セルフサーバーのブリューワリー:Lincoln Tap

 「グランド・オープニングに向けてのソフトオープニング」―。ここ数年でブリューワリーのスタイルも多様になった。ランチやディナーも楽しめるブリューレストランから、キッチンを持たないブリュワリーも増えた。BYOF(Bring Your Own Food)で自前の食べ物の持ち込み、そしてコロナ禍以降はデリバリーサービスもOK、というのが顕著。そして、ブリューワリーのビールも、飲みたいものは飲みたいだけ自分で自由に注ぐ、というスタイルが登場した。Lincoln Tapの方式だ。今回はそのLincoln Tapを紹介する。

 Lincoln TapはRoyal Oakのダウンタウンから南に数ブロックのところ、元Roak Breweryの敷地に22年の10月にオープン。Royal Oak の閑静な住宅地のすぐそばにあり、ダウンタウンのにぎやかさとは異なった落ち着いた界隈だ。Eastern Market BCが新しいオーナーとして施設を購入し、Eastern Market BC、その系列のFarndale Projectのビールを提供する。ミシガン州の法律が変わり、客自らが飲み物を注ぐことが可能になったのが後ろ盾。

そのシステムは、ユニーク。入口のフロントでチェックインし、スキャナー付きのリストバンドをもらう。グラス置き場から12オンスのグラスを自分でとる。そして、実際にサーバーのノブの下にある「Pour it」にリストバンドをかざし、ノブを傾けると注ぎ口からビールが出てくる、という仕組みだ。ノブの上にあるビールごとのディスプレーにはメニューのように、ビールの種類やその特徴、アルコール度のほかに1オンス当たりの値段が表示されている。なるほど、好きなものを好きなだけ、で合理的だ。店内を出る時に、まとめてレジで支払いとなる。壁いっぱいにEastern Market BCとFarndale Project の合計25種類のビールと2種類のワインのノブがずらりと並んでいるのは圧巻。と同時にこんなにある中からどれを選んだらよいか、サンプルはできないのか、と心配になってしまった。店員に聞いてみると、「ノブに“遊び”があるからリストバンドをかざす前に少しビールを出してみることができるのよ」と笑って教えてくれた。言われたとおりにしてみると1オンスほど出てきた。

人気のビールは、と聞くと「Eastern MarketのElephant Juice」(New England IPA、ABV 7%)と返ってきた。「最近出たのは、Farndale ProjectのEvolve、Resolve、Solvedの3つ」。そのうちResolve(6.1%)を選んだ。桃、マンゴー、パイナップルのフルーティーさとMosaicホップのドライな感じがいい。店内は家族連れだけではなく、ペットも一緒に楽しんでいた。

ユニークなブリューワリーだが、今のところは大きなイベントの予定はなく、「ソフトオープニング」。現在はBYOFだが、キッチンの構想もある。店内を拡張し、流れを見極めてグランドオープニングになる予定、と店員は語った。

カジュアルな雰囲気が楽しめそうなところだ。

Lincoln Tap
330 E Lincoln Ave Royal Oak MI 48067
(313) 513-2200
https://www.lincolntap.com/

 

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