言葉の架け橋
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食に関する言い回し(7)

今回は魚に関するものです。「腐っても鯛」は優れたものは痛んでもそれなりの価値はあるということのたとえですが、英語で近い言い方としては、
“A diamond on a dunghill is still a diamond.” (ダイアモンドは糞の山にあってもやはりダイアモンド) というのがあります。「海老で鯛を釣る」は、似た表現があり、“Use a minnow to catch a whale.” (小魚を使ってクジラを捉える)です。「彼の怒った顔は茹でダコみたいだ。」は、“His angry face is as red as a lobster.” で、タコがロブスターに変わります。「俎上の魚」あるいは「まな板の上の鯉」はどうでしょうか? もうどうしようもないので観念する、ということなので、“have no control over (the matter)” とか “be doomed” が使えます。

「柳の下にいつもドジョウはいない」は、「二度あることは三度ある」(What happens twice will happen three times) の逆ですから、“A fox is not caught in the same trap twice.” (同じ罠にかかるキツネはいない) や “There are no birds in the last year’s nest.” (去年の巣に小鳥はいない) が概念的に非常に似ています。「すし詰め」と言いますが、これは英語でも魚で表され、“Packed in like sardines”(イワシのように詰められる) が使えます。最後に、「鯖を読む」は、一説に魚市で鯖を数える時にわざと急いでその数をごまかすと言われるところから、実際より多く行ったり少なく行って数をごまかすことです。英語では、  “To fudge the numbers” とか、“cook the books” (会計で)  と言います。

上記についてご質問のある方、又その他の表現について知りたい方は、izumi.suzuki@suzukimyers.com まで。

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鈴木いづみ:会議通訳者、公認法廷通訳者、アメリカ翻訳者協会日<>英翻訳認定資格を有す。通訳・翻訳・日英語学クラス等のサービスを提供する鈴木マイヤーズ&アソシエーツ(株)社長。www.suzukimyers.com

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