じっとりと汗ばむような雨の日が多い今年のミシガン。いつか南国で休みを過ごした時のように、水滴がたまっていくグラスのラガーを飲む爽快さ、倉庫の間を抜けて入ってくる風が心地よいー。夏は、開放感あふれるマーケットとビールを味わうには一番の季節だ。

店内から通りの方を臨む

 Lagerhaus No5は“デトロイトの台所”とも称されるEastern Marketにある。Welcome Centerからも目と鼻の先、マーケットを散策した後、ちょっとビールを楽しみたいという人に好条件な立地だ。
デトロイト、といえども気軽にアクセスできる。I-75を降りて2ブロック、駐車場は広々としておりマーケットに直結している。Eastern Marketは地元の人だけではなく、多くの人でにぎわう観光名所、という雰囲気もある。

 店内はこぢんまりとしたカウンターと、大きなテーブル、そして店頭にあるパティオ。この日の4種のラインナップはLager、Blonde、Pale Ale、Porter。やはり圧巻はLager。正統派のストレートなラガー、という印象だ。気軽にブリューワーのJamesが話に応じてくれた。Jamesが“Beer flavor beer”といったように、ビールはビールそのものの味を、という信念が表れている。「ほかのブリューワリーではHazy beerやflavor beerを出しているが、それを追うことなく作りたいものを作る」。Porterにしても、コーヒーとチョコレートの風味がしっかりと絡み合っている、正統派の風味がした。そもそもビールづくりを始めたのは20年前。買うよりも安くビールが飲めないかと思い、始めたという。他のブリューワーとは違い、そのための学校にも行っていないけれど、知人であるオーナーに誘われてLagerhausでビールを作ることになった。Lagerhausが順調なのでよかった、という。実は平日はEMSの仕事を24年間勤めており、来年退職後の人生のためでもあるという。自分はもう年を取っているから無理はできないけれど、と謙遜した言葉の中にも、情熱と人生の遊び心を感じた。

American Lager

 カウンターに座りながらJamesとの話はさらに弾んだ。コロナ禍の今年の冬、室内での飲食が制限されていたころ、店頭にテントをつくってビールを飲みつつスポーツゲームを見ながらお客さんを待っていた。寒くなったら店内に入り、ということを繰り返していた。そんな時にやってきたお客さんと意気投合し、ゲームを見ながら盛り上がったという。その時のお客さんが偶然、この日Jamesと話しているときに来店し、当時のことを笑い合っていた。コミュニティーともしっかりつながっている。また、店頭のテラスでビールを楽しんだどのお客さんも”Thank you”と言って、使ったグラスやボトルをカウンターに下げに来ていた。このLagerhausの持つほのぼのとした面を実感できた。

 次のJamesのプロジェクトはOktoberfest。もうすぐ取り掛かり、8月にはリリースの予定。Lagerhaus では25ヵ国(ベルギー、日本、スリランカ、ドイツ等)の缶・瓶入りビールもあり、6本購入で10%オフ。店内でも楽しめる。

 

Lagerhaus No. 5
1529 Adelaide St, Detroit, MI 48207
https://lagerhausno5.com/

Shedの中

 

文&写真 by ヤマトノオロチ

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