4月2日、MKT Homes / Japan ニュース 倶楽部 共催にて、ミシガン州の新型コロナウイルス情報(2020年4月1日時点)についてのウェビナーを開催しました。講師には、ミシガン大学病院 家庭医療科リトル(平野)早秀子先生をお招きし、現時点での医療の現状について、また、自宅待機、他人との距離を保つこと(Social  Distancing)がどのように重要か、など「今、気をつけること」についてわかりやすく説明していただきました。下記よりご覧ください。

前半部分のウェビナー動画を公開しています。後半の質疑応答は、動画の下に掲載しています。

___

後半、質疑応答は以下のとおり

Q. 万が一家族が体調を崩した場合は?
A. 隔離をすることが一番。ウイルスに効く薬が現在ないので、症状を抑える薬を使う以外にありません。解熱剤は、アセトアミノフェン(Tylenol)をまずは試してください。 イブプロフェン、は新型コロナウイルス感染を悪くするのではないかという話がでまわっていますが、イブプロフェンなどの消炎鎮痛剤(ロキソニン、Aleve等)が理論的に悪影響があるかもしれない、という以外には、今のところはっきりしたデータがありません。 現在のところは、熱がアセトアミノフェンで下がらない場合で、水分も取れず食事もできない場合、消炎鎮痛剤を飲んだほうがいい場合もあると思うので、医師と相談してください。 一般の風邪症状の薬や咳止めは、市販のものは使用してかまいませんし、効果がないようであれば、主治医に電話で相談し処方してもらうことも可能です。息苦しい場合は主治医に相談してください。

Q. ハンドサニタイザー、消毒用ワイプが入手困難です。家で使えそうなものがありますか。
A. 普通にハンドソープ、皿洗い用石鹸で20秒以上洗えれば良いです。

 

 Japan News Club 4月号オンライン版

Q. 食料など買い物したものを自宅に入れるまで数日ガレージや車に置いてそのままにしておいた方がよいと聞きましたが?
A. できる状況ならば、感染率はさがるでしょうが、気温があがってきているので、外に置いておくと腐ってしまうので、現実的ではないです。買ったものを消毒薬で拭くなどすれば、リスクを減らせるのでしょうが、100%ウィルスをゼロにすることは不可能なので、なるべく減らすようにすることをお薦めします。 箱入り、パッケージに入ったものが、Bulkで自分で掴んで取れるものよりは安全。

Q. マスクの使用について、必要か。また手作りマスクを病院に寄付できるのですか?
A. マスクは飛沫感染させないよう注意するのには良い。することによって、自分が感染することは予防できないが、他人にうつさないためには効果的です。寄付については、病院では、すでに効果が実証されている製品以外は使用できないので、手作りのマスクは病院では使用できません。一般の方への寄付は良いと思います。自分がもっている(かもしれない)ものをうつさない、という目的ではマスクは有効。

Q. 症状が出ていない場合、外を散歩、外出をする場合、マスクはした方が良いですか。
A. 外の散歩はマスクは必要ない。 屋内では、飛沫したものが長時間その場の空気に残るので、飛沫を減らすためにもマスクを推奨します。 外は風も吹いているので、2メートルの距離を保てば、マスクはそれほど重要ではないと感じます。

Q. 感染が地区により差があるがなぜだと思いますか。
A. ミシガンの場合、最初の症例が入院して診断されたとき、すでにコミュニティーには感染者が多くいる状態で、新型コロナの診断のついた入院患者は氷山の一角だったのです。コミュニティーに蔓延してしまった状態では、感染経路を特定することは不可能で、どこから来てどのように増えたかは、後からはわからない。ウェインカウンティ、デトロイトが多いです、オークランドカウンティも多い。日本で報告されているように、感染の広がりは、クラスターが原因のようだが、どこでどのようなクラスターがあって、今のような感染分布になったは、調べようがない。

Q. ミシガン大学病院、プロビデンス病院など日本人が利用している病院の収容人数状況の現状を知りたい。
A.  私個人は、他の病院のことは知らないので、答えられませんが、ミシガン大の感染者収容施設はまだたくさん開いています。いつもは満床の病院ですが、新型コロナウイルスの患者の入院に備えるために、予定手術を延期するなどして、ベッドを開けて、新型コロナ患者の入院に備えています。 現在、皆が特に対策をしなければ、4月10日には満床になります。皆が自宅待機を守れば、満床になるのは、4月25日という予想です。それも、ピークはもっと多く、おそらく3000人から6000人のベッドが必要な状況になる見込みです。ただ、満床になるのを遅らせられれば、その間に野戦病院を作るなどしてベッドをを増やしたりする対応をする時間が稼げます。医療崩壊を避ける目的で、皆さんにはこの時期の自宅待機令を守ってほしい。 デトロイトのTCFセンターをコロナ患者施設として用意するなどしているのが、その例です。また、ベッドを開けるために、緊急以外の手術は延期しています。外来でも、普通のヘルスチェックなど延期できるものは延期し、ビデオ、電話などでできる外来診療はしています。

Q.検査してほしいのにしてもらえなかったという場合があるようですが。
A. ミシガン大学もほかの病院でも、検査をする基準が決まっていて、それに満たない人は検査していません。今のところ、熱・咳・呼吸が苦しいの3つのうち2つがあり、リスクがある人が検査します。入院するほど悪くなくて、持病のない若い人は、検査の基準に達しないかもしれません。検査はしてもしなくても、やることはかわりません。コロナが陽性で酸素が必要ない場合、するのは、自宅隔離と対症療法。陰性だとしても、新型コロナの感染がないという保証にはなりません。 検査の感受性は低く、症状が軽い人の検査の感受性はさらに低いので、検査が陰性でも、感染しているかもしれません。そうなると、やはり自宅隔離。 なので、検査をするかどうかはそれほど重要ではなく、風邪症状、咳、熱、がある場合は自宅隔離をすることが重要です。呼吸苦がでるようなら、主治医に連絡してください。

Q. 主治医がいない、病院に長い間かかっていない方へのアドバイスをください。
A. 主治医を登録することは重要です。救急外来やUrgent careに直接いくことで感染の危険も増えますし、電話で適切な対応を相談できる環境を作っておくことは重要です。ミシガン大は新患をうけつけています。どこでもいいので、近くで主治医登録をしましょう。

Q. そのような状況で、症状が出てから、例えば初めてリトル先生に主治医の登録をするのは遅いのか。
A. ミシガン大学の場合は、現在の状況では、直接救急外来に行くよりはましなので、新患でも具合悪いときには電話診察ができますが、本来は、悪くないときにあらかじめ電話して、予約をとり、主治医登録をして、病歴などを相談しておく方がいいです。

Q. レストランのテイクアウトは安全ですか?
A. どのレストランが安全で、どのレストランがそうでないのかは、判断できない。 レストランも食料品店も今は手袋をして料理をしたり食べ物を触っているはずで、手を洗い対応をしっかりしているはず。

Q. コロナ感染者でない者は通院できるのか。
A. 他の病院はわからないが、基本的にはどこの病院も外来は絞っているはず。来たるべきコロナ患者の入院のためのスタッフ、ベッド、防護服を守るため、また、患者さんの感染リスクを下げるため、現在外来はほとんどビデオ、電話などの診療が主になっています。必要な場合は、電話で相談してください。必要な診療はしています。

Q. Urgent Careでは電話対応してくれるのか?
A. Urgent Careは基本電話はやってくれない。ウォークインは、そこにどんな人がいるかわからないので、感染リスクが高く、できれば避けたい。 ミシガン大学では、電話で相談して、熱、咳の症状があれば、一般の外来ではなく、感染症かもしれない人がいく診療所に行くようになっています。一般の外来はその意味で、比較的安全です。Urgent Careは、感染症疑いも、症状のない人も来るので、できれば、今は行かないほうが良い。

Q. コロナの検査を断られたら、別のところに行っても断られるのか。
A. 検査をすることが一番重要だとは思っていない。わかっても、わからなくても症状があれば自宅隔離。治療方針は変わらない。よくあるのが、新型コロナに感染すると、徐々に息苦しくなり、悪化してくることがあります。検査をうけて陰性でも、3日後呼吸苦がひどくなって入院になることもあり、その場合は、また検査をして陽性になるかもしれません。 検査の感受性が低いので、検査して陰性と出ても、新型コロナにかかっていないという証明にはなりませんし、あとからどんどん具合が悪くなれば、検査はすることになるでしょう。だから、自宅隔離をして、症状に気を付けて、悪くなるようなら、主治医に連絡してください。

Q. 誰も乗っていないエレベーターなど。密室について。空気感染はあるか?
A.  可能性はある。階段で上がれるなら良いが、階段も風通しもよくない場合もあり、手すり、スイッチもあったりするので手を洗うことが重要となる

Q.消毒液、トイレットペーパー、サニタイザーがない、その他キッチンカウンターを拭いたり、食料品はどうすれば?
A.ブリーチを薄めて使ったり、洗剤で大体は問題ない。

Q. 乳酸菌を取るのは有効か。
A. 乳酸菌、発酵食品、ビタミンC、温かいもの、スープを飲むなど、体によかったり、免疫をあげたりするには良いかもしれないが、新型コロナに効くかというと、データがない。水分をとるのは良い。(熱が出たときは水分をとってください)

___

以上が当日の質疑応答です。

ーーーーーーーーーー

講師プロフィール

リトル(平野)早秀子
ミシガン大学家庭医療科助教授

1988年慶応義塾医学部卒業、1996年形成外科研修終了。2008年Oakwood Annapolis Family Medicine Residency 終了後、2008年より、ミシガン大学家庭医療科でミシガン家庭健康プログラムで日本人の患者さんを診察しています。産科を含む女性の医療、小児医療、皮膚手術、創傷のケアに、特にちからを入れています。

ーーーーーーーーーー



 

返事を書く

コメントを記入してください
お名前を記入してください