
澄んだ空気とやや色づき始めた木々の中、10月2日(土)、デトロイトりんご会補習授業校の大運動会が開催された。コロナ禍で昨年度は中止され、同校の運動会が開催されるのは、2年4か月ぶり。前週からの雨天順延での開催となり、会場はノバイ・メドウズ校の校舎後方のグランドとなった。例年は多い時には約1,000人弱の児童・生徒が一堂に会して競技するが、今年度はコロナ対策で密を避けるため、午前・午後の学年入れ替え開催となった。
開会式では、在デトロイト日本国総領事館の領事加藤 俊輔氏は、紅白のTシャツを着て整列した児童らに「がんばりましょう」と激励、林る美校長は運動会の準備に尽力したボランティアの皆さんへの感謝の言葉を述べた。
今年度は密にならないよう配慮を施し、競技の内容も多少変更されている。それでも運動会ならではの徒競走、綱引き、大玉転がし、紅白リレーは健在。幼稚園部の児童がボールを抱えながら一生懸命走る姿は微笑ましかった。また、小学部3年生の「綱引き」では、グラウンド一杯に大綱が伸ばされた。はやる気持ちで綱に触ろうとする児童に担当講師は、「先生が始め、と言ってから綱を引きますよ。まだですよ。」と何度も呼びかけていた。合図で一生懸命に引き始めると、会場全体は緊張感に満ち溢れ、オンラインではなく対面でしか感じることのできない臨場感と気持ちの動きがあった。
恒例の1年生の玉入れでは、無我夢中で紅白の玉を投げ入れる児童たちの活気あふれる姿が生き生きとしていた。 午後は4年生以上と中・高等部の競技となった。クライマックスの小学部リレーでは、力走する選手を児童らがポンポンを大きく振って応援。最後の種目、中・高等部リレーでは、高等部3年生が恒例の「仮装」をして登場。今年のテーマは「鬼滅の刃」で小学生は驚きの声を上げるとともに次々とアニメの登場人物が快走する様子を楽しんでいた。
結果は1,100点の大台に乗せた紅組が圧勝し、生徒代表が優勝旗を受け取った。白組代表には準優勝カップが授与された。
大会の後、中野ゆう子小学部教務主任にお話を伺った。今年も運動会の成功を祈りつつ楽しんでもらいたい、という気持ちでいたそうだ。約2年ぶりの開催とあって、教務・事務部もさまざまな趣向を凝らしたそうだ。急遽会場が小グラウンドに変更になったため、当初
諦めていた万国旗をフェンスに貼り巡らしたこと、フェンスに掲げられた「運動会」のサインは校長先生の発案で、事務局員が手作りの工夫を凝らしたこと、競技のネーミングに合わせてBGMを「水戸黄門のテーマ」にしたことなど、運動会の盛り上げを支えたエピソードを伺えた。また、前日の金曜日と当日の早朝から、
企業ボランティアの方々の尽力があったことに感謝の気持ちを述べていた。
子供たちがのびのびと競技を行い、その姿をカメラ席から保護者が場所を譲り合いながら見守る。参加・観覧した全員の心の中に思い出が大きく膨らんだ
2年ぶりのりんご会大運動会となった。 (JNC)