
アメリカでは、1918-1919年に起ったスペイン風邪の経験をもとに、多くの判断がなされています。このスペイン風邪では5億人が死亡しましたが、第2波が第1波よりもずっと被害が大きく、第3波もおこりました。現在は、新型コロナウィルスのワクチンも治療も確立していない中、経済への配慮から、自粛規制は徐々に解除されつつありますが、いつまた大量感染の波がきてもおかしくない、という状況です。
今のところ、6月12日まではミシガン州では自宅待機命令が持続しているので、飲食店や美容院などはまだ開業していませんが、食料品以外の小売業は再開していることろもあります。ただし、social distancingに配慮するのが条件となっています。
そこで、州知事による自宅待機令が解除されても、新型コロナウィルス感染が起こる前に戻るということではなく、いわゆる、「New Normal」(新しい基準・常識)が始まるということで、常に感染の危険はあるという事を意識しておくことが大切です。
会食をする場合など、マスクをしたまま食べることは不可能なので、外すことになりますが、1.8メートル離れていることが推奨されています。飲み物やフォーク、お箸などの使いまわしは避けましょう。また、一度かかったらもうかからないという保証はありません。抗体検査や、過去の感染の既往などは、今後の感染の可能性を占えるものではないので、全員が気を付けることが重要です。
過去記事:COVID-19 今一度気をつけたいこと
筆者 プロフィール
医師 リトル(平野)早秀子 ミシガン大学家庭医療科助教授
1988年慶応義塾医学部卒業、1996年形成外科研修終了。2008年Oakwood Annapolis Family Medicine Residency 終了後、2008年より、ミシガン大学家庭医療科でミシガン家庭健康プログラムで日本人の患者さんを診察しています。産科を含む女性の医療、小児医療、皮膚手術、創傷のケアに、特にちからを入れています。ミシガン大学についての情報は、ウェブサイトで確認できます。https://medicine.umich.edu/dept/japanese-family-health-program