サンクスギビングが終わるとクリスマスまではもうすぐ。

コロナへの油断はまだまだ禁物だが、クリスマスに向けて足取りも今年は軽い気がする。今回はメトロ・デトロイトのクリスマス・ビールを3つ取り上げる。

Buzz Blanketはすっぽりブランケットに 入ってしまったような風味

 メトロ・デトロイトのブリューワリーの中で早々にクリスマスエールをリリースしたのがAtwater Brewery。クリスマスらしく赤地に雪の紋章が基調の缶のエール。“Lebkuchen”(レーブクーヘン)の名がつけられている。レーブクーヘンとはドイツやヨーロッパで作られている蜂蜜、ナッツ類を用いて作ったケーキのこと。このビールはクルミの風味とともに、地元産のジンジャー、アーモンドのフレーバーを加えた、クッキーのような味だ。ABV6.1%で琥珀色のボディ、深いモルツの風味がこれからの季節に合うビールだ。もちろんスーパー等で簡単に見つけ出すこともできるが、Atwater Breweryに足を運ぶのもいいだろう(Detroit, Grosse Pointe Park, Grand Rapids)。

 次に紹介したいのが、これもこの季節になったらお目にかかれる3 Scrooges (ABV 6.5%)。こちらはWinter Warmerのニックネームがつけられている。Griffin Claw(Birmingham, Rochester Hills)。オレンジ、蜂蜜、クローブとユニークでWarmerでありながら、ピリッとした清涼感もあるビールだ。Dickensの名作“Christmas Carol”の守銭奴Ebenezer Scroogeをブランド名にした冬限定のエール。アメリカで戦前に人気だったThe Three Stoogesというコメディーグループもビールの名前にかけたものだ。コメディアンの一人の独特の笑い方”N’yuk, n’yuk, n’yuk” と クリスマスを台無しにしようとするEbenezer Scroogeのキャッチフレーズ “Bah Humbug”がGriffin Claw Breweryのウェブサイトの3 Scroogesの紹介に載っている。クリスマスの伝統やアメリカのコメディーなどを感じながら楽しめるビールだ。

 コミュニティーのブリューワリーとしてクリスマス向けのビールで注目したいのが、Drafting Table Brewery (Wixom)のBourbon Barrel Aged Buzz Blanket (ABV 11%)。 クリーミーなstoutで、Traverse Cityの高地で作られたコーヒーとラクトースで醸造され、バーボンの樽に11か月間寝かせたものだ。「室温になるまで待った方がいいわよ」とサーバーに言われた。見る見るうちに表面の泡が消え、口にすると甘くバーボンの風味が口中に一気に広がった。ブリューワリーで缶入りを購入できるが、「2週間ほどすると売り切れて、あとはお店のタップで飲むだけになる」という貴重品。Drafting Table BCは多くの安定した味のビールづくりで、ブリューワリー通には人気だ。

 ホリデー休暇が続く12月、ミシガンのブリューワリーが工夫を凝らしたクリスマス・ビールをぜひ楽しんでいただきたい。

Griffin Clawの3 Scrooges
バーボン樽でビールを醸造する(Drafting Table BC)
Drafting Tableの缶のラインアップ。一番上がBuzz blanket (Drafting Table BC 提供)

 

 2022年が皆さんにとって良い年でありますように。   Cheers!

Atwater Brewery
Detroit/Grosse Pointe/Grand Rapids
www.atwaterbeer.com/

Drafting Table Brewery
Wixom
draftingtablebeer.com

Griffin Claw Club House
Birmingham/ Rochester Hills
griffinclawbrewingcompany.com

文&写真 by ヤマトノオロチ

 

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