言葉の架け橋
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食に関する言い回し(5)

今回は日本人の生活に深く入り込んでいるお茶に関連するものを見てみましょう。いくつもすぐに思い浮かぶものがあるのではないでしょうか。「お茶の子さいさい」はとても易しい、という意味合いですが、これは英語でも食べ物を使った表現があり、“it’s a piece of cake” です。 「臍で茶を沸かす」は馬鹿々々しい、という意味で、英語では  “That’s ridiculous.”  とか “That’s bizarre. ” が良いでしょう。「鬼も十八、番茶も出花」は、“Anything is good/beautiful at its peak.” でどうでしょうか。

「お茶を濁す」と言いますが、これは「いい加減にやる」という意味と、「的を射た答えをしない」という二つの意味があります。前者は、“Do something half-heartedly” という言い方があり、後者は “Reply evasively”、敢えて食べ物を使えば  “Fudge one’s answer” となります。“Fudge” は名詞であればあの甘いお菓子ですが、動詞の場合は「はぐらかす」「ごまかす」という意味です。「お茶を濁す」よりもっと悪質な感じがします。

 もう一つ、お茶を使った表現で、「茶々を入れる」というのがあります。人が話しているときに、からかって何か言うことですから、 “To make teasing remarks” でいいと思います。似た表現で、「水を差す」というのがありますが、この方が質が悪く、英語でも似た言い方で、“throw cold water on” とか “throw a wet blanket over” と言います。

上記についてご質問のある方、又その他の表現について知りたい方は、izumi.suzuki@suzukimyers.com まで。

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鈴木いづみ:会議通訳者、公認法廷通訳者、アメリカ翻訳者協会日<>英翻訳認定資格を有す。通訳・翻訳・日英語学クラス等のサービスを提供する鈴木マイヤーズ&アソシエーツ(株)社長。www.suzukimyers.com

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