
以前にも訪れたことがあったが、暖かな季節に必ず訪れたいと思っていたブリューワリーがあった。グラスを掲げたポーズはデトロイトの労働者の姿を表す、というロゴが特徴のAtwater Brewery Grosse Pointe Parkだ。Atwater Breweryはデトロイトのダウンタウン、グランド・ラピッズにもTap Roomを構えるが、このGrosse Pointe ParkのTap Roomはミシガンの中でもひときわ美しいブリューワリーといえる。コロナ禍の規制が緩和されつつある新緑の日に訪れてみた。
Grosse Pointe Park はデトロイトのダウンタウンから6マイル(約9.7Km)に位置している小さな町。Atwater BreweryのあるGrosse Pointe Parkのダウンタウンはデトロイトの北端に接し、数ブロック先はStellantisの工場の、Mack Engine PlantとJeep Grand Cherokeeを作るJefferson North Plantがある。現在でもJefferson North Plant の入り口にはChryslerのお馴染みのpentastarロゴが掲げられている。1936年に建てられた教会をリノベーションしたAtwater Breweryは往年の自動車産業の華やかさを感じさせる工場から3分ほどのところにある。
教会の前庭であったであろう屋外のビアガーデンにはすでに開放感を楽しむ人の姿が見られた。屋内は圧巻だ。こぢんまりとしたバーエリアはステンドグラスの方を向いている。高い天井から反響した人々の会話の声が活気を感じさせる。平日にもかかわらず、コロナ禍の規制が変化しつつあるときに、人々は楽しみを求めてこの美しいブリューワリーを訪れているのであろう。

人気のHazy beerのDetroit
City Juice (IPA, ABV. 6.3%) は期待通りによかった。少し甘めの風味だったが、グラスにつがれてから時間がたっても苦みがなく、十分に楽しめた。Atwater Breweryのビールは店頭でもよく見かける。Dirty Blonde, Vanilla Java Porterなどだ。特徴のある製品ラベルのグラフィックが印象的だ。最近の季節に合いそうなGuavaやパッションフルーツ風味のPog-O-Licious (IPA, AVB 6.5%)もいい。こぢんまりとしたAtwater Breweryだが、キッチンのメニューもサンドイッチ、ピザ、サラダなどが豊富。特に座席はバーのほかにグループで楽しめるテーブルが配置されており、訪れた日も家族連れで楽しむ人たちがいた。また、ホールの両サイドはハイチェアーがあり、静かにプライベートの時間を楽しみたい人のためのスペースもある。
サーバーステーションの背後のステンドグラスと大きなアーチを描く天井は美しく開放感で満たされる。訪れてよかった、と思えるブリューワリーだ。

ATWATER IN THE PARK
1175 Lakepointe St. Grossee Pointe Park, MI 48230
https://www.atwaterbeer.com/
文・写真:ヤマトノオロチ