Japanese Friendship Dolls  答礼人形展 DIAで6月5日まで

1920年代に日米関係が緊張を迎えた時、友人である日米の二人が友好と文化理解のために人形を双方の国へ送るプログラムを立ち上げた。実業家・渋沢栄一とMissionary Sidney Lewis Gulick。アメリカ側からは12000体の人形が贈られた。それぞれの人形にはパスポートが与えられ、一つ一つの人形に送り側の心が込められた。それに返礼する58体の市松人形が各州に送られた。「答礼人形」である。人形には当時の日本の県の名前が付けられた。デトロイト美術館(DIA)で6月5日(水)まで、合計5体の市松人形の展示が行われている。DIAのLawrence Baranski氏に (DIA Public Program) にこの展示についてのお話を伺った。

Detroit Children’s MuseumからはMiss. Akita、Ohio Historical Society所蔵のMiss. Osaka、Baltimore Museum of ArtのMiss. Hiroshima。さらにMiss. Akitaの弟として1930年台に作られたAkita Sugi-o(Detroit Children’s Museum)と、2018年に作られ、当時デトロイト郊外に在住した日本人中学生が公募で命名したTomoki (DIA)の5体の展示。

美術館サイドとしての視点では、収蔵品の貸し出しはしばしばあることで、今回も展示物のサイズや展示する場所などを考慮して、専門の移動委託会社により、DIAに貸し出しが行われた。人形の展示の宿命として着物の生地や質を保つために、展示の際の光の量、温度が詳細に考慮されたという。それぞれの答礼人形には、アメリカ側と同様、パスポートが与えられている。そして、「お嫁入り道具」として茶器、衣装箱や琴、三味線、裁縫道具などを供にしている。Tomokiは男の子の節句の鯉のぼりと兜。それぞれが職人による精巧かつ美しい伝統工芸のミニチュア版を従えている。エジプトとロマネスクの展示の間の通路に場所が決まった。Baranski氏はさらにこの展示について結果的には、Lecture Hallの前なので、多くの人の目に触れる場所となった、という。

「Attractive」。この展示に人々は市松人形の美しさ、貴重な美しさに誰もが目を奪われるだろう。その目に見える美しさ以上に、この人形の持つ背景、物語に人々が心を打たれると思う、とBaranski氏は言った。Lecture Hall や美術館を訪れた人々がこの展示に影響や感銘を受ける。1920年代の感慨の深い歴史を知ることになることを望む、と言う。

今まで知らなかったこと、親しみのなかったことを知り、訪れた人が楽しむ、そして、さらに多くの人が美術館を訪れて、感動を膨らませる―お話を伺い、美術館の持つ可能性、創造性、広がりを感じた。

Baranski氏は「2027年にこの答礼人形たちは100周年を迎えるので、全米でお祝いを持とうという案も出てきている」という。また、5月はDIA Film Theaterで日本映画も上映されるので、こちらも来場してほしい、と日系コミュニティーへのメッセージをもらった。海外でも賞を受賞し高い評価を受けた “Evil Does Not Exist” (邦題:「悪は存在しない」。監督:濱口竜介。2023年)を5月24日~26日に上映予定。

Detroit Institute of Arts Museum    https://dia.org

*Wayne, Macomb, Oakland Countyの住民は人形展を含む美術館の入場料無料。Film Theaterは料金別途。

 

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