
コロナ禍の中迎えた2回目の新年。私たちの生活が一変してから2年間が経った。コロナが広まり始めた当時訪れたタップ・ルームを再び訪れてみた。
ミシガン州には数多くのブリューワリーがあるが、ホームブリューサプライ店もこのメトロデトロイト地域にいくつかある。Cap’N’ Corkは東方面のMacomb Townshipにある。ここではビールやワインの醸造キットや用具を販売している。ホームブリューの趣味を発展させてブリューワリーを開業する人が多いが、Cap’N’ CorkのAndyはイリノイ州にあるSiebel Institute of Technologyでビールの醸造を学んだ。150年の歴史があるこの学校は化学ラボから発展した専門的な職業学校。そこで学んだ技術とミシガン州内のブリューワリーに勤めた経験は確かだ。
「みんな籠っていたコロナ禍の最中に比べるとホームブリュー品の売り上げは下がったね」とAndyは言っていた。それでもさまざまなイベントを予定している。伝統的なコロンビア料理のempanadasとビールのペアリングを毎週月曜日の4-8時に。Turn overと呼ばれる料理の一種で、中に肉や魚、羊肉、キムチなど(!)お好みの具が入れ、トウモロコシを挽いた粉で外側を揚げるもの。地元のRositas Treats(https://rositastreats.com/)から来るシェフがフライをその場で作ってくれる。1月からのホームブリューやワイン醸造のノウハウクラス($25/person. 1.5時間)もまた始まる。そのような地道な醸造技術の伝達への挑戦は続く。
また、ここで作られるビールのキットはサプライストアーでも販売している。ホームブリューをするのは少々敷居が高くて、と思う人も多いだろう。タップルームで飲めるビールは16ozの缶に詰めてもらえるので、気に入ったものは自宅に持ち帰りもできる。レシピのビールがどのようになるか、を確かめる目的もあるタップルームだからアルコール度も決して高くない。やはり感じたのが、スーパーなどで手に入れることができる缶入りのミシガンのブリューワリーのビールよりも格段に風味や素材が生かされているということだ。特にWest Coast IPAは現在人気の種類でCentennial、Cascadeホップなどを使うものが多いが、Cap’N’ CorkのArea51(American IPA, ABV 7.0%)はじっくりとそのホップの風味がにじみ出てくる、という表現がふさわしいほど素朴で、しかし醸造とは本来このような風味を引き出すものだと感じてしまう。
「Oktoberfest、Easterと、それぞれにブリューワリーはイベントをするけれど、それは他のブリューワリーに任せて、うちは2月5日のGroundhog Dayにイベントを行う。今作っているのはその時にリリースするビール」。黙々と準備に取り掛かる。イベントの成功を祈る!
Cap N Cork Homebrew Supply
https://capncorkbrewing.com/
https://www.facebook.com/capncorkbrewing
(イベント情報はこちら)
文&写真 by ヤマトノオロチ