350ものブリューワリーが興隆したミシガン。この1年で、オープンしたにかかわらずコロナ禍でドアを閉ざさざるを得なかったところ、大手ではあるが規模を縮小せざるを得なかったところも多い。今回はその中でも“生き残り”、新たな発展を目指しているアーバンヒルズのBlue Skies Breweryを紹介する。

 アーバンヒルズといえば、デトロイトのNBAチームPistonsが2017年までは本拠地としていたThe Palace of Auburn Hillsを思い浮かべる人もいるかもしれない。そこよりもBloomfieldの隣にアーバンヒルズのダウンタウンがある。ダウンタウンはここ5年ほどで再整備された。Blue Skies Breweryはそのダウンタウンの真ん中にある。

 すでにOnsted(Jacksonの西)にブリューワリーを構えていたが、アーバンヒルズのTap roomは2020年の5月にオープン。「オーナーは商用パイロットで、ハンガーで友人たちと自家製ワインを楽しむところから、“natural progress”—自然にビールづくりへと変わっていった」と、いう。「ハンガー」は飛行機を停める倉庫のこと。このアーバンヒルズへ今でもOnstedで醸造したビールが届けられる。「コロナ禍の真っただ中にオープンしたが、生き残れたのはcurbside pick upがあったから。コミュニティーの協力も大きい」とフロアー担当のTom。そのピックアップのメニューで特筆すべきものが、ホットサンドイッチpanini サンド。6種類、すべて注文を受けてから作り、それぞれの肉にあったソースはTomが作る。店内を訪れた時もこのpaniniを楽しんでいる人たちが多かった。キッチンの大きさに制限があるが、「まずフロアーの規模に左右されないで提供できるpaniniが受け入れられた」という。ビールとワインも合計20種類近くある。中でもHazy IPAのNew England IPA ー BSBCではネーミングはビールの種類そのままなのでわかりやすい ーは、フルーティーで、Citraホップの風味がよく印象に残った。

 生き残りの次は、とTomに聞くと、店内に作った「コーヒー・バー(Layover)はあと30日すればオープンする」という。Tap roomは平日は午後4時から開店だから、朝7時からコーヒースタンドを開き通勤前に寄ってもらおう、というアイディアだ。ファストフード的なコーヒースタンドとは違う、伝統的なコーヒーを楽しんでもらいたい、という。実際、アーバンヒルズにはクライスラー・テックセンターがあり、これもミシガンに長年住んでいる方はご存じかもしれないが、Pontiac SilverDome(かつてのDetroit Lionsの本拠地で現在はAmazonの物流センター)からもBSBCはほど近い。アーバンヒルズの再興とともに新たに移り住んでくる人も多い。コロナ禍の閉塞感を破る“natural progress”を続けるBSBCに新たな希望を感じる。

Blue Skies Brewery – Auburn Hills
3358 Auburn Road,
Auburn Hills, Michigan 48326
http://blueskiesauburn.com/

文・写真:ヤマトノオロチ

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