
先回に引き続き、植物関連の言い回しを見て行きます。「団栗(どんぐり)の背比べ」と言うのは、「大した差がない」ということなので、英語では“being much of a muchness” とか “being more or less the same” と説明的になります。「木の実は本に落つ」というのは、「物事は皆その元に帰る」という意味で、その場合英語は “All returns to dust.” ですが、英語のよく似た表現である “The apple doesn’t fall far from the tree” は「子は親に似る」という意味になり、ニュアンスがかなり違いますので気を付けてください。
次に「檜(ひのき)舞台」ですが、これは江戸時代にできた表現で、当時の格式ある舞台は高級な木材である檜で作られ、そういった舞台に立てる役者も一流である、という概念がありました。ですから「役者が檜舞台に立つ」というのは、“The actor takes the stage of a major theater.” で、そこから舞台でなくても人生で「脚光を浴びる」、即ち “got into the limelight” と言います。
さて、一転して「茨(いばら)の道」はどうでしょうか?これは英語でも似た表現があり、“a thorny path” (トゲだらけの道) とか “a rocky road” (石ころだらけの道)となります。
上記についてご質問のある方、また、その他の表現について知りたい方は、izumi.suzuki@suzukimyers.com まで。―――――――――――――――――――――――――――――――――
鈴木いづみ:会議通訳者、公認法廷通訳者、アメリカ翻訳者協会日<>英翻訳認定資格を有す。通訳・翻訳・日英語学クラス等のサービスを提供する鈴木マイヤーズ&アソシエーツ(株)社長。www.suzukimyers.com