
第一回目のよりみちスポットは、日本スイーツ好きの間で話題になっているオープンしたばかりのWhite Wolf Japanese Patisserie。 中に入ると、外からみるより意外に広く、モダンでゆったりした雰囲気の店内。店名から「ザ・和」といったテイストかと思えばそうでもなく、東京、NYのカフェのよう。よくよく見なければ日本の要素が入ったカフェと一目ではわからないが、カウンターに近づくと、見慣れた和風の茶器、茶せん、日本製コーヒードリップのセットなどが並ぶ。商品をみると日本を色濃く意識したデトロイト近郊でも異色のカフェ・ベーカリーだ。取材には、こちらのトップシェフDoranさんが温かく迎えてくれた。
オーストラリア出身のシェフDoranは、お母様がイタリア人。いつも料理をしていた家庭に育ったという。料理学校ではフレンチを学びその後NYに渡ると、レストラン Morimotoのポジションをゲット。デザートのセクションに配属される。TVショー「料理の達人」“和食の鉄人”こと森本正治シェフのレストランだ。そこでみっちり和のスイーツを極め、その後は、GoogleやPixarなどでもシェフを務める。日本では蕎麦造りをはじめとする真の日本食も経験した。
ショーケースをみると、日本のスイーツの要素をふんだんに取り入れた数々のケーキやパン、菓子類が美しく並んでいる。 フルーツ、抹茶、あんこ、クリーム、ゆず、ごま、きなこなど、日本人ならみなが親しんできた材料のものばかりだ。お味は、シンプル、というと語弊があるかもしれないが、何が入っているか、シンプルに素材の味がしっかり伝わるものばかり。甘さも強すぎず、すでに日本人の料理好きの間では、「ここは良い」とお墨付き。どこか「今」を感じさせるセンスが光っていて、日本のケーキに+αのアレンジが加えられた新しさを感じる。また、コーヒーは様々なロースターのものを揃えていてそこへもこだわりをみせる。「できる限り地元のものを使用し、素材の味を引き立たせるスローフードの概念を大切にしたい」と言うシェフは、内装は白黒と木の味わいを基調とし、すべてメープルの木で統一。これもメインの商品が引き立つように、と全ての面においてシェフのこだわりを形にしている。
こちらのカフェは、ミシガンの日本食材店ワンワールドやノーブルフィッシュを傘下にもつTrueWorld社と、シェフDoranとのコラボで実現されたベーカリー。新型コロナウイルス拡大の影響を受け、現在はオンラインで注文、ピックアップで対応している。カツカレーや唐揚げもメニューに加わった。
ぜひ、いつかこの窮屈な生活から開放された時に、またゆっくり立ち寄りたい素敵な場所でした。 (JNC編集部)
(再編集:2020年8月25日時点)その後、現在もオンライン販売、カーブサイドピックアップ、配達もあるが、店内での購入も再開した。
———————————–
White Wolf Japanese Patisserie
31 E. 14 Mile Road, Clawson, MI
whitewolfbakery.com
———————————–