
先回からこれまでとは逆に英語の色を使った表現を見ています。先回は“white”でしたので、今回は”black”を取上げましょう。
まず、慣用的な使い方として日本語では「白黒テレビ」等のようにこの2色を並べて言うときには「白」が先に来るのですが、英語では「黒」が先で“black and white”です。”Not everything is black and white.”(すべて白黒で-善悪で-割り切れるものじゃない。)他の色との組み合わせをもう一つ、”He beat the enemy black and blue.”(彼は敵を青あざのできるほど殴った。)で、日本語では黒は出て来ませんね。
黒を動詞として使った“black out”は舞台などの照明を「暗転する」時によく使いますが、「瞬間的に気を失う」時にも使うことがあります。”Looking at the scene, I blackedout for a second.”(その場面を見て一瞬気を失った。)色ではないのですが、黒にちなんだ形容詞として“dark”があります。その面白い使い方として、
”The theatre is dark.”というのは通常なら公演しているはずの劇場が閉まっている、というのがあります。“The company is in the black.”(その会社は黒字だ。)ここで黒は良い意味に使われています。「赤字」に対しての言葉で、収入が支出を上回った状態ですね。’the’をつけるのを忘れないようにしてください。“He’s notas darkas he’spainted.”これは悪魔を黒で描くことから来ているそうですが、「彼は評判ほど悪い人間ではない。」という意味です。近頃ではほとんど使われていませんが、古い映画で聞くことがあるかもしれません。
上記についてご質問のある方、又その他の表現について知りたい方は、izumi.suzuki@suzukimyers.comまで。―――――――――――――――――――――――――――――――――
鈴木いづみ:会議通訳者、公認法廷通訳者、アメリカ翻訳者協会日<>英翻訳認定資格を有す。通訳・翻訳・日英語学クラス等のサービスを提供する鈴木マイヤーズ&アソシエーツ(株)社長。www.suzukimyers.com