喧喧諤諤 第168回:トランプ新政権の行方

新年も2月に入りました。この冬ミシガンは全般的に暖かく、例年に比べて雪の代わりに雨が多いですね。冬らしい雪嵐があったのは昨年のクリスマス前と年明け1月前半位で過ごし易いのはありがたいのですが、急に平年並みの気温になるとギャップが大きく老体には寒さが身に染みます。

Ken Ken Gaku Gaku (Vol. 137)喧喧諤諤 第137回:サッカー・ワールドカップに思う

ミシガンでは暑い日が続いていますが、夜9時半過ぎまで明るかった日照時間も夏至を境にして毎日1~2分ずつ短くなりつつあります。学校がお休みの間に家族一緒に何処かへお出掛けとか何か普段出来ない事をするには絶好のシーズンです。独立記念日の連休を活用出来なかった方もまだまだチャンスはありますので、暑いからといってエアコンの効いた屋内でカウチポテトにならないように心も体も引き締めましょう。但し、外出する場合は日焼け止めと水分の補給をお忘れなく。生憎カウチポテトになりやすい原因として暑さの他に先週末終わったばかりのウィンブルドン・テニスと先月始まった男子サッカー・ワールドカップ・ブラジル大会が決勝トーナメントに突入し、世界中のサッカーファンだけでなく世間一般の注目も集めている周辺状況があります。

Ken Ken Gaku Gaku (Vol. 141)喧喧諤諤 第141回:何かが違う、一体何が?

「殿、ご乱心!」と時代劇ならば叫びたくなるような白い物がチラつく程の突然の冷え込みで、家々を訪ね回ってお菓子を集める子供たちの楽しみが半減されたハロウィーンも終わり、サンクスギビングとクリスマスを残すのみとなりました。つい先日まで枯葉が舞い、落ち葉が吹き溜まるのを寂しく眺めていたと思っていたら、あっという間に11月。招きもしない冬が遠慮もせず、ずかずかと土足で入り込んで来たようです。夏前の長期予報では、今年の冬も昨年同様に寒く雪の多い冬になりそうという憂鬱な話がもっぱらでしたが、先日会った友人談によれば、その後予想が修正されて暖冬気味になる由。最近特に寒がりになった私にとっては朗報で、是非そうなって欲しいものです。

喧喧諤諤 第173回:つれづれに将棋のこと

7月、今年も後半に入りました。ジメジメした梅雨の日本と違ってミシガンは蒸し暑い日が少ないので助かります。夏至も過ぎて少しずつ日が短くなりますが、まだまだ夜9時頃まで明るいので夏休み中の学生・生徒さんには色々楽しみの多い時期ですね。独立記念日の前後には少し長目の休暇を取って家族や友達と旅に出た方もいらしゃるのではないでしょうか?皆さん無事に帰宅され、それぞれ良い想い出が残っているといいです。

喧喧諤諤 第174回:政権運営とリスク管理

ミシガンの8月、もう立秋だというのにまだまだ暑いですね。それでも日が沈んで足早に夕闇が訪れると気温の下がるのも結構早く朝晩は涼しくなりました。猛暑が続く日本では梅雨明け後に福岡や秋田などで集中豪雨やゲリラ豪雨があったりして、被害に遭われた方々には心よりお悔やみ申し上げます。私の自宅がある愛知県春日井市も今年になってからスマホの天気予報アプリで大雨警報が何度も掲示されています。幸い実害はないものの、本格的な台風シーズンはこれからですので、他の地域も合わせて何も問題ない事を願っています。

Ken Ken Gaku Gaku (Vol. 125)喧喧諤諤 第125回:「働く」ことの意味

巳年の今年も折り返し点を過ぎて7月に入りました。ミシガンでもいつの間にか周りは何処も緑が濃くなり夏至を境に蒸し暑い日が続いて夏らしくなって来ました。今年のミシガンは巨大都市のニューヨークやまだ梅雨が明けない日本の東京、名古屋よりも気温が高い日が多いような気がします。正確な記録を見ている訳ではありませんが、例年よりミシガンの気温が高いと言うよりも他の都市の気温が例年よりやや低い感じです。

Ken Ken Gaku Kagu (Vol. 111)喧喧諤諤 第111回:聞く、書く、見る、読むと覚える

五月(さつき)に入りました。先月入社式を迎えた新入生、新入社員の皆さんの4月は如何でしたでしょうか?恐らくあっという間に過ぎてしまったと言う感じでしょうか?初めて経験する事ばかりで毎日新鮮な印象を持つ反面、今まで味わった事のないプレッシャーやストレスを感じてちょっぴりブルーな気分だったり、落ち込んだりしているかもしれませんが、いわゆる5月病にならず、元気で明るく逞しい新入生、新入社員としてご活躍される事を願っております。不慣れな分だけ「ちょっとキツイな」、「大変だな」と思うこともあるでしょうが、将来自分の肥やしになると信じてめげずに頑張って下さい。

Ken Ken Gaku Gaku (Vol. 129)喧喧諤諤 第129回:完璧・完全への挑戦

ミシガンは秋を楽しむ間もなく10月末のハロウィーンが来る前から急に寒くなり ましたね。ニュースによると、カナダ方面からのジェット気流が米国最南部メキ シコ湾辺りまで流れ込んだ影響で中西部、北東部だけでなく各地で気温が年平均 を下回ったようです。我家では一足も二足も早くコタツを出しました。

Ken Ken Gaku Gaku (Vol. 114)喧喧諤諤 第114回:動機付けの重要性と難しさ

ミシガンでは珍しく猛暑が続いた7月もようやく過去のものとなり、8月に入りました。少しは暑さも緩むと思いますが、日本ではこれからが夏本番。電力需要がピークになる時期に供給不足・使用制限が見えていて本当にお気の毒な事です。

Ken Ken Gaku Kagu (Vol. 107)喧喧諤諤 第107回:成さぬ善意より成す偽善!?

新年明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願い申し上げます。昨年は日本でも世界でも色々悲しい出来事、暗いニュースがありましたが、今年は少しでも多く明るいニュースが聞けるといいですね。スポーツ界では地元デトロイト・ライオンズが12年ぶりにプレイオフ進出。年越しで地元チームのプレイが観れるとは「こいつは春から縁起がいいわい」と言ったところです。プロ野球のオフの話題では何と言っても日本ハムのダルビッシュ投手がポスティング・システムでMLB入り実現するかが目玉。本号が発行される頃には独占交渉権を獲得したテキサス・レンジャースとの契約交渉に何らかの進展があるかもしれません。是非入団してイチロー選手ら他の日本人選手と一緒にこちらで活躍し、日米の野球ファンはもちろん日本の皆さんに元気を与えて欲しいですね。また、ゴルフでは20歳になった石川遼選手に米国PGAツアー公式戦、出来ればメジャー・トーナメント、更に出来れば彼自身の夢であるマスターズで勝って欲しいものです。

Ken Ken Gaku Kagu (Vol. 112)喧喧諤諤 第112回:米国製造業の衰退と従業員の意識

例年メモリアル・デーが過ぎると一気に夏!という感じのミシガンですが、今年は3月に一度バカ陽気のヒート・ウェーブが訪れ、4月には肌寒い日が数日続いたりと天候が不順だったので、皆さん体調管理にご苦労されたのではないでしょうか?6月に入ると当地の高校、大学の卒業式が終わり、卒業生は想い出に浸る時間もそこそこに新たな門出の準備、在校生は長い夏休みに入ります。輝かしい門出、安全で健康な夏休みになりますように。

喧喧諤諤 第175回:トップの役割と責任

何と早9月になってしまいました。Labor Dayの連休が終わり、現地校は新学期の始まりです。日本の学校より夏休みが長い米国では休み中に遊び呆けた学生・生徒が休み前に学習した事をすっかり忘れたり、うろ覚えの状態で授業を受けるケースがあるため、後戻りして先ず復習に時間を割かねば先に進めないという話を耳にした事がありますが、最近はどうなんでしょうか?

Ken Ken Gaku Gaku (Vol. 147)喧喧諤諤 第147回:自責と他責、自幸と他幸

5月=皐月(この漢字の方が趣がありますね)となってミシガンにもようやく本格的な春がやって来ました。4月末週には所によって雪がちらつくような寒の戻りがありましたが、4月の雪もミシガンでは珍しい事ではなく、長年住んでいると「ああ、またか」と言った感じです。春爛漫の日本ではゴールデン・ウィーク明けに新入生、新入社員の5月病が顕在化する要注意時期でもありますね。では、スポーツの話題を少々。

喧喧諤諤 第182回:春の嵐か椿事か?

この冬のミシガンは珍しく例年よりかなり寒い冬でした。日本からの海外出張者、駐在者、出向者やご家族の皆さんは雪と寒さに驚き、戸惑われたのではないかと思います。3月にはさすがに積もっていた雪も溶けてようやく春めいて来たと思っていた矢先の4月頭にはまた雪がチラつき(現時点では予報ですが)エープリルフールの延長かと思わせました。

喧喧諤諤 第203回:サヨナラ2019年、 いい事あるかな?2020年

亥年の2019年に別れを告げ、子年の2020年を迎えました。米国では日本より一足早くホリデーシーズンが終わり通常の活動ペースに戻りましたが、皆さんの年末年始は如何でしたでしょうか?今年は珍しくホワイトクリスマスにならなかったデトロイト地区を離れて日本へ一時帰国された方、米国外または米国内を旅行された方、ご自宅でゆっくりされた方など様々でしょうが、皆さんそれぞれリフレッシュして英気を養い、順調に新年のスタートをされた事と思います。

Ken Ken Gaku Gaku (Vol. 143)喧喧諤諤 第143回:未年(ひつじどし)に誓う

新年明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願い申し上げます。皆さんの年末年始は如何でしたか?昨年一年の疲れを取り、新年を迎える英気を養えたでしょうか?私事ですが、義父の13回忌法事のため昨年下旬から年末にかけて久し振りに一時帰国しました。年明けまでは居られなかったので、日本の正月を味わえず帰米したのは残念ですが、年の瀬迫る日本の雰囲気を多少なりとも直接肌で感じることが出来ました。

喧喧諤諤 第204回:2020年波乱の幕開け, 先行きは?

この冬ミシガンは年明け後も妙に暖かいですね。私のように寒がりのシニアには暖かい方がありがたいですが、それにしても異常です。一時的に吹雪や氷雨の日もありましたが、例年に比べれば遥かに過ごしやすい冬です。まあ、噂をすれば何とやらで、北の方からいつまた突然冬将軍が押し掛けて来て長く居座るかもしれないので油断は禁物です。 先月半ばカレッジフットボール全米王者決定戦ではL S U(ルイジアナ州立大)がクレムソン大を破って優勝。第2クオーター半ばまでは接戦でしたがその後はL S Uが攻守に圧倒し、終わってみれば42−25の大差。L S U強かったですね。プロテニスでは新設の男子国別対抗戦A T Pカップ第一回大会がオーストラリアにて24か国参加で行われ、ジョコビッチ選手率いるセルビアが決勝でナダル選手率いるスペインを破り初優勝。エース錦織選手を欠いた日本は予選2試合で西岡選手が格上の相手を破る奮闘でしたが、あと一歩及ばず決勝トーナメントに進めず残念でした。シングルス2試合とダブルス1試合の構成ですが、国を代表しての戦いは選手も応援も熱かったですね。男子のデビスカップや女子のフェデレーションカップと異なり、同時期に全チームが集まって王者を決定する同様のカップ戦新設を女子のW T Aにも求める声があるようですが、一方では今でもきついレギュラーシーズン公式戦の他に各種カップ戦が多くなり過ぎて選手への負担増と怪我・故障のリスク増大を懸念する声もあるようです。ランキング上位の人気選手程試合過多でリスクもより大きくなりますから、主催者側の興業収入増思惑と選手側の心身両面の健康維持は相反するかもしれません。やはりチェック・アンド・バランスが必要ですね。また、つい先日幕を閉じた今年最初のメジャー大会であるオーストラリアン・オープンでは女子シングルスで連覇が期待された大坂選手が残念ながら3回戦で目下売り出し中の新鋭15歳の米国ガウフ選手に破れてしまい、昨年優勝で獲得した全ポイントを維持出来ず大幅減となり、大会後はランキングが9位以下になる見込みとのこと。思い通りのプレーが出来ずイラついて珍しくラケットを投げたり、それを蹴ったりと精神面の不安定さが見られましたが、彼女はまだまだ若い発展途上人、長い目で見て応援してあげましょう。 さて、今回は『2020年波乱の幕開け、先行きは?』というテーマです。先月『さよなら2019年、いい事あるかな?2020年』と題して今年は少しでもいい事があるように祈念しましたが、年明けいきなりイランと米国間で尋常でない緊張が走り、淡い期待は早々に裏切られました。 事の発端は、皆さんもご存知のように、正月3日イラン軍精鋭部隊のリーダーで対米軍事戦略の中枢であり実質的にイランのハーメネイー最高指導者に次ぐナンバー2であったソレイマニ将軍が軍用車で移動中に米空軍機による攻撃で暗殺された事です。トランプ政権前のオバマ、ブッシュ両政権時代から直接的な対米軍事行動の他、イラクなど中東地区の反米武装グループを支援して米軍関連拠点や米国権益に結び付く施設や要人を標的にした行動を取る最高度の要注意人物でしたが、暗殺など直接的で極端な軍事行動はその結果としてイランの報復行為やただでさえ複雑でキナ臭い中東地域の近隣諸国への影響や彼らの反応が読み切れずメリットよりもリスクが大き過ぎるとの判断で見送られていたようですが、トランプ大統領は後先考えずいともあっさりG Oサインを出し実行させ、前・元大統領がやれなかった事を「俺がやってやった!」と自慢げに発表したものです。 容易に予想された如く、直ちにイランから米国及びトランプ政権に対し猛烈な非難・糾弾声明と報復宣言が出され、イラン国内の米国領事館や周辺国の米軍関連拠点、石油関連など米国権益に繋がる施設では一気に緊張が走りました。イラン国内の反米デモも激しく、以前もあった「米国に死を!」のスローガンとシュプレヒコールが溢れ、お膝元の米国領事館がデモ隊に取り囲まれ投石や一部建物の破壊行為に見舞われ、館内人員の身の安全が大いに危惧されました。また、数日後「報復宣言は単なる脅しではないぞ!」とばかりにイラク内の米軍拠点にイランの中距離弾道弾と思われるミサイルが十数発着弾し、直後にトランプ大統領は「死傷者なし。施設被害も最小限で機能上問題ない」と速報しましたが、後日の米軍発表では実際は重傷者を含む35名(当初発表の11名を更に追加訂正)が負傷し、無責任な大統領発言に現地関係者は怒っていると報道されました。 軍事専門家の衛星分析では、少なくともイラク西部のアル・アサード空軍基地近辺で7箇所の施設が被害を受けた由。この中距離弾道弾は本来狙った標的への着弾精度が高いのが特徴であり、イラン政府としては国内の反米デモ感情の反映と国軍の権威を示す意味で攻撃したものの、米軍の反報復攻撃を危惧したイラン軍が米軍に重大な人的、物的被害が出ないようにわざと米軍中枢の標的を外す操作をしたのではないかという憶測もあります。不幸中の幸としてトランプ大統領も自重し、米軍が反報復攻撃に出なかったのとイラン軍がそれ以上の米軍攻撃を控えたので、報復合戦がエスカレートして最悪の場合第三次世界大戦が始まるかもしれないという懸念は一旦収まり今のところ小康状態が続いていますが、これも一時的な緊張緩和に過ぎず両国が事態収集で合意した訳ではないため、いつまた何時(なんどき)、何処で何が起こるか全く予断を許しません。 イラン政府としては先に米国が離脱したイランの核開発制限を巡る多国間合意契約破棄絡みで米国が実施した経済制裁の影響が深刻となり国内景気が冷え込み、国家財政の悪化、国民生活の窮乏から国内各地で頻発していた反政府デモが反米デモにすり代わり一息付きかけたのですが、彼らにとって不運だったのは上述のミサイル攻撃をした当日イラン国内をウクライナのキエフに向かって飛行中のウクライナ機が墜落し、乗客乗員176名全員が死亡した事件でした。後日イラン政府の公式発表で自国の防衛隊が同機をイラン軍の機密上重要な軍施設付近に飛来した敵性標的と誤認し、地対空ミサイルで撃墜した人的ミスと認めましたが、反米デモのお陰で国民の視線と感情が米国に向きかけたところに、同機に多数のイラン人も搭乗していたこともあり、デモ隊の怒りの矛先がUターンして反政府デモに逆戻りし、先の米国によるソレイマニ将軍暗殺がこの不幸な事態を招いたと米国を非難したものの、更なる国内の混乱を避ける意味で例外的に自国の非を認め誤射の責任者、当事者を追及・訴追すると声明しました。 両国間紛争のとばっちりでこの不幸な災難に遭遇した犠牲者とご家族、関係者の方々には全くお気の毒な事でお悔やみの言葉が見つかりません。ただ一つ素人目にも大きな疑問は、米国とイランが準戦時下のような緊張した状況の中、同機を何故イラン国内で飛行させたのか?です。空港発着の管理責任者、航空会社の運営責任者など誰一人として少なからぬリスクを察知して、リスク回避の手立てを講じなかった結果、罪のない多くの方が亡くなられた事が大いに悔やまれます。(合掌) 海外発の波乱のニュースとしてはこの他最近急展開している中国武漢から始まり既に海外数カ国に感染が拡大し、1次感染から3次感染まで罹患者が確認され、死亡者も急増しつつある新型コロナウィルスによる急性肺炎が初動対策の遅れから世界的なパンデミックに変容する恐れがあり、緊張が高まっています。また、英国王室ではヘンリー王子夫妻が正式に王位継承序列から外れ王室関連行事参加も限定し、王室からの財政支援も最小限に留めて独立度とカナダへの移住など行動の自由度を高めるという驚きの発表があり、世界を驚かせました。 一方米国内では年明け早々に予想されていた米国議会上院での大統領弾劾裁判が始まりました。昨年クリスマス前まで下院で民主党、共和党の面々がそれぞれ所属党の党利(あるいは個人のP R?)と(安っぽい?)プライドを掛けて激しく対立して凌ぎを削った後、ペロシ下院議長が4週間程上院への訴追状提出を保留していましたが、先月半ばに受け渡しが終わり、故キング牧師誕生記念日翌日の1/21(火)から弾劾裁判に突入しました。冒頭本件裁判長を務めるジョン・ロバーツ最高裁主席判事の宣誓式、それに続く上院議員全員の裁判員としての宣誓式は滅多に見る機会のない貴重な瞬間でした。 通常の上院集会と異なり本件裁判員を務める上院議員の宣誓文で最も重要な点は各裁判員はImpartial=インパーシャル(「偏りのない公平な」の意味)でなければならない責務ですが、その後の党利党略を前面に押し出した裁判の審議進行を見るにつけ、米国国旗に向かい右手を挙げてこの宣誓をした上院議員の内何人が所属党や次期選挙の事は忘れ、個々に本気でImpartialの裁判員の責務を貫き通す決意をしたか?と疑問を抱かざるを得ません。実際、弾劾裁判の議事進行役であり、公平な裁判員の一人であるべきミッチ・マコーネル共和党上院院内総務などは下院で訴追決議が採決された直後ホワイトハウスに出向き、被告に当たる大統領側近や弁護団と裁判実施ルールの事前打ち合わせをし、「完全に意見が一致している。私は公平な裁判員ではない」と公言して憚りませんでした。常識外れの厚顔無恥な言動で、部外者の外国人である私が観ても恥ずかしい気がしました。 弾劾裁判の進行は先ず訴追した下院民主党選出の弾劾担当マネージャー7名による現職大統領の職権乱用及び議会運営妨害行為の2件の訴追決議の詳細と罷免要求理由説明、続いて大統領弁護団8名による訴追決議のプロセス否認及び訴追内容の不当性反論で進行。大統領弁護団の反論の冒頭陳述では「弾劾担当マネージャー連による長時間プレゼンと違って(上院議員の)皆さんの貴重な時間を取らないように短く済ませます。」と言っていましたが、弁護団の立場からすると長引かせたくない真っ当な理由があります。 例えば、公判中にルーディ・ジュリアーニの助成協力者で選挙資金規制法違反で起訴された2名の一人であるパルナス氏がウクライナ絡みの公式外交ルートを飛ばしたジュリアーニとトランプ大統領及び側近の陰謀・極秘行動を暴露したり、前国家安全保障大統領補佐官の一人であったボルトン氏著作で近々上梓予定の暴露本では大統領との面談時にウクライナへの軍事・財政補助金の支給差し留め希望発言が直接あった事実やサウジアラビア及びトルコ首脳に個人的な便宜を図る行為が外交ルールや法律に違反する恐れがあるのではないかとウィリアム・バー司法長官に相談した事実など大統領に不利な新たな事実がボロボロと出て来ており、討論が長引けば長引く程、証人喚問請求動議可決や有罪・罷免決議に向かう恐れがあり、さっさと終わらせたい意図が見え見えでした。また、テレビ中継を観ている有権者と次期大統領選を大いに意識して、翌週に迫っていたアイオワ州民主党党員集会の予備選挙直前に民主党有力候補者であるバイデン前副大統領とその息子のウクライナ絡みの言動を標的にして次々と糾弾し、本題である大統領弾劾裁判から視聴者の視線を逸らそうとする試みにも力を入れていました。 先月最終週には弾劾担当マネージャー及び大統領弁護団に対する上院議員裁判員からの質疑応答へと進み、弾劾担当マネージャー達が入れ替わり立ち替わり指摘・要求しているにも拘らず、最終的に共和党上院議員の中から3〜4名の米国国家と憲法、民主主義を守る大義を最優先する良心的な離反者が出ない限り証人喚問請求動議も過半数に満たず否決されると、弾劾裁判のみならず裁判と名の付くイベントで一人として証人が呼ばれず、証拠書類も一切提出されないまま大統領の有罪、罷免が否決される前代未聞の結末になる見込み大です。本稿完成直前の情報では、マコーネル氏が共和党メンバーにまだ証人喚問動議を否決するに十分な票数が確保出来ていないと述べたとのことで、少数劣勢挽回で証人喚問が行われ、最終的に現職大統領の有罪・罷免採決が実現するわずかな望みと奇跡の実現を願っているのは私だけでしょうか? 波乱の幕開けで始まった2020年、果たして先行きは?良くなる事を祈るばかりです。Keep fingers crossed!! 執筆者紹介:小久保陽三 Premia Partners, LLC (プレミア・パートナーズ・エルエルシー) パートナー。主に北米進出の日系企業向け経営・人事関連コンサルタント業務に従事。慶応義塾大学経済学部卒。愛知県の自動車関連部品・工業用品メーカーに入社後、化成品営業、社長室、総合開発室、米国ニューヨークの子会社、経営企画室、製品開発部、海外事業室、デトロイトの北米事業統括会社、中西部の合弁会社、WIN Advisory Group, Inc.勤務を経て現在に至る。外国企業との合弁契約、技術導入・援助契約、海外現地法人設立・立ち上げ・運営、人事問題取扱い経験豊富。06年7月より本紙に寄稿中。JBSD個人会員。

Ken Ken Gaku Gaku (Vol. 124)喧喧諤諤 第124回:美しい日本語は何処へ?

今年の上半期最後の月6月に入りました。デトロイト近辺では4月前半に結構暑い日があったものの春分の日を過ぎてから逆に寒い日が続き、夏どころか本格的な春にもならないかと気を揉んでいましたが、メモリアルデーの連休前にようやく夏到来というか突然30℃を超す真夏日。

喧喧諤諤 第188回:スポーツ選手の光と影

ミシガンでは9月下旬に一日だけ最高気温が30℃を超える日がありましたが、10月に入りさすがに20℃台に落ち着いてきました。朝方の最低気温は9月最終の週末に一度10℃を割る寒い日がありましたが、概ね15℃前後といった感じです。晴れた日は今が一番気持ちいいですね。そんな短い秋の日を楽しむ頃でもジェット気流の関係で北から寒風がサッと吹き込むと一気に10℃位気温が下がることがありますので、米国赴任間もない方や日本からの出張者、旅行者の方は重々ご留意下さい。私も大昔ゴルフのラウンドプレー中のわずかの間にそんな経験があり、戒めとしております。

喧喧諤諤 第201回:ウソをつくと閻魔様に舌を抜かれる?

師走。12支の殿(しんがり)である亥年も最後の月になりました。来年は干支が一回りして頭の子年に戻ります。サンクスギビングの連休が過ぎて、残るはクリスマスのみ。冬の冷気の中でホリデーイルミネーションが映える時期です。