体験を通して子どもたちの見方、考え方がより広く、深くすることを大切にしていただきたいと思います。

Q. 話題を変えますが、校長先生のご趣味は? アメリカ滞在中にぜひしたいと思っていらっしゃることは?

A. まだ若い頃の趣味は、キャンプや釣りといった、アウトドア全般でした。特にキャンプは、中学校や高校時代の悪友たちと長年続け、日本のあちこちへ毎年出かけて行っていました。そしてこのキャンプが高じ、また倉本聰のドラマ「北の国から」の影響もあり、30歳の頃に自分たちでログハウスを建て始めました。テントの延長形ですね。みんな仕事があるため、建てるのは休日です。土、日に集まって、チェンソーで丸太を削り、一本一本組み立てていきました。使用したログは、アメリカ産のダグラスファー、米松です。トータルで100本使用しました。そしてやっと完成したときには、10年が過ぎていました。この夏は、ミシガン湖をグルッと回ってきたのですが、旅行中たくさんのキャンピングカーを目にしました。中にはボートや自転車を積んで走っているのもありました。そんな光景を目にしながら、昔真剣にキャンピングカーを買おうとしていたことを思い出し、私もこのアメリカ滞在中に、キャンピングカーで旅をしてみようと思うようになりました。また、五大湖が近いので、開高健のように、大きなサーモンを釣り上げてみたいとも思います。そして、何より帰国後もずっと連絡を取り合える現地の知人を一人でも多くつくりたいと思います。

Q. 最後に、学校長としての抱負を伺わせてください。

A. 学校は、そこに通う子どもたちのためにあります。子どもたちが夢や希望をもち、無限の可能性に満ちた未来を、仲間と共に力を合わせながら切り拓いていく資質や能力を培うことを願って、これまで校長として学校経営を行ってきました。そうした思いは、今でも変わりません。それぞれの教科の確かな力を付けることはもちろん大切ですが、これからの未来をどう生きていけばよいか、その生き方の

「軸」をより確かなものにできればと思っています。そのためには、最も身近な大人である私たち教師が、子どもたちにとって「あこがれ」となり、「あんな大人になりたい」と思えるような存在でありたいと思います。そして、大人になって社会に出ていくことにワクワク感を感じられる、そんな子どもたちを育てたいと思います。幸い本校には、様々な分野の職業で活躍されている先生が多数みえます。「教師」という職業の者しかいない日本の学校とは全然違い、これだけ豊富な人材のいる環境は、日本の学校では望めません。だからこそ、それぞれの方の生き方、考え方、夢、希望を子どもたちに伝えながら、どう生きるべきか、何を大切に生きるべきかを子どもたちなりに考えさせることが大切だと思います。日本とは違う環境の中で生活している今だからこそ、たくさんの人の生き方や考え方に出会いながら、自分自身を見つめ、生き方の「軸」を少しでも固めていってほしいと思います。

 また、本校には「りんご会」という頼もしい組織があり、多くの日系企業や保護者の方々にご支援、ご協力をいただいて学校が運営されています。保護者の中には、かなり遠方から通われている方もいらっしゃいます。本校に対する期待の大きさを痛感します。こうした想いや願いに、精いっぱい応える努力をすることを通して、本校の魅力を高めていくこと、それが私に課せられた使命だと思います。常に「子どもたち」に判断の軸足を置き、子どもたちが来てよかった、次もまた来たいと思える学校を目指していきます。今後とも、デトロイトりんご会補習授業校へのご支援、ご協力を、どうぞよろしくお願いします!  

JNC:お忙しい中ありがとうございました。

平成30年度 デトロイトりんご会補習授業校 卒園・卒業証書授与式

3月16日(土)、デトロイトりんご会補習授業校で第21回卒園式・第46回卒業証書授与式が挙行された。今年度の卒園・卒業生は、幼稚園部92名、小学部65名、中学部28名、高等部6名、合計191名を数えた。

午前中にノバイメドウズ校で行われた卒園式では、体も心も格段に成長した園児たちが、緊張感をはらんだ大人びた面持ちで式に臨んだ。宮本正彦校長は、卒園を寿ぐとともに、小学校生活へ向けての贐の言葉を伝えた。

午後に行われた小・中・高、合同の卒業証書授与式は、中・高等部が借用しているノバイ高校の講堂で挙行された。来賓として在デトロイト日本国総領事館の伊藤美房領事、植田庄作事務局長、さらにノバイ学校区の教育長をはじめ同学区の教育関係者、また、イースタンミシガン大学の桶谷仁美教授が列席。りんご会理事長ならびに運営委員長、父母会執行部長、小学部高学年以上の在校生、卒業生の保護者が出席し、盛大に催された。

開会の辞の後、列席者一同による日本国歌の斉唱、生徒によるアメリカ合衆国国歌トランペット独奏、そして児童生徒による校歌の斉唱が行なわれた。続いて、卒業生一人ひとりが学校長の手渡す卒業証書を恭しく受け取り、その間、在校生による生演奏のBGMが流れ、厳粛ながらも穏やかな雰囲気に包まれた。

この3月で任期を終えて当地を離れる宮本校長は式辞のなか、補習校と現地校の両立をして卒業を迎えた児童生徒たちを称え「努力は大きな力となっている。自信をもって新しいスタートをきってください」とエールを届けた。「人と人が関わることはとても大切であり、君たちを成長させてくれる」と切り出し、『優』の漢字を提示し、「優れている・優秀だという意味の他、優しいという読み方もできる。この一つの字の中に、人と出会い関りながら生活をしていく中での大切な言葉が含まれているのではないか。」と示唆。「優しさを実行するには強さがなければならない。本当の優しさは何か考え、友人知人を増やして欲しい。」と願いを伝えた。

伊藤領事は、中川勉総領事からの祝辞の代読で、卒業生に対する祝辞、保護者や理事・運営委員・父母会そして講師、地元の関係者に対する感謝の言葉に続けて、日本にいる生徒が出来ない貴重な経験・学校生活を送ったことであろうと評し、「世界のことを知っている人材がますます重要になってゆきます。これからも日本の伝統文化の基礎をしっかり学ぶと同時に、米国・世界のことを勉強し、異なった人や文化に触れて自分をさらにいっそう成長させてください。」そして、「ここでの生活を誇りに新たな道をさらに進んでいってください。」との贐の言葉を卒業生に届けた。

マシューズ教育長からのスピーチ(英語)では、ノバイでの経験が人生に豊かさを与え、ここで培ったことが活きるようにとエールを送った。

来賓紹介と祝電披露に続いて、デトロイトりんご会理事長を務める藤本裕氏は挨拶の中で、「このように、小・中・高が一堂に集う卒業式は初めてで、非常に興味深い」と語ったあと、「平日は現地校、土曜日は補習校という二足のわらじを完璧にこなしたのだと思います。本当に頑張ったのだと思います。」「すごいことを成し遂げたということで、自信を持ってください。」と褒め称えたうえで、このように発揮できたのは見えない形でのサポートも含めて周りの力があってのことであり、感謝の気持ちを忘れないようにと穏やかに諭すように伝えた。

在校生の「送ることば(中高等部では送辞)」では、上級生との思い出や、上級生を見習って励み続けたいといった抱負などが語られた。それに応じた卒業生による「お礼のことば(中高等部では答辞)」では、保護者や先生方へのお礼や後輩への励ましの言葉とともに、当地での迷いや苦労、喜び、学友との思い出などが紹介された。いずれの言葉にも、卒業にこぎつけた達成感や次のステージへの前向きな想いが表れていた。

卒業証書授与式の最後に、卒業生と在校生が全員で「旅立ちの日に」を合唱し、感動のなかで閉式となった。

小学生が退席した後、補習校生活が最後になる高等部卒業生6名を送る特別イベントに移り、各自がスピーチに立ち、忘れがたい思い出、そして後輩たちへのメッセージを熱く語った。

輝かしい旅立ちの日であった。

アメリカの生徒が日本語クイズ対戦 2019 Michigan Japanese Quiz Bowl

3月10日(日)、恒例のMichigan JapaneseQuiz Bowlが開催された。Japanese Teachers Association of Michigan(ミシガン日本語教師会)と、担当校との共催で企画・運営されており、今年は昨年のイースタンミシガン大学からバトンタッチしてミシガン大学がホスト役を務め、他の州立大学の教師陣を含め、多数の日本語指導者、学生、一般ボランティアの協力のもとに実施された。デトロイト日本商工会、日本国総領事館も協賛している。

 このクイズ大会は、ミシガン州内のハイスクールで日本語を学ぶ生徒達が日本語能力や日本に関する知識を競うクイズゲーム式の競技大会で、参加者は学校毎にチームに分かれ、2チームの対抗で様々な問題に挑戦した。一つの学校からの複数チームの参加も可能で、学年分けではなく、日本語学習時間数で区切った5つのディビジョンに分かれて、日頃の学習とゲーム形式に対応するための練習の成果を発揮すべくバトルを繰り広げた。テレビのクイズ番組にあるような早押し問題もあり、ゲーム的な要素があるゆえか、生徒たちの意気込みが高い。日本語教師によれば、日本語学習の一つの大きな目標にして、楽しみつつ励んでいる生徒が多いという。

 午前中に行なわれた3ラウンドまでは、保護者や指導者(コーチ)にも非公開。午前中の各ラウンドでの総得点が高い2チームが午後の一般公開のファイナルラウンドに進んだ。

 会場には昨年同様に‘文化エキスポ’と称された日本文化紹介や日本関連団体のブースも設けられ、学生による書道の体験コーナー、剣道クラブによる実演、JSDウィメンズクラブ有志メンバーによる茶の湯実演、折り紙のワークショップや浴衣体験などのほか、日本語プログラムの紹介をメインにした各大学のブースも並び、クイズ挑戦だけではなく、日本文化を体験したり、将来に向けての情報を得ることができる場にもなっている。非営利団体『ひのき財団』による「ひのき杯“Hinoki Cup”」 という3年生から8年生を対象にしたバイリンガルクイズ大会も午前中に開催された。これは、昨年スタートした企画で、日本語学習年数の制限は無く、日本語が継承言語でも良いため、日本人の子供の参加もOKというオープンな大会とあり、人種や言語力に関わりなく楽しむ姿があった。

 午後、いよいよファイナルラウンドの会場にあてられた講堂でフォーマルプログラムが開始。決勝対決に先がけて、まず在デトロイト日本国総領事館の中川総領事より、指導者方、参加生徒たち、本大会の開催関係者に対する感謝のことば、そして、日本語を学んでいる生徒たちへの称賛とエールを届けた。

 クイズ問題の内容は多岐にわたり、日本語文章の聞き取り、漢字熟語やカタカナの読み・英訳から、諺の意味、さらに文化や習慣を知らなければ答えられないような出題もある。生徒たちの日本語力のみならず知識の豊かさに感心させられる。真剣勝負ながらも楽しんでいる様子が伝わってきた。

 クイズ大会の他に、事前に応募と審査があった年賀状コンテストの表彰もこの場で行なわれた。こちらも絵柄や言葉から、作者が日本の文化にも通じていることが窺えるものが多く上がっていた。

 日本語や日本文化を学ぶ生徒たちは両国の架け橋であり理解者である。さらなる進歩と将来の活躍を大いに期待したい。

りんご会補習授業校 入園式・入学式・始業式

入園式・入学式・始業式

一人一人が希望に満ちていました!

4月13日(土)、2019年度(平成31年度)の入園式、入学式、始業式を行いました。新たに入園児(年中)67名、小学部1年生131名、中学部1年生60名、高等部1年生23名を迎え、今年度は全校児童生徒1,005名でのスタートとなりました。

 小学部の入学式では、在校生代表として2年生児童が、国語の授業でした「お店屋さんごっこ」が楽しかったこと、お友だちと鬼ごっこやボール遊びをしたことが楽しかった、毎週来るのが楽しみだと話し、1年生の不安に思う気持ちを取り除いてくれました。

中高等部の入学式では、中学部新入生代表者が、小学部にはなかった文化祭を楽しみにしていること、一方で勉強が難しくなり、分からないこともあるだろう。でも友だちや先生、先輩にサポートしてもらいながら学びたい。けじめをつけて学習に取り組み、明るく楽しい中学校生活となるよう努力したいと、宣誓してくれました。

高等部代表者は、失敗を恐れず、目の前の壁にぶつかっていきたい。人間は必ずどこかで失敗する。重要なことは、その失敗から何を学ぶかだ。現地校と補習校の両立はむずかしいことだが、補習校はいつも楽しみと安らぎを与えてくれる。この生活に責任をもち、新たなことに挑戦し、悔いのないよう努力したいと、力強く誓いの言葉を述べてくれました。

校 長 井口 豪

 

日本の伝統文化を体感 デトロイト補習授業校 「書き初め展」「書き初め会」

   デトロイト補習授業校では、日本の伝統文化を心と体で感じるために、新年の初めに書き初めを行っています。小学部では、冬休みに家庭で学年別の課題に取り組み、1月26日に全児童の作品を教室前に掲示し、「書き初め展」を実施しました。

中高等部では、1月26日の国語の授業時間を利用して、「書き初め会」を行いました。中学生は学年別の課題(中1「不言実行」、中2「夢を信じる」中3「友好の精神」)、高校生は「飛躍」に今年の抱負の言葉を書き添える課題に取り組みました。毛筆を持つ機会も少なく、行書体の作品を正味1時間半程度の短時間で仕上げるのは難しいのですが、各々の生徒が素晴らしい作品を完成させました。中高等部の作品は、2月9日に展示されます。

高等部では2年前から書道作品に添える雅印の制作を行っています。生徒たちは、講師による印の歴史や社会的価値、書き初め作品に自分の篆刻(てんこく)作品を添える楽しみなどの説明を聞いた後、初めて触れる篆書体(印の字体)の雅印作りに熱心に取り組んでいました。

文章・写真提供:デトロイト補習授業校

日本の文化と歴史を表現 ~ デトロイト補習授業校中高等部ミニ文化祭

デトロイト補習授業校は、日本の学校に準ずる教育活動を実践するため、文部科学省の学習指導要領に基づく授業と学校行事を行っています。

 中高等部では、12月15日午後、借用校のノバイ高校オーディトリウムにて、「ミニ文化祭」を実施しました。中1から高3までの各クラスが、「日本の文化・歴史を表現しよう!」というテーマに則した発表(演劇、落語演劇、エアバンド、クイズショー、ダンス、研究発表など)を披露しました。土曜日だけの限られた準備時間にもかかわらず、各クラスの発表は創意工夫が感じられ、クラスのチームワークを感じる素晴らしいものでした。

 約3時間にわたって発表がおこなわれた会場には、生徒たちの熱気と楽しそうな雰囲気がいっぱい溢れていました。海外の補習校ならではの貴重な経験は、生徒たちにとって一生の思い出となることでしょう。

文章・写真提供:デトロイト補習授業校

西暦2019年 平成31年を迎えて

在デトロイト日本国総領事館
中川 勉 総領事

JAPANニュース倶楽部読者の皆様、明けましておめでとうございます。

 皆様にとって、昨年はどのような一年でしたでしょうか。私は、昨年11月初めに在デトロイト総領事館に着任をし、やっと当地の気候にも慣れてきたところです。本年は皆様と何ができるだろうかと、様々な思いを巡らせているところでもあります。

 昨年一年間を振り返りますと、デトロイト総領事館が管轄するミシガン・オハイオ両州において、様々な草の根交流が行われた一年でした。そのいくつかをご紹介したいと思います。

 昨年、滋賀県とミシガン州の姉妹州県関係が50周年を迎えました。50周年関連行事は、三日月・滋賀県知事をはじめとした使節団の皆様にミシガンにお越しいただき、スナイダー・ミシガン州知事と共に、両州県間の長年の友情を祝うことができました。三日月知事には、台風で大変な状況下ミシガンにお越しいただき、皆様と共に記念すべき年を祝えたことに対し、改めて感謝の意を示したいと思います。三日月知事とスナイダー知事が合作した「湖」の書は海を渡り、アナーバー図書館で「SYODO展」が開催されました。作品は、50年前に両州県を結んだきっかけに思いを巡らせ、50年にわたって両州県の人々が培ってきた絆の強さを表すような、大変力強い書でした。さらに、長浜市からは冨田人形が、マイアーガーデンには信楽焼を始めとした美術品が持ち込まれるなど、両州県の交流は人々の交流を越え、文化交流に及びます。当地の至る所で、日米の互いの文化を分かち合い、互いに楽しむ人々の姿を見られるのはとても喜ばしいことです。1976年以降、両州県が派遣と受け入れを交互に続けてきた友好使節団の中には、親と子の二世代でプログラムに参加された方もおり、長年にわたる友情と、それを支えてきた皆様のご尽力に改めて感謝を申し上げたいと思います。

 オハイオ州では、昨年8月に、埼玉県川口市とフィンドレー市が友好都市関係を結びました。フィンドレーの多くの方に二都市間の友情を知ってもらい、また親しみを持って欲しいとの両市の願いから、川口市から「友」の記念碑が贈られ、リバーサイドパークに設置されました。同公園での式典には、両市長をはじめ、これまで友好都市締結のためにご尽力されてきた大学関係者、日系企業の皆様にも参加をいただきました。また、フィンドレーでの生活を始めたばかりの埼玉県・オハイオ州のプログラム参加者である日本人留学生も参加した記念碑除幕式では、最後に出席者全員が輪になり、二都市間の交流拡大の願いをこめて、フィンドレーの空に向けて風船が手離されました。この友好都市協定の締結により、フィンドレー市での新たな日本語教育プログラムが設置されるに至ったと伺っております。「産官学連携」を合言葉に、これからも文化を通じた相互理解促進の取り組みと、さらなる人的交流活動の発展に、当館からも大きなエールを送りたいと思います。

 本年は、平成から次の時代へと転換の時を迎えます。皆様と共に、新たな時代を築きながら、時代の変遷に立ちあえることをとても喜ばしく思います。今年はラグビーのワールドカップがありますが、来年にはいよいよ東京オリンピック、パラリンピックが控えております。さらに、2025年の大阪万博開催も決定し、大イベントが続きます。米国の「ハートランド」であるミシガン・オハイオ州は、地理的に米国の中心であるだけでなく、政治・経済の震源地としての重要性は今後ますます高まっていくだろうと考えております。新たな時代を盛り上げていくべく、当館としましても、これまで以上に日本の魅力を発信できるよう努めて参りますので、引き続きのご支援、ご協力をよろしくお願いしたいと思います。

末筆ながら、今年一年の皆様のご健勝とご多幸を心より祈念し、新年のご挨拶とさせていただきます。

平成31年1月
在デトロイト日本国総領事館

総領事 中川 勉

デトロイトりんご会補習授業校 宮本正彦校長先生

新年あけましておめでとうございます。

 皆様におかれましては、初春をつつがなく、お迎えられたこととお喜び申し上げます。

 本校は1973年に当地在住の日本人駐在員の方々が集まり、子供達のために自主的に開設したのが始まりで、本年度で創立45周年を迎えました。創立から約45年間、多くの園児、児童生徒が本校で学び、確実に力をつけ成長することができました。こうした学習環境の充実の背景にはデトロイト日本商工会、在デトロイト日本領事館の支援をはじめ、非営利団体である「りんご会」の多大なるご支援と各関係機関による多くのボランティア活動の力が基盤となっています。

 さて私事ではありますが、私は今年度で教職40年目を迎えることとなりました。毎年、多くの子どもたちと関わり、数えきれないほどの思い出や忘れることのできない場面がたくさんあります。そして、卒業後、今でも連絡を取り合っている教え子たちがたくさんいます。教え子の成長を語り、振り返ることができる喜びは教師という職の最大の魅力と思っています。

 クラス会をやると、小学校の面影がまだ残っている教え子もいれば、全くそうでない子もいます。数十年前に私が捉えていたその子の性格や印象が今でもほぼ一致している子もいれば、予想外の成長や変化のある子もいます。

 そうした中で今でも連絡を取り合っている教え子について、紹介をさせていただきます。

20年ぶりの再会    

 この度、私がデトロイトりんご会補習授業校へ着任する過程では、文部科学省や外務省の管轄として実施された多くの研修会がありました。その時、外務省の資料を調べていると記憶にある女性の名前を見つけました。その人は私が初めて教師になった時に学級担任として小学校4年生から6年生の3年間、受け持った子どもでした。明るく、責任感があり、どんなことにも最後まで力を抜かずにやり遂げる子どもでした。彼女とは彼女の結婚式以来、連絡をとることはなかったのですが、この機会に再び連絡を取り合うようになりました。今は外務省の重要な職務を遂行しながら、世界中を飛びまわる外交官として、一人の母親として、忙しくも充実した日々を送っています。ニューヨークの勤務やカナダ(オタワ)の大使館でも勤務の経験があり、今となってとても身近な存在となりました。私が帰国したら、日程を調整して再会の約束をしました。

自己実現に向けた努力と成果 そして、熱い思い

 運動能力が高く、特にサッカーに関しては優れた技能をもち、将来の夢を追い続ける男の子がいました。私もサッカーが好きで、その子には小学校の1年生の時から6年間、サッカーを指導してきました。その子が最初に追い続けた夢(目標)は、全国高校サッカー選手権に出場して全国制覇をすることでした。私は小学校卒業後も彼と連絡を取り合いながら見守っていきました。1991年、彼は東京都のサッカー名門校のキャプテンとなり、東京都代表として全国大会に出場し、見事に全国制覇を実現しました。その後もJリーグの選手として活躍し、今はその母校であるサッカー名門校の監督として、全国制覇を目指しています。今でも彼とサッカーの話をすると、昔と同じように熱く語ります。目を輝かせ、熱く語る姿は30年前の姿と変わっていません。私は彼がその名門校の監督として、全国制覇することを今から楽しみにしながら応援をしています。

私の教育観を根底から変えた男の子

 私が2度目の小学校1年生の担任をした時、発達に障害のある男の子を受け持ちました。授業が始まるとその子は椅子に座っていることができなくなるため、その子の母親も一緒に教室に入っていただき一緒に学習を進めていきました。その子は急に教室から飛び出し、私は何度も全力で追いかけたことがありました。私と母親は何度も何度も話し合いました。そのうち、その子が教室から飛び出しても、ある決まったコースを回ってきたら、必ず教室に笑顔で戻って来ることがわかりました。そんな様子を観ながら、母親は多くの辛い胸の内について涙を流しながら、私に話をしてくれるようになりました。彼と彼のお母さんは私の教育観を根底から変えてくれた存在です。今でも感謝をしています。彼とは毎年、年賀状で連絡を取り合っています。彼は今年で33歳になります。今は彼なりに社会の貢献者として、懸命に生きています。私が日本に帰国したら、一緒に日本酒を飲む約束をしました。

奥深いやさしさと強さを身につけた女の子

 私が小学校6年生の担任をしていた時、女子同士の友達関係でとても悩んでいる女の子がいました。思春期入口の難しくも大切な通過点であるこの時期、私は放課後に二人で時間をかけて何度も話をしました。奥深い優しさと強さをもっている女の子でした。二人で話をしながら、核心に触れるとその子は必ず笑い、笑顔になります。しかし、しばらくすると大粒の涙を流します。そして、別れる時には、その子も私も何かすっきりとした気持ちになっていました。彼女は今、プロのダンサーを目指し猛練習に打ち込んでいます。先日、初舞台の招待を受けました。感性豊かな彼女の表現は、観客を魅了するに違いないでしょう。

 この40年間、多くの子どもたちと出会い、多くのことを学びました。教師の最大の魅力は子どもたちとの出会いを通して、教師自身が成長できることです。

「人間の教育に必要な条件は教わる者も教える者も共に育つことである。」という名言があります。出会った多くの子どもたちに心から感謝をするともにこれからも成長し続ける私自身でありたいと思います。

デトロイトりんご会補習授業校

宮本正彦校長先生

りんご会補習授業校音楽会

11月17日、デトロイトりんご会補習授業校にて、恒例の音楽会が開催された。毎年秋に、小学部の1・2年生と3・4年生が交互に行っており、今年は3・4年生が歌や合奏を披露した。
音楽会はまず宮本校長のあいさつで始まり、児童が練習してきた成果について「今日のために精一杯練習し、やるたびに上手になってきました」と称え、「心をこめた発表は人を感動させます」と語った。また、保護者に対して「子ども達は音楽に対する思いや技能を高めてきました」と伝えた。

 発表は3年生全クラスの斉唱による『富士山』で幕開け。日本が世界に誇る雄大な富士山の情景を朗々と歌い上げた。2曲目と3曲目は、3年生になって音楽の授業で習い始めたリコーダーに挑戦。真剣そのものといった表情が多く見られた。続く『こきりこ』では、リコーダーに大小の4つの太鼓も加えて、軽快な音色と歌声で元気いっぱいに演奏した。

4年生の発表は『音楽のおくりもの』という「この歌に希望をのせていつもの仲間と輪になろう」の歌詞で始まる曲をのびやかな斉唱でスタートした。佐々木美子先生による華麗な伴奏に合わせ、声を合わせ、体を揺らしつつ一心に歌う姿が印象的であった。
3年生・4年生共に代表児童が曲名に加えて「毎週担任の先生と練習をしてきました」など、言葉を添えたが、『音楽のおくりもの』の後には「補習校で出会った友達と音楽を通じて仲良くなれると良いな、という思いを込めて歌いました」と伝えた。

 2,3曲目はリコーダー演奏。3年生より難しい指使いやリズムで、『ブラック・ホール』『花笛』の世界観を表現した。日本の秋の代表曲『もみじ』ではパートに分かれてハーモニーをつくったり、後から追って歌う部分もある難しい曲をしっとりと美しく仕上げていた。『ソーラン節』では鳴子やリズムスティックなどの楽器を加え、音楽授業の指導者であり当日の指揮を務めたジョンソン恭子先生による和太鼓も加わり、祭りムード溢れる大演奏を披露した。

 今回の音楽会のテーマは「つなげていこう友だちのきずな」。さまざまなバックグラウンドを持つ補習校の子供たちが、みんな仲良く友達になれたらいいな、という思いを込めた発表の最後に、3年生と4年生の合同による壮大な合唱が届けられた。「ともだちに なるために人は 出会うんだよ。どこのどんな人ともきっと わかりあえるさ」という歌詞の、友情賛歌『友だちになるために』と、同校の校歌を豊かに歌い上げ、幕を閉じた。明るくにこやかな顔、声を合わせ思いを込めて熱心に歌う姿が人々の心を打ったことであろう。

終わりにジョンソン先生があいさつに立ち、「子ども達の努力の成果が本当によく出たと思っています」と講評を述べた。また、共に取り組み、創り上げることができた喜びを表し、音楽の授業数が少ない中で、保護者と各学級担任の理解と協力、そして当日の会場設営に奉仕した運営委員やボランティアの方々への謝辞が述べられた。

 日本を遠く離れ、日本で歌い継がれている曲の演奏に取り組むことは大きな意義があり、友と一緒に練習をした曲を合唱や合奏で一生懸命に発表し、他学年や家族に聴いてもらったことは貴重な経験として今後の糧になるであろう。

JSDウィメンズクラブ・JBSD文化部会共催 2018日本祭り開催

 10月7日(日)、JSDウィメンズクラブとJBSD(デトロイト日本商工会)文化部会の共催による恒例の大イベント日本祭りが昨年同様にノバイ市のハイスクールを会場に開催された。急に肌寒くなり、朝からどんよりとした天候であったが、1時から4時までの開催時間を通して大勢の来訪者で賑わった。「親子で楽しめた。日本を離れて育っている子どもに貴重な経験です」「こんなに大勢の日本人が居て、驚きです」など、喜びや称賛の声が集まった。

 この日本祭りは、アメリカ人や他の文化背景を持つ人たちへの文化紹介と交流を主目的に日本文化紹介の様々な展示や実演などが行われている。周辺に滞在している日本人が楽しむ場にもなっており、当地の秋の行事として定着している。浴衣姿で散策する姿も多く、祭りムードを高めていた。

 オープニングのセレモニーでは、デトロイト日本商工会の文化部会長の挨拶に続き、和田充広総領事、列席したノバイ市長と教育委員長による開会の辞が述べられた。それぞれから、このイベントの開催と日米の文化交流と友好親善を祝福する言葉が伝えられた。

 お祭りらしいヨーヨー釣りや輪投げなどの縁日遊びや、屋台食の販売に加えて、アトリウムと呼ばれるガラス天井から光が差す広々としたスペースには茶の湯の席や、書道・折り紙などの体験のコーナーが設けられ、手馴れた日本人女性たちを中心に実演や体験ワークショップが提供された。茶の湯実演は、当地で活動する裏千家・表千家、2つの流派が手を携え実演が行なわれた。お点前に合わせて英語での丁寧な解説も添えられ、多くの人が興味津々の表情で見入っていた。参観者は和菓子と抹茶を味わうチャンスにも恵まれた。生け花インターナショナルによる秋らしい趣きを添えた展示が文字通り華を添えていた。老若男女、多くの人が生けられた作品の写真や、作品を背景に写真を撮っていた。

 また、ミシガン州と姉妹県関係にある滋賀県による文化紹介ブースを始めJCMU(Japan Center for Michigan University:ミシガン州立大学連合日本センター)など、日本に関連した団体のブースも並んだ。様々な活動や当地と日本との繋がりを知ることができる場としての日本祭りの意義も大きい。

 滋賀県のブースには訪米中の冨田人形のメンバーも特別参加し、人々に滋賀県の魅力を発信した。浄瑠璃人形という、日本人にとっても目の前で見る機会が少ない人形の、巧みな動きに関心と感嘆の声が上がっていた。

 書道と折り紙のワークショップも終始盛況で、ボランティアの女性や学生が懇切丁寧に手ほどきをしていた。書道では、難しい字に挑戦する人も多く、書き上げた作品を褒め合う姿があった。

 総領事公邸の料理人である中野楓さんが一昨年より領事館スタッフの協力のもとプレゼンテーションとワークショップを実施してくれているが、今年は「おにぎり」が題材。「三角にするのは無理」「日本人はシェフじゃなくてもできるって?すごい!」との声も聞こえたが、楽しく美味しいチェレンジに、和気あいあい盛り上がっていた。

体育館には櫓が組まれ、盆踊りを中心にパフォーマンスが繰り広げられた。

 幕開けは和太鼓の音でスタート。「五大湖太鼓センター」が、軽やかな祭囃子の太鼓とは一味異なるダイナミックなパフォーマンス和太鼓の魅力を披露した。

 一転して、可愛いパフォーマーの登場。JSDウィメンズクラブの親子と妊婦さんンのサークルによる「アンパンマン音頭」と「わーお!」の愛らしさ溢れる踊りが来訪者に笑顔と元気を届けてくれた。

 続いて有志メンバーによる盆踊り。何度となく参加してきた人も多く、「炭坑節」「東京音頭」「花笠音頭」の3曲を選び、 練習を重ねてきただけあり、日本の盆踊りの楽しさだけでなく、美しくしなやかに踊る姿を披露した。プログラム終盤にも行われ、見ていた人や他のパフォーマンスの出演者も加わり、賑やかな大きな輪が生まれた。教え合う姿もあり、まさに“交流の輪”となっていた。

 田川八段が長を務めるデトロイト剣道道場による実演は、通常の稽古通りに“礼”から始まり、打ち込み練習が真剣に行なわれ、“礼”にて終了した。短い時間ながらも日本の武道の礼儀正しさと気迫を観客に伝えた。

 ミシガン沖縄県人会「ちむぐぐる会」の演奏は5曲。民族衣装をまとい、琉球エイサースタイルの舞と太鼓を披露した。エイサーもまた盆踊りであるが、大小の太鼓を叩きながらの勇壮さを感じさせる踊りが、中国との文化交流の影響を受けた沖縄文化独特の雰囲気を会場に届けた。

 後半は学生たちの登場。まずは、ミシガン大学の日本学生会メンバーによる「ソーラン節」の切れの良い踊り。日本人に限らず、日本に興味のある学生が交流したり学内外で日本の紹介をしている彼らは、毎年「ソーラン節」を後輩に伝授し、アレンジも加えて踊っている。

 そして9年生から12年生の高校生13 人による「平成Bon Bon」が、「東京五輪音頭2020」を浴衣姿で踊り、会場に華やかさを届けてくれた。この曲は2020年に開催される東京オリンピック・パラリンピックを盛り上げるために作られたもの。飛び入り参加を募ると大勢の人が加わり、今年の日本祭りを大いに盛り上げてくれた。練習は3回ほどとのこと。さすが覚えの良い若者ならでこそ。「平成Bon Bon」メンバーは「豆つかみ」ゲームのコーナーも担当し、交流にも寄与した。

 プログラムの締めも太鼓センターがつとめ、「加賀虫送り」という害虫・災いを追い払う願いをこめたパワフルな曲の演奏で幕がおりた。

 このイベントは、在デトロイト日本国総領事館、日米協会、滋賀県の協力、そして会場のあるノバイ市・ノバイ教育委員会のサポートを得て毎年開催している。今年も多数の団体や個人ボランティアが協力してこのイベントを支えた。

JSDウィメンズクラブが書道コーナーのアレンジや当日の舞台の進行などを執り行なったほか、近隣の日本人女性がボランティアに応募し陰に表に活躍。また、日本語を学習する現地のハイスクール生や大学生たちもボランティアとして参加し、来訪者との懸け橋として若いパワーでイベントを支え、盛り上げていた。

全てのプログロムが終了し、縁日ゲームの賞品やワークショップでの作品を手に、笑顔で帰路につく大勢の来訪者の姿があった。来年もボランティアとして参加したいという高校生の声もあり、Festival.comで情報を得て1時間以上かけて初来訪した米人も「とても楽しく有意義だったので来年もぜひ来たい!」と感想を寄せてくれた。今から次の日本祭りの盛り上がりが楽しみである。

デトロイトりんご会補習授業校 現地教育者向けのオープンハウス

 デトロイトりんご会補習授業校の恒例行事であるオープンハウスが、10月20日(土)に開催された。このオープンハウスは、児童生徒が平日に通う現地の学校の先生や教育委員など教育関係者を招待して行われ、授業参観及び交流と、日本文化紹介を通じ日本の児童生徒への理解と関心を高めてもらい、ひいては現地校での児童生徒への指導に役立つ情報を提供することを目的としている。

 参加者は受付で校内地図などの参考資料を受け取った後、2校時目にあたる授業を自由に参観。現地校の学級担任やESL(ELL)の先生方は、担当の子ども達が所属する教室を探して訪れ、学習する姿に温かいまなざしを向けていた。幼稚園部では一緒に作業する訪問者も多く、児童の嬉しそうな顔や、はにかむ表情などが見られた。小学1年生の学級では漢字の指導をしていたが、児童の活動に倣って指で空書きしている先生もいた。漢字の複雑さと多さに驚く声は例年多く耳にする。「たくさんの字を覚えるし、複雑な字を書くから記憶力が良いし手先が器用なのかしら」と分析して話す人もいた。廊下には児童生徒による絵日記や観察記録、グループ制作の研究発表ポスター、書道作品などが壁に貼り出され、教科書や副教材(学習帳)などが並べられ、少しでも理解を深めてもらおうとする担任の先生の想いが現れていた。授業内容や教材について父母会の案内担当者に熱心に質問する参加者も多く、日本の指導法に対する関心の高さも窺えた。急に冷え込んだものの好天に恵まれ、約100名の来校者があり、活気にあふれたオープンハウスとなった。

 来校者の一人、地元ノバイ市のESLの先生は学年をまたいで50人ほどの日本人の生徒を担当しているとのことで、足早に各教室を回っていた。ゆっくりと参観はできないものの「ハローと言って回りたい」「気にかけていることが伝わると考えている」と話してくれた。幼稚園で園児の工作活動に加わっていた先生は、「子どもが日本の学校のことをたくさん話してくれるので、目で見たかった。イメージしにくかったことも今日見て分かった」と実に嬉しそうに感想を寄せた。

 「シャイだと思っていたが、ここではのびのびと発言していて安心した」といった担当児童に対する感想の他、クラス全体の集中度の高さや、児童生徒全体の礼儀正しさを称賛する声も耳にした。「英語をよく理解できない児童を受け持っているが、今日参観していて、言葉が分からない不安な気持ちが分かった。より配慮を工夫したい。」といった感想も多く、オープンハウス開催の効果は大きい。

 参観後には体育館にて、和田総領事ならびに藤田JBSD(デトロイト日本商工会)会長をはじめとする来賓も迎えて、全大会と、当周辺地区よりETJ(Educators To Japan:現地校教育関係者日本派遣プログラム) に今夏参加した米国人教育関係者からの報告プレゼンテーションが行われた。

 まず、宮本学校長による歓迎の辞と感謝の言葉や、同校の規模や学習内容の概略説明に続き、日本においてESD(Education for Sustainable Developmentの略)「持続可能な開発のための教育」の教育理念のもと、異文化理解をふくめ総合的な学習に取り組んでいることが伝えられた。この日の参観とETJのプレゼンテーションによって、日本の学校についての理解が深まることを期待する言葉を伝え、さらに、「私たちはアメリカで苦労している人々のサポートをしているが、現地校の教育関係者と悩みや懸念を共有していきたい」と述べた。

 ETJの報告に先立って、JBSDのETJ担当者より同プログラムの経緯や概要について説明がなされた。同プログラムは日本人生徒を受け入れている現地校の先生方に感謝と日本文化理解を図る目的で1975年にロサンゼルスで始まり、デトロイト地区では1992年からJBSDがスポンサーとなって継続してきている。ほぼ毎年数人の参加者を送り出している。今年度は5名の参加者が、世界各地からの参加者と共に、ホームステイ及び学校や多数の文化施設を見学する機会を得た。充実したプログラムとして高い評価を得ている。

 この日の報告プレゼンテーションは、「ハーモニー」を強調し、「今日この学校での温かい歓迎と同じように、日本で迎えてもらった」とスタート。学校訪問やホームステイでの具体的なエピソード、日本の美しさ、学校生活や慣習の違いなどを、異文化の中に放り込まれた新鮮な驚きを交えつつ紹介した。

 学校訪問の話題として、歩いて集団で通学する児童を住民が見守っていること、給食は児童が配膳し一斉にスタートすることなどが挙げられ、他人への奉仕や協調が浸透していると指摘があった。

 参加者の中には参観だけでなく授業をした先生もいたが、言葉が通じ合えない怖さに触れたうえで、自己紹介でのボスターの絵や地図が有効であったと伝えた。ホームステイでも「正しいマナーができなかったらどうしよう・・・」という不安があったが、こういった思いを知ったことが収穫であったと述懐した。

 翻訳アプリは時に可笑しな訳があったがテクノロジーに感謝したとのコメントも出た。伝統的なものと近代技術の調和が印象的であったとのこと。東京は混雑しているのに喧騒はなく駅もきれいであったと称賛。報告の最後に、「笑顔が人との触れ合いの始まり、簡単に絆を育むことができる」「文化を知ることで理解が深まる」と、笑顔とともに感謝の言葉で発表を締めくくった。

 りんご会理事のメッセージのなか、日米に留まらず異国異文化の多様性理解に繋がることを願う言葉があった。教育関係者が子供に与える影響は大きい。今後の児童生徒の指導、異文化理解と絆が、より良く進展してゆくことが期待される。

デトロイトりんご会補習授業校2018年度 大運動会

 6月16日(土)、デトロイトりんご会補習授業校の恒例行事である運動会が開催された。幼稚園から低学年は午前中のみ、中学生はクラス対抗の球技大会を午前中に行い午後から運動会に合流、高校生は運動会の競技の手伝いの合間に模擬店やゲームコーナーを担当しながら競技に出場するなど、学年によって参加形式の違いはあるものの、年齢差を越えた全校一斉の学校行事である。また多数の企業で構成されている運動会実行委員が会場設営や当日の用具準備などを担当して行われる、当地日本人コミュニティぐるみの大イベントでもある。

  午後からは雨との予報が出ており、天候の悪化が心配されたが、午前8時半の開会式に合わせたかのように日が差し、その後も時に日が出るものの雲が広がり、雨粒がぱらついた時もあったが、午前中は順調に終了した。運動会最後の演目である紅白リレーの直前にスコールのような雨に見舞われ、児童生徒はテント下で待機、参観していた保護者の多くは軒下や車内に入り状況待ちとなったが、教職員や運営委員がグランドの状態を確かめて再開を決断し、全ての演技を行なうことができた。

  開会宣言に続く日米両国の国旗掲揚そして同校校歌斉唱の後、宮本学校長の開会の挨拶、そして来賓である在デトロイト日本国総領事館の加藤領事により総領事のメッセージの代読と続いた。JBSD事務局長も来賓として出席し、奮闘を温かく見守った。

選手宣誓の後、演技は日本の「ラジオ体操」でスタート。保護者や来賓の方々も加わり、世代を超えて親しまれている日本の定番曲に合わせて体を解した。

  その後の競技中には運動会の定番音楽、そして実況解説の放送も流れ、会場はさながら日本の学校。高校生による模擬店、射的やヨーヨーすくいなどの縁日遊びが日本ムードをさらに高めていた。

  徒競走などの個人競技が行われた後、伝統種目である「綱引き」「玉入れ」などの団体競技が続いた。紅白対抗とあって他学年の声援にも熱が入っていた。

  幼稚園児の遊戯『お祭り忍者』では高校生が御神輿を担いで登場し、それを中心に円になって園児らが一生懸命に踊っていた。年齢を超えたつながりが微笑ましく映った。

  午後は運動会に合流した中学生による「二人三脚リレー」や高等生による「借り物物競走」、中高等部クラス対応の「大縄跳び」など、伸びやかな身のこなしや団結力やが会場を魅了した。

  雨による中断の後に最終競技、全体の勝敗を決定づける紅白対抗リレーに移った。選手達の颯爽とした走りに感嘆の声が上がり、会場の盛り上がりは最高潮になった。全体最終結果は白組の勝利。万歳の声と祝福の拍手が沸き上がった。

  日本を遠く離れた当地で、日本の学校行事に触れる貴重な体験となった。

デトロイトりんご会補習授業校 2018 年度 入園式 入学式

デトロイトりんご会補習授業校 2018 年度 入園式 入学式 2

4月7日(土)、門出を祝うかのような晴天のもと、2018年度幼稚園入園式、小学部入学式、中高等部入学式が行われた。音楽に合わせ元気に入場した幼稚園、入園児の子どもたちはやや緊張の気配を見せながらも、その瞳は輝いていた。ここで始まる新しい仲間や先生との活動を楽しみにしていることが窺えた。

小学部1年生は今年度6クラスでのスタート。話をする学校長や来賓の人の顔を見て落ち着いた様子で話を聞く1年生の態度は、ほんの数週間前の幼稚園の時とは違う成長した姿が見られた。宮本学校長は、お祝いのことばのなか、3つの目当てを提示。「自分で出来ることは自分で」「友達と仲良く。相手が嫌がることはしない」と分かりやすく伝えた後、3つ目の「人の話をよく聞きましょう」とのめあてと合わせて「背筋を伸ばしましょう」と呼びかけると、すかさず姿勢を正す子ども達の姿があった。

在デトロイト日本国総領事館の加藤領事は和田総領事の挨拶の代読として、いろいろなことに挑戦すること、仲良く過ごし思い出をつくること、そして「美しく正しい日本語を身につけましょう」と願いを伝えた。保護者に向けて、「子どもは早く外国語に慣れ、早く適応すると一般的に言われているが、子どもなりの苦労や心配は決して少なくない。温かく見守ってください」との言葉が伝えられた。りんご会理事長からは、「助け合う小学生になってください」などの子ども達へのエールの他、保護者向けに、「ここで入学という機会を迎えたということは、英語と日本語環境、両方に触れ、将来の可能性を広げることになると考えています。その可能性をより多くするために、りんご会は日本の教育を日本語で提供するだけでなく、国際社会で活躍する子ども達を育てることを目標にし、より良い教育を展開し、学ぶ環境を整備していきます」と述べ、ボランティアで成り立っていることを示唆し、積極的に活動への参加を乞う言葉で閉じた。

小学部2年生の児童による“在校生歓迎の言葉”がはじまると、新1年生はより熱心に聞き入っている様子がみられた。また、式 の最後で6年生が入場し1年生に向けて校歌を発表した際には、身を乗り出して聴いている児童も多かった。堂々と校歌を歌う6年生の姿は大きな存在に見えたことであろう。また、式の退場時には、出口で6年生と2年生、3年生が大きな拍手でお祝いをして、温かく貴重な対面のひと時となった。

中高等部の入学式はノバイ高校で行われ、新1年生も在校生もとても落ち着いた立派な態度で出席し、生徒代表の誓いのことばと歓迎のことばを真剣な面持ちで聞いていた。

幼稚園年中組から高等部まで、どの学年も新しいクラスメートと共に新たなスタートを切るフレッシュな日になった。

第20回 デトロイト・オープン剣道トーナメント

第20回 デトロイト・オープン剣道トーナメント 4

2月18日(日)、デトロイト剣道道場主催 のデトロイト・オープン剣道トーナメントが Seaholm高校(Birmingham,MI)を会場に して開催された。このトーナメントは毎 年この時期に行なわれており、全米各地 やカナダからの多数の剣士が参加する 全米屈指の大きな規模となっている。 その要因は、デトロイト剣道道場の師範 である田川順照氏が数少ない剣道範士 八段であり、指導に定評がある上、本ト ーナメントには例年、日本からトップクラ スの剣士や教士、高名な剣道家を招い ているためといえる。田川氏は剣道普及 の為渡米し、現在、全米剣道連盟会長、 並びに国際剣道連盟副会長であり、世 界剣道選手権大会でUSAチームのコー チや強化委員長を務めた経歴もある。 今回は神奈川県警察剣道副主席師範 を務める宮崎史裕教士八段を日本から ゲストに迎えた。宮崎八段は世界剣道 選手権大会優勝、全日本選手権大会優 勝、全国警察大会団体・個人優勝、国体 優勝など、輝かしい成績を収めている。

トーナメント当日は幸いにも例年よりは 暖かい天気に恵まれ、全米およびカナ ダから約280人の選手が参加。大規模 大会を支えるボランティアは70人ほどに のぼり、総勢350人が集まり、2月の体育 館に熱気があふれた。来賓として、宮崎 八段、在デトロイト日本国総領事ご夫妻、 デトロイト補習授業校(日本語補習校)校 長先生が観戦された。 早朝6時半ごろには各道場ごとにウォ ームアップを開始。気合の入った声が響 いた。 開会式では、デトロイト道場のハンナさ んによる、君が代、カナダ国歌、アメリカ国歌の見事な独唱が会場をふるわせ、 同じくデトロイト道場のアレックス君によ る堂々とした選手宣誓が行なわれ、選手 たちの表情がぐっと引き締まった。地元 の五大湖太鼓センターの『五大湖ドラマ ーズ』による威勢のよい和太鼓の演奏の 後、試合が開始された。

子供の部では、大きな気合や今まで の稽古の成果を一生懸命に試合に生か す姿に観戦者たちは感動。大人の部で は、スピード感あふれる迫力のある試合が繰り広げられた。

昼の休憩の前に、田川範士八段、宮崎 教士八段、前田教士七段、小水教士七 段による模範稽古が行われ、田川八段、 宮崎八段による立会いの、風格漂う攻め 合いから繰り出される技の攻防に、会場全体の目が奪われていた。

午後からは、大人の部最上位クラスの 四段以上の部と、子供及び大人の部の 団体戦が行われた。午前に引き続いて気 迫溢れる白熱した試合が各所で見られ、最後まで熱気に満ちた大会であった。

今回初の試みとして、リアルタイムに試 合の進度を把握し臨機応変にコート変 更を行うため、PCを使用した試合運営シ ステムをデトロイト道場独自に構築。何度 もテストを繰り返した成果があり、非常に スムーズで効率的な試合運営となった。 例年デトロイト道場内外から多くのボラン ティア支援があってこその大会であり、運 営側は非常に感謝している。子供たちも 大人に負けず試合の合間に運営を積極 的に手伝い、成功に寄与した。 宮崎教士は、「皆が一生懸命に試合に 臨む姿を見て、次回はぜひ自分も皆と 竹刀を交えたくなった。その日がいつか 来るのを楽しみにしてる。」と語った。

前日は、その宮崎教士(右下写真)に よる剣道セミナーが開催され、200人以 上の参加者が熱心に耳を傾けた。実践 指導として、まず所作の指導があり、素 振り、そして、各段、級に分かれての基 本打ちのあと、返し技と応じ技の稽古に 取り組んだ。宮崎教士からは以下のこと が強調された。

 

打ち方で大切なこと:大強速軽

大きく→強く→速く→軽やかに ・剣道の稽古は基本が重要。基本なく して技は出せない。基本稽古を大切に

最後は、宮崎教士と田川範士も入って の周り稽古による地稽古があり、気合溢 れる中でセミナーは終了した。

デトロイト剣道道場は現在インストラク ター含めて約100数名のメンバーの内、 本大会には50人以上が参加。20回の開 催を重ね、運営も安定かつよりスムーズ に行なわれ、また、剣士たちの士気も結 束も高くなっている。本大会での同道場 の入賞結果は下記の通り。

デトロイト剣道道場 入賞結果

Team Youth 2位: デトロイト剣道道場 A
Team Adult 3位: デトロイト剣道道場 A
無段Adult 2位: Sung Gon Chungs
3位: Keiichiro Takagi
初段   3位: Ji-Hung Choi
二段   2位: Daichi Sakuma
3位: Tyler Barrone
Senior 3位: MizusawaHank 

平成29年度 デトロイトりんご会補習授業校 卒園・卒業証書授与式

平成29年度 デトロイトりんご会補習授業校 卒園・卒業証書授与式 1

3月17日(土)、デトロイトりんご会補習授業校で第20回卒園式・第45回卒業証書授与式が挙行された。今年度の卒園・卒業生は、幼稚園部98名、小学部68名、中学部21名、高等部7名を数えた。

午前中にノバイメドウズ校で行われた卒園式では、体も心も格段に成長した園児たちが、緊張感をはらんだ大人びた面持ちで式に臨んだ。宮本正彦校長は、卒園を寿ぐとともに、小学校生活へ向けての贐の言葉を伝えた。

午後に行われた小・中・高、合同の卒業証書授与式は、中・高等部が借用しているノバイ高校の講堂で挙行された。来賓として在デトロイト日本国総領事館の和田充広総領事、デトロイト日本商工会藤田佳幸会長ならびに植田庄作事務局長、JSDウィメンズクラブ代表としてジョーンズみえ子氏、さらにノバイ学校区の教育長をはじめ同学区の教育関係者、また、イースタンミシガン大学の桶谷仁美教授が臨席。りんご会理事長ならびに運営委員長、父母会執行部長、小学部高学年以上の在校生、卒業生の保護者が出席し、盛大に催された。

開会の辞の後、列席者一同による日本国歌の斉唱、生徒によるアメリカ合衆国国歌独唱、そして児童生徒による校歌の斉唱が行なわれた。続いて、卒業生一人ひとりが学校長の手渡す卒業証書を恭しく受け取り、その間、在校生による生演奏のBGMが流れ、厳粛ながらも穏やかな雰囲気に包まれた。

宮本校長は式辞のなか、現地校と両立させて卒業を迎えた児童生徒たちを称えたほか、道元禅師の和歌「春は花、夏はほととぎす、秋は月、冬雪さえてすずしかりけり」を紹介し、この歌はそれぞれの季節にそれぞれの特徴があるという季節の素晴らしさを表しているだけでなく、一人一人がもっている個性・良さがあり、それをしっかりと自分の力にして欲しいという意味もあると説き、自分らしさに向き合いながら精一杯、これからの大切な道を歩むよう願いを届けた。また、「最大の理解者であり応援者であるお父さんお母さんに、しっかりと顔を見て心から感謝の言葉を述べてください」と告げ、最後に

「君たちの可能性は無限大です。これからの活躍を期待しています」と、力強い言葉を伝えた。

和田総領事は、卒業生に対する祝辞、保護者や理事・運営委員・父母会そして講師、地元の関係者に対する謝辞に続け、日本にいる同学年の生徒が出来ない貴重な経験・学校生活を送ったことであろうと評し、「世界は大きく動いており日本を取り巻く環境も厳しいものがある中で、皆さんのように世界のことを知っている人材がますます重要になってゆく」と述べた。「日本・世界のことを勉強し、異なった文化や人に触れて自分をさらに成長させ、国際的で逞しい大人になって欲しい」、そして、「ここでの生活を誇りに新しい道をさらに進んでいってください」との贐の言葉を卒業生に届けた。

マシューズ教育長からのスピーチ(英語)では、かつて日本を訪問した際に目にした生徒のたちの無邪気さを話題にし、「日本でもここでも、生徒は生徒であり、変わらない」と語り、成功のカギは教育であると指摘した。ノバイでの経験が人生に豊かさを与え、ここで培ったことが活きるようにとエールを送った。

在校生の「送ることば(中高等部では送辞)」では、上級生との思い出や、上級生を見習って励み続けたいといった抱負などが語られた。それに応じた卒業生による「お礼のことば(中高等部では答辞)」

では、保護者や先生方へのお礼や後輩への激励のメッセージとともに、当地での苦労と喜び、友や先生との思い出などが紹介された。いずれの言葉にも、苦労を乗り越えて卒業にこぎつけた達成感や自覚が表れていた。

最後に、卒業生と在校生が全員で「旅立ちの日に」を合唱し、感動のなかで閉式となった。

小学生が退席した後、補習校生活が最後になる高等部卒業生7名を送る特別イベントに移り、各自がスピーチに立ち、忘れがたい思い出、そして前途への抱負を熱く語った。「英語で過ごすことが多い中、補習校は日本人であり続けるために欠かせない存在」という言葉に、補習校の存在意義が集約され、同校での学びや人との繋がりが今後の財産になるであろうことが窺われた。輝かしい旅立ちの日であった。

デトロイト補習授業校中高等部ミニ文化祭

デトロイト補習授業校中高等部ミニ文化祭 1

生徒たちの創意工夫と団結力を感じた発表

文章・写真提供:デトロイトりんご会補習授業校

デトロイト補習授業校は、日本の学校に準ずる教育活動を実践するため、文部科学省の学習指導要領に基づく授業と学校行事を行っています。

中高等部では、12月16日午後、借用校のノバイ高校オーディトリウムにて、「ミニ文化祭」を実施しました。中1から高3までの各クラスが、今年のテーマの「日本の四季を表現しよう!」に則した出し物(演劇、ダンス・舞踊、楽器演奏、クイズショー、研究発表など)を披露しました。土曜日だけの限られた準備時間にもかかわらず、各クラスの発表は、創意工夫が感じられ、クラスの団結力を感じる素晴らしいものでした。

約2時間半にわたって発表がおこなわれた会場には、生徒たちの熱気と楽しそうな雰囲気がいっぱい溢れていました。海外の補習校で学んでいるからこそできた貴重な経験は、生徒たちにとって一生の思い出となることでしょう。