
気温差はあるものの、ミシガンにとうとう春がやってきたようですね。ゴルフシーズンを目前に控え、「ひと月1作品」はお休みして今月は別の話題をご紹介したいと思います。2月と3月、日本はWBC(World Baseball Classic)の話題一色でした。個人的には、半年前から楽しみにしていたフェニックスCCへのゴルフ旅行と、日本チームの宮崎キャンプが重なって、1泊5000円程のビジネスホテルが22000円にはね上がり、大きなとばっちりを受けたのは玉に瑕でしたが、予選、本戦ともに日本でのTV観戦は大いに盛り上がりました。
大活躍した大谷翔平選手は岩手県の花巻東高校の出身です。3年先輩の菊池雄星選手に憧れて花巻東に進んだそうです。野球部の佐々木監督は、「目標は常に大きく持ちなさい」「高卒からメジャーへ」と生徒たちに言っていたそうです。菊池選手が日本の6球団から一巡目指名を受けたので、大谷選手はそれを越えて8球団全部から一位を受ける選手になりたい、と思うようになったそうです。監督は野球上達の一環として、野球以外の専門家の講義を積極的に取り入れていたそうで、大谷少年が高1の時に作った「目標達成マンダラチャート」では、やはり目標が「8球団ドラ1」となっています(左図)。
「マンダラチャート」の作り方は、こうです(右図)。まず目標を中心に書き、目標を実現するための8つの要素をその周りに書きます。8つの要素を外のマスに書き写し、さらに必要な要素を周りに8つずつ書きます。外のマスに行くほど、より具体的に書くとわかりやすくなります。①目標を意識し続けられる、②具体化される、③習慣化される、④随時振り返りや修正ができる、といったメリットがあります。
いかがでしょう、このマンダラチャートをゴルフ上達にも応用できるのではないかと思いました。仲間とわいわいラウンドするのも楽しいですが、目標を持って取り組めばゴルフがもっと楽しくなるに違いありません。ミシガンの夏は短いからこそ、今年は平均100を切る、もう10ヤード飛距離を伸ばす、寄せワンを増やす、18ホール回る体力をつける、なんでもいいです。お時間ある時にワインでも飲みながら、ご自分のゴルフを振り返って考えてみてください。
8つでは多すぎる、なんだか仕事みたいでイヤ、という方には簡易版チャートを見つけました。これですと要素は3つずつで済みます。ゴルフを専門にしているフィットネストレーナーさんによりますと、ゴルフの上達にはメンタル・スキル・フィジカルの3つの側面があるそうです。スキルを磨いてナイスショットを増やすだけでなく、18ホールをラウンドする体力や、動じない精神力が必要だというわけですね。チャートを作る際は、スイングだけでなくフィジカルやメンタルの項目を作ると効果的だと思います。先日、日本のコーチ仲間に私のスイングを見てもらい、ケチョンケチョンにディスられながら(笑)簡易版のチャートを作りました。恥ずかしながらここに載せます。今年はこれで頑張ってみたいと思います。レッスンでもチャート作りをお手伝いさせていただきます。今月25日にミシガンに帰ります。今季もどうぞよろしくお願い申し上げます。
<プロフィール> 東京都出身、慶応大学法学部卒。駐在員の妻としてミシガン滞在中にゴルフを始め、ゴルフ好きが高じて2009年にPGAメンバーとなる。「もっと遠くの、狙った場所へ」をモットーに、Links of Noviでレッスンを行なっている。
(sonya_nomura@pga.com / www.crazygolfersworld.com)