Thursday, June 20, 2024

心臓病治療の最前線:ブースターショットについて

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心臓病治療の最前線
心臓病治療の最前線

月9月22日、アメリカ食品衛生局は、ファイザー社製のコロナワクチンについて、3回目の接種、いわゆるブースターショットを65歳以上か、医学上、コロナにかかると重篤化する危険の高い人、または医療従事者などの人たちを対象に、2回目の摂取から6ヶ月以上が経っていることを条件に、緊急使用許可を与えました。これは、臓器移植を受けた人や、慢性のステロイド薬の使用、さまざまな免疫不全症候群の人などに対して、3度目のブースターショットを2度目の摂取から4週間経っていることを条件に既に許可を与えていることに続くものです。

ブースターショットの量は、2度目の量と同じ30マイクログラムで、肩の三角筋に筋肉注射を行います。  この決定の根拠となったのは、次のような臨床データによるものです。

米国の12歳以上の340万人の追跡調査で、ファイザー社のワクチン接種者は、未接種者に比べて有意に新型コロナ感染の危険が減少したが、この効果は、ワクチン接種後1ヶ月以内の88%に比べて、5ヶ月以上では47%に下がった。その一方で、ワクチン接種は、未接種者に比べて、コロナによる入院の危険も減らすが、この効果は、1ヶ月未満(87%)と5ヶ月以上(88%)で差はなかった。

イスラエルで行われたコロナPCR試験の疫学調査で、6ヶ月前に2度のワクチン接種を完了したグループと、3ヶ月前に同じく完了したグループを比較したところ、前者の方が有意に感染者数が多かった(1000人につき、3.2対1.6)、また重篤感染者数も前者の方が多かった(同0.29対0.15)。

ファイザーワクチン接種前後にコロナ感染のなかったと考えられる210人の人たちについて、2回目の接種後1ヶ月目とブースター接種後1ヶ月目のコロナウイルスに対する抗体量を比べたところ、ブースター接種後の抗体量は、2回目接種後の抗体量に比べて、3.29倍であった。

イスラエルにおける、2回のワクチン接種後5ヶ月以上経った110万人の追跡調査において、ブースター接種を受けた人は、受けていない人に比べて、11.3倍の感染率の減少が認められ、19.5倍の重症化阻止効果が認められた。

ワクチンの副作用について:

 ファイザー社のブースターショット後の副作用の発生率は、2回目の接種後の副作用の発生率と変わらないと報告されています。

 米国内では、モデルナ社やヤンセン社のワクチンについても、この原稿を書いている時点で、ブースターショットが認められました。また、ブースターショットに、最初の2回のワクチンと異なるワクチンを使うことも認められました。さらに、ワクチンの対象年齢を5歳から11歳の年齢にも広げることがCDCにより勧告され、これが承認されれば、米国では、近日中に5歳以上の全ての人についてワクチンを受けることが勧められることになりそうです。

 新型コロナ感染症に対する、モノクローナル抗体カクテル療法も進歩しています。感染初期に投与して、重症化を抑えるバラニビマブとエテセビマブの抗体カクテルは、最近、暴露後予防療法(Post exposure prophylaxis) のエージェントとしても承認されました。これによって、家庭や、老人ホーム、刑務所、病院、軍隊などで、患者が発生した場合、この薬剤を予防的に使うことで、他の成人に広がるのを最小限に抑え、クラスターとなるのを抑える効果が期待されます。今のところ、12歳以下の学童や小児については、ワクチンも、予防薬も治療薬も存在しませんので、家庭や学校で、それ以外の大人が、できるだけワクチンを接種し、感染が広がるのを最小限にすることが大事だと思われます。カシリビマブとイムデミマブの抗体カクテル療法も暴露後予防療法の薬として承認されていますので、米国ではこれで2つのお薬がこの適用で使えることができるようになりました。後者は皮下注射も可能ですが、前者は経静脈注射でのみ使用可能です。この2つのお薬はどちらもデルタ変異株に対しても有効性があります。

2020年初頭から、全世界を襲った新型コロナの猛威も、ワクチンの開発と社会的距離、マスクの着用などで、ようやく先が見えるようになってきているようにも思えますが、油断大敵、勝って兜の緒を締めよの諺通り、さらに気を引き締めて、この災禍を克服していきたいものです。

 ブースター適応のあるかた、65歳以上の方、ぜひ、ブースターショットを受けてください。近所の薬局で無料でワクチンは接種できるはずです。その際、前に接種をした時にもらった接種証明のカードを忘れずに持参しましょう。また、インフルエンザワクチンの接種も大事です。コロナとインフルエンザのワクチンを同時に接種することは理論的には可能のようですが、あまり勧められません。2週間ぐらいは間隔を空けるのが無難だと思います。明治のはじめ、福沢諭吉が言ったように、“天は自ら助くる者を助く”です。自分の健康は自分で守ることを心がけましょう!

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筆者 プロフィール:
山﨑博
循環器専門医   日米両国医師免許取得
デトロイト市サントジョン病院循環器科インターベンション部長
京都大学医学部循環器科臨床教授
Eastside cardiovascular Medicine, PC
Roseville Office
25195 Kelly Rd
Roseville,  Michigan  48066
Tel: 586-775-4594     Fax: 586-775-4506

2021年春、未だ続くパンデミック
〜新型コロナ ワクチン接種の重要性

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さんは、新型コロナ禍は、2021年の夏、どうなるのか、いまどうなのか、疑問に思っている人も多いかと思います。アメリカでは、ファイザー・モデルナ・ジョンソンエンドジョンソン(J&J) の3種類のワクチンが承認されており、接種も進んできました。ファイザーとモデルナのワクチンは、メッセンジャーRNAを使ったワクチンで、症状がでる新型コロナ感染を95%予防できますが、2回接種する必要があります。ジョンソンエンドジョンソン (J&J) のワクチンは、症状が出る新型コロナ感染を70%予防し、1回の接種で終了です。これだけ見ると、J&Jのワクチンは効果が低いように感じるかもしれませんが、新型コロナ感染による入院は皆無だったという結果があり、更にワクチンは世界中で治験がおこなわれたので、南アフリカや南米からの変異株にも有効である可能性が高いとされています。

5月4日現在、アメリカ全体では、16歳以上の人口の44%が、ミシガン州では50%が、最低一回のワクチンを受けたと報告されています。目標は、集団免疫を獲得し、はしか、水疱瘡のように、ほとんど流行しない、という状況になることですが、それには、人口の70-80%程度が免疫を持つ必要があります。実際に何パーセントの人がワクチンをうければ、集団免疫を獲得できるのかは、新型コロナに関しては、まだわかっていません。ミシガン州知事は、ワクチン接種の率があがるにつれて、徐々に規制を緩和していく計画を発表しています。アメリカでは、12歳から16歳のワクチン接種も間もなく承認される見込みです。現在は、ワクチンの接種予約は、保健所、民間の薬局、医療システムなど、様々なルートがあり、比較的容易にとれるようになっています。専門家は、アメリカでは、接種率が、集団免疫を獲得する程は上がらないのではないか、と懸念しています。その場合、インフルエンザの流行のように、常時新型コロナウイルスがあちこちで流行ったり、学校が閉校になったりする、という状態が続くことになります。新型コロナを全く心配しないで生活ができるようになるためには、集団免疫を獲得する必要があるので、なるべく多くの人が、ワクチンを受けることが大切です。

たとえ、集団免疫が獲得できなくても、ワクチンの効果はあり、現に、世界中で、コロナ患者の数は減ってきています。ワクチンが進んでいる国ほど、患者数は少なく抑えられています。ミシガンでも、2021年4月16日をピークに、その後は、感染者数は減少してきています。現在、患者数、死亡者数ともにどんどん増えているのは、世界でも、日本とインドだけです。日本でのワクチン接種が遅れていることが原因と思われます。

症例数グラフの出典:Google Statistics (英米日) (https://www.google.com/search?q=covid+data%2C+United+States&oq=covid+data%2C+United+States&aqs=chrome..69i57j0j0i22i30l8.9765j0j4&sourceid=chrome&ie=UTF-8

ミシガンでは、以前ほどの規制はないものの、まだ集団免疫には程遠く、いわゆる、「New Normal」が続いており、常に感染の危険があるという事を意識しておくことが大切です。ワクチン接種が受けられない年齢の子供達が通う学校での流行は頻繁に起こると考えられます。最近は、検査がどこででも簡単にうけられるので、感冒様の症状が出た場合は、新型コロナの検査を受けることが勧められていますが、陰性の結果がでるまでは、新型コロナに感染したと仮定して行動してください。結果を待つ間に、学校、職場、買い物に行ったりしないようにしましょう。

米国疾病センターは、ワクチン接種が終了して2週間たつと、免疫が確立し、ワクチンを受けた人たちは、ワクチンを受けた人たち同士の屋内での集まりはマスクをしないで1.8メートルはなれていなくてもいいと発表しました。ただ、不特定多数の人がいる屋内では、今まで通り、マスクを着用し、手洗いを励行しましょう。また、ワクチン接種が終了している人は、新型コロナ患者と接触しても、隔離をする必要がありません。どういうときにマスクをするべきか、等の詳しい情報は、はこちらを参照してください。https://www.cdc.gov/coronavirus/2019-ncov/vaccines/fully-vaccinated.html#vaccinated

ワクチンを受けられる年齢については、刻々と変化しており、ファイザーのワクチンは2021年5月10日から、12歳以上が接種できることになりました。モデルナとJ&Jのワクチンは現在のところ18歳以上が適応ですが、どの会社も子供の治験を進めており、子供の接種は秋以降には可能になると思われ、通常に近い形での学校生活の復活が望まれます。

ワクチンの重要性はわかったけれども、副作用が心配、という人も多いでしょう。世界中ですでに19億人が新型コロナのワクチンを受けています。アストロゼネカやジョンソンエンドジョンソンは、脳の血栓症が話題になりましたが、一般人口の発症率よりも低く、ワクチンが原因とはいえないとして、ワクチンが再開されました。ただ、この脳の血栓症は50歳以下の女性に報告されており、米国疾病センターは、若い女性は別のワクチンを受けることを考慮するように注意書きをしています。その他の、ワクチンによる死亡例はアレルギー反応によるアナフィラキシーショックなどによるもので、極めてまれです。それに比べ、新型コロナにかかった場合は、血栓症になる可能性も20倍、感染者の10%程度が入院が必要になります。死亡率は、年齢によって異なりますが、乳幼児、小児から40代までは、0.2%程度、50歳代以上は、1-13%と年齢が上がるほどコロナ感染が死亡につながる確率があがります(韓国のデータ)。入院が必要にならなくても、何か月も疲労、息苦しさ、味覚障害など症状が続く人も少なくありません。よくあるワクチンの副作用は、疲労感、頭痛、ワクチン接種部位の痛みや腫れ、筋肉痛、発熱、悪寒、吐き気などで、ほとんどの場合は1-2日以内に改善します。また、腋のリンパ腺が腫れることもあるため、マンモグラフィは6週間たってから受けることが勧められています。

日本では、変異株についての報道が多く、ミシガン州を含むアメリカ4州から日本に帰国する場合は、3日間専用の施設で隔離するように、最近規制が強化されました。変異株の種類や割合は、アメリカではサンプリングによって調べており、現在、ミシガン州では、イギリスでみつかったB1.1.7という変異株が感染者の大半を占めています。棒グラフは、現在のミシガン州を含む中西部の変異株の割合を示しています。ここ3か月の間にも、変異株の割合が急増していることがわかります。

B1.1.7: イギリスで報告された変異株で、アメリカでは2020年12月からみられている B.1.351:南アフリカで報告された変異株で、アメリカでは2021年1月からみられている P.1: ブラジルからの変異株で、アメリカでは2021年1月からみられている。日本ではこれを空港で調べている。 B.1.429, B.1.427: 2021年2月にカリフォルニア州で報告された変異株 B.1.2, B 1.596, B 1.1.519は変異株とはみなされていない (変異株の出典 https://covid.cdc.gov/covid-data-tracker/#variant-proportions のregion 5>IL, IN, MI, MN, OH, WI州 )

ただ、コロナ患者数、入院患者数ともにワクチンが進むにつれて減少しており、米国疾病センターは、ワクチンが変異株にも有効であると発表しています。また、研究が進むにつれて、必要が出れば、ワクチンの追加接種が行われることもありえます。変異株が多くても、ワクチンを多くの人が受ければ、新型コロナ禍は乗り越えられるということを理解することが大切で、子供も含めてワクチン接種が進んで、集団免疫がえられるまでは、引き続きマスクと手洗いを続けましょう。

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筆者プロフィール:
医師 リトル(平野)早秀子 | ミシガン大学医学部家庭医学科助教授
1988年慶応義塾医学部卒業、1996年形成外科研修終了。2008年Oakwood Annapolis Family Medicine Residency 終了後、2008年より、ミシガン大学家庭医学科で日本人の患者さんを診察しています。産科を含む女性の医療、小児医療、皮膚手術、創傷のケアに、特にちからを入れています。
ミシガン大学についての情報:
https://medicine.umich.edu/dept/japanese-family-health-program

ミシガン州コロナ感染の現状について この冬に気を付けたいこと

新型コロナ感染拡大を受けて、ミシガン州知事が、11月18日付で再びロックダウンを命令されたのは、ご存じの方も多いと思います。マスクをすることで感染が予防できると考えられている職種(美容院やスポーツジム等)は営業が許可されていますが、屋内での飲食業は3週間禁止となりました。(https://www.michigan.gov/coronavirus/0,9753,7-406-98163-545138–,00.html

 本当に、そんなに増えているのかしら、検査しているから症例が多いように見えるだけなのではないか、と感じている方もいるかもしれません。グラフは3月からの新しい新型コロナ診断数(表1)と死亡数(表2)です。新たな患者数は11月に入り、うなぎ上りに増えており、少し遅れて死亡者数も増加してきています。

 ここ3か月のミシガンのデータ(表3)を見ると、検査数よりも陽性例の増え方が多く、入院者数も死亡者数も急激に増えていることがわかります。デトロイト近郊では、4月に多くの入院、死者が出て、病院は医療崩壊直前に至ったところも数多くありました。多くの病院では、一般業務をほぼ停止してコロナ患者の対処にあたりました。現在は、その状態にはまだなっていませんが、死者や入院患者の増加率は3月後半と同様の速い速度ですから、また、4月同様、またはそれ以上の危機が訪れる可能性が高く、必要に応じて同様の対処ができるように準備をしています。

 世界中で11月に入ってから感染がの急激に増加していますが、アメリカでは、感謝祭やクリスマスなどで家族や友人が集まる季節を迎えるため、感染の爆発的な増加が起こる可能性が危惧されます。

表3.過去90日間のミシガン州の(左から)検査数・新規感染数・入院者数・志望者数 (11/23/2020時点)出典:CovidTracking.com by The Atlantic Monthly Group. (CC BY 4.0)

 ミシガンでは、レストランの屋内での飲食は禁止されていますが、個人の家での集まりのリスクもきちんと理解する必要があります。屋内では、2家族以内で10人までの集まりのみが許されます。集まる人数が増えれば増えるほど、感染の危険は高まります。普段一緒に住んでいない人は、家族でも、別世帯とみなされ、家に滞在する場合、家の中でもマスクをして、食事も離れたところですることが推奨されます。たとえば、普段アパートに住んでいる大学生のお子さんは、別世帯ですから、お子さんが2人帰省すると、3世帯が集まるという計算になりますので、こういう状況を避けるか、マスクをし、別の場所で食事をするなどの、最新の注意が必要です。

 うんざりする、と感じる方も多いかもしれませんが、今、気持ちを引き締めて、それぞれが、感染を予防するように責任ある行動をすることで、4月のような状況をぜひ防ぎたいものです。

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筆者プロフィール

医師 リトル(平野)早秀子 | ミシガン大学家庭医療科助教授

1988年慶応義塾医学部卒業、1996年形成外科研修終了。2008年Oakwood Annapolis Family Medicine Residency 終了後、2008年より、ミシガン大学家庭医療科でミシガン家庭健康プログラムで日本人の患者さんを診察しています。産科を含む女性の医療、小児医療、皮膚手術、創傷のケアに、特にちからを入れています。

ミシガン大学についての情報は、ウェブサイトで確認できます。 
https://medicine.umich.edu/dept/japanese-family-health-program

コロナ禍のもとで健康的に冬を過ごすために

(JNC 2020年11月号 掲載)
 新型コロナの世界的流行、特にアメリカ国内やミシガン州内の感染に伴い、私たちの生活は今年の春から大きく変わりました。新型コロナウィルスの感染を広げないように、職場、学校などすべての場所で対応を余儀なくされました。家族以外の人とはなるべく会わない、1.8メートル以内で人に近づくときや屋内ではマスクを着用する、などの政令に従って多くの人や会社が今までと違う生活を送っています。そうすることで、感染拡大を予防できるわけですが、それによる弊害もいろいろと出てきています。主な問題点を挙げると、

  1. 運動不足
  2. 社会との関わりが減ることによる弊害(ストレス、うつ、認知症など)
  3. 学校教育の質の低下、仕事の効率の低下

 このどれも無視できない問題です。今後、有効なワクチンができて多くの人が接種できるようになるのには、おそらく1年近くかかると考えられ、その間に、これらの問題を無視して感染拡大防止対策だけに集中するのは、無理があります。ジム、学校、会社、レストランなどが徐々に開いていく中、しかも、冬に向けて寒くなっていく中、どのようにひとつひとつの選択をしていけばいいのか、とても難しい問題です。

 最近のCDC(アメリカ疾病センター)によると、濃厚接触の定義は、「1.8メートル以内に24時間15分以上いた」とありますが、学校や仕事に行くと、そういう接触は避けられないです。ただ、マスクをしていれば、かなりの感染は予防ができます1)。マスクが予防できる飛沫の大きさはウイルスの大きさよりは大きいですが、どの大きさの飛沫がもっとも感染に関与しているかということはまだはっきりわかっていません。ただ、ミズーリ州の美容師2人が感染した際、マスクをしていない家庭内では感染者がでたものの、仕事中はマスクをしていて75人の顧客には全く感染がみられなかったという報告にあるように、マスクは感染拡大予防に効果的だという報告が多くみられます。

 また、最近のミシガン州でのデータを見ると、感染者数は増えていますが、死者の数は横ばいです2)。この理由はおそらく、感染者の年齢が比較的若いこと、検査の数が増えたことと、治療法が改善してきたことが考えられます。今でも、年齢が高くなるほど、感染が重症化する確率は高くなります。また、人種によっても重症化しやすい人種と、アジア人のように重症化の頻度が少ない人種とがあります。それでも、コロナで亡くなった日本人は多くいるので、重症化しないということにはなりません。

 では、マスクをしていれば、学校や仕事に行ったり、スポーツをしたり、ジムにいったりしても問題ないのでしょうか。

 これは、感染リスクが多少上がっても、それをしないことによる問題点を天秤にかけて、決める必要があります。運動不足による健康の低下、人とのかかわりが減ることによるストレス、家族にどのようなリスクの人がいるか、などを考慮して、それぞれの状況に適した最も良い選択をすることが大切です。誰にでも当てはまる一つの答えというのはありません。以下に、具体的な問題を例に挙げ、それぞれの悩みの例に対する異なる解決方法の例を挙げてみました。

例1.
今までジムに行って定期的に運動していたのにジムが閉まってしまった、または、ジムが開いたけれども安心できない等の理由で運動量が減ってしまって、体重が増えてしまった。このままの状態をあと6か月続けるのはまずい。

解決例1    外を歩くのは寒すぎて、私にはできない。このまま体重が増えて、血圧も上がって きているから、運動はしないといけないけれど、ジムは怖い。だから、家でオンラインのJazzerciseを週3回することにした。

解決例2   やはり、ジムには行きたくない。たくさん着て、外を歩くことに決めた。

解決例3    家にいるとどうしても運動できないので、やっぱり好きなクラスがあるジムに行っ て、以前やって効果があった方法を再開しよう。マスクは全員しているので、感染リスクは少ないはず。ジムでシャワーを浴びるのはやめよう。

例2.
子供の学校をオンラインでするか、学校に行かせるか迷っている。

解決例1   子供も学校に行きたがっているし、集団生活や先生の言うことを守るということを
学ぶのは大切なので、学校に行かせることに決めた。周りには、お年寄りの家族はいないので、リスクは最小限だと思う。母親も子供がうちにいるとストレスが大きい。

解決例2       家族にかかると重症化しそうな人がおり、できるだけ子供がコロナを家に持って帰ることは避けたいので、オンラインの授業を選択する。子供もオンライン授業で特に問題なくやっているようだ。授業の後、一緒に散歩にいって運動はするようにしている。

例3.
子供のサッカーが、冬は屋内なのだが、参加させようか迷っている。

解決例1   全員マスク着用が義務だし、他に好きなスポーツで冬に屋外でできるものがないの   で、ちょっと心配だが参加させることにした。

解決例2      屋内で多くの子供たちと一緒に運動するのは、感染リスクが高いように感じるので、 サッカーは夏になったら参加させて、冬は、毎日一緒に散歩に行くことにした。

例4.
子供が友達と遊びたがって、遊ばせるかどうしようか迷っている。

解決例1  外では遊ばせているが、マスクをしたまま遊ばせている。冬になったら、少ない人数だ けで、マスクをして遊ばせようと思う。ただし食事は厳禁で。

解決例2  外では遊ばせているが、マスクをしたまま遊ばせている。家に、高齢者がいるので、屋内での遊びは避けたい。冬でも外遊びに限定するつもりだ。

例5.
年老いた親に会うのは、万が一感染していたら移してしまいそうで怖いので会わ ないでいるが、孤立しているようだ。

解決例1  冬でも、外で会いに行こうと思う。なるべく、オンラインで会う機会を増やすようにするつもりだ。

解決例2  どうしても社会との関わりがないと孤立してしまうので、マスクをしてジムや集まりに行くのを手伝おうと思う。

例6.
日本に一時帰国したいのだが、どうしようか迷っている。

解決例1 現在は日本政府の方針で入国後のPCR検査と、2週間の待機と公共交通機関の利用       を控える要請があり、現実的ではないので、飛行機のキャンセルをした。

解決例2   仕事の都合上どうしても帰国したい、もしくは、病気の家族がおりしばらく会っていな いので心配で会いに行きたいので、一時帰国することにした。入国後はレンタカーで自宅まで帰り、2週間は自宅で(ステイホーム)することにした。

例7.
今まで一時帰国時に人間ドックを受けていたが、今年は一時帰国できずどうして 良いか分からない。

解決例1   今年は、アメリカ国内で人間ドックが可能な医療機関で受ける。

解決例2  日本の人間ドックに比べると項目は少ないが会社の了承ももらえたし、今年はアメリ カ流の健康診断を受けることにした。

このように、それぞれのご家庭での事情や、個人の健康状態などは異なるので、それを考慮して、最適な判断をしていただきたいと思います。最後に、誰にでも共通にいえることを挙げておきます。

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1. 屋内ではマスク着用が必須。屋外でも、1.8メートル以内に人がいる場合はマスクを着用すべき。

2. 食事会など、マスクを外すことになる状況はさけるべきで、なるべく家族以外の人とは一緒に食事をしない。または、1.8メートル以上離れた状態でのみ、食事をする。

3. 職場や学校でも、マスクを外すときは、他の人と、1.8メートル以上離れた状態をとる。

4. 家に帰ったらすぐ手洗いをする。手洗いをするまで顔や目に触らないようにする。

5. 自宅蟄居することによる弊害(運動不足、体重増加、ストレスや孤立など)は健康を脅かす問題なので、放置せずに、可能な方法で解決を図るべき。

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参考文献
1.
Face Masks: what the data day.  Nature 586, 186-189 (2020). doi: https://doi.org/10.1038/d41586-020-02801-8
2. https://www.michigan.gov/coronavirus/0,9753,7-406-98163_98173—,00.html   
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筆者プロフィール:
医師 リトル(平野)早秀子 | ミシガン大学家庭医療科助教授

1988年慶応義塾医学部卒業、1996年形成外科研修終了。2008年Oakwood Annapolis Family Medicine Residency 終了後、2008年より、ミシガン大学家庭医療科でミシガン家庭健康プログラムで日本人の患者さんを診察しています。産科を含む女性の医療、小児医療、皮膚手術、創傷のケアに、特にちからを入れています。

医師 若井俊明   | ミシガン大学家庭医療科助教授

2005年弘前大学医学部卒業、2008年手稲渓仁会病院内科研修修了、2011年University of Pittsburgh Medical Center Shadyside 家庭医療研修修了後より静岡家庭医養成プログラム指導医、2013年より健康会おおあさクリニック院長、2017年よりミシガン大学日本家庭健康プログラムで診療。

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ミシガン大学についての情報は、ウェブサイトで確認できます。  https://medicine.umich.edu/dept/japanese-family-health-program

ミシガン州 夏休み後半 #安全に楽しみたい #ミシガン夏休み #何できる?

1.  クランブルックハウス&庭園

春から秋にかけて、クランブルック庭園は一般に無料公開されており、Sunken Garden(写真上)、木々が生茂るトレイル、様々な彫刻、噴水はじめ、日本庭園までもが存在するその庭園の規模は40エーカーにも及ぶ。

 クランブルックと言えば、ミシガン州の名門校、美術館、科学博物館、教会などを含めたコミュニティの総称。その庭園は、クランブルックの創始者であるジョージ&エレン・ブース(George and Ellen Booth)夫妻が1908年から49年にかけて住んでいた邸宅を囲んでおり、現在は一般に公開され誰でも気軽に散策ができるように手入れされている。

 ジョージ・ブース(1864-1949)はトロント生まれ。妻エレン(1863-1948)の父がデトロイトで新聞社を営んでいたが(The Detroit Evening News)その新聞業にジョージも加担。その後いくつもの新聞社を買取り、当時ミシガン州最大の出版社となったブース・パブリッシング・カンパニーを設立し財を成した。

 クランブルックの歴史は、彼らがデトロイトからこの地に住いを移したところから始まる。ブースの祖先が英国のクランブルック出身であったことからクランブルックと名付けられた。広大な土地に、邸宅に始まり教育施設、教会、美術館、科学機関とコミュニティを作り上げ、現在それらは米国国定歴史建築物として登録されている。

 ブースは非常に高い芸術的感覚も合わせもっており、美術工芸のコレクターとしても知られていた。デトロイトの邸宅は自らがインテリアを手がけたが、クランブルック邸のデザインは、友人でもありデトロイトの建築家として著名となったアルバート・カーンに依頼。英国調の邸宅に各国の美術、工芸をふんだんに取り入れ同邸を完成させた。現在は、バーチャルツアー(facebookやInstagram)の配信などで邸内も公開されている。緑あふれる庭園は、夫妻が亡くなった後も多くのボランティアによって丁寧に手入れがなされている。(今年は新型コロナの影響により噴水は停止中)。

庭園の見所—

Sunken Garden:人気の写真スポット。毎年特徴的なパターンと色の組み合わせの植物アートを作成。多年草と一年草植物の混合で、2020年は、約4000ものベゴニア、サルビア、サンパティエンの組み合わせでカラフルな庭園に仕上がっている。

Reflecting Pool : 今年2020年は残念ながら水が張られていないが、ここはクランブルックハウスから眺めると、クランブルック美術館へと続く並木道がまっすぐ見える気持ちの良いスポット。プールの左右には、対象的に植物が植えられているのが特徴的。

Japanese Garden:北米でも最も古い日本スタイルの庭園のひとつ。1915年、ブースはサンフランシスコの万博で日本建築や美術に魅せられる。これをきっかけに春日灯籠や朱色の太鼓橋などを取り入れた1エーカーの池と石の日本庭園をこの地に作り上げた。庭園には日本楓や、ふき、紫の藪蘭、牡丹などが植えられている。現在、この庭を再建する試みがクランブルック・コレクション研究所(Center for Collections and Research)によって進められているが、日本庭園の造園家・内山貞文(さだふみ)氏による修復用のマスタープランが昨年度公開されたばかり。入り口付近の修復が次の課題となっているが、寄付も随時受け付けている。

 理想のコミュニティを作り上げたブースを思い散策するのも良いのでは?

Cranbrook House & Garden
380 Lone Pine Rd, Bloomfield Hills, MI 48304
https://housegardens.cranbrook.edu/
(248) 645-3147
今季:  〜 10月31日(土) 7:00am – 7:00pm
(Free Admission to Cranbrook Gardens)
駐車場所:クランブルックハウス&庭園スポット(Christ Church Cranbrook向かい)
COVIDー19 対策注意点:
・ソーシャルディスタンシングの徹底(ボランティア
   作業中の方などからも)
・一般トイレは現在使用不可なので注意
・ピクニック不可



2.  New Normal 必須  デトロイト美術館再開

ミシガン州の非常事態宣言を受け、自宅待機令が発令されてからというものクローズしていたデトロイト美術館(DIA)も7月から再開。9月6日のレイバーデイ(労働者)までは現在一般の入館料が無料とあり、しっかりとコロナ対策をして楽しむ方法もあり。

 デトロイト日本商工会、文化部会下のJapan Cultural Development(JCD)グループでは、DIA再開とあり、同館の紹介、現在の様子、入館方法などを日本語で説明した動画をYoutube(https://youtu.be/Ah4FJbsfV4s)にて紹介している。第四巻まで作成予定ということなので、同館ウェブサイトと合わせてぜひ活用いただきたい。

 現在、無料再開とは言え、事前にウェブサイトにて入館時間を指定したチケットを入手することが必要となってくる。マスク、ソーシャル・ディスタンシングは必須、現金も使用不可、軽食をとることができるレストランも現在はクローズしているので注意が必要 (編集2020.8月時点)。

 再開はしても、DIA at HOMEとして、ウェブサイト上でも同館美術に関する情報やプログラムが公開されているので、そちらを活用するもよし。

Detroit Institute of Arts
5200 Woodward Avenue Detroit, MI
https://www.dia.org ・ (313) 833-7900
時間     水ー金:   9 am – 4 pm
土・日: 10 am – 5 pm
月・火: CLOSED



3.  ちょっとした非日常を ドライブ・イン・シアター

この時代、家の大画面テレビでも、電話でも、パソコンからでも、どこからでも映画観賞は可能だが、せっかく気候が良いのだから、ちょっと家を出てドライブ・イン・シアターの映画を楽しむのはいかがだろう。この自粛期間子どもたちと缶詰状態の家庭も少なくないのでは?

 ほぼ毎日、日没後に映画が始まるので、どのようなものが公開されているかホームページで確認。自分の車なので、気軽にゆったり楽しもう。音声は指定されたラジオステーションに設定するだけ。ただ、車のバッテリーが気になる場合は、ぜひポータブル・ラジオを持っていくことをお勧めする。(レンタルしているところもある)

 指示されたエリアに車を停めて、車の中から、またはトランクを開けて(他の観客の視界を遮らない程度の高さまでしか開けられないことが多いのでロープを持っていくなどを勧める)映画観賞を楽しめる。車なので小さなお子さんがいてもベビーシッターも必要なし。

 現在は、コロナ対策がされ、通常の収容車数よりも少なくなっていることもあり、ゲートオープンに合わせて早めに行くことをお勧めする。トイレやスナックなどを購入時は必ずマスクをつけて移動するなど気を付けて、特別な夏の思い出をつくってみるのも良いのではないだろうか

デトロイト近郊 ドライブ・イン・シアター

Plymouth – The Summer Drive-In –
The USA Hockey Arena parking lot
14900 Beck Road, Plymouth Twp, MI 48170
https://www.usahockeyarena.com/drivein
(オンライン購入のみ)

Dearborn  – Ford Drive In –
10400 Ford Road, Dearborn, MI 48126
https://www.forddrivein.com
(現地購入のみ・クレジットカード)

Flint  – US23 Drive In –
5200 Fenton Road, Flint, MI 48507
https://www.us23driveintheater.com
(現地購入のみ・クレジットカード)



4.  HISアメリカ 特別企画 #ふたたび美しい世界へ
オンライン体験ツアーに参加

旅行業会も大きな痛手となっているこの新型コロナウイルスが広がる状況下、それでも旅を愛する方々のために面白い企画が次々と出されている。

 特に、このHISアメリカが「すべての旅人と旅行従事者の未来を紡ぐために……」と始めた特別企画「#ふたたび美しい世界へ」は、家から体験できるオンライン体験ツアー&オンラインセミナーが目白押し。海外70ヵ国に展開するHISだからこそのネットワークを生かした面白い企画が多く、2020年6月からは、このオンラインツアーの新しい取り組みとしてサブスクリプションサービス(定額サービスー 30日間($50)・14日間($30))を開始した。(一部除外あり)

 今回は、JNCライターも「行った気になる観光セミナー」にさっそく参加。数ある旅先のうち、ずっと気になっていた、という世界が誇る絶景、ボリビアにある世界最大の塩湖、ウユニ塩湖をチョイス。

「ウユニ塩湖の魅力は、360度の景色を見せてくれること。一年を通して、そして朝夕夜と1日の中で違う顔や色を見せてくれること」とウユニ塩湖に魅せられた現地日本語ガイドのリャンミさんの話を聞きながら、紹介してくれた写真やビデオの映像のなかに自分をはめ込んで想像してみる。

 塩湖での鏡ばりトリック写真やビデオ、サボテンがそびえ立つ島、塩でできたホテルやベッドの感触や香り……バーチャルツアー体験中に気になったあんなことやこんなことのリストができていく。旅行の醍醐味のひとつとも言える現地の人との触れ合いは残念ながらバーチャルツアーでは体験することはできなかったけれど、いつかその時が来るまで楽しみにとっておくことにしよう。

現実の家族旅行先としてはなかなか候補に挙げにくい場合でも、バーチャル体験ツアーなら魅力的な場所を選びいろいろと体験できる。この夏休みには、家族で世界をバーチャル旅行してみてはいかがだろう。

 その他、NYプロダンサーによるトレーニングなど自宅参加型のセミナーも同様に開催されているので、夏休み後半、このようなイベント参加も一案。

情報はHISのHPから! https://tour.his-usa.com

 

COVID-19とこれからの生活 
覚えておきたいNEW NORMALの基本 

シガン州を含めて、アメリカの多くの州で、新型コロナウィルスのワクチンも治療も確立していない中、経済への配慮から、自粛規制は徐々に解除されつつありますが、いつまた大量感染の波がきてもおかしくない、という状況です。

ミシガン州は、6月15日から、レストランも再開し、美容院なども現在は再開しています。規制が緩和された状態で、感染者数を抑えておけるかどうかは、今後数週間の動向を見守る以外にありません。感染者数や死亡者数の数が増えてくるのは数週間遅れてきます。

テキサス州は4月末から徐々に規制を解除してきましたが、6月に入り、感染者数が爆発的に増加し、再規制を余儀なくされました。フロリダ州も5月初めから徐々に規制解除してきましたが、6月中に感染者が指数的に増えてきました。

ミシガン南東部は、飲食店が営業を始めてまだ2週間ですが、既にランシング近郊のバーでのクラスターが報告されています。では、どうすれば、感染がまた増えてもとのロックダウンに戻らないようにできるのでしょうか。

いわゆる、「New Normal」の基本は次のとおりです。

1. 屋内では必ずマスクをする

2. 家族以外の人とは2メートル離れる

3. 会食をする場合など、マスクをしたまま食べることは不可能なので、外すことになりますが、1.8メートル離れていることが推奨されています。

4. お酒を飲むと、細かいことが気にならなくなるので、家族以外の人と一緒にアルコール性飲料を飲むことは、なるべく避けましょう。飲み物やフォーク、お箸などの使いまわしは避けましょう

 

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筆者 プロフィール

医師 リトル(平野)早秀子   ミシガン大学家庭医療科助教授

1988年慶応義塾医学部卒業、1996年形成外科研修終了。2008年Oakwood Annapolis Family Medicine Residency 終了後、2008年より、ミシガン大学家庭医療科でミシガン家庭健康プログラムで日本人の患者さんを診察。産科を含む女性の医療、小児医療、皮膚手術、創傷のケアに、特にちからを入れています。ミシガン大学家庭医療科についてはhttps://medicine.umich.edu/dept/japanese-family-health-programへ。

【ミシガン州】ー Japan News Club 7月号 ー

Japan News Club 7月号が発行されました。お近くの日系スーパーや日本レストランで入手いただけます。なお、ご自宅からも楽しんでいただけるよう、こちらからもご覧いただけます。
掲載広告に関しましては、現在の新型コロナの影響により営業時間や営業形態が変更されている可能性があるためウェブサイトやお電話(広告上のウェブアドレスをクリック)でご確認の上ご利用ください。

Japan News Club 7月号クリック

<目次>

02 ・・・夏を楽しむカヤック(続)
03 ・・・コミュニティニュース
04-5 ・・・喧喧諤諤
06 ・・・言葉の架け橋
06 ・・・ゴルフノスゝメ
07 ・・・アメリカ生活の豆知識
07 ・・・お花の随筆
08 ・・・心臓病治療の最前線
09 ・・・卒業生2020!
10 ・・・Standard Golf
11 ・・・New Normal の基本
13 ・・・クラシファイド
14 ・・・Brewery 紹介
15 ・・・コミュニティイベント

デトロイト、アジア・太平洋諸島系米国人の歴史、これから

Wat Phu Praw, Ubonratchathani thailand

PBSシリーズ −Asian Americans −  バーチャル プレビュー会 開催される

去る5月11日・12日二日間にわたり、デトロイト公共テレビ局DPTV(PBSシリーズ)にて「ASIAN AMERICAN 」と題されたアジア系アメリカ人コミュニティの軌跡を追った番組が放送された。

その放送に先駆け、放送前週末の5月8日、同テレビ局とAPIA Vote(Asian and  Pacific Islander American Vote) ミシガン共催により、番組制作を手掛けた同局One Detroit チームがホストを務めたプレビュー会がデトロイトで行われた。放送予定のプレビュー映像を鑑賞しながら地元デトロイトのアジア系アメリカ人団体のコミュニティ・リーダーたちによるパネルディスカッション・参加者からの質疑応答を含む参加型大規模マルチメディア・ズームミーティング・プレビュー会となった。

アメリカでは、毎年5月はAsian Pacific American Heritage Month (アジア・太平洋諸島系アメリカ人の文化遺産継承月間)とされている(※)。黒人歴史月間や、女性史月間のようなもので、この月間中は、アジア・太平洋諸島系移民の過去を振り返り、彼らの功績を祝って歴史・教育・文化的な活動を伴う様々なコミュニティイベントが各地で開催される。

今年はCOVID-19感染拡大による影響を受け、予定されていた当地のアジア月間のイベントの多くは中止されたが、本イベントは、オンライン上での開催となり、自宅からでも繋がることができる対話・参加型のマルチメディアプレビュー会とあって、参加者は150名にのぼった。

移民としてアメリカにやってきたアジア系アメリカ人に焦点を当て、そのストーリーが紹介される。彼らの暮らしの背景や、コミュニティに貢献した功績、また、そのほとんどが厳しい生活や人種差別に直面した苦しい過去、事件などを取り上げ、その歴史を振り返った。

中でも、このイベントで最初に取り上げられたのは、デトロイトで1982年に起こった、ビンセント・チン殺害の事件だ。ご存じの方も多いと思うが、彼は中国系アメリカ人。自身の結婚式二日前にデトロイトにバチェラーパーティに出かけていた。当時日本との貿易摩擦、日本車人気に拍車がかかりデトロイトの自動車産業は衰退。当地では多くの失業者が出ていた。経済が不安定な状況が続いていた中、ジャパンバッシングが起こる。米系自動車工として働いていたエベンスとその息子ニッツは、仕事を解雇されたことで腹を立て、この親子はこの日、チン氏を日本人と勘違いし、差別的発言をかけたころから口論になり、結果チン氏が撲殺されたという大変痛ましい事件である。しかもこの事件の判決は執行猶予と小額の罰金のみで実刑なく、どこまでも不公平なものだった。しかし、この正義のない悲惨な事件は、中国系、日系人のみならず、現地アジア系アメリカ人たちの心をひとつにする。人種差別に抗し、アジア系アメリカ人の人権を一丸となって求めるキャンペーンが広がるきっかけのひとつとして今も語り継がれている。

本イベントが行われた5月上旬は、新型コロナウイルス感染拡大により、ミシガン州知事の自宅待機令が発令されて2ヶ月近くたった頃で、多くの失業者が出ている只中。コロナウイルス感染が中国武漢で拡大したことから、また、トランプ大統領の「中国ウイルス」の発言も相まって、人種差別・ヘイトクライムが加速されるのではと懸念がひろまっている時期だった。ビンセント・チンの事件が起こったのも、ちょうど経済状態が悪化した不安定な生活を強いられている中でのこととあり、この事件が引き合いに出されパネラーたちの話の中心となった。

現に、パネラーのひとりでミシガン大学アメリカ文化科メリッサ・ボヤ助教授によると、今年3月から4月までの1ヶ月でコロナウイルスにかかわる人種差別関連のヘイトクライムレポートが増加していると指摘。“#StopaAAPIHate”(AAPIはAsian American and Pacific Islander)プロジェクトを通してとヘイトクライムの報告を収集しているが、多くのローカル団体が、ホットラインやレポートシステム、ソーシャルメディアなどで援助してくれるなど、新世代の活動も増えてきているので、何かあった場合は声を上げて警察や、地元団体にレポート、相談し、コミュニティを巻き込むことが大切だと述べた。その他、ホストの質問により、今後の当地のアジア系アメリカ人コミュニティの課題に話は進み、パネリストは各自の視点から、その質問に丁寧に答えていった。ジャーナリストであり作家、人権保護活動家のヘレン・ジア氏は、アジア系女性についてのこれまでの環境について、「アジア系女性はいつも影に隠れて耐える姿勢のあるイメージから、差別や犯罪のターゲットになりやすい立場でもある。声をあげることが大切だ」と語った。
アメリカン・シチズンズ・フォー・ジャスティス、アジア・太平洋諸国系米国人人権擁護者ローランド・ワング氏は、「過去には、アジアのコミュニティは個々の教会・団体で活動をしていた。だが、ビンセント・チン事件以降、アジア系コミュニティはひとつとなって戦ってきた。今後も我々は、共通の課題に向かって協力しながら、人種やその他の差別を軽視せず、ともに取り組んでいくことが大切」と語った。
また、日系アメリカ人トシキ・マサキ氏は、ミシガン州アジア・太平洋系アメリカ人委員会(MAPAAC)会長、日系アメリカ人市民連盟(the Japanese American Citizens League)のデトロイト支部長、中西部地区カウンシル理事等を務めるが、「アメリカの地により良い生活を求めて来たアジア系の方々には、ミシガンは最適な環境であり、州からさまざまなサポートを受けられるシステムが整っている。これらのことを引き続き周知していくことが大切」と、説明した。

最後にジア氏は「歪んだ怒りの矛先を他者に向け、特定の人々にターゲットを当てて攻撃することは、断じて許されないこと。人間同士が戦っている場合ではない。闘うべきはもっと大きなものであるということをはっきりさせるべき」とし、「一人間として、より良い明日のために、差別偏見があるのが当たり前と思わず、当たり前よりも、更に良い明日を築くという気持ちをもって行動していくことが大切」と今重要なことを力強く述べ、続いてぼボヤ氏は「ここには、多様なバックグラウンドを持った人々がいるということを知ること、互いを敬い感謝する気持ち、皆違う経験を持ちっていることを理解することが重要」として、番組の放送を楽しみにしているとまとめた。

 番組では、アジア系アメリカ人の多様な過去、その功績、軌跡を取り上げている。過去を振り返り、先人の苦難を知ることで人種のみに限らず、個々の正義・公平性がいかに重要なものかを知ることができる。本イベントは、まさに、デトロイト地域のアジア系アメリカ人コミュニティが、これまで共通の課題に向き合って共に歩んできた、またそれによって培われた絆の強さを認識させるものだった。

 ここではディスカッションの内容全てを紹介しきれないが、放送内容はDPTv.orgのAsian Americans – The Detroit Story 検索で視聴可能となっている。

COVID-19 感染予防のためのこれから
▶ New Normal (ニューノーマル)を知る

アメリカでは、1918-1919年に起ったスペイン風邪の経験をもとに、多くの判断がなされています。このスペイン風邪では5億人が死亡しましたが、第2波が第1波よりもずっと被害が大きく、第3波もおこりました。現在は、新型コロナウィルスのワクチンも治療も確立していない中、経済への配慮から、自粛規制は徐々に解除されつつありますが、いつまた大量感染の波がきてもおかしくない、という状況です。

今のところ、6月12日まではミシガン州では自宅待機命令が持続しているので、飲食店や美容院などはまだ開業していませんが、食料品以外の小売業は再開していることろもあります。ただし、social distancingに配慮するのが条件となっています。

そこで、州知事による自宅待機令が解除されても、新型コロナウィルス感染が起こる前に戻るということではなく、いわゆる、「New Normal」(新しい基準・常識)が始まるということで、常に感染の危険はあるという事を意識しておくことが大切です。

会食をする場合など、マスクをしたまま食べることは不可能なので、外すことになりますが、1.8メートル離れていることが推奨されています。飲み物やフォーク、お箸などの使いまわしは避けましょう。また、一度かかったらもうかからないという保証はありません。抗体検査や、過去の感染の既往などは、今後の感染の可能性を占えるものではないので、全員が気を付けることが重要です。

過去記事:COVID-19 今一度気をつけたいこと

筆者 プロフィール
医師 リトル(平野)早秀子  ミシガン大学家庭医療科助教授
1988年慶応義塾医学部卒業、1996年形成外科研修終了。2008年Oakwood Annapolis Family Medicine Residency 終了後、2008年より、ミシガン大学家庭医療科でミシガン家庭健康プログラムで日本人の患者さんを診察しています。産科を含む女性の医療、小児医療、皮膚手術、創傷のケアに、特にちからを入れています。ミシガン大学についての情報は、ウェブサイトで確認できます。https://medicine.umich.edu/dept/japanese-family-health-program

【ミシガン州】ー Japan News Club 6月号 ー

現在、ミシガン州の新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、Japan News Club 6月号はオンライン閲覧版のみとなっています。ご自宅よりお楽しみください。掲載広告に関しましては、現在のこの状況下において営業時間や営業形態が変更されている可能性がございます。ウェブサイトやお電話(広告上のウェブアドレスをクリック)でご確認の上ご利用ください。(2020.06.10 編集)

Japan News Club 6月号クリック

<目次>

02 ・・・ アジア・太平洋諸島系アメリカ人の歴史、これから(つづき)
02 ・・・ ”Knowledge is power” ヘイトクライムに備える
03 ・・・ コミュニティニュース(ミシガンハット帽子会)
04 ・・・ COVID-19予防生活 New Normalを知る
05 ・・・ 喧喧諤諤
06 ・・・ 言葉の架け橋
07 ・・・ 心臓病治療の最前線
08 ・・・ ゴルフノスゝメ
09 ・・・ 住宅アカデミー
10 ・・・ Standard Golf
13     ・・・  新緑あふれるミシガンの春
14 ・・・ コミュニティ クラシファイド

新型コロナ感染リスクの少ない診療携帯:
ビデオ/電話診療について

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 ビデオ診療は、他にも、オンライン診療、ネット診療等の同義語があり、どれも同じ内容をさします。電話診療とビデオ診療をまとめて、アメリカでは、バーチャル診療と呼びます。バーチャル診療とは、実際に診療所や病院に行って医師や看護師と会って診療を受ける通常の形態と異なり、患者さんが自宅にいて、診療をうける形の診療形態のことを指します。

 以前から、へき地医療や、交通機関の使用が困難な場合などにビデオ診療は使われていましたが、最近の新型コロナパンデミックの影響で、アメリカでは、急速にバーチャル診療が普及し、ほとんどの健康保険による保険適応になりました。

 ご存じのように、新型コロナウィルスは、症状のない人や症状が出る前の人がウィルスの感染に大きな役割を担っていることがわかっており、感染拡大を防ぐには、他人との接触を全般的に減らす必要があります。ミシガンでは、現在、外出自粛の効果がでて、新型コロナによる入院患者の数は減少傾向にあります。多くのビジネスが感染リスクを下げるために、必要最小限の業務に絞っていると思いますが、医療の現場でも、現在は緊急性のない、外来受診が必要な診療をすべて延期しています。  しかし、感染リスクを全く伴わないビデオ診療や電話診療は、活発に行われており、患者さんはほとんど待たずにビデオ診療や電話診療がが受けられる状態です。 また、これから、徐々に様々なビジネスが解禁になっていくと思われますが、それに伴い、感染者がまた増加する可能性があります。それぞれの会社ではマスクの使用を義務付けたり、職場環境の改善をして距離をとったり、勤務時間をずらすなど、今後、感染者が増えないように、様々な工夫がされるでしょうし、されるべきです。 医療の現場でも同様に、緊急性がなくても必要な診療業務を徐々に増やしていくにあたり、感染増加を起こさないような診療をなるべく活用することが勧められます。実際に病院や診療所に行かずに、医療が受けられる、ビデオ診療が利用できるときは、なるべくビデオ診療を行うことが勧められます。そういう点で、今後ビデオ診療は、今後、新型コロナウィルスが完全になくなるまで、長期的にも欠かせないものとなっていくと思われます。

 ビデオ診療は以前から保険適応されていましたが、電話診療は、新型コロナのパンデミックを受けて、今だけ特別に一般診療と同様の保険カバーがされています。電話診療に関しては、新型コロナウィルスのパンデミックの期間に限定して、医師の電話診療が保険適応されており、短期間に限定されたものの可能性が高く、電話診療は数か月以降は行われなくなると思われます。

 では、ビデオ診療をうけるには、何が必要でしょうか。ビデオ診療を受けるには、カメラ、マイクロホン、スピーカー、インターネットの4つが備わったスマートフォン (iphoneなど)、または ipadなどのタブレットが必要です。バーチャル診療(ビデオ診療及び電話診療)の利点、欠点をあげてみましょう。

ビデオ診療の利用価値をわかっていただいたと思いますが、次は、実際に、どのように利用するかです。かかりつけの病院システムによって多少異なると思いますが、一般的には、大きな医療システムに属しているかかりつけ医は、患者用のウェブサイトを利用しており、患者さんはそこから、御本人やお子さんのの検査結果やワクチンの履歴を閲覧したり、医師や看護師にメッセージを送ったり、処方箋のリクエストができます。ビデオ診療は予約をしたあと、その患者用ウェブサイトからアクセスして診療をうける仕組みになっています。この患者用ウェブサイトで医療システムとつながっていれば、必要な時にすぐにビデオ診療が受けられます。あとは診察を受けたい時に、普段予約を取るときのように外来に電話するか、そのウェブサイトから予約リクエストをするかして、ビデオ診療の予約をとり、予約の時間になったら、自宅でそのウェブサイトにアクセスして医師の診察を受けます。

 では、どういう診療がビデオ診療に適しているでしょうか。不安や鬱などの心のケア、皮膚疾患、風邪症状や下痢嘔吐などの急だけれどもひどくない症状の場合、高血圧や高脂血症、糖尿病などの慢性疾患の定期フォロー、検査結果の説明、などは、ビデオ診療に適しています。しかし、年一度の定期健診(ヘルスチェック、チェックアップと呼びます)は、65歳以上のMedicareの定期健診はビデオ診療が保険で認められていますが、小児健診や65歳未満の大人の定期健診は、ビデオ診療が保険で認められていないので、外来に行かざるを得ません。主治医のいない人が主治医を登録するための診察(エスタブリッシュ・ケアと呼びます)も、ミシガン大学では、新型コロナ流行中の現在は限定的に電話診療で行っていますが、本来は実際に受診していただくものです。また、骨折して固定が必要だったり、耳が痛くて耳の中を診察しないといけない、というような場合は、感染リスクが多少あっても、実際の診察が必要です。どのような診療がオンラインでできるかは、医療側が理解しているので、診療を希望される場合は、医療機関に、ビデオ診療でできるかどうか、聞いてみることをお薦めします。ここで、大切なのは、皆さんが、ビデオ診療というオプションがあり、それを受けるための準備をしておくことです。必要な時にすぐ使えるように、普段から、かかりつけ医療システムのオンラインのアカウントが普段から使えるように、アカウントやパスワードを確認しておくことが重要です。

実際のビデオ診察の様子

 ビデオ診療は、一度受けてみると、家を出ることなく必要な診察が受けられ、アドバイスや処方箋がもらえて、簡単で便利な方法だということがすぐわかると思います。今後は、診療の内容によっては、患者さんも医療従事者も感染のリスクを減らせる、これからの医療にかかせない重要なツールなので、ぜひ利用してみてください。また、体の具合が悪くなくても心配なことがあったり、質問がある場合、電話診療やビデオ診療で十分対応できることもありますので、感染リスクの心配なく、気軽に医療機関に連絡してみることをお薦めします。

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筆者 プロフィール
医師 リトル(平野)早秀子
ミシガン大学家庭医療科助教授
1988年慶応義塾医学部卒業、1996年形成外科研修終了。2008年Oakwood Annapolis Family Medicine Residency 終了後、2008年より、ミシガン大学家庭医療科でミシガン家庭健康プログラムで日本人の患者さんを診察しています。産科を含む女性の医療、小児医療、皮膚手術、創傷のケアに、特にちからを入れています。ミシガン大学についての情報は、ウェブサイトで確認できます。https://medicine.umich.edu/dept/japanese-family-health-program

マインドフルネス ご存じですか?

現在、世界中でCOVID-19のパンデミックにより自宅待機、活動自粛を余儀なくされています。感染に対する恐怖をはじめ、様々な要因で不安・ストレスを抱きやすい生活の中で、これらとどう向き合うかが課題となっています。ストレス低減のヒントとなる「マインドフルネス」について、フォーク先生にお話いただきました。    (JNC編集部)


「マインドフルネス」

の聞き慣れない言葉が日本語になりました。2016年に、当時90歳の母から、NHKで「マインドフルネス特集」があったとの国際電話が入ったのを懐かしく思い出します。日本の本屋でも、ここ数年帰国するたびに、マインドフルネスに関する書籍が急激に増えてきました。

 マインドフルネスとは、「今、この瞬間の自らの体験に気づくこと」です。自らの体験とは思考、感情、身体感覚ですね。(五感から入ってくる刺激も含まれます)それらをどのようにして気づくのかというところがポイントです。「注意を払って、批判することなく、優しく」気づくわけです。これはなかなか難しいことです。日ごろ、私たちはあまり「今この瞬間に気づかずに」忙しく時間を過ごしています。

優しく気づく

 例えば、仕事の帰り道、今日あったことを思い出して悔いたり、落ち込んだり、腹立たしく思ったり、またこれからのことを「あれもしなきゃ、これもしなきゃ」と思ったり、心配したり不安を抱いたりしながら、運転したり歩いたりします。そして、ふと気づいたら、もう家だった、という経験をされた方もあるのではないでしょうか。また、今この瞬間の体験に気づいても、それは、批判したり、比較したりしながらの場合も多いですね。また状況が自分の望むようなものではない場合、たとえば不愉快なこと、不都合な事、つらい事が起こった場合など、私たちは自他を責めたり、いら立ってしまったり、また無視して他のことで紛らわせようとしたりします。マインドフルネスとはそんな時、自分のそんな状態にも批判することなく、優しく気づこうとするわけです。そして、心を安定させ、どのようにそれに対処したらいいか、という次のステップへと、それは繋げてくれる一助となるわけです。

 このマインドフルネスですが、実はその昔ブッダが説いた教えであり、ここ
2500年あまり仏教僧侶の修行の一環として存在してきたものです。それが西洋の医療に導入されたのは、まだ日が浅く35年余りです。それ以来、心理療法、医療ケアの分野で広く応用されてきました。ストレス、うつ、不安症、摂食障害、高血圧、疼痛などの緩和、及び人生の充足感が増したといった成果が発表されてきており、またその効果は、多くの科学的(および脳科学)研究により実証されてきました。それも、マインドフルネスが、ここまで世界的に急速に広まった一因だと思います。

トレーニングが可能

 マインドフルネスは誰でも養成できます。「脳の筋トレ」のようなものだという表現もあります。自分が意図するところ(例えば呼吸や体の感覚)へ、優しく注意を向ける、そして注意が他に逸れたら、批判することなく、何度でも戻すわけです。実際、8週間の養成の後、以前と比べて前頭葉の厚みが増えた、ストレスで活性化する偏桃体が縮小したなどの、脳科学者による研究成果も発表されています。養成訓練は、座禅のようなフォーマルな訓練から、ストレス低減養成講座、そして、日常生活の中で、より今この瞬間を大事に生きるか、といったものまで、幅広く行われています。

 この度、ミシガン大学病院では、この「オンラインマインドフルネス養成」(無料)を開催します。(開催についてはhttps://www.japannewsclub.comのホームのページにあるイベント欄参照)この機会にぜひご参加ください。
2020年4月に行われましたMKTHomes/JapanNewsClub共催のオンラインセミナー記録は下記よりアクセス(音声)いただけます(クリック)

https://www.japannewsclub.com/2020/04/covid-19/4-16-2020-webinar2-2/

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講師プロフィール

フォーク阿部まり子 (Mariko Abe Foulk, LMSW, ACSW)
ミシガン大学 Michigan Medicine 老年医学センター,日本家族健康プログラム 臨床ソーシャルワーカー。

関西学院大学社会学部社会福祉卒業。ミシガン大学ソーシャルワーク大学院修士。その後40年、精神科及び老年科臨床ソーシャルワーカーとして活躍。1993年から現職。高齢者と家族、在米日本人、駐在員家族への個人及びグループ心理療法提供。近年は、ストレス解消法やうつや不安の予防及び治療の一環としてのマインドフルネス心理療法の実践をしてきた。 日本では専門職及び傾聴ボランティア対象にマインドフルネスやセルフケアに関する講演提供。著書:「高齢者のマインドフルネスに治療法」(共著2018.誠信書房)、英語では全米ソーシャルワーク学術誌に実践成果を発表(2013.2017)。その他チーム医療など学術論文多数。アンナーバー在住。

ミシガン大学病院についての情報は、ウェブサイトで確認できます。

https://medicine.umich.edu/dept/japanese-family-health-program

COVID−19 感染予防。今一度気を付けたいこと

ミシガン州では、COVID-19 感染状況が比較的緩やかになってきているとは言え、引き続き生活の中で気をつけるべきことを下記のとおり、今一度確認ください。(2020.5.18.)

集団感染を緩和するには?

  • 症状がない人でも他人に感染させることがあることを念頭に行動しましょう。
  • 熱・咳・息苦しさなどがある場合は家の外に出ない(主治医に電話、Eメールで相談)
  • 感染した人のうち、基礎疾患がある人や、高齢者が重症化しやすいことを念頭に行動しましょう。
  • 引き続き、ソーシャルディスタンス(1.8m)は続けるべきです。
  • 手洗いを頻繁にしましょう。
  • 屋内では必ずマスクをし、屋外でも他人と近くで会うときはマスクをしましょう。

買い物や仕事

  • オンラインオーダー、店舗でのピックアップサービスなどを利用も良い
  • 職場や店の中ではマスク使用、他人との距離を最低1.8メートルとりましょう。
  • 基礎疾患がある場合は、特別な時間を設定されている店を選ぶこともできます。
  • 家で手を洗うまで、自分の顔や目、鼻、口を触らないようにしましょう。
  • カード決済のほうが現金より清潔です。
  • 帰宅後の手洗い石鹸で20秒以上(ハンドソープ)を徹底:最重要
  • 職場では、食事の前には必ず手を洗いましょう。

外で他の人と会う場合

外で一人または家族と歩くときは、マスクは必要ありませんが、他の人と会う場合は、そとでもマスクを必ずしましょう。

(記事 Pointer Press – ミシガン大学病院 リトル平野早秀子先生監修)

___________________________________________

最新COVID-19情報はこちらから
CDC.gov (Centers for Disease Control and Prevention 米国疾病予防管理センター )
https://www.michigan.gov/coronavirus/ (ミシガン州COVID-19情報)

ご存じですか?
CDC(米国疾病予防管理センター)では、日本語の言語支援を受けることが可能です。
<CDCウェブサイトより抜粋>ーーーーーーー
日本語 (Japanese)  https://www.cdc.gov/other/language-assistance.html#Japanese
注意事項:日本語を話される場合、無料の言語支援をご利用いただけます。
1-877-696-6775 まで、お電話にてご連絡ください。
U.S. Department of Health and Human Services(HHS、保健社会福祉省)は適用される連邦公民権法を遵守し、人種、肌の色、出身国、年齢、障害、または性別に基づく差別をいたしません。HHS は人種、肌の色、出身国、年齢、障害、または性別を理由として人を排除したり、異なる扱いをいたしません。
<以上抜粋>ーーーーーーー

 

【ミシガン州】ー Japan News Club 5月号 ー

現在、ミシガン州の新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、Japan News Club 5月号はオンライン閲覧版のみとさせていただきます。 ご自宅よりお楽しみください。広告に関しましては、現在のこの状況下において営業時間や営業形態が変更されている可能性がございます。ウェブサイトやお電話(広告上のウェブアドレスをクリック)でご確認の上ご利用ください。

Japan News Club 5月号クリック

<目次>

02 ・・・ マインドフルネス ご存じですか?(2)
04 ・・・ テイクアウトしよう! ローカルレストラン・スーパー
05 ・・・ 喧喧諤諤
06 ・・・ 心臓病治療の最前線
07 ・・・ 言葉の架け橋
08 ・・・ ゴルフノスゝメ
09 ・・・ お花の随筆
10 ・・・ Standard Golf
11-12 ・・・  新型コロナ感染リスクを少なくする ビデオ診療・電話診療って?
14 ・・・ クラシファイド
15 ・・・ ブリューワリー

【ミシガン州】4/16/2020 ウェビナー報告:
COVID-19 パンデミックにおけるマインドフルネス:ストレス低減の一助

現在、新型コロナウイルスCOVID-19のパンデミックにより、必要最低限の活動を除いては、自宅待機、活動自粛を余儀なくされています。それに伴い、ウイルスの感染に対する恐怖心、失業からくる不安、制限された生活への心の負担、ストレスが増える傾向にあり、それをどう低減させるかが課題となっています。

Zoomマインドフルネス養成クラス(無料)開催  5月毎週月曜日午後1時から30分 詳細・申込はこちら

このパンデミック下において気持ちをコントロールさせるヒントとなる「マインドフルネス」を養成する方法について、2020年4月16日、ミシガン大学Michigan Medicine老年医学センター 日本家族健康プログラム 臨床ソーシャルワーカーのフォーク阿部まり子先生にオンライン講義をいただきました。その記録(音声)です。<資料> 

質疑応答は、音声の下部です。

当日の質疑応答

Q. 自宅でできるストレスマネージメントを知りたいです
一番簡単なことは、呼吸と体の感覚に気づくようにすることです。どんなにストレスが多い時も立ち止まり、1、2回でも呼吸と体の感覚を確かめる。家事の途中、歩いているとき、今体がしていることに気付いてみることをしてみてください。

Q. ジムでの運動もかなわない、不便な生活で不安もあり寝つきが悪いときの対処法があれば聞きたいです。
「マインドフル」とは寝てしまう練習ではないのですが、布団に入ったときに、体の感覚に集中してみる方法があります。頭の中にたくさんの考えを張り巡らせるようなことはやめて、今のその時の体の感覚に注意をはらってみてください。また、コンピュータスマホのブルーライトはメラトニンの分泌が減るという研究成果がでているので、寝る30分から1時間はそれらから離れ、ゆったりとした音楽をきく、またはストレッチなど、体と向き合う時間をつくることが大切です。

Q. 自宅待機が続いているので、お子さんがいる家庭は一人になる時間がつくりにくいと思うのですが。
自分の時間をつくるのが難しい場合は、寝る前と起きてすぐお布団の中で、その二回が一番簡単ではないでしょうか。子供といるときは、子供の話に耳をかたむける。マインドフルの養成は、決して一人でないとできないことはないのです。そこに自分の心を傾ける、人の話を聞いている時も、100%集中することが重要です。「これをしなきゃ」という気持ちを置いておく。傾聴することで自分も相手の体験も違ってくるので、1日数分でもそれができるように練習すること。これでストレスを軽減できます。

(本内容は、MKT Homes / Japan ニュース 倶楽部開催にて COVID-19パンデミック関連の情報を2020年4月16日、第2回目ウェビナーとして開催した際の第2部のものです。(2020.4.2開催の第1回目はこちら))

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講師プロフィール

フォーク阿部まり子 (Mariko Abe Foulk, LMSW, ACSW)
ミシガン大学 Michigan Medicine 老年医学センター,日本家族健康プログラム 臨床ソーシャルワーカー。

関西学院大学社会学部社会福祉卒業。ミシガン大学ソーシャルワーク大学院修士。その後40年、精神科及び老年科臨床ソーシャルワーカーとして活躍。1993年から現職。高齢者と家族、在米日本人、駐在員家族への個人及びグループ心理療法提供。近年は、ストレス解消法やうつや不安の予防及び治療の一環としてのマインドフルネス心理療法の実践をしてきた。 日本では専門職及び傾聴ボランティア対象にマインドフルネスやセルフケアに関する講演提供。著書:「高齢者のマインドフルネスに治療法」(共著2018.誠信書房)、英語では全米ソーシャルワーク学術誌に実践成果を発表(2013.2017)。その他チーム医療など学術論文多数。アンナーバー在住。

ミシガン大学病院についての情報は、ウェブサイトで確認できます。

https://medicine.umich.edu/dept/japanese-family-health-program

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【ミシガン州】4/16/2020 ウェビナー報告:
COVID-19パンデミックに関する情報アップデート 04

photo:cottonbro

COVID-19パンデミック下での過ごし方

新型コロナウイルスのパンデミックに関する情報セミナーとしてMKT Homes / Japan ニュース 倶楽部 共催にて第1回目を開催しましたが、第二段として、2020年4月16日、その後のアップデート、および、再度気を付けるべきこと、改めて見直すことなどに関してミシガン大学病院 家庭医療科リトル(平野)早秀子先生を再度お呼びし、第2回目のウェビナーを開催しました。当日は参加者からの質問にも答えていただきました。

この機会にぜひ、もう一度重要な点をご確認ください。そして、引き続き自宅待機、ソーシャルディスタンスを守りこの事態を乗り切りましょう。

前半部分のウェビナー動画を公開しています。動画の下部に、ウェビナーのまとめ、ウェビナー後半の質疑応答も掲載しています。

※今回のウェビナーは2部構成とし、第2部においては「パンデミックにおけるマインドフルネス(ストレス低減の一助)」と題し、同病院のMichigan Medisine 老年医学センター 日本家族健康プログラム 臨床ソーシャルワーカーのフォーク阿部まり子先生にパンデミック下での精神的なストレスを低減させるためのヒント・練習などの講演も行っていただきました。(こちらからご覧ください)

Zoomマインドフルネス養成クラス(無料)開催  5月毎週月曜日午後1時から30分 詳細・申込はこちら

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今回のセミナー(4月16日時点)概要

<大切なこと>

  • 何事も完璧にはできないが、ソーシャルディスタンスを必ず守り、手洗いを徹底させることが引き続き重要。
  • 人と人との接触を極力小さくすることが重要。

<リトル先生より>

  • 4月16日時点、ミシガンの感染者は緩やかにはなっているが、まだ増えている状態。自宅待機が効いているのでピークは先にはなっていると思う。ミシガン大学病院は病床数に余裕がある。
  • 4月30日まで自宅待機が延長されたが急に待機令を解除すると、感染者数がぶり返すリスクはある。急に解除すると増える可能性が高い。ワクチンができるのはおそらく1年はかかるのではないか、と言われているので引き続き難しい問題ではある。

<当日パネル>

新型コロナウイルス

  • SARS-CoV2 = COVID-19
  • 最初に2019年12月末に中国湖北省武漢市を中心に発生
  • コロナウイルスは、一般的な風邪ウイルスでもありますが、変異により、重大な被害を与えることがあります。SARS(2002年中国広東省)、MERS(2012年中東地域)もコロナウイルスの一種。
  • 全世界の感染者 2,044,892 死亡 131,398 (4/15/2020)
  • 日本 感染者数 8100 死亡 146 (4/15/2020)
  • アメリカ合衆国 感染者622,412、死亡 27,549 (4/15/2020)
  • ミシガン州 感染者27,001 (全米4位)、死亡1768 (全米3位)
    • 3/10/2020 に第一例の診断後爆発的な感染増加
    • 80%以上が、Wayne, Oakland country, Macomb (次いで、Washtenaw, Genesee)
    • 4/14/2020 一日で 新たな感染者1366人、死亡166人

現在、ミシガン大学の病床数には余裕がある状況。ミシガン大学の新しい陸上用トラックフィールドを病院にする予定であったが、現時点(4/16/2020時点)必要なさそうでまだ余裕はある

感染経路

  • 飛沫感染
    • 感染者の飛沫(くしゃみ、咳、つば など)と一緒にウイルスが放出され、他者がそのウイルスを口や鼻から吸い込んで感染します
    • 屋内では、飛沫が長く空気中にとどまるため注意
  • 接触感染
    • 感染者の飛沫がついた手で周りの物に触れてウイルスが着き、未感染者がその部分に接触し、鼻や口をさわると感染します。
  • 無症状の人でもウイルスを感染させます。
  • 感染性が高いのがいつかははっきりしません。(一般的には早期のほうが高いようだが、20日後に再燃する例もある)

COVID-19の症状は?

潜伏期間: 平均 4-6日。長くて14 日

症状:

  • 呼吸苦疲労感
  • その他 (筋肉痛、食欲不振、痰、味覚の異常)

症状の程度

  • 症状がない 37%程度
  • 軽度の肺炎 45%
  • 入院が必要な肺炎 14%
  • ICU管理が必要 5%
  • 死亡1-2%

病状が悪くなるリスクのある人

  • 年齢70歳以上、慢性疾患がある場合(心臓病、糖尿病、高血圧、慢性呼吸器疾患、慢性腎疾患、癌など)

集団感染を緩和するには?

感染を防ぐには?

  • 症状がない人でも他人に感染させる
  • 感染した人のうち、基礎疾患がある人や、高齢者に死亡がでやすい
  • 周り全体にウイルスが蔓延している今は、Social distancing のみが有効
  • ソーシャル・ディスタンシングとは? 人と会わない、会っても距離を置く
  • 手を洗う
  • マスクをして他人に感染させるのを防ぐ

Social Distancing- していいこと

  • 家で家族と食事をする
  • 外を家族と散歩する
  • 家族とハイキングに行く
  • 食料品を一人で買いに行く
  • レストランからテイクアウトして家で食べる
  • 犬の散歩をする
  • 1-2人の友人と散歩をする(2 メートルの距離をとる)
  • やむを得ない場合のみの出勤(2 メートルの距離をとる)

Social Distancing- してはいけないこと

  • 友人を家に招く(子供も含めて)
  • 友人の家に遊びに行く(子供も含めて)
  • みんなでわいわい集まる(屋外も含む)
  • 屋外で至近距離で友人の子連れ家族と遊ぶ
  • 通常通り仕事に行く
  • 家族みんなで買い物に行く

食料品の買い出し

  • 買い物から帰ったら手を20秒以上石鹸(ハンドソープ)で洗う:一番重要
  • 袋はきれい?食料品についているウイルスは?
    完全にウイルスを除去するのは難しいが、やるとすれば、全て拭き、入れ物から出して野菜などは洗ってから保存。
  • マスクはすべき?
    完全にするのは難しいが、マスクは現在は外に出る場合はすること。
  • 手袋はすべき? 手袋は個人的には安心できないことも多い。

間違った手袋の使いかた

  • 手袋をつけたまま顔をさわる
  • 手袋で何でも触る(携帯電話、クレジットカード、ドア)
  • 手袋をしたまま食事
  • 手袋を取る時に表面を触ってしまう(指先をもってとり、とったあとは手洗い)

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ウェビナー参加者との質疑応答:

Q. 感染はゆるやかになっているのでしょうか。
A. 2週間前(前回ウェビナー時)に比べると、ゆるやかになってはいます。

Q. 子供が感染した場合のどのような対応になるのか知りたい
A. 病院によって違うと思うが、子供が入院の場合は1名付き添いが可能です。軽症の場合は、自宅待機で風邪の子どもをみるのと同じ、現在ミシガン大学病院では、子どもで200名の感染者がいるが、その中でも入院は子供は2名しかいない。入院するぐらい悪い場合は、大人一人は付き添える。

Q. 両親揃って入院の場合などは、病院などで何かバックアップ体制などあるか
A. 大人が入院の場合は、だれも付き添いができない。両親ともに入院することになった場合は、だれかに頼むしかないのでは。(とくに病院では対応していない)

Q. グラフのピーク予想があったが、先生のピークに対する見解は?
A. まだ増えている。緩やかではあるが、まだ増えているのでピークは先ではないか。

Q. いまだにワイプ、殺菌用スプレーなどがまだ入手が不可能。外出先で手が洗えない場合?
A. アルコールなどがあれば良いがそれも買えない状況と聞くので、手洗いが大切。家にかえって必ず洗う。家庭用のキッチン用のスプレーなどで除去できるようなので、ペーパータオルに吹きかけ持ち歩くなども案ではないか。

Q. 4月30日まで、自宅待機が延期されたが、先生のご見解は?
A. 上がったものが下がって、また上がってというような繰り返しのリスクがある。待機令を解除するにしても少しずつにする、段階的にして2週間ずつ様子をみるなどしないとうまくいかないのではないかというのが個人的な見解。急な全解除は元のように増えると思う。ワクチンができるのはおそらく1年はかかるのでは、と見られているので、どのようにしのぐかは引き続き難しい問題。

Q. フェイスシールドの作り方についてウェブサイトなどで無料共有されています。医療従事者の方にも拡散を、とのことですがいかがでしょうか。
A. フェイスシールドや手袋は、一般の人は必要ないですし、感染者とコンタクトがある時にガウンとN95 と一緒に使ってその都度全て捨てないと意味がありません。普段の生活で何度も再利用する意味はないですし、病院では手作りのものは使えません。

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講師プロフィール

リトル(平野)早秀子
ミシガン大学家庭医療科助教授

1988年慶応義塾医学部卒業、1996年形成外科研修終了。2008年Oakwood Annapolis Family Medicine Residency 終了後、2008年より、ミシガン大学家庭医療科でミシガン家庭健康プログラムで日本人の患者さんを診察しています。産科を含む女性の医療、小児医療、皮膚手術、創傷のケアに、特にちからを入れています。

ミシガン大学についての情報は、ウェブサイトで確認できます。

https://medicine.umich.edu/dept/japanese-family-health-program

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【ミシガン州】4/2/2020 ウェビナー報告:新型コロナウィルス (COVID-19) のパンデミックに関する情報 03

4月2日、MKT Homes / Japan ニュース 倶楽部 共催にて、ミシガン州の新型コロナウイルス情報(2020年4月1日時点)についてのウェビナーを開催しました。講師には、ミシガン大学病院 家庭医療科リトル(平野)早秀子先生をお招きし、現時点での医療の現状について、また、自宅待機、他人との距離を保つこと(Social  Distancing)がどのように重要か、など「今、気をつけること」についてわかりやすく説明していただきました。下記よりご覧ください。

前半部分のウェビナー動画を公開しています。後半の質疑応答は、動画の下に掲載しています。

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後半、質疑応答は以下のとおり

Q. 万が一家族が体調を崩した場合は?
A. 隔離をすることが一番。ウイルスに効く薬が現在ないので、症状を抑える薬を使う以外にありません。解熱剤は、アセトアミノフェン(Tylenol)をまずは試してください。 イブプロフェン、は新型コロナウイルス感染を悪くするのではないかという話がでまわっていますが、イブプロフェンなどの消炎鎮痛剤(ロキソニン、Aleve等)が理論的に悪影響があるかもしれない、という以外には、今のところはっきりしたデータがありません。 現在のところは、熱がアセトアミノフェンで下がらない場合で、水分も取れず食事もできない場合、消炎鎮痛剤を飲んだほうがいい場合もあると思うので、医師と相談してください。 一般の風邪症状の薬や咳止めは、市販のものは使用してかまいませんし、効果がないようであれば、主治医に電話で相談し処方してもらうことも可能です。息苦しい場合は主治医に相談してください。

Q. ハンドサニタイザー、消毒用ワイプが入手困難です。家で使えそうなものがありますか。
A. 普通にハンドソープ、皿洗い用石鹸で20秒以上洗えれば良いです。

 

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Q. 食料など買い物したものを自宅に入れるまで数日ガレージや車に置いてそのままにしておいた方がよいと聞きましたが?
A. できる状況ならば、感染率はさがるでしょうが、気温があがってきているので、外に置いておくと腐ってしまうので、現実的ではないです。買ったものを消毒薬で拭くなどすれば、リスクを減らせるのでしょうが、100%ウィルスをゼロにすることは不可能なので、なるべく減らすようにすることをお薦めします。 箱入り、パッケージに入ったものが、Bulkで自分で掴んで取れるものよりは安全。

Q. マスクの使用について、必要か。また手作りマスクを病院に寄付できるのですか?
A. マスクは飛沫感染させないよう注意するのには良い。することによって、自分が感染することは予防できないが、他人にうつさないためには効果的です。寄付については、病院では、すでに効果が実証されている製品以外は使用できないので、手作りのマスクは病院では使用できません。一般の方への寄付は良いと思います。自分がもっている(かもしれない)ものをうつさない、という目的ではマスクは有効。

Q. 症状が出ていない場合、外を散歩、外出をする場合、マスクはした方が良いですか。
A. 外の散歩はマスクは必要ない。 屋内では、飛沫したものが長時間その場の空気に残るので、飛沫を減らすためにもマスクを推奨します。 外は風も吹いているので、2メートルの距離を保てば、マスクはそれほど重要ではないと感じます。

Q. 感染が地区により差があるがなぜだと思いますか。
A. ミシガンの場合、最初の症例が入院して診断されたとき、すでにコミュニティーには感染者が多くいる状態で、新型コロナの診断のついた入院患者は氷山の一角だったのです。コミュニティーに蔓延してしまった状態では、感染経路を特定することは不可能で、どこから来てどのように増えたかは、後からはわからない。ウェインカウンティ、デトロイトが多いです、オークランドカウンティも多い。日本で報告されているように、感染の広がりは、クラスターが原因のようだが、どこでどのようなクラスターがあって、今のような感染分布になったは、調べようがない。

Q. ミシガン大学病院、プロビデンス病院など日本人が利用している病院の収容人数状況の現状を知りたい。
A.  私個人は、他の病院のことは知らないので、答えられませんが、ミシガン大の感染者収容施設はまだたくさん開いています。いつもは満床の病院ですが、新型コロナウイルスの患者の入院に備えるために、予定手術を延期するなどして、ベッドを開けて、新型コロナ患者の入院に備えています。 現在、皆が特に対策をしなければ、4月10日には満床になります。皆が自宅待機を守れば、満床になるのは、4月25日という予想です。それも、ピークはもっと多く、おそらく3000人から6000人のベッドが必要な状況になる見込みです。ただ、満床になるのを遅らせられれば、その間に野戦病院を作るなどしてベッドをを増やしたりする対応をする時間が稼げます。医療崩壊を避ける目的で、皆さんにはこの時期の自宅待機令を守ってほしい。 デトロイトのTCFセンターをコロナ患者施設として用意するなどしているのが、その例です。また、ベッドを開けるために、緊急以外の手術は延期しています。外来でも、普通のヘルスチェックなど延期できるものは延期し、ビデオ、電話などでできる外来診療はしています。

Q.検査してほしいのにしてもらえなかったという場合があるようですが。
A. ミシガン大学もほかの病院でも、検査をする基準が決まっていて、それに満たない人は検査していません。今のところ、熱・咳・呼吸が苦しいの3つのうち2つがあり、リスクがある人が検査します。入院するほど悪くなくて、持病のない若い人は、検査の基準に達しないかもしれません。検査はしてもしなくても、やることはかわりません。コロナが陽性で酸素が必要ない場合、するのは、自宅隔離と対症療法。陰性だとしても、新型コロナの感染がないという保証にはなりません。 検査の感受性は低く、症状が軽い人の検査の感受性はさらに低いので、検査が陰性でも、感染しているかもしれません。そうなると、やはり自宅隔離。 なので、検査をするかどうかはそれほど重要ではなく、風邪症状、咳、熱、がある場合は自宅隔離をすることが重要です。呼吸苦がでるようなら、主治医に連絡してください。

Q. 主治医がいない、病院に長い間かかっていない方へのアドバイスをください。
A. 主治医を登録することは重要です。救急外来やUrgent careに直接いくことで感染の危険も増えますし、電話で適切な対応を相談できる環境を作っておくことは重要です。ミシガン大は新患をうけつけています。どこでもいいので、近くで主治医登録をしましょう。

Q. そのような状況で、症状が出てから、例えば初めてリトル先生に主治医の登録をするのは遅いのか。
A. ミシガン大学の場合は、現在の状況では、直接救急外来に行くよりはましなので、新患でも具合悪いときには電話診察ができますが、本来は、悪くないときにあらかじめ電話して、予約をとり、主治医登録をして、病歴などを相談しておく方がいいです。

Q. レストランのテイクアウトは安全ですか?
A. どのレストランが安全で、どのレストランがそうでないのかは、判断できない。 レストランも食料品店も今は手袋をして料理をしたり食べ物を触っているはずで、手を洗い対応をしっかりしているはず。

Q. コロナ感染者でない者は通院できるのか。
A. 他の病院はわからないが、基本的にはどこの病院も外来は絞っているはず。来たるべきコロナ患者の入院のためのスタッフ、ベッド、防護服を守るため、また、患者さんの感染リスクを下げるため、現在外来はほとんどビデオ、電話などの診療が主になっています。必要な場合は、電話で相談してください。必要な診療はしています。

Q. Urgent Careでは電話対応してくれるのか?
A. Urgent Careは基本電話はやってくれない。ウォークインは、そこにどんな人がいるかわからないので、感染リスクが高く、できれば避けたい。 ミシガン大学では、電話で相談して、熱、咳の症状があれば、一般の外来ではなく、感染症かもしれない人がいく診療所に行くようになっています。一般の外来はその意味で、比較的安全です。Urgent Careは、感染症疑いも、症状のない人も来るので、できれば、今は行かないほうが良い。

Q. コロナの検査を断られたら、別のところに行っても断られるのか。
A. 検査をすることが一番重要だとは思っていない。わかっても、わからなくても症状があれば自宅隔離。治療方針は変わらない。よくあるのが、新型コロナに感染すると、徐々に息苦しくなり、悪化してくることがあります。検査をうけて陰性でも、3日後呼吸苦がひどくなって入院になることもあり、その場合は、また検査をして陽性になるかもしれません。 検査の感受性が低いので、検査して陰性と出ても、新型コロナにかかっていないという証明にはなりませんし、あとからどんどん具合が悪くなれば、検査はすることになるでしょう。だから、自宅隔離をして、症状に気を付けて、悪くなるようなら、主治医に連絡してください。

Q. 誰も乗っていないエレベーターなど。密室について。空気感染はあるか?
A.  可能性はある。階段で上がれるなら良いが、階段も風通しもよくない場合もあり、手すり、スイッチもあったりするので手を洗うことが重要となる

Q.消毒液、トイレットペーパー、サニタイザーがない、その他キッチンカウンターを拭いたり、食料品はどうすれば?
A.ブリーチを薄めて使ったり、洗剤で大体は問題ない。

Q. 乳酸菌を取るのは有効か。
A. 乳酸菌、発酵食品、ビタミンC、温かいもの、スープを飲むなど、体によかったり、免疫をあげたりするには良いかもしれないが、新型コロナに効くかというと、データがない。水分をとるのは良い。(熱が出たときは水分をとってください)

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以上が当日の質疑応答です。

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講師プロフィール

リトル(平野)早秀子
ミシガン大学家庭医療科助教授

1988年慶応義塾医学部卒業、1996年形成外科研修終了。2008年Oakwood Annapolis Family Medicine Residency 終了後、2008年より、ミシガン大学家庭医療科でミシガン家庭健康プログラムで日本人の患者さんを診察しています。産科を含む女性の医療、小児医療、皮膚手術、創傷のケアに、特にちからを入れています。

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【ミシガン州】Japan News Club 4月号

現在、ミシガン州の新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、Japan News Club4月号はオンライン閲覧版のみとさせていただきますことご了承いただけましたら幸いです。今月号は、オンライン版をお楽しみください。どうぞシェアもよろしくお願いいたします。

広告に関しましては、現在のこの状況下において、営業時間や営業形態が変わっている可能性がございます。ウェブサイトやお電話(広告上のウェブアドレスをクリック)で確認の上ご利用ください。

Japan News Club 4月号クリック

<目次>
02 ・・・ コミュニティイベント
04 ・・・ MI新型コロナウィルス感染拡大に関する安全情報(日本語です)
05 ・・・ 喧喧諤諤
06 ・・・ 心臓病治療の最前線
07 ・・・ アメリカ生活の豆知識
08 ・・・ 言葉の架け橋 /  ゴルフノスゝメ 
09 ・・・ ヨガを通して見えてくるもの
10 ・・・   コミュニティイベント(続き)
12 ・・・   今家でできること・おうちで楽しむ春の和菓子レシピ
14 ・・・ Standard Golf/ 住宅アカデミー/みんなのこえ
15 ・・・ よりみちスポット
18 ・・・ ブリューワリー
19 ・・・ コミュニティ情報

Japan News Club April Issue

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【ミシガン州】日系・アジア系レストラン Local Carry-out List

ミシガン州の非常事態宣言、自宅待機令が発令され、外食産業も店内での食事は不可能ですが、現在もキャリーアウト(持ち帰り)は可能です。また、スーパーマーケットも開店しています。<編集:2020.7 自宅待機令は解除され、レストランは再開されているところもあり>

電話やオンラインでオーダーができるところもありますので、下記のとおりご紹介します。(通常の営業日・時間ではない可能性があり、変更もありますので詳細は各店舗様またはウェブサイトをご確認ください)

ご利用の場合は、ご自身やご家族、周囲の方のために細心の注意をはらいご利用することをおすすめします。

<日本食材店>

<レストラン>

<他>

 

<編集:2020年9月1日>

【ミシガン州】新型コロナウィルス (COVID-19) のパンデミックに関する情報 02

現在ミシガン州では自宅待機令が発令されていますが、「どんなことができるの、しても良いの?」などの疑問に関しまして、先日と同じくミシガン大学家庭医学科のリトル先生が身近なことをまとめてくださいました。ぜひ、今すぐに下記のことに気を付けてこの時期をみんなで乗り切りましょう!
(3/26/2020)

PR Michigan Japan News Club 4月号オンライン版

してもいいこと

  • 家で家族と食事をする
  • 外を家族と散歩する
  • 家族とハイキングに行く
  • 食料品を一人で買いに行く
  • レストランからテイクアウトして家で食べる
  • 犬の散歩をする
  • 1-2人の友人と散歩をする (1.8メートルの距離をとる)

してはいけないこと

  • 友人を家に招く(子供も含めて)
  • 友人の家にいく(子供も含めて)
  • みんなでわいわい集まる(屋外も含む)
  • 外で至近距離で友人の子連れ家族と遊ぶ

禁止されていてできないこと

  • 外食する
  • 美容室
  • ネールサロン
  • スパ
  • マッサージ
  • モールにいく
  • スポーツジム

<参考リンク>

連邦政府
CDC
HP: https://www.CDC.gov/coronavirus/2019-ncov/index.html

州政府
ミシガン州
HP: https://www.michigan.gov/coronavirus/

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