謹んで新春のお慶びを申し上げます

昨年はロシアによるウクライナ侵攻により、あらゆる側面で国際情勢が大きく揺らぎ、いまだ終わりの見えない事態が続いています。米国では中間選挙が行われ、国を二分する議論が交わされました。一方、中国・北京では冬季五輪が開催され、各競技で日本選手が輝かしい成績を残しました。史上初めて中東・カタールで開催されたサッカーワールドカップにおいては、日本代表チームがめざましい活躍を見せ、世界中に感動をもたらしました。世界で大きな変化がありましたが、日本と米国の友好関係が何ら変わることがないことに両国の絆の強さを感じます。

2022年を振り返ると、コロナウイルス感染症の制限が緩和された結果、ようやく各種イベントの対面実施が可能となりました。9月のサギノー日本祭り、10月のノバイ日本祭りでは、御挨拶申し上げる機会を得ました。中でも、多くの在留邦人の方々が暮らすミシガン州ノバイ市のノバイ高校で実施された日本祭りは、実に3年ぶりの開催となりました。そのおかげか、例年より多くの方が参加されたと伝え聞いております。私自身、初めての参加でしたが、茶道、生け花、書道、太鼓、剣道等、様々な日本文化の催しが提供され、多くの米国人が日本に触れる様子を拝見しました。ミシガンの多くの方が日本や 日本文化に強い関心を示してくださっている姿は、非常に印象的であり、また心強く思いました。このようなイベント開催の裏には日本人コミュニティの方々を中心とした、緻密な準備があったことと思います。市民レベル、草の根レベルで日米間の友好関係を維持し、より強固なものにしていくために活動されている関係者の皆さまに、改めまして心から感謝いたします。

ミシガン州は滋賀県と姉妹州県関係にあることに加え、27の姉妹都市関係があります。昨年9月には、三日月滋賀県知事とホイットマー・ミシガン州知事が会談し、止まっていた諸分野における交流を再開、拡大していくことを約束しました。ミシガン州立大学連合日本センター(JCMU)を始めとした留学プログラムによる米国人の日本への留学、日本人高校生・大学生のミシガン州への留学等を通して、若い世代の人的交流が進むことは、日米友好の絆を強めていく足がかりとなります。日系企業、現地企業にお勤めの在留邦人の皆さまによる地域への貢献、その他各所での草の根交流が、日米関係の強化に大きな力となっております。我々総領事館といたしましても、微力ながら引き続き皆さまのお役に立てるよう努めてまいります。

愛知県豊田市との間で60年以上の姉妹都市交流があるデトロイト市には、ベルアイル島があります。デトロイト川に浮かぶベルアイル島には米国最古の水族館があります。水族館の見所が「鯉」であることから、端午の節句にちなんで、例年5月に当館が協力する形で、鯉祭りが開催されるようになりました。さらに、ベルアイル島では、毎年春、姉妹都市交流を記念し、デトロイト日本商工会の皆さまのご支援をいただいて植えられた桜が咲き誇ります。今年も、ミシガンの長く暗い冬を乗り越えた桜の木々たちは、満開の花を咲かせることでしょう。今年も多くの方がこの桜を見つつ、デトロイト市と豊田市、そして米国と日本の友好関係に思いを致すことを願っております。

末筆ながら、皆様の今年一年のご健康とご多幸を心より祈念し、新年のご挨拶とさせていただきます。

令和5年1月
在デトロイト日本国総領事館
総領事  進藤 雄

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デトロイトりんご会補習授業校より

新年明けまして おめでとうございます

旧年中は、関係者の皆様には大変お世話になりました。おかげさまを持ちまして、デトロイトりんご会補習授業校(以下 補習校)は、現在幼稚園部から高等部まで800名を超える園児児童生徒が学んでおります。特に今年は、創立50周年記念の年であり、年頭にあたりまして、この50年を簡単にではありますがご紹介したいと思います。

1973年 クランブルック・ブルックサイド校
1973年 クランブルック・ブルックサイド校
1973年 クランブルック・ブルックサイド校
1973年 クランブルック・ブルックサイド校

補習校は、1973年(昭和48年)6月に「デトロイト日本語補習教室」として私立クランブルック・ブルックサイド校で開校しました。当時は日本人駐在員が非常に少ない時代でしたが、企業の皆さまが中心となって「補習校を開く」と力をあわせて開校にこぎつけられたそうです。コピー機もない時代に、日本の親戚から送ってもらった教科書をみんなで手書きで写して教科書を準備し、中学生はみんな一緒の複式学級、小学校5,6年生も一緒に学んでいたそうです。生徒数23人の、小さいけれど手作りの温かな補習校だったのですね。その後人数が増えて、1981年(昭和56年)には、小学1年から3年までがケンジントン・アカデミー校に、小学4年から高等部まではシーホーム・ハイスクールに移転しました。そしてこの年から文部省派遣の校長が派遣され、名称もデトロイト補習授業校となりました。1984年の創立10周年記念の時には、児童生徒数は201名になり、第1回のオープンハウスも開催されました。それでも運営はまだまだ手作りで、運動会の紅白のはちまきは関係者の皆様が縫って用意されたそうです。

1981年(昭和56年)
1981年(昭和56年)
1985年(昭和60年)運動会
1985年(昭和60年)運動会

1980年代後半は、デトロイトに日本の企業が進出した時代で、日本車の成功とともにジャパンバッシングが激しくなった時代でもありました。買い物が済んで駐車場に戻ると、フロントガラスに卵がぶつけられていたり、テレビでも日本車を叩き潰す場面が放映されたりと、駐在の皆様にとって、大変苦しい状況が続いた期間がありました。その時期に心細い状況で学ぶ子どもたちにとって、補習校で日本人の子どもたちとともに学び過ごす時間は、きっと大きな安心と励みになったことでしょう。関係者の皆様にとりましても、さまざまな制約の中で、補習校の運営を継続していくことは、並大抵の努力ではなかったことと想像します。厳しい時代も、在デトロイトの日本人の皆様が力を合わせて、子どもたちの学びの場を守り抜かれたことに心からの敬意を表したいと思います。

1987年(昭和62年) ケンジントン校 入学式
1987年(昭和62年)
ケンジントン校 入学式

1990年代に入ると状況は次第に改善し、それとともに児童生徒数も急激に増加して、創立30周年の2003年には、児童生徒数1074人になりました。この間、児童生徒数の増加に合わせて、校舎が何度か移転しました。

1987年
小学部 Kensington Academy
中学部 Seaholm High School

1989年
小1~3 Kensington Academy
小4~6 Covington Middle School
中学部  Seaholm High School

1996年
小1~3 West Maple Elementary
小4~高等部 Seaholm High School

2011年
幼稚園部~高等部 Novi Meadows Elementary

2015年
幼稚園部~小6 Novi Meadows Elementary
中高等部 Novi High School

補習校は土曜日のみが授業日であることから、創立以来ずっと借用校で授業を行っています。創立から50年間、途切れず借用を継続できたことは、現地教育委員会のご厚意によるものであり、感謝に堪えません。日本人の子どもたちが、いかに校舎を清潔に大切に使用するかは、いつもお褒めをいただくことですが、それでも現地校の先生方のご理解とご協力なしには、毎週、机や書架を移動し補習校の教室環境づくりをすることはできませんでした。

特に、COVID-19により2020年度は一年間オンライン授業を行いましたが、ノバイ学校区は2021年度春から他に先駆けて対面授業の再開を決定しました。その際、りんご会補習校も同時に対面授業への切り替えが認められたことは、多くの補習校の中でも特筆すべき状況で、ノバイ学校区のりんご会補習校への特段のご支援に対して大変感謝する次第です。

2022年 運動会(ノバイメドウズ校フィールド)
2022年 運動会(ノバイメドウズ校フィールド)

創立50周年の今年、この地で50年、子どもたちの学びを支え続けてきた本校の歴史を、児童生徒とともに振り返りたいと思います。そして、生徒ひとり一人が、感謝とデトロイトりんご会補習授業校への誇りの気持ちをもって、これからも学び続けてくれることを願っています。今後とも変わらぬご支援をいただきますようお願い申し上げ、 新年のごあいさつといたします。

令和5年1月
デトロイトりんご会補習授業校
校長  林 る美

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