駿台ミシガンさくら幼稚園で長きにわたり教鞭を取られている幼児教育のエキスパートで、園長の米澤昭子先生。さくらプリスクールの開園にともない、園の紹介、保育・幼児教育についてお話をうかがいました。(JNC)

まずはさくら幼稚園、プリスクールについて教えてください。

さくら幼稚園は設立より20年が過ぎましたが、さくらプリスクールは、昨年10月に州の認可がおり、今年から正式に募集を開始しているところです。プリスクールということで、年齢を下げてお預かりする体制が整ったというところです。

 

さくら幼稚園・プリスクールの学校の理念は

さくら幼稚園・さくらプリスクール、どちらもなんですけども、幼児教育として子供たちの発育を適正に促していくことが最も大切な役割だと考えています。やはり米国にあるという特殊性から、やがて日本に帰っていく子どもたちの母語を育て、日本文化への理解を育む、また、そのまま米国に残る子供たちが日本語や日本文化に触れる、触れ合う場所を提供するということを重視しています。特に帰国が前提の子供たちが、言語形成期に学習言語としての日本語をきちんと身につけられるようにすることは最大の使命だと考えています。

 

現在、何名ぐらいのお子さんたちが学んでいらっしゃるんでしょうか。

幼稚園の補習校部門は、毎週土曜日、現在9名の子どもたちが在籍し、楽しくのびのびと学んでいます。9時から3時半までお預かりしていますが一人一人に目が行き届くように人数を制限して運営しています。平日のクラスは、曜日や時間帯によってまちまちですが、これも数名程度で親密なクラスです。プリスクール部門は開設したばかりなので、これからぜひ人数が増えたらいいなと思っています。

 

さくら幼稚園の特徴は?

やはり日本語の育成に重点を置いているということです。アイデンティティの拠り所として、そして一生の学習活動を支えてくれる言語学習を何よりも大切にしています。それと関連して、文化を学ぶことも重要ですのでお正月、節分、ひな祭り、端午の節句などの日本の行事もしっかり取り入れています。特に夏祭りは日本のお祭りの雰囲気さながらで、子供たちにとっても忘れられない思い出になっているようです。

4月に新学期が始まりましたが、どうですか。

新入園児もすぐに園生活に慣れまして、いつも通りの楽しいさくら幼稚園の雰囲気がまた始まりました。今年はコロナで中断していた入園、入学式ができまして、久しぶりの和やかな式ができて嬉しかったです。

 

クラスに関して教えてください。

日本語が主体で、日本の幼稚園、日本の保育園と同じカリキュラムで指導をしています。基本的にクラスは私が担当していますが、子供の人数によって補助教諭が入ることがあります。

 

先生についてお聞かせください。さくら幼稚園で米澤先生が教えるきっかけ、経緯をお話しください。

私は、日本に住んでいたころから40数年教師をしています。もともと海外の方に興味がありまして、子供もいたのですが、異文化の中で我が子を育ててみたいという思いがありまして、それで最初はミシガンにあった他の幼稚園にてお仕事させてもらったのが始まりです。一度は日本に戻ったんですけど、またこちらのさくら幼稚園に再採用していただきまして、戻ってきたということですね。合計こちらでは15年教員をしています。こちらで日本語に触れることが少ない子供たちに、そういう幼児教育と共に日本語ということを重視した教育をしてお役に立てればいいなと思って現在に至っています。日本では保育園で教員をしていました。

保育のお仕事についてどう感じていらっしゃいますか。

日本の保育園というのは基本的にお母さん、母親が仕事を持っていて、仕事をしている間、見てくれる人がいないというお母さんを対象に預かる機関です。そこで、やっぱりお母さんのような愛情を注いであげたい、そして子供たちの成長、健やかな成長をサポートできればと何十年にもわたり保育士をしてきました。

 

日本文化や日本語を保育で教える際に心がけていることは。

一人一人を尊重する、一人一人に寄り添う、そしてその子その子の発達状況や性格に合わせた指導や教育ができるように心がけています。

 

保育で面白いと感じるようなところはどういった点でしょうか。

子どもたちのいろんな反応ですかね。自分が投げかけたことに対する反応が様々なので、私も日々、学んでおります。はい、楽しみながら学んでおります。

 

これからさくら幼稚園の入園を考えていらっしゃるご家庭に一言。

アメリカでの日本語の育成ということで、日本の文化に触れることに関して、日本にいる子どもたちに比べると、ずっと言葉を育む機会が少なくなっています。さくら幼稚園ではそのあたりをサポートいたしますので、ぜひ安心してお預けいただけたらと思っています。

私もこれまでたくさんのお子さんに出会ってきましたが、これからもたくさんのお子さんと触れ合うのを楽しみにしております。プリスクール、幼稚園どちらも、見学、説明、育児相談など随時行っていますので、どうぞお気軽にご連絡ください。ぜひお顔を見せにきてください、ということをお知らせしたいです。

 

米澤先生に対する保護者の声:

「2歳で渡米して英語オンリーになりかけていた当時6歳の娘に、日本語話者としての誇りを与え、日本文化への愛を育ててくれました。

娘がサマースクールに8週間通ったその初日から、「たのしかった~。いぬもあるけばぼうにあたる~」と言いながら帰って来たときにはびっくりしました。のびのび元気なお習字、みんなが画伯になっちゃう絵の時間など、子どもの気持ちを巧みに後押しし、ポテンシャルを引き出してくれます。

しかし、その指導は、こちらのパターンに子どもを合わせるような一律のものではなく、子どもの個性や特徴を的確に捉え、その子その子に合った導き、促しを、まさに黒子のようにさりげなくしてくれるので、自然に日本語や日本文化のすばらしさを体感するようになり、そして芸術や学習に対しての興味も高まってきます。

ある日、帰りの車で「今日は何したの?」と訊いたら、「おやのこころ、子しらず~」と返ってきて、思わず噴き出したこともありました。

お迎えの際には、いつも、若い母親の不安に応えるようなちょっとしたアドバイス、またわが子の成長・発育についての経験豊富な一言があり、本人が楽しかっただけでなく、親の側もたいへんに勉強になりました。

その後そのままアメリカで育つこととなった娘が、今も携帯を日本語設定にして日本語を使いこなし、また、祖父のターミナルケアの際には長期帰国して八面六臂の活躍をしたことなど、あの米澤保育の時間がなけれ、絶対にありえなかったことだと、心から感謝しています。

幼児期に米国で過ごすことで、母語として、学習言語としての日本語の確立が不十分になって、後にたいへんな苦労をするケースというのをたくさん見てきているので、米澤先生の幼児教育が、少しでも多くの人の福音となることを願っています。」

――――――インタビューを終えて

米澤先生の穏やかで愛情あふれる表情が印象的で、温かなお人柄が感じられたインタ
ビューでした。近年ミシガンも日本語の保育、幼児教育、言語学習、文化交流の場も増えて
きています。日本語、バイリンガル教育において、それぞれのご家庭に合う環境が見つかる
ことを願っています。(JNC)

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