一年の初めの月も終わりを迎える1月29日(日)、デトロイト日本商工会(Japan Business Society of Detroit:JBSD)の新年会が行われた。対面の開催は実に3年ぶり。500人を超える参会者で会場のSuburban CollectionShowplaceのホールはいっぱいとなった。司会のGregory E. Laskeyさんと宮本奈津子さんは羽織・袴、着物姿で登場し、日本の新年の趣を醸し出した。 午前中の総会で会長に就任したNissanNorth Americaの佐々木氏が開会の挨拶に立ち「JBSDは長年にわたり文化、教育、地域コミュニティーへの貢献を行ってきた。感染状況が落ちつき最大イベントの新年会が対面で行われることを嬉しく思う」と述べた。JBSDは今年2023年に創立50周年を迎える。その節目の新年会に特別来賓にミシガン州の副知事Garlin Gilchrist II氏と在デトロイト日本国総領事館総領事の進藤雄介氏が参会していることに感謝の念を表した。

進藤総領事は対面新年会が3年ぶりに開かれたことを嬉しく思うと同時に、地元の方々の日本人コミュニティーへの理解に感謝を述べた。管轄のミシガン・オハイオには約15,000人の邦人が居住し、約470の日系企業があり、地元に4万人の雇用を創出しているとして、EV車の伸びで変革期にある自動車産業を日本企業がさらにけん引することを期待し、総領事館一同益々の発展に尽力すると述べ、コミュニティの方々の健勝を願い挨拶を締めた。 ミシガン州の副知事Garlin Gilchrist II氏は、「3年ぶりの会にお招きにあずかり光栄」と謝辞を述べた。そして、ミシガン州の経済と文化の発展への貢献に感謝し、今後もともに発展を遂げなければならないとし、そのような大きな志にとって、JBSDの影響力は大変大きく、ともに成長していきたい、さらなる投資とミシガンの学生の雇用を拡大し、モビリティーの未来を日本の研究と開発で発展させてほしい、と力強いメッセージを送った。

フルコース・ランチをしばしの間楽しんだ後は、同会の雰囲気がいっきに変わる。今年のスペシャルゲスト・岸谷香さんが特設ステージに登場した瞬間、大きな歓声が沸いた。「80年代から90年代の歌を楽しんでください」とあいさつした後、「世界で一番熱い夏」、「皆さんは1989年、どんなところで何をしていましたか。私は22歳で懸命にこの曲を歌っていました」と「Diamond」とヒット曲が続いた。プリンセス・プリンセス時代のパンチの利いた伸びのある歌声は健在。Diamondのサビの「♪ああ、いくつかの場面」に会場が応えるなど、「コロナ禍で一番盛り上がったステージ」と岸谷さんも大喜び。MCからにじみ出る感性と人間性が会場を引き付けた。子育てに夢中になって10年間ほど活動をしていなかったが、娘さんが小6の時にLondonで一緒に観たミュージカル『Mamma Mia!』に感動し涙したという。自分の中にある感性を再認識したそうだ。子供の手が離れ始めたら、と思い、東日本大震災を機に再結成コンサートを行った。女性の生き方、だれもが人生の中で悩み考える“働き方とは”という面で、岸谷さんが語った経験に会場は心を打たれた。そして、コロナ禍の2020年にプリプリのドラマー富田京子さんと「無条件にハッピーになりたい、スカッとした曲を書きたい」と作った「Stay Blue」など合計8曲、歌声が明るい年の初めの素敵なプレゼントになった。

ステージのあとは日本行きの航空券、地元野球チームのTigers、ミシガン大学のフットボールゲームのプレミアム席、ギフト券などの豪華賞品が当たるお楽しみ抽選会が行われた。新年会スポンサーリストには50社余りが名を連ね、新年会の最後は、会場の500人がピタッと息を合わせた「一本締め」で幕を閉じた。 JBSDは商工部会、広報部会、文化部会、スポーツ部会の四部会と青年委員会により構成される。講演会によるビジネス情報の提供並びに家族で楽しめる各種イベントの開催の他、現地の学生や学校、補習校、団体向けの助成金、奨学金プログラムなど、日米関係を多角的により良く、相互理解を深めるための幅広い活動を行っている。詳しく詳しくは、ホームページhttps://jbsd.orgにて。

岸谷香さんからのメッセージです!
イリノイとニュージャージーに子ども達が留学しているので、年に何回かシカゴ、ニューヨークには通っていますが、真ん中のミシガンは人生初でした!ライブ前、2日間デトロイト美術館に通いフラスコ画に釘付けに。ゴッホ展がタッチの差で終わってしまったのが残念でなりませんでしたが、とても刺激的な時間を過ごしました。夜はCliff Bell’sでチェリーのジンや、デトロイトのウォッカ、勿論、ミシガンのIPAビールも頂き、お土産にBon Bon Bonでチョコレートを買い、短い時間ではありましたが、デトロイトを楽しむ事ができました。この度のお招きが無かったら、生涯知る事なく終わったかもしれない数々の経験が出来たこと、とっても嬉しく思っています。そしてライブでは、皆さんの思い出と共に、懐かしい日本のポップスを楽しんで頂けたなら幸いです。沢山の拍手、声援は私達アーティストの何よりのエネルギー源です。沢山充電して、今帰国の飛行機に乗り込もうとしています。また来るチャンスがありましたら、次は絶対、リニューアルしたモータウン歴史博物館に行きたいと思っています。ありがとうございました!
2023.1.31 岸谷香

 

 

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