「バス釣り」というと、米国では大変気が高いアウトドア・スポーツの一つ。市場も大きくプロトーナメントも盛んだ。去る7月26~30 日、ミシガン州南東のLake St. Clair (セントクレア湖)にて、B.A.S.S.のバスマスター・エリートシリーズのトーナメントが開催され、日本人アングラー4人が参戦。健闘を見せた。日本にも米国のバス釣り文化が色濃く浸透しておりミシガンと姉妹県州を結ぶ滋賀県の琵琶湖や、河口湖は人気の釣り場として知られる。

この「エリートシリーズ」は、中でもトップクラスのプロの釣り師(アングラー)のみが参加できる最高レベル(優勝賞金$100,000)のビッグ・ゲームトーナメントで、100名のプロ選手が9回にわたるトーナメントで漁果を競う。一つ下の「バスマスター・オープン」戦にて、200名を超える参加者の中から、全9試合に参加し、かつ年間成績上位9名以内に入賞した者がエリートカテゴリーに昇格するというシステムとなっている。

日本の釣り愛好家、大会を楽しむ

開催期間中、マコーム郡の湖岸沿いのブランデンバーグ・パークには、ワールドクラスの極みを楽しもうと、多くファンが応援にやってきた。無限の地平線から昇る美しい日の出に迎えられた観客は、メトロ・デトロイトエリアの代表的な水辺のひとつであるセントクレア湖の素晴らしい景色をバックに、お目当てのアングラーを間近で応援できるのだ。このイベントは、バス釣り愛好家たちがプロのアングラー(angler:釣り師)と触れ合うチャンスの場でもある。トーナメント最高峰のクラシック大会の優勝者や数々の著名なプロアングラーと会うことができる釣り人の夢の祭典なのだ。

同イベントに参戦した日本人選手は、伊藤 巧選手(千葉県)、木村建太選手(大阪府)、松下雅幸選手(愛知県)、藤田京弥選手(山梨県)の4人。大会3日目には参加者100人中上位50人へ、最終日は10人へと絞られる。同大会では、藤田氏と伊藤氏が、Top10へと勝ち残った。釣り上げた重量で多くの新記録も出され盛り上がりを見せたが、激戦の最終日を制し、シリーズ2つ目の優勝トロフィーを手にしたのは、Joey CifuentesIII氏。伊藤選手は3位、藤田選手は7位の結果となった。

日本人アングラーや日米メディアのサポートのため日本から同伴で来米した「FishingAssistINT (フィッシングアシストイント)」のジェソップ・ペトロスキー氏は、「スポーツは文化の違いを越え、世界中の人々を結びつける。信じがたいと思われるかもしれないが、バス釣りはすでにアメリカと日本の強い架け橋となっている」と話す。自身が日本のバス釣りを取り上げる記事内(https://www. bassfishingjapan.com/)では、日本選手の応援に来た日本の若者や、「日本は自分にとって意味深い国」と語るバスマスターのカメラマン、または、コロナによる分断を経てやっと再会できた日米メディア関係者、伝説のバスマスターMC、デイブ・マーサーを応援する日本人少女の写真などが紹介されており、バス釣りが、国を超えた交流を生み出している

ことが伺われる。

アングラーたちのサポートを終えたペトロスキー氏は、「2週間のミシガン滞在で、アングラー、メディア関係者、日本からの応援に対する地域の方々の温かいおもてなしと歓迎を受け、人々のセントクレア湖への確かなプライドを感じた」と話す。「スキル、テクニックを垣間見、釣師と大会行程をともにする体験は大変貴重で、日本のバス釣り文化の今後の発展にも繋がっていくはずだ」と語った。 (取材協力・レポート・写真提供: Jessop Petroski / https://www.bassfishingjapan.com/)

日本人アングラーの声

参加選手に話を聞くことができた。松下雅幸選手は、「湖は、非日常のところ。バス釣りで魅了される点は、バスとの知恵比べ。いなして釣り上げる、そしてパクっとした感覚がいい。このエリートシリーズはエントリーに5千ドルもするため、スポンサーの方々の応援もあり、真剣勝負の中、ハッピーさとギャンブル的なところを楽しんでいる」と話した。木村建太選手は、「町が大きいと、釣りに目を向けにくい傾向があるが、ここセントクレア湖周辺ではバス好きの人が多いという印象を持った。日本の湖よりも整備されていて水としての魅力を感じる」と話した。

伊藤 巧選手は「バスの数、サイズから見てもこんなに釣れる湖はなく、セントクレア湖は全米でもトップの湖。可能性を感じる。今回は優勝を意識していたので3位の結果に悔しさもあるが、個人的には楽しかった。ミシガン州の人々は温かかった。多くの人が大会に足を運んでくださり、よかったと実感が湧く」と語り、伊藤氏は、プロとして、「一般の人々がバス釣りのテレビ中継を見て楽しいと思ってもらえたら」と話す。過去に同大会で一位を獲得した経験を持つ伊藤氏は、Taku Itoと親しまれるが、同大会二日目、大物を次々と釣ったことから「セントクレア湖に“Smallmouth Disneyland”を見つけた!」と印象的な言葉を残した。

取材を通してインタビューに快く答えてくださったアングラー諸氏の明るさ、前向きさに感動を覚えた。地元の湖が高い評価を受け、ミシガン住民として嬉しく思うのと同時に、改めて自然の大きさやこの自然が人々をつないでいることを実感した。

ミシガン州Lake St. Clair大会の取材協力をいただいたのは、日米でフィッシング文化普及に努める「Fishing AssistINT (フィッシングアシストイント)」のジェソップ・ペトロスキー氏。バス釣りを通した日米の文化交流の促進、釣り師「アングラー」たちの日米大会参加、メディア取材対応や関連企業のビジネス展開サポート事業などの活動を行っている。ペトロスキー氏の協力により日本人選手への単独インタビューがかない、この場をお借りしてお礼を述べたい。(https://www.fishingassistint.com/ja)

MI州セントクレア湖大会の後、8月末には、2023年のエリートシリーズ全戦が終わり、嬉しいニュースが入ってきた。第8戦目のNYシャンプレーン湖では、藤田選手が一位を獲得、最終戦のセントローレンスリバー戦でも、3位に藤田選手、4位に伊藤選手、7位に木村選手と、トップ10に日本人3名が入るという大健闘を見せた。4名の日本人アングラーの2023年の最終結果は、7位藤田選手、23位木村選手、36位伊藤選手、77位松下選手。2024年のエリートシリーズには上位70人が出場権を獲得、またバスマスタークラシックへの出場権は上位40名となり、来年もまた日本人アングラーの活躍が見られる嬉しい結果となった。(JNC)

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