食に関する言い回し(6)

今回は「飯」の続きから始めましょう。「他人の飯を食う」は親元を離れて他人と暮らすことですが、特に英語では表現がなく、“To leave one’s parents’ home and live with other people” と説明的になります。「無駄飯食い」は、“ne’er-do-well”ne’ernever の省略形、この場合 [v] は発音しない)とか “idler”、又 “good-for-nothing ” で、何の役にも立たない人のことです。「一つ釜の飯を食う」は、“to break bread with somebody” です。ちなみに英語文化では生活収入を稼ぐ人を “breadwinner” と言います。日本のお米に代わって西欧ではパンが主食ですから。

 次に「油」です。「油を売る」とは、無駄話をして時間を費やし、仕事を怠けることですが、これは江戸時代に髪油の商人が婦女に長々と世間話をしながら売っていたことに由来するようです。英語では、“to loaf” という言い方がありますが、これはパン一斤を意味するloaf とスペルが同じでも関係ありません。口語では “to goof off” が良く使われます。「油を搾る」は、例えば「先生に油を搾られた。」であれば “My teacher raked me over the coals.” とか、“The teacher chewed me out.” と言えます。このような表現の方が、“The teacher reprimanded me severely.” より面白いし、表現が生き生きしますね。「(火に)油を注ぐ」はとても似た表現があり、“to add fuel to the fire” と言います。最後に、漢字は違いますが、「脂が乗る」という表現があります。「彼、今脂乗ってるねえ」という時は、“He’s now in the groove/zone.” と言えばいいでしょう。

上記についてご質問のある方、又その他の表現について知りたい方は、izumi.suzuki@suzukimyers.com まで。

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鈴木いづみ:会議通訳者、公認法廷通訳者、アメリカ翻訳者協会日<>英翻訳認定資格を有す。通訳・翻訳・日英語学クラス等のサービスを提供する鈴木マイヤーズ&アソシエーツ(株)社長。www.suzukimyers.com

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