
“HOMES“は何のacronym(略語)なのか?ミシガンにお住まいならご存じの方も多いはず。五大湖(Huron, Ontario, Michigan, Erie, and Superior)の頭文字。それをブリューパブの名前にしたのが、Homes Brewery。U-Mのおひざ元、Ann Arborにある。
Jackson Avenueに面しているが、前面からだと店の中の様子がわかりにくく、建物の裏手が入り口。入ってみると通りからは想像できないほどのスペースの広さ。壁面にはコンテンポラリー・アートが描かれ、ラインナップのディスプレー、小さめのカウンターバーの後ろにはスタイリッシュなサーバースペース、店内にいっぱいにかかる音楽、と入った瞬間に活気を感じさせる。
HOMESのビールは評判だが、それと同時にユニークなのは、アジアのストリートフード。Korean BBQ wing、Bulgogi Fries bowl、 Cucumber salad、 Edamame、 Tuna Pokeが目を引く。ちょうどPubに入ったときに、アジア系の家族連れがbowlを注文していたので、同じくBulgogi Fries bowlを頼んだ。注文は「Order here」とサインが掲げられたところでする。何度もスタッフは「心配するほど辛くないよ」と言ってくれたが、辛かった場合を考えハーフsizeにした。それでも十分なボリューム。フライドポテトの上にBulgogi、そしてその上にチーズとフライド・エッグ。彩鮮やかにGreen Onionの乱切りと散らしたゴマ。アイオリソースがサイドに付いてくるので、Bulgogiと調和した味が楽しめた。たいてい14種類ほどのビールがタップリストにある。この日はPhosphor(ABV. 7.5%)にしてみた。Hazy beerでフルーティー、キリッとした良さがあった。意外にもBeef Bulgogi Fries bowlと合う。訪れたのは日曜日のランチタイム。そんなことを知っているのか、やってくる人々に目を向けるとbowlとビールを楽しむカップルの姿が多かった。
アウトドアスペースにはFire pitが勢いよく燃え盛っていた。ベンチがあるだけだが、Jackson Avenueの交通量がわからないくらいにプライベートな感じがするバックスペース。白い吐息を吐きながらFire pitの炎を頼りにフルーティーなビールを楽しむのもミシガンならではの趣だ。さすがに寒かったのでダイニングスペースに戻ると、再びコンテンポラリー・アートとそれにマッチした音楽が迎えてくれた。歴史と伝統とともに、ここは学生の街だ、と改めて実感した。
バラエティーに富むビールは店内での飲める他は4Can-packのTo Goのみとなるから、希少価値が高い。また、Homes Breweryは2021年にAnn-Arbor内のJackson Plazaにもブリューワリーをオープンさせている。日曜日はのどかな顔を見せていたHomesのブリューパブだが、次回は学生の街のエネルギッシュな顔を見せるのも楽しみたい。
Homes Brewery (Brew Pub)
2321 Jackson Ave, Ann Arbor, MI 48103
https://www.homesbrewery.com/home
文&写真 by ヤマトノオロチ