
蛍がだんだんとまばらになってきて、短い夏の後半に差し掛かりました。毎日蒸し暑い日が続きますね。外出規制が解除された後、ゴルフコースや練習場はどこも混んでいて、周りのプロ仲間はこの状況に驚きつつ「休む暇がない!」と、喜びの?悲鳴をあげています。しかしミシガンの感染者数は少しずつ増えてきているので、またゴルフコースが閉鎖されないよう祈るばかりです。
さて、今月号も引き続き「寄りやすさ」についてお話ししたいと思います。先月号では、ボールのバウンドは光の反射と同じで、着地点の傾斜によってバウンドや転がりが変化する、というお話をしました。
もし着地点が平らであったら、ショットが短くて手前でバウンドした場合、ボールは手前で止まります(1)。ショットが長すぎた場合、ボールはピンを超えて止まります(3)。
着地点がマウンドだったらどうなるでしょう?ショットが短くて手前でバウンドすると、ボールは真上へ跳ねて極端に転がりが減ります(4)。ショットが長すぎてマウンドの奥へバウンドすると、ボールは低く跳ねて長く転がってしまいます(6)。つまり、マウンドがあるところでショート、ロングに打つと、ミスはかえって大きくなってしまうのです。
窪みに着地したらどうなるでしょう? ショートした時は低く跳ねて長く転がり(7)、長く打った時は上へ跳ねて転がりが減ります(9)。つまり、窪みにバウンドさせると、ミスによるブレを最小限に抑えることができるのです。
アプローチショットの落とし場所を決める時に、この法則を知っていると役に立ちます。「そんなこと言ったって、狙った場所になんか打てない!」というつぶやきが聞こえてきそうです。ハイ、その通りだと思います。芝生の深さやイレギュラーなライなど、練習場のマットからのように上手に打てない場面はたくさんあります。たとえボールがそこへ行かなくとも、意志を持って狙うこと、決めて打つこと、が大事です。
5mチップショットのつもりで打ったけど、思ったより転がらなかった、では今度は、少し振り幅を大きくしてみよう、ロフトの立ったウェッジを使ってみよう、というように、毎ショットのスイングとショットの結果を、脳にフィードバックをかけながら学習を繰り返すことが上達につながります。ショートゲームはいつもトライアル&エラー。知識と想像力を総動員させて、最適なショットを探します。狙い通りに打てた時は、思いっきりドヤ顔で笑ってください。ゴルフがどんどん面白くなるはずです(^^)。
<プロフィール> 東京都出身、慶応大学法学部卒。駐在員の妻としてミシガン滞在中にゴルフを始め、ゴルフ好きが高じて2009年にPGAメンバーとなる。「もっと遠くの、 狙った場所へ」をモットーに、Novi Oaks Golf Centerでレッスンを行なっている。
(sonya_nomura@pga.com / www.crazygolfersworld.com)