先回は食べることに関する動詞を使った言い回しで「食べる」「食う」を含むものを見ましたが、その続きで「飲む」「呑む」を見てみましょう。「誰々の爪の垢を煎じて飲んだら」という表現をよく使いますが、まさかこれはそのままでは通じません。“You ought to pray to God that you might have even one thousandth of his virtue.” (彼の徳の1000分の1でも得るには神に祈るしかない)、で結局は神頼みしかないよ、ということですね。「とうとう彼は要求を呑んだ。」は、“He finally accepted the original demand.” となります。「コンサートに行きたいのは山々だったが、涙を呑んで見送った。」は、“I really wanted to go to the concert, but I gave up, choking back my tears” で、割にそのままの訳になります。

 「観衆は固唾を呑んで試合を見守った。」 は、“The audience watched the game with bated breath.” で「息を止める」という表現になります。「雰囲気に呑まれちゃって何も言えなかった。」などと言いますが、これは “I was overwhelmed by the atmosphere and couldn’t say a word.” と言えば良いでしょう。「この世をうまく渡るには、清濁併せ呑む必要がある。」は、少し長くて説明的になりますが、“You need to be broadminded enough to associate with people of all sorts to live in this world successfully.” と言えば通じます。最後に、「彼に煮え湯を飲まされた。」は、裏切られてひどい目にあうことの例えですから、
“I was completely let down badly by him.”とか “He betrayed me.” でいいでしょう。また、英語でも比喩的に「火傷(やけど)させられた」という表現、“I was badly burned by him.” を使うこともできます。

上記についてご質問のある方、また、その他の表現について知りたい方は、izumi.suzuki@suzukimyers.com まで。

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鈴木いづみ:会議通訳者、公認法廷通訳者、アメリカ翻訳者協会日<>英翻訳認定資格を有す。通訳・翻訳・日英語学クラス等のサービスを提供する鈴木マイヤーズ&アソシエーツ(株)社長。www.suzukimyers.com

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