
今回で花、植物に関する言い回しは終わりにします。
日本で愛されている木に「柳」があります。まず、「柳眉を逆立てる」ですが、美人が怒った時の様子を形容したもので、英語にすると “The beautiful woman raised her eyebrows in anger.”で、美しい眉を柳にたとえるのは西洋人にはピンと来ないでしょう。次に、以前にも出てきたかもしれませんが、「柳の下にいつもドジョウは居ない」は、同じ手を二回使えるわけではない、ということなので、英語で似た表現を探すと、 “A fox is not caught in the same trap twice.” (キツネは二度同じ罠にはかからない) とか “Birds never come back to last year’s nest.” (去年の巣には鳥は居ない) 等があります。
「柳腰」という表現がありますが、これはやはり女性に使われ、ほっそりとした腰つきのことを言いますので、“slim waisted”、また体全体を差して “slender” と言えます。因みに、この ‘slim’ や ‘slender’ は中立的な ‘thin’ に比べて良いニュアンスがあります。最後に「柳に風と受け流す」はさらっと嫌なことをかわしたり、聞き流すことですので、“handling things without making waves” とか “taking things in stride” と言います。類語として、「柳に雪折れなし」または「柳の雪に折れなし」というのもあります。
それでは、皆様が健康で良いお年を迎えられますように
上記についてご質問のある方、また、その他の表現について知りたい方は、izumi.suzuki@suzukimyers.com まで。―――――――――――――――――――――――――――――――――
鈴木いづみ:会議通訳者、公認法廷通訳者、アメリカ翻訳者協会日<>英翻訳認定資格を有す。通訳・翻訳・日英語学クラス等のサービスを提供する鈴木マイヤーズ&アソシエーツ(株)社長。www.suzukimyers.comaa