秋の気配が感じられつつある9月17日、ミシガン州サギノー市(Saginaw)にあるJapanese Cultural Center, Tea House & GardensでJapan Festival in Saginawが開かれた。コロナ禍後の再開3回目の今年は、1000人近くの参加者でにぎわい盛会となった。

サギノーはデトロイトから約100マイル北に位置し、徳島市と姉妹都市提携を結んでいる。少し曇り空のこの日、午後1時過ぎに開会の挨拶が始まった。

3エーカーの雄大な敷地を誇る園内には、日本庭園、日本の本格的な茶室「阿波鷺能庵」を擁する。仮設テントにはあふれるほどの人々が集まった。同センターのTodd Hall館長がこの日本文化センターのあるサギノー市と徳島市の姉妹都市提携は全米でも最も古い歴史であることを紹介。デトロイト日本国総領事館から挨拶に立った田平修専門調査委員(広報文化)は、このフェスティバルは日本文化のショーケース、62年間の姉妹都市のご縁は人々のコミュニケーション、お互いの信頼の上での尊敬に繋がっている、と述べた。続いて、サギノー市長のBrenda Moore氏はこの日本祭りが年々「Bigger, better」になっていると喜びのメッセージを添えた。Great Lakes Taiko CenterによるRaion Taikoを皮切りにテント内の特設ステージでのパフォーマンス、園内のブースの展示と日本文化のハンズオン経験、お菓子やお弁当、アクセサリー等の販売、お茶室のお点前披露など様々な日本文化の紹介とイベントが繰り広げられた。

 

今年はこの日本文化センターの特製Tシャツに揮毫をしたミシガン州在住の書家・藤井京子氏が、ステージ上で映画「千と千尋の神隠し」の中のセリフを揮毫するパフォーマンスを行った。徳島の阿波踊りのフラッシュモブも加わり、バラエティーに富んだパフォーマンスだった。

人気のお茶室でのお点前は、裏千家、表千家の皆さんが1回ずつご披露。合計60枚のチケットはすぐに完売した。1960年代に徳島からサギノーへ留学した高木宏幸氏が帰国後もサギノーの人々と交流を続け、友人の知人がサギノー市長となったことが縁で、姉妹提携が結ばれ、お茶室が建てられた。設計と組み立てを一度日本で行い、サギノーの人々の協力を得て建てられた16世紀の茶室様式の貴重な建築物である。お点前中は英語による解説があり、すべての邪念を捨て一期一会のひと時を大切にする、の説明に参加者は伝統とお茶の極意について言葉を越えた静寂さを味わっていた。

この日本祭は、サギノーとミッドランドを中心とする地域在住の方々のボランティアにも支えられている。当日は約40名がスタッフとして活躍した。このフェスティバルの主催者で日本文化センターのエグセクティブディレクターの阿津ますみ氏は、このイベントが地元の支えで成り立っていることに地元の力添えに感謝の気持ちを寄せている。Saginaw Valley 州立大学には日本語の副専攻があり、ミッドランド市のDow高校にはJapanese Clubがある。Dow高校生は日本文化紹介ブースを毎年開いている。来場者も学生や現地の方々の姿も多かった。また今年は初めて来場する方々も多かったと阿津氏は言う。

サギノー市長のMoore氏は毎年、お点前に臨席なさっている。本誌のインタビューに気さくに答えてくださった。お点前に参加した感想は「Impressive」の感動の言葉。また、サギノーをまだ知らない人々に紹介するために一言を、と尋ねると「Saginawは“a welcoming city”。皆さんを歓迎しています」と温かなご返答をいただいた。

日本式庭園でのデモンストレーションは続いた。菊と洋花をアレンジした生け花は洗練された造形と色彩のコントラストで来場者を引き付けた。盆栽家Jack Sustic氏は今年も作品を展示し、入場者からの多くの質問に答えていた。地元ミッドランドのTim Ricketts氏は会場でろくろを回し、Soda Fired Potteryのデモンストレーションで来場者の目を楽しませた。

クライマックスは展示とデモンストレーションに参加した4名のアーティストの7作品が当たるラッフルの当選者の発表だった。ステージ上でチケット番号が発表されると、当選者はアーティストがこのイベントのために制作した生け花等の貴重な作品を受け取った。

フィナーレはRaion Taikoが再びステージに登場。最後に演奏したのは「虫送り」。夏の終わりと、さまざまな、今なくてもいいものを追いや、という気持ちを込めた1曲。演奏の後にインタビューに答えてくださったEileen Hoさんは「稽古は厳しいけれども、心と体の幸せにこの演奏を思い出してもらえたら」と語った。

日本文化センターへは、Novi・Ann Arbor方面からはUS-23を走ると1時間ほどで着く。4-10月の開園。入園は無料。お茶とツアーは予約なしも歓迎で$5。大人気の毎月第2土曜日に予約制のお茶会は$10で要予約。日本文化に興味のある方をお誘いするには最高の機会。日本文化に関するイベントも企画されている。お茶室の運営は50%がサギノー市から、10%はイベントなどの催しものから、残りは寄付で賄っている。この本格的な茶室の維持には地域からの協力が大切。興味のある方はこちらで寄付を募っている。 www.japaneseculturalcenter.org(JNC)

 

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