言葉の架け橋
言葉の架け橋

それでは、「猫」をもっと続けましょう。人の生活に身近な動物だけに、猫に関する言い回しは多いのです。「猫にマタタビ」。マタタビはもちろん猫の大好物、と言われています。「マタタビ」は英語では “silvervine” なのですが、英語で知られている猫の大好きな植物は “catnip” ですので、”A cat with catnip” の方がわかりやすいかもしれませんね。比喩的に言えば、”That’s the thing.” とか “That’s the very thing.” となります。

似た表現で「猫に鰹節」というのがありますが、こちらも大好物ながら、人の視点から見たもので、「そんなもの出したら必ず取られちゃうよ」という意味合いです。英語にすると、”That’s like putting lambs among wolves.” (オオカミの群れに子羊を入れるようなもんだ)となります。では「猫に小判」ですが、これは前の二つとは真逆で、猫には全く興味がないものですから、“Pearls cast before swine” (豚に投げた真珠)と同じ意味になります。

「猫の目」という表現をご存じでしょうか?非常に変わりやすいものの例えです。ただ “Cat’s eyes” では通じませんので “Something very changeable” と説明になります。「猫足」は、音を立てずに歩く例えなので、”to walk stealthily or silently” です。もう一つ、猫足の意味としてテーブルや椅子が動物の足の形をしているものを指すことがあり、これは英語では “cabriole leg (of a table or a chair) ” と言いますが、あまり使われないようです。ついでに、英語で “catwalk” という言葉がありますが、これは「狭い通路」や「ファッションショーでモデルが歩く細長い舞台」を指します。

また、空手では「猫足」や「猫足立ち」は、体重を後ろ足にかけて、前足をつま先立ちにする構えのことで、”Cat stance” と言います。

 

上記についてご質問のある方、又その他の表現について知りたい方は、izumi.suzuki@suzukimyers.comまで。―――――――――――――――――――――――――――――――――
鈴木いづみ:会議通訳者、公認法廷通訳者、アメリカ翻訳者協会日<>英翻訳認定資格を有す。通訳・翻訳・日英語学クラス等のサービスを提供する鈴木マイヤーズ&アソシエーツ(株)社長。www.suzukimyers.com

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