
朝方から粉雪が舞った3月18日、デトロイトりんご会補習授業校の卒園・卒業式がノバイメドウズ校とノバイ高校でそれぞれ行われた。
午前中の卒園式では72名が卒園。厳かな雰囲気で行われた。来賓のお話を聞く時の「起立、礼」の立ち振る舞いもしっかりとでき、卒園生の成長を見守った保護者、講師もうれしさがひとしおだっただろう。式後には卒園生と担任講師の記念撮影があり、よろこびがあふれた。用意された羽ばたく鳥のモチーフの壁面の飾りには小学生となり大きく羽ばたく卒園生への期待が込められていた。
午後からは小学部、中学部、高等部合同の卒業式がノバイ高校オーディトリアムで行われた。式の様々な場面で卒業生自身が活躍した。国歌「君が代」斉唱に引き続き、「アメリカ合衆国国歌」を中学部卒業生岡田明莉さんがピアノで独奏した。続いて一人一人への卒業証書授与が行われた。オーディトリアムの壇上に登った卒業生一人一人が林る美校長から堂々と証書を受け取った。式辞では林校長が、現地校だけではなく補習校にも通い続け、英語と日本語の学習に苦労しながらも卒業を迎えたことを労い、これからの未来をつくる人として、汗と涙と笑顔で乗り切っていきましょう、とエールを送った。午前中に引き続き来賓として参式した在デトロイト日本国総領事館の小川伸首席領事は卒業を迎えた児童・生徒に対し、みなさんが大人になるときはさらに国際交流が盛んになるので、補習校と現地校で得た二つの文化での経験を大いに生かしてください、とはなむけの言葉を述べた。続けて、デトロイトりんご会・運営委員長の横田尚己氏も挨拶を行った。
三学部卒業生代表として高等部の卒業生太田詩乃さんが「門出のことば」を述べた。りんご会補習授業校での幼稚園部からの思い出と当時の夢、成長していった時に以前の担任の先生との再会を通してこの補習授業校に通った日々が軌跡として残されていた喜び、卒業をともに迎える友との深い絆、そして世界中にいる補習校で交わったクラスメートへの思いを感謝の気持ちとして届けた。毎週土曜日一回のりんご会補習授業校ではあるが、日本語を介して学習と学校生活の場を提供するコミュニティーの中心としての同校の存在とわが子の成長を参加者も感じ取ったであろう。
この日の卒園・卒業生は幼稚園部72名、小学部68名、中学部40名、高等部4名、総計184名。第50回の卒業式は、はつらつとした笑顔があふれた旅立ちの日になった。