あけましておめでとうございます。
昨年に引き続き、新型コロナウイルス感染症の終わりが見えない中での正月を迎えることになりました。皆様いかがお過ごしでしょうか。

 昨年は、バイデン政権が発足し、前政権とは異なる政策が次々と打ち出されました。日本でも岸田首相の下で新たな内閣が発足しました。このように日米両国で大きな政治的な変化がありましたが、日本と米国の友好関係が何ら変わることがないことに日本と米国の絆の強さを感じます。

 昨年は、コロナウイルス感染症のためにイベントなどが軒並みキャンセルされました。しかしながら、9月にサギノー市の日本文化センターでコロナ対策を徹底した上で日本祭りが開催されました。この祭りには多くの地元の米国人たちが参加し、様々な日本文化に触れていました。
このイベントの目玉の一つは立派な茶室での茶道のデモンストレーションです。

 サギノー市は徳島市と姉妹都市関係にあります。サギノー市の茶室は、両市の交流、友好関係の賜物として建てられました。この茶室を含む日本庭園、その庭園での様々な日本文化イベント、そこに集まる多くの地元の方々等を思うと、市民レベル、草の根レベルでの日米の友好関係は両国関係の基盤をなすように感じました。多くのミシガンの方が日本文化に関心を示してくれているということはありがたいことです。

 ミシガン州は滋賀県と姉妹州県関係にあることに加え、27の姉妹都市関係があります。さまざまな交流活動が行われています。そうした活動に携わっている関係者の皆様に深く御礼を申し上げたいと思います。

 私の住んでいるブルームフィールド市にクランブルック庭園があります。とても美しい庭園です。クランブルックには学校もあり、1973年に日本人の補習授業校のりんご会ができた当時、授業はクランブルックの教室を借りて行われました。そこにも日本庭園があります。このようにクランブルックは日本と縁が深い所です。

 私も昨年10月にクランブルックの日本庭園を訪れてみましたが、我々日本人が見ると「日本庭園」と呼ぶにはやや物足りないように感じました。それはクランブルック庭園の関係者がよく承知していることであり、より立派な日本庭園にするための修復プロジェクトが始まっています。修復プロジェクトにかかわっている日本庭園の専門家の方のお話によれば、一見すると何気なく置いてある石の一つ一つについても慎重に選ばなければいけない。見る人が見れば、どのような気持ちで一つ一つの石が置かれたのかがわかってしまうそうです。例えば、イメージしている庭園にちょうど合う石が見つからなければ、庭を造る人は
いらいらしてしまう。そんな気持ちで石
を組むと、「庭を造った方はこの石を置いたときいらいらしていたようだ」「この石を置いたときはとても疲れていたようですね」というようにわかるのだそうです。そのため、一つ一つの石を選ぶところから、念入りに慎重な作業を行うそうです。とても奥深いものを感じました。コロナのために修復プロジェクトは当初の想定より遅れていますが、クランブルックの関係者は熱意をもってこのプロジェクトを進めています。このように地元の方が日本の文化に理解を示し、立派な日本庭園を造ろうと努力されていることに感謝の気持ちでいっぱいです。修復された日本庭園が地元の方々に憩いの場を提供するようになることを願っています。

 昨年はコロナに振り回されましたが、明るい話題もありました。東京オリンピック・パラリンピックでの日本選手の活躍、MLBのロサンゼルス・エンゼルス所属の大谷翔平選手の活躍などがすぐに思い浮かびます。こうした日本人の活躍はプロスポーツが盛んな米国の人々の心を打ったのではないかと思います。今年もいろいろなスポーツで日本人選手が活躍してくれることを期待したいと思います。

 皆様のご健康とご多幸を心よりお祈りし新年のご挨拶とさせていただきます。

令和4年1月
在デトロイト日本国総領事館
総領事  進藤 雄介

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新年 明けましておめでとうございます。

これから始まる1年が、皆さまにとってかけがえのない素晴らしい年になりますことをお祈りいたします。

 デトロイトりんご会補習授業校(以下 補習校とする)の新年への期待と希望は、昨年1年間を振り返ることとあわせてお伝えしたいと思います。

 昨年の年明けは、補習校の授業はすべての学部がオンラインの授業で、長期化する学校閉鎖がどこまで続くのか、不安を抱えながら4月の新年度を迎え、入園式や入学式もオンラインで行いました。その後ハイブリッドで徐々に対面授業を再開し、5月29日から全学部が再開できました。対面授業を再開するための詳細な議論を重ね、実行し続けた理事運営委員会と父母会の力なくしてこの実現はありませんでした。また、北米の補習校のなかでも最も早く学校での対面授業を再開できたことは、ノバイ学校区から本校に校舎の提供がスムーズになされたということもあり、関係者の皆様に心から感謝申し上げます。

 そうして始まった対面授業では、子どもたちも頑張りました。幼稚園児もちゃんとマスクをして手指の消毒もしています。目には見えないウイルスに対して子どもたちなりに想像力をはたらかせて対応しているようで、今では感染対策は子どもたちの生活のルールとして定着しています。

 このような中で最もうれしかったことは運動会ができたことでした。感染状況から時期をずらし、実施形態も変えて計画しましたが、祈るような気持ちで当日をむかえました。補習校が、日本語で日本の学習指導要領に準じた学習をするだけではなく、学校行事を通じて日本の学校文化や日本について学ぶ場でもあることをあらためて感じた一日でした。季節の行事や音楽会、宿泊行事など再開したい活動はまだまだたくさんあります。

 1年を振り返りわかったことは、補習校関係者の叡智と実行力、現地校の下支え、保護者と教職員の団結と協力、子どもたちの努力、これらが絡まりあって補習校の力となってきたということです。これこそが2年後に創立50周年を迎えるデトロイトりんご会補習授業校の伝統かもしれません。さまざまな困難を乗り越えて学習環境を整え続け、歴史を作ってきたこの歩みを、さらに確かなものにしていこうと、新年にあたり決意を新たにいたしました。

 補習校は現在、幼稚園部から高等部までおよそ750人の児童生徒が在籍しています。小学生から高校生は、月曜から金曜までは現地校に通学し土曜に補習校で学んでいます。編入生にとって慣れない現地校での学習はどれほど大変なことでしょう。さらに補習校の宿題もこなし土曜に通学することは、並大抵の努力ではないと思います。また長期に在米する場合には、日本語で学習を継続するための勉強も容易なことではないと想像します。子どもたちは土曜に会うとまるで日本の学校の児童生徒のように見えますが、その実、大変な努力をし、うちには限りない可能性を秘めています。言語だけではなく、アメリカという国の多様性やパワー、ミシガンの自然の豊かさなどを全身全霊で感じ取り、その原体験は、今は見えない力かもしれませんが、きっと将来人生や世界を変える力になると信じます。今後も、補習校が子どもたちにとって、学び続けることの希望となり、心の拠り所となることを目指して進んでまいります。本年も多くの皆様からの変わらぬご支援をいただきますようお願い申し上げ、新年のごあいさつといたします。

令和4年1月
デトロイトりんご会補習授業校
校長  林 る美

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