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言葉の架け橋 〜 こんな日本語、英語にできますか〜 170 体の部分に関する言い回し(5)

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先回は「目」でしたが、今回は違う漢字である「眼」を使った表現で始めます。
まず「眼(がん)を付ける」。これは凝視していることなので、“Fasten one’s eye on” や  “stare at” が使えます。ちょっと難しい表現ですが、「眼光紙背に徹する」というのはどうでしょうか?これは行間を読み取ることなので、“Please read between the lines.”(行間を読んでください。)と言えばよいでしょう。「眼中にない」は全く注意を払わないことなので、「彼は僕のことなど眼中にない」と言うのであれば、
“He completely ignored me.” となります
さて、「耳」に移りましょう。「耳が痛いなあ」は英語では、“Your remark tingles in my ears.” となります。慣用句ではないのですが、「耳が遠い」は英語だと、“I have poor hearing.” で “far” は使わないので気を付けてください。「彼は耳が早い」は、“He is quick to get information.”。ただし、「犬は耳が早い。」と言う場合は聴覚が鋭いという意味なので、“The dog has sharp ears.” となります。
「ちょっとお耳に入れておきたいことが、、、」と言う表現がありますが、これは英語では “I’d like to let you know about something.” とか、 “I want you to know something.” と言います。最後に「耳目を集める」は人の注意を惹くことなので、
“attract interest” や “capture attention” となります。
上記についてご質問のある方、また、その他の表現について知りたい方は、
izumi.suzuki@suzukimyers.com まで。

言葉の架け橋 〜 こんな日本語、英語にできますか〜 16 9 体の部分に関する言い回し(4)

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今回は「目」を使った表現です。お察しの通り、沢山ありますね。まず「いい目が出る」。この場合の目はサイコロの目のことを指しているので、“I got a lucky dice roll.” が普通です。もう少し詩的に言えば、“I had fortune smile on me. ”(幸福の女神が微笑んでくれた。)

「彼には一目置いている」はどうでしょうか?これは元々碁から来ているそうで、強い相手に対するハンディキャップとして一石多めに置かせてもらう、ということで、英語ですと “I take off my hat to him.” となります。「鵜の目鷹の目」は鵜や鷹が鋭い目で獲物を探すところから来ており、よく「鵜の目鷹の目で探す」いう言い方をしますが、英語では “to search with sharp eyes” です。

「鬼の目にも涙」は英語では説明的で、“Even the hard-hearted can be moved to tears.” となります。

「白い目で見る」は英語だと肩で表すこととなり、“to turn a cold shoulder” です。

「面目ない」は 自分のやったことが恥ずかしくて面と向かって目も合わせられないわけですから、“I’m ashamed of myself.” が適切です。

「空目を使う」は見て見ぬふりをすることなので、“turn a blind eye” が使えます。

「目は口ほどにものを言う」は東西共通のようで、そのまま “The eyes speak more eloquently than lips.”(目は唇より雄弁)です。

「目星を付ける」とは大体の見当をつけるという意味で、“to mark something/someone down” です。

「目分量」は英語でも同じで、“measure by eye” or “eyeball [it]” です。

最後にもう一つ、「目一杯」ですが、「では目一杯楽しんできてね。」と言うなら、“Please enjoy yourself to the full.” でいいでしょう。

上記についてご質問のある方、また、その他の表現について知りたい方は、izumi.suzuki@suzukimyers.com まで。―――――――――――――――――――――――――――――――――
鈴木いづみ:会議通訳者、公認法廷通訳者、アメリカ翻訳者協会日<>英翻訳認定資格を有す。通訳・翻訳・日英語学クラス等のサービスを提供する鈴木マイヤーズ&アソシエーツ(株)社長。www.suzukimyers.com

言葉の架け橋 2024-3:〜こんな日本語、英語にできますか〜体の部分に関する言い回し(3)

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さて、先回に引き続き「顔」を使った表現です。

まず「顔が売れる」。よく知られることですから、“to be widely recognized/famous” が普通です。「顔が揃う」は、 “all accounted for” で顔は入りません。この “account for” という言い方は、そこにある(いる)べき物(者)がある(いる)(=数えられる)という意味合いです。もう一つ、「顔が立つ」は “to save face” で英語でも「顔」を使った表現です。

次に「額」ですが、「猫の額」は非常に狭い場所のことを指すので、”tiny area/tiny surface”となります。「額を集める」は額の代わりに頭となり、“put heads together” という表現があります。口語では “go into a huddle“という言い方もあります。「額に汗する」は一生懸命働くことですので、そのまま “work hard/diligently” が使えます。

次は「眉」です。「眉唾もの」は、そのまま “dubious tale”(疑わしい話)でもいいのですが、“cock-and-bull story”(雄鶏と牛の話)という面白い表現もあります。これは民話で雄鶏と牛がお互い自慢しあう話から来ています。「眉を顰(ひそ)める」は “knit one’s brow” で、brow は両眉も含めた目の上の部分で、西洋人の場合は突出していることが多いですが、日本人では目立たないところです。英語では、 “raise one’s eyebrows”(眉根を上げる)という表現もありますが、これはどちらかというと驚いたときに使います。一言で言うなら、“frown/scowl” も使えます。もう一つ、「愁眉を開く」という表現がありますが、これは “feel relieved”(ほっとする)で通じます。

上記についてご質問のある方、また、その他の表現について知りたい方は、izumi.suzuki@suzukimyers.com まで。―――――――――――――――――――――――――――――――――
鈴木いづみ:会議通訳者、公認法廷通訳者、アメリカ翻訳者協会日<>英翻訳認定資格を有す。通訳・翻訳・日英語学クラス等のサービスを提供する鈴木マイヤーズ&アソシエーツ(株)社長。www.suzukimyers.com

言葉の架け橋 2024-2:〜こんな日本語、英語にできますか〜体の部分に関する言い回し(2)

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さて、今回は「髪」を使った表現です。まず「後ろ髪を引かれる」。「後ろ髪を引かれる思いで生徒たちと別れた」であれば、“I tore myself away from my pupils with an aching heart.” 辛い思いがにじみ出るような表現です。

「間髪を入れず」はすぐお分かりになるでしょう。 “immediately/instantly/with­out a moment’s delay” 等。髪と言えば洗う時に使うシャンプーは英語でもそのまま shampoo ですが、その後に使う「リンス」は英語では「すすぐ」という意味しかありません。そう、 “conditioner” ですので、お間違いなく。

次に「面」。「面の皮が厚い」(なぜか薄いとは言いませんね)は英語では、“shame­less/cheeky/impudent” 等が使えます。「面の皮をはぐ」ですと、“put someone to shame” となります。「お前、どの面下げてここに来たんだ?」と言いますが、これは英語では “How dare you come here?” “How can you have the nerve to come here?”(どんな神経してるんだ、という感じ)となります。「誠に赤面の至りです。」は “I am really ashamed of myself.” となります。

では、「顔」に行きます。「顔色をうかがう」は英語では、“gauge someone’s feel­ings” で、誰かの感情をおもんばかる、という表現になります。「顔を合わせる」は誰かと偶然会うことなので、英語では “run into/run across/encounter” で通じます。走っているわけではないのに面白いですよね。もう一つ、「合わせる顔がない」と言いますが、これは“I’m ashamed to show my face (to someone)”でかなり直訳に近くて大丈夫です。「顔」を使った慣用句はまだありますので、次回も見ていきましょう。

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鈴木いづみ:会議通訳者、公認法廷通訳者、アメリカ翻訳者協会日<>英翻訳認定資格を有す。通訳・翻訳・日英語学クラス等のサービスを提供する鈴木マイヤーズ&アソシエーツ(株)社長。www.suzukimyers.com

言葉の架け橋 2024-1:〜こんな日本語、英語にできますか〜体の部分に関する言い回し(1)

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皆様、明けましておめでとうございます。今年もどうぞよろしくお願いします。

  今回からは体の部分を使った慣用句や言い回しが英語でどうなるかを見ていきたいと思います。上から順番に行きましょう。まずは「頭」。「頭打ち」は何かが伸びなくなる状況で、英語では、“hit/reach the ceiling” と言います。この天井という言葉は米国で良く比ゆ的に使われ、資質や実績があっても女性やマイノリティは昇進できないという目に見えない壁として使われる “glass ceiling” という言い方もあります。「頭が上がらない」は、誰かに対して引け目を感じている時に使いますが、英語では “I couldn’t look him in the eye.” (彼を直視できない)となります。

「頭が痛い」はどうでしょうか。例えば、「うちの息子には頭が痛いよ」と言うのであれば、“My son is a real headache.” で、とても似た表現です。「頭隠して尻隠さず」はダチョウが頭を砂などに突っ込んでいる姿を思い浮かべるのではないでしょうか。正にそこから来ている言葉なので、 “behaving like an ostrich” で通じます。よく言うのは “He buried his head in the sand and refused to con­front the problem.”(彼は頭を砂に突っ込んで問題を直視しようとしない)といった言い方です。「頭から」は最初から全然聞こうともしない、という感じの表現ですが、「彼は我々の提案を頭からはねつけた」というのであれば、“He flatly reject­ed our proposal.” となります。「頭が固い」はやはり頭を使った “thick-headed” とか “stubborn” が使えます。

では、皆様にとって2024年が健康で幸せ溢れる年になりますように。

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鈴木いづみ:会議通訳者、公認法廷通訳者、アメリカ翻訳者協会日<>英翻訳認定資格を有す。通訳・翻訳・日英語学クラス等のサービスを提供する鈴木マイヤーズ&アソシエーツ(株)社長。www.suzukimyers.com

言葉の架け橋 2023-12:〜こんな日本語、英語にできますか〜動物に関する言い回し(12)

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動物に関する言い回しの最終回は「魚」です。よく知られた「魚心あれば水心」は、“You scratch my back and I’ll scratch yours.”(僕の背中を掻いてくれたら君の背中を搔こう)「逃した魚は大きい」もご存じでしょう。英語では “The fish that escapes seems bigger than it is.” 人間共通の心理ですね。「水を得た魚」はどうでしょうか。例えば、「テニスのことになると彼女は水を得た魚のようだ」と言うのであれば、“She is in her element when it comes to tennis.” と言えます。
魚でもよく出てくるのが「鯛」。「海老で鯛を釣る」は、似た表現で “Throw a sprat to catch a whale” (小魚でクジラを獲る)というのがあります(英国の表現でやや時代遅れ)が、日本よりも規模が大きいですね。「鯛の尾より鰯の頭」は「鶏頭牛後」とも言いますが、英語は、“Better to be the head of a dog than the tail of a lion.”(ライオンのしっぽより犬の頭-これもやや古い表現)となり大変似た感覚です。
次に「サバを読む」。英語では、“To manipulate figures to one’s advantage”(自分の都合の良いように数字をごまかす)となります。もう一つ、ごく最近ですが、「サバ落ち」をご存じですか?サバはサーバーのことで、あるサイトへのアクセスが一時的に集中してアクセスできなくなること。そのまま、“The server is down.” で、鯖とは関係ないのですが、皆さん落ちた鯖の絵を描いたりして楽しんでいるようです。

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言葉の架け橋 2023-11:〜こんな日本語、英語にできますか〜動物に関する言い回し(11)

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先回から鳥類を見ていますが、今回は「雀」です。雀は昔からなじみ深い鳥ですから、色々あります。「雀の涙」は微々たる量。英語では “chicken feed” (鶏の餌)という、やはり鳥を使った表現があります。他にも “thimbleful” (指ぬき一杯分)と言う表現がありますが、これは特にお酒の量が少ない時に使います。「雀の小躍り」「欣喜雀躍」は同じ意味で、雀がピョンピョン跳ぶ様が踊っているように見えるところから踊りたくなるほど喜ぶという意味で、英語では “dance for joy” となります。

「雀の糠よろこび」は米が好きな雀がぬかを見つけてコメがあるだろうと喜んだが、米はなく無駄に喜んでしまった、という譬えで、“premature joy”となります。次に「雀百まで踊り忘れず」。雀が死ぬまで小躍りするように飛び跳ねている様子から、人もギャンブル癖などの悪い癖は死ぬまで抜けないということを揶揄したネガティブな意味で使われ、英語の言い回しの方では、“What is learned in the cradle is carried to the tomb.”(ゆりかごで学んだものは墓まで持ち歩く)となりますが、これにはネガティブな意味はありません。

もう一つよく知られているのは「門前雀羅を張る」ですが、これは、家の前に網を張れば捕まえられるくらい雀がいる、即ち人気(ひとけ)のない譬えで、“prac­tically deserted” とか “have no visitors”です。

 

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言葉の架け橋 2023-10:〜こんな日本語、英語にできますか〜動物に関する言い回し(10)

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〜こんな日本語、英語にできますか〜

動物に関する言い回し (10)

今回から鳥類に移りたいと思います。まずは「鶴」です。まず思い浮かぶのは「鶴の一声ではないでしょうか。これは権威者・有力者の一言が多くの人の議論や意見を押さえつけること。英語では “words of authority” となります。ところが、「雀の千声鶴の一声」と言った場合は少し意味が違い、つまらない者がいろいろ言うよりも優れた者の一声の方が勝っているという意味で、“The word of one wise man is better the words of a thousand fools.” です。

「群鶏(或いは鶏郡)の一鶴」は平凡な人の中に一人だけ際立って優れた者がいる、という譬えで「彼は、群鶏の一鶴だ」と言えば、“He stands out among his contemporaries.”(同世代の中で際立っている)となります。次に「掃き溜めに鶴」。英語の言い回しの方がもっと極端で、“a jewel in a dunghill”(糞の山の宝石)となります。もう一つよく知られているのは「鶴は千年亀は万年」は、長寿でめでたいことですので、“A long life is cause for celebration.”です。
鶴と雉が出てくる慣用句もあります。「焼野の雉、夜の鶴」。子を思う親の情愛の深さを例えた言葉で雉は野を焼かれたら危険を顧みずに巣にいる子供を助けに戻り、鶴は霜の降りる寒い夜に自分の羽を広げて子を暖める意から来ており “deep parental love” と言ったところでしょうか。最後に、「雉も泣かずば撃たれまい」は “It is safer to remain silent than to risk trouble by saying something foolish.” (馬鹿なことを言うよりは黙っている方が良い)です。

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言葉の架け橋 2023-09:〜こんな日本語、英語にできますか〜動物に関する言い回し(9)

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〜こんな日本語、英語にできますか〜

動物に関する言い回し (9)

今回はまずお馴染みの「豚」です。「豚に真珠」は以前にも取り上げましたが、これは英語が先のようで、“Casting pearls before swine”(swine は豚のこと)です。今使う人はほとんどいないと思いますが、「豚児」とは自分の息子を卑下して言う言葉。アメリカ人には卑下の考え方は通じませんので、単に “my son” となります。「豚もおだてりゃ木に上る」は、おだてられると自分の能力以上を発揮することがある、という意味で、“Even a pig can climb a tree when flattered.” でも通じますが、“Even those of low ability can outdo themselves when flattered” の方がわかりやすいかもしれません。もう一つ、これも英語が先のようですが、「豚を盗んで骨を施す」(大きな悪事をして取るに足らない善行で済ませようとする)というのがありますが、“Steal a pig and “give the feet for alms.” (豚を盗み施しに足を遣る)が英語です。

さて、想像上の動物ながら日本人にはおなじみの「河童」。まず思い浮かぶのは「河童の川流れ」ですね。これには二つの解釈があり、一つは “Every man has his faults.” (誰にでも欠点はある)、もう一つは得意だから安心しているのが一番危ない、ということで、英語は “The best swimmers are the most often drowned.” 「陸(おか)に上がった河童」は英語ですと魚に変わります。“a fish out of water” となります。最後に「そんなことは河童の屁(または屁の河童)」、取るに足らないことの例えに使いますが “a piece of cake” 又は “a breeze”で良いでしょう。

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言葉の架け橋 2023-08:動物に関する言い回し(7)

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まず「狸」から始めましょう。「狸寝入り」は “feign sleep” 等が使えます。「彼は狸寝入りしているだけだ」なら、“He is just pretending to be asleep.” です。「狸になる」はお腹が大きくなるということから「妊娠すること」で、“to get preg­nant” です。「狸親父」は “a sly/wily/crafty old man” ですね。「捕らぬ狸の皮算用」は、ご存じかもしれませんが、これに似た表現として、“Counting one’s chickens before they’ve hatched.”(卵から孵(かえ)る前にひなを数える)があります。「狸の念仏」とは途中で立ち消えとなり、長続きしないことの例えです。「彼の言うことはいつも狸の念仏だ。」を英語にするなら、“He doesn’t stick to anything.” 最後に「狸顔」で、これは説明になりますが、“a facial expression of feigned ignorance” (知らんぷり)となります。ちなみに、狸の英語は racoon dog で、アメリカ各地にいるアライグマ、racoon とは異なります。

それでは、「イタチ」を使った慣用句を二つ。「鼬の最後っ屁」とは、イタチが窮した時に悪臭を放って敵をひるませるところから、追い詰められた時の最後の手、ということで、“final desperate measure” とか “last ditch effort” と言えば大体の意味は通じます。

「イタチごっこ」は、埒が明かないとか堂々巡りという意味ですが、英語ではイタチではなく猫とネズミを使って“a game of cat-and-mouse”と言います。アメリカのアニメの「トムとジェリー」を思い出しますね。「変異ウイルスとワクチンはまるでイタチごっこ」なら“Mutating viruses and vaccines are playing a game of cat-and mouse. ”となります。

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言葉の架け橋 2023-06:動物に関する言い回し(6)

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〜こんな日本語、英語にできますか〜
動物に関する言い回し (6)

今回は、「馬」です。馬も昔から人々の生活に欠かせない動物として関わってきましたので、いろいろな慣用句があります。「生き馬の目を抜く」。「彼は生き馬の目を抜く様な奴だ。」と言ったら、英語では “He is shrewd.” や “He is as sharp as a tack.” 等が使えます。「私は彼と馬が合う」はどうでしょうか? “We get along well.” でも勿論いいのですが、 “We have good chemistry.” 等と使えるといいですね。誰でも知っている「馬の耳に念仏」、それと同じ意味の「馬耳東風」は、敢えて動物を使うのであれば、“Our advice was like water off a duck’s back to him.” が面白いかもしれません。“Pearls before swine” (豚に真珠) もいいでしょう。

さてちょっと難しいのは「人間万事塞翁が馬」。これは中国の故事で、幸運に見えることがそうとは限らないし、不運と見えることが実は幸いかも知れない、という意味です。これを説明するのは大変ですが、英語では “Mysterious are the ways of heaven.” とか “Fortune is fickle.” と言えば大体の意味は通じます。「尻馬に乗る」は自分で考えることなしに他人の意見に従うことなので、“to follow blindly” で通じます。「天高く馬肥ゆる秋」は?“Autumn brings harvest time and clear weather.” が使えます。最後に、「竹馬(ちくば)の友」は 幼馴染を指すので、“old playmate” や “childhood friend” です。

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言葉の架け橋 2023-05:動物に関する言い回し(5)

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今回は、まず「狼」です。前回の狐などに比べ、狼を使った言葉は熟語で使われており、すなわちほとんどが中国でできた言葉を取り入れたようです。「狼煙(のろし)」。古く中国では燃やすと風が吹いてもまっすぐ立ち上るという狼の糞を用いたことから来ているそうです。英語では “signal fire” や “beacon” を使います。「狼藉」はどうでしょうか?「彼らは狼藉を働いた。」と言うのであれば、“They wreaked havoc.” とか “They did violence.” です。狼はいかにも乱暴そうですよね。もう一つ、「狼狽」と言う言葉がありますね。これは「狼狽える」と書いて「うろたえる」と読みますが、現代風に言うとパニクることなので “panic” が使いやすいかもしれません。“get flustered” もいいでしょう。

「猪」にも面白い表現があります。「猪突猛進」はすぐ頭に浮かぶと思いますが、これは英語では “rush recklessly” とか “make a headlong rush into (something)”。「猪口」(ちょこ)は“Sake cup” で通じます。それでは、「猪口才」(ちょこざい)は?“presumptuous,” “impertinent,” “cheeky” などが使えます。「猪首」は猪のように太くて短い首のこと。英語になると, “bull neck” でなんと牡牛の首に変わります。もう一つ、「猪も七代続けば亥となる」ということわざがありますが、これは猪も人に飼われて七代ともなれば豚になる、と言う意味で、つまり長い年月には変化や進歩がある、と言うことです。直訳すると “In 7 generations, a wild boar will turn into a pig.” ですが、これではおそらく通じないでしょう。“Things will change/improve as time passes.” と説明するしかないでしょう。

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言葉の架け橋 2023-04:動物に関する言い回し(4)

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今回は、「狐」から始めましょう。まず思い浮かぶのは、「狐の嫁入り」。晴れているのに雨が降っている時に使いますが、英語では “a sun shower” です。ちょっと似ているのが「狐日和」ですが、こちらの意味は変わりやすい天候ということで、“changeable weather” “fickle weather” です。「狐火」は “foxfire” でも通じるようですが、普通 “will-o’ the wisp” と言います。

「狐につままれる」はあたかも狐に騙されたかのような顔をすることなので、“to look confused (as if bewitched by a fox)”。もっとも、米国では狐が姿を変えて現れ人をだます、といった概念はありませんから、気を付けてください。「狐と狸の化かしあい」は化ける狐と狸の概念の無い欧米では難しそうですが、実は “They are trying to outfox each other.” と言うように、“outfox” という動詞が使えるんですね。これは「相手の裏をかく、出し抜く」という動詞で、狐がずるがしこい動物、というイメージはしっかり確立しています。

次に「虎の威を借る狐」は似た表現があり、“an ass in lion’s skin” (ライオンの毛皮をまとったロバ)です。狐の子は頬白(つらじろ)」という言い回しをご存じですか?子供は親とそんな変わらない、という意味合いで、 “The apple does not fall far from the tree.” が米国人にはピンとくると思います。「同じ穴の狐(ムジナの方が良く知られている)」は、「「似た者同士」ですが、否定的な意味合いがあり、“(villains) of the same stripe” (同じ縞模様の悪者)となります。

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言葉の架け橋 2023-03:動物に関する言い回し(3)

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今回は、「猫」の最終回。以前にもお話ししたかもしれませんが、「窮鼠猫を噛む」は有名ですね。”A cornered rat will bite a cat.” はご存じの方も多いでしょう。「猫の手も借りたい」もすごく忙しい時に言う言葉ですが、この発想は欧米にはないようです。”We are so busy and short-handed.” (とても忙しく人手不足だ)と説明することになります。犬は新聞を取ってきたり、救助犬や警察犬として活躍したりしてますが、「お前らのことなど知ったことか」みたいな態度の猫はどうも役に立ちそうもありません。「猫なで声」という言い方がありますね。そのままいえば “cat purring” なのですが、 “enticing voice” が米国人にはピンとくると思います。また、”You can’t fool me with your honeyed words.” (猫なで声で話したって無駄だよ。)という言い方もあります。

「猫の子一匹いない」というのがありますが、もちろん誰もいないことを強調した言い方ですので、”It’s completely deserted.” と言えばよいでしょう。最後に、「猫も杓子も」という言い回しはどうでしょうか。「誰もかれも」を強調した言い方ですので、英語にすると “Every Tom, Dick and Harry” で非常によくある男性の名前を並べています。猫の出番はなさそうです。
これで猫を使った言い回しは終わりで、次からは他の動物たちを使った表現を見ていきます。

 

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言葉の架け橋 2023-02:動物に関する言い回し(2)

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それでは、「猫」をもっと続けましょう。人の生活に身近な動物だけに、猫に関する言い回しは多いのです。「猫にマタタビ」。マタタビはもちろん猫の大好物、と言われています。「マタタビ」は英語では “silvervine” なのですが、英語で知られている猫の大好きな植物は “catnip” ですので、”A cat with catnip” の方がわかりやすいかもしれませんね。比喩的に言えば、”That’s the thing.” とか “That’s the very thing.” となります。

似た表現で「猫に鰹節」というのがありますが、こちらも大好物ながら、人の視点から見たもので、「そんなもの出したら必ず取られちゃうよ」という意味合いです。英語にすると、”That’s like putting lambs among wolves.” (オオカミの群れに子羊を入れるようなもんだ)となります。では「猫に小判」ですが、これは前の二つとは真逆で、猫には全く興味がないものですから、“Pearls cast before swine” (豚に投げた真珠)と同じ意味になります。

「猫の目」という表現をご存じでしょうか?非常に変わりやすいものの例えです。ただ “Cat’s eyes” では通じませんので “Something very changeable” と説明になります。「猫足」は、音を立てずに歩く例えなので、”to walk stealthily or silently” です。もう一つ、猫足の意味としてテーブルや椅子が動物の足の形をしているものを指すことがあり、これは英語では “cabriole leg (of a table or a chair) ” と言いますが、あまり使われないようです。ついでに、英語で “catwalk” という言葉がありますが、これは「狭い通路」や「ファッションショーでモデルが歩く細長い舞台」を指します。

また、空手では「猫足」や「猫足立ち」は、体重を後ろ足にかけて、前足をつま先立ちにする構えのことで、”Cat stance” と言います。

 

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言葉の架け橋 2023-01:動物に関する言い回し(1)

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あけましておめでとうございます。今年もどうぞよろしくお願いします。

以前に干支の動物に関する言い回しについて見ていきました。残念ながら干支に 選ばれなかった動物たちを今年は見ていきましょう。その代表は何といっても「猫」で す。猫は昔から犬とともに家で飼われるペットの代表。それだけに猫にまつわる言い回 し、慣用句などは沢山あり、恐らく何回かに分けることになるでしょう。そして猫は日本 ばかりでなく英語圏においてもペットとして愛されています。ですから、英語の言い回し も見てみたいと思います。

まず「猫を被る」ですが、これは “She pretended/feigned innocence.” (彼女 は猫を被っていた)がわかりやすいでしょう。面白い表現として、“She looked as if butter would not melt in her mouth.” なんていう言い方もあります。また、“It’s all put on.” とも言います。「猫ばばする」というのは、猫がばば(糞)に砂をかけて隠 す習性があることから来ており、“He embezzled/pocketed the money” (彼はそ の金を猫ばばした)のように使います。

「借りてきた猫」とは、猫が知らない家に連れて来られるとおとなしくおどおどとした 態度を取ることからきていますが、これはそのまま “a borrowed cat”、あるいは説明的に “He suddenly became quiet and meek.” と言えばいいでしょう。「猫の 額(ひたい)」とは狭い場所のことを指しますから、“tiny area/surface” です。「猫舌」は “I have a cat tongue.” と言っても通じません。“I’m very sensitive to very hot food and drink.” と言えば通じます。

上記についてご質問のある方、又その他の表現について知りたい方は、izumi.suzuki@suzukimyers.comまで。―――――――――――――――――――――――――――――――――
鈴木いづみ:会議通訳者、公認法廷通訳者、アメリカ翻訳者協会日<>英翻訳認定資格を有す。通訳・翻訳・日英語学クラス等のサービスを提供する鈴木マイヤーズ&アソシエーツ(株)社長。www.suzukimyers.com

言葉の架け橋 2022-12:色に関する言い回し(12)

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英語から日本語の「色」の最終回として、残った様々な色を見てみましょう。

まず “pink” です。 “tickled pink” はとても嬉しいときに使います。 “She was tickled pink when she heard she was promoted.” (昇進と聞いて彼女はとて も嬉しかった)のように使います。たまに嬉しくないのは、“a pink slip” (解雇通知) で、給与袋に入れられた本人控用の解雇通知書がピンクだったところから来ていま す。

“Give someone the green light” はピンとくると思います。「承認する」ことです ね。“green thumb” はご存じでしょうか?植物を育てるのが上手な人のことを “He has a green thumb.” のように使います。そうかと思うと、“He was green with envy.” とは「すごく嫉妬している」を意味します。

“She was born with a silver spoon (in her mouth).” は「彼女は裕福な家に 生まれた」という意味で、子供に銀スプーンで食べさせるほど裕福な、ということから 来ています。 “silver bullet” (銀の弾丸)とは、問題を確実に解決できる方法、特 効薬の意味ですが、銀には魔術的なエネルギーが秘められていると考えられ、狼男 などの魔物を仕留める手段 という言い伝えが広まりました。通常は、“There is no silver bullet for ~” のように否定形で使われることが多いです。

最後にもう一つ、“turn purple with rage” とは日本語にすれば「怒りで真っ赤に なる」といったところでしょうか。日本と西欧では色に対する感覚が似通っているのも 違うものもあって、なかなか興味深いですね。

上記についてご質問のある方、又その他の表現について知りたい方は、izumi.suzuki@suzukimyers.comまで。―――――――――――――――――――――――――――――――――
鈴木いづみ:会議通訳者、公認法廷通訳者、アメリカ翻訳者協会日<>英翻訳認定資格を有す。通訳・翻訳・日英語学クラス等のサービスを提供する鈴木マイヤーズ&アソシエーツ(株)社長。www.suzukimyers.com

言葉の架け橋 2022-11:色に関する言い回し(11)

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今回は英語の “blue” です。 “blue” で最初に思い浮かぶのは「悲しい」。その代表 例として “Monday blues” という言い回しがありますが、これ は「ああ、週末が終わっ てしまった、また仕事だ」というがっかり感です。音楽の「ブルース」もこれから来てい て、もの悲しい音調ですよね。そうかと思うと、“(to have) blue blood” は「高貴の出」、 ですから “He gave the impression that he was a blue blood.” と言えば「彼はみな に彼が高貴の出だと信じ込ませた。」となります。

近頃はほとんど使われませんが、面白い表現で “running around like a blue-arsed fly” というのがあります。これは大きめのBlue bottle と名付けられた蠅の一種で、叩き 落すまでブンブンと飛び回る、それこそうるさい(漢字では五月蠅)虫のように駆けずり 回る状態を指します。次に “out of the blue” とは「出し抜けに」を意味します。元々は “out of the blue sky” ですので、まさに「青天の霹靂(へきれき)」ですが、この日本語 の表現は使われる場面がごく限られています。英語はもっと気軽に使えます。

皆さんは “once in a blue moon” という表現をご存じでしょうか?“My clothes are mostly cotton jersey, so I need to iron only once in a blue moon.” (私の服 はほとんどスエット地なのでめったにアイロンはかけない。)この blue moon というの はもとはインディアンの言葉で季節の第4回目の満月を指して言うそうです。真の blue moon は32ヶ月に一回しか起こらないそうで、本当にめったに起こらないわけです。

最後にもう一つ、“blue-chip stock” とは「優良株」です。その由来は一番価値の高い 青いポーカーチップから来ているそうで、もともとは高価値株に使われていましたが、 意味が少し変わり、今では「良く知られた会社の、その価値と配当が信頼できる普通株 式」を指します。

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鈴木いづみ:会議通訳者、公認法廷通訳者、アメリカ翻訳者協会日<>英翻訳認定資格を有す。通訳・翻訳・日英語学クラス等のサービスを提供する鈴木マイヤーズ&アソシエーツ(株)社長。www.suzukimyers.com

言葉の架け橋 2022-10:色に関する言い回し(10)

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「白」「黒」に引き続き次は英語の “red” を取上げましょう。先回 “in the black” は「黒字」、すなわち収入が支出を上回っている状態、という話をしましたが、“in the red” は「赤字」、すなわちその逆の状態で、これは英語の表現をそのまま日本語に当 てはめたようです。「赤字を脱する」でしたら “get out of the red” となります。定冠 詞が付くことを忘れないでください。“He saw red.” とは何かわかりますか?これは 「彼はかんかんに怒った。」という意味で、その由来は闘牛で牛が赤い布を見ると興 奮するとされたことからだそうです。

さて、これは慣用句ではありませんが、“red hair” と言いますね。これは実際には よくアイルランド人などに見られる赤毛、色としてはオレンジに近い髪の色です。日本 人は本来みな黒髪なので人の形容には使いませんが、西洋人は人の見分けや覚える 手段として髪の色を使います。特に赤毛は少ないので、“Red Jamie” (赤毛のジェイ ミー)などあだ名をつけることがあります。そうでなくても「~のこと覚えてる?」と 聞くとまず、“Oh, that girl with brunette hair?”(ああ、あのこげ茶っぽい髪の 子?)とか、“Oh, that blonde guy.” (ああ、あの金髪の人ね。)などと答えることが よくあります。

“She was caught red-handed.” とは「彼女は現行犯で捕まった」です。その由 来は殺人を犯して手が血で赤く染まっているところから来ているそうです。“red-eye flight” はご存じの方も多いでしょう。夜中に飛ぶ航空便で、眠れないため目が赤くな るところから来ています。“red tape” は「お役所仕事」。わりにネガティブなものを並 べてしまったので、最後にポジティブな言葉を持ってきましょう。“red-carpet treatment” は「下にも置かない特別な待遇をすること」です。

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言葉の架け橋 2022-09:色に関する言い回し(9)

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先回からこれまでとは逆に英語の色を使った表現を見ています。先回は“white”でしたので、今回は”black”を取上げましょう。

まず、慣用的な使い方として日本語では「白黒テレビ」等のようにこの2色を並べて言うときには「白」が先に来るのですが、英語では「黒」が先で“black and white”です。”Not everything is black and white.”(すべて白黒で-善悪で-割り切れるものじゃない。)他の色との組み合わせをもう一つ、”He beat the enemy black and blue.”(彼は敵を青あざのできるほど殴った。)で、日本語では黒は出て来ませんね。

黒を動詞として使った“black out”は舞台などの照明を「暗転する」時によく使いますが、「瞬間的に気を失う」時にも使うことがあります。”Looking at the scene, I blackedout for a second.”(その場面を見て一瞬気を失った。)色ではないのですが、黒にちなんだ形容詞として“dark”があります。その面白い使い方として、

”The theatre is dark.”というのは通常なら公演しているはずの劇場が閉まっている、というのがあります。“The company is in the black.”(その会社は黒字だ。)ここで黒は良い意味に使われています。「赤字」に対しての言葉で、収入が支出を上回った状態ですね。’the’をつけるのを忘れないようにしてください。“He’s notas darkas he’spainted.”これは悪魔を黒で描くことから来ているそうですが、「彼は評判ほど悪い人間ではない。」という意味です。近頃ではほとんど使われていませんが、古い映画で聞くことがあるかもしれません。

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鈴木いづみ:会議通訳者、公認法廷通訳者、アメリカ翻訳者協会日<>英翻訳認定資格を有す。通訳・翻訳・日英語学クラス等のサービスを提供する鈴木マイヤーズ&アソシエーツ(株)社長。www.suzukimyers.com