挑む~NASCARドライバー 尾形明紀~ 第5回:スタート
2010年夏に渡米した尾形の生活は、とにかく 苦難の連続。生活習慣、文化の違い、法律上の手続きなど不慣れなことばかり。加えて安定した収入も無く、その日々は過酷を極めた。
挑む~NASCARドライバー 尾形明紀~ 第1回:プロローグ
NASCAR---日本ではなじみの薄いこのモータースポーツは、北米のTV視聴率ではNFLアメリカンフットボールに次ぐ人気を誇る。日本で人気のメジャーリーグやバスケットボールをも凌駕するほどポピュラーな自動車レースである。規格を厳密に管理されたストックカーを使い、イコールコンディションで争われる。750馬力をしぼりだす5,700ccのエンジンを積んだ1.5トンの車43台が時速200マイルオーバーで駆け抜ける迫力は、観る者を圧倒、魅了する。
挑む~NASCARドライバー 尾形明紀~ 第4回:つながり
2010年8月、以前から借りていたノース・カロライナの事務所に到着。ここを拠点に新たな挑戦を始めようとしていた。「日本人カーレーサーがNASCARの本場アメリカに活動拠点を移す」というと華やかなイメージがあるが、日本での資金調達に限界を感じてアメリカに来た尾形が用意できた資金の額は想像に難くない。アパートを借りるお金など持っていないので、窓も無い狭い事務所に寝泊りする生活がアメリカ進出のスタートとなったが、勿論これは覚悟の上であった。そんな尾形がまず始めるのは「尾形明紀という人間が、アメリカにNASCARのレースをしにきた、ということを“知って”もらうこと」。スポンサー探し以前に、尾形はとにかく”人”伝えに”人”と会っていった。
挑む~NASCARドライバー 尾形明紀~
ミシガンに慣れた体には厳しい36℃の中、ダラスのテキサス・モーター・スピードウェイに到着。以前、当地の日本まつりやりんご会補習授業校に来てくれた、日本人唯一のNASCARナショナルシリーズドライバー尾形明紀選手が、NASCAR Xfinityシリーズにトヨタ・スープラで参戦するのだ。初のミシガン戦になった8月のレースに応援に行きたかったが、今回のダラスとなってしまった。ミシガン戦でも今回と同じスープラでの参戦だったが残念ながら予選落ち。Xfinityシリーズは厳しい......