お花の随筆 外交、経済、教育。世界のそれぞれの国に住む人々がそれぞれのレベルで抱える多様で複雑化した課題に、日々、どう取り組んでゆけば良いのか。人間は忘れる動物であるが故に、大切な事項を忘れないよう努めるためのモチベーションと励まし、リマインダーが日々必要となってまいります。なんともハイメインテナンスで厄介な生き物と申すことも出来ますが、そのお茶目な魅力を保持しながら、人間の持つ弱い面である浅はかさ、狡さ、身勝手さを極力自制し、先の、もっと大きな目標へ向かって周囲と助け合いながらあゆみ、ひいては定めたゴールへ到達することができるのかどうか。大願成就なるか否かは、それぞれの心がけと、各々に与えられた時間のゆとり次第と思われます。
お花の随筆 夏の名残にしがみつき、色鮮やかで涼しげな草花を少しでも長く鑑賞しようと私は毎年頑張ります為、秋の活動への取り組みが遅れがちになります。それを重々承知しておりますもので、今年は潔く割り切り、8月半ばにはもう、テンポよく冬支度を始めることに致しました。豪華に成長し目を楽しませてくれたコンテナガーデンの数々を解体してゆくのは淋しいことですが、道行く人たちにもお褒めいただき感謝すらされ、お蔭様で今年も良い思い出がたくさん出来ました。ですので次のシーズンについて既に計画しながら屋内に取り込めるものとそうでないもの、ミシガンの寒さでも外で冬を越すものとそうでないものとを仕分け、それぞれの運命に事務的に対処してゆくよう努めます。
お花の随筆 この夏は、物心つきかけの子供たちと野外で活動する機会に恵まれました。畑に育てた野菜に水を遣る課題を与えられた子供たちは生き生きと目を輝かせ、一斉にそれぞれの容れ物に水を汲み畑に走ってゆきました。ふと気が付きますと、何か様子が違います。僕はトマトに水を遣る、と大きな声で言った子供は、何故かトマトの実そのものに水をかけて満足し、私はナスに水を遣る、といった子供はなぜか、フェンスの外へ育ってぶら下がっているおナスの実そのものに水をかけ、満面の笑顔で私を振り返ったのです。地面は乾ききり葉っぱはだらんと垂れ下がったまま。あれれ、お野菜たちは地面の中へ伸びている根っこを使ってお水を吸い上げて自分の中へとり込むの。だからお水は根元の地面にあげなくっちゃあ、野菜がお水を飲めないことになるのよ、と私が申しましたら皆きょとんとして私を見つめ、次に野菜を見つめ、考え込んでしまいました。
お花の随筆 庭作業や花のデザイン関係の仕事で枝もののごみがたくさん出るような折には、それを袋詰めにする際、ごみを集めに来た作業員の方が怪我をしないよう出来るだけ鋭い部分や棘は落とし、持ちやすいよう小さくまとめることに配慮します。大きなイベント用の生花や材料を輸送の為にテープやひもでまとめる作業をする折には、それをほどく方々が困らぬよう、手がかりを残す心配りをします。ひもなら固結びにせず蝶結びや片蝶結びにしてほどき易くして差し上げる。鋏などの道具を使わずとも作業を続ける事が出来るか、パッキングする側の方が梱包を解く側のことを配慮してくださっているか否かで、作業をする側の者のスピードは段違いとなってきます。特にストレリチア・レギネ(極楽鳥花)の梱包、テープの端はつまみ易いように折り返してあるか。テープの2周目は一周目にぴったり重ねずわざとずらしてあるか。見た目の美しさだけを気にされた梱包で来てしまえば、急ぎ荷解きをする側でお花の首はもげてしまいます。時に極楽鳥花の花言葉は「輝かしい未来」。次の人が困らない仕事をするよう心がければ、豊かな未来へと繋がります。根元、スタート地点、つまり根本からの知識は生きてゆく術。
 人の動きも物の流れも再び躊躇なくまわり始めた社会では、次の人が困らない仕事をするために自分がどこまで頑張れるか、が懸案事項。次の世代へ、次世代の世界へ、自分が残してゆけることを考えた時、まだまだ前の世代から教えて頂かなくてはならぬこと、もっともっと次の世代へ教えてゆかねばならぬことが残されております。目を逸らすことなく現実と向き合い、謙虚に急がずたゆみなく、あゆみ続けてまいりましょう。

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