閏年で1日多かった今年の2月も過ぎて3月『弥生』となりました。暖冬の所為か何年も前に家内が前庭に植えたクロッカスと水仙の球根が今年はいつもより早く芽が出て伸び始めている気がします。若芽たちは先日の雪にビックリして一瞬身を縮めたかもしれませんが、その後数日続いた好天で「春よ、来い!」とばかりにまた背伸びを始めています。

 私事になりますが、先月の誕生日で満70歳『古希』を迎えました。本来なら数え年で祝うのが慣しですから昨年既に古希だったのですが、数え年が一般的でない昨今は満年齢を使うケースが多いですし、この年齢になると年を取るのは少しでも遅い方がいいので全く拘りはありません(笑)。閏年の2月29日生まれの人は暦上4年に一度しか年を取らないので、私と同じ1950年生まれでもまだ18歳にもならない青二才ですね。還暦の60歳を過ぎてから特にこの2〜3年体力と気力のレベルダウンは否めず、仕事でも趣味でも我武者羅(がむしゃら)に働いたり、無理をすると後でツケが回って来ますが、ボケ防止を兼ねて長年お付き合いのあるクライアントや友人・知人の紹介でコンタクトがあった方からのご相談、依頼案件は「私でお役に立てれば・・・」という感じでお引き受けしています。ゴルフ環境の素晴らしいミシガンですが、残念ながらゴルフはもう10年程前にバッグを自宅のベースメントに移してからクラブに触ってもいません。今はもっぱら短い時間で運動量の多い週末テニスだけが運動らしい運動です。夏はアウトドア、冬はインドアで週末の数時間のみで平日はほとんど運動していないので、昨年辺りから目に見えて手足、胸、肩の筋肉量が減り始めており、私より年上で健康寿命90歳を目指して毎日ビシバシ運動している日本の元勤務先OBの先輩から「70歳あたりから筋肉が減る。肉を食え、良質のタンパク質を摂れ」とハッパを掛けられていますが、この年になると余り肉を食べたいとも思わず、無理して食べられないし、タンパク質補填サプリで代替えも好きではないので苦戦しています。

 スポーツの世界では、2月号の原稿を書き終えたタイミングの1月末にNBAの名門ロスアンゼルス・レーカーズ一筋で20年間活躍し、2016年に引退したカリスマ的リジェンドであるコービー・ブライアント氏が娘さんのバスケットボールの試合会場に一緒にヘリコプターで移動中に墜落、炎上した事故で急逝されました。全く突然の訃報に世界中のバスケットボールファンのみならず、各種スポーツ界や芸能界の多くの現役・OBプレーヤー、リジェンド、セレブも悲しみに包まれました。私は小・中学生時代から高1頃まで身長が低く手も小さかった(今も)ため数ある球技の中でもバスケットボールだけは苦手でフリースロー位しか楽しみがありませんでしたが、米国デトロイトに赴任した1990−91年、91−92年のシーズンはバッド・ボーイズと呼ばれハーフ・コート・オフェンス&ディフェンスを特徴としたデトロイト・ピストンズがNBA2連覇した時と重なり、一気にファンとなりました。今は跡形が無くなった当時のピストンズの本拠地パレス・オブ・オーバンヒルズにも足を運び、ドーム天井辺りに立ち込めたタバコ(多くは葉巻)の煙(文字通り紫煙でした)にむせながら声を枯らして応援したものでした。コービーは少し後の95年に17歳でデビューし、直ぐに注目を集めるスター選手の仲間入りをしたものの、若い頃はちょっと生意気な発言と態度が気に障りましたが、同じくN B Aプレーヤーだった彼のお父さんが神戸ビーフに因んでKOBEという名前にしたと知って親しみを感じました。亡くなった娘のジアナさんもバスケットボール大好き少女で自分もジュニアでプレーし、父親であるコービーが友人から「息子を作ってバスケの後継ぎにしろ」と言われた際に「私がやる!」と健気に答えたエピソードがあり、将来間違いなくWBAで活躍するだろうし、ひょっとするとNBAで史上初めてプレーする女性プレーヤーになるかもしれないとまで期待されていただけに大変残念です。大の仲良しだった父娘、お二人のご冥福をお祈りします。R.I.P.(合掌)

 さて、前書きが超長くなってしまいましたが、今回のテーマは『どちらが怖い、新型コロナ?トランプウィルス?』です。

 皆さんも連日TVや新聞、インターネットのニュース、報道・記事で毎日刻一刻と感染対象国、感染者数、死亡者数が拡大・増加している新型コロナウィルス肺炎騒ぎで不安がつのり、気が気でないと思います。特に母国である日本と現居住国である米国に関しては最新の出来事と近未来予想及び対応・対処方法に関して信頼出来る政府公共機関及び専門家からの迅速かつ正確な情報が何よりも欲しい状況です。

 しかしながら現実は、健康・衛生面で世界的リーダーであるべきWHOが今更ながらの非常事態宣言の深刻度をランクアップすると同時に各国の対応レベルアップ要請をする体たらくで、誰が(Who?)今頃そんな事を言っているんだ?という感じです。日本政府の安倍政権、厚労省の対応も横浜港でのクルーズ船乗客・乗員の取り扱いを始め、的外れで後手後手の拙速感が否めず、ここに来て突然泥縄式に3月末まで小中学校の一斉休校要請など思い切った緊急対応手段を取り始めましたが、「時既に遅し」の感があり、既に国内各地でホテルの破産に繋がったインバウンド来日客の予約キャンセルの他、自主的に各種イベント中止や無観客試合開催などが次々と報道されており、いよいよ東京オリンピック開催も本当に危なくなって来ました。オリンピック招致と会場建設・整備、関連準備費用など官民あげて多大のお金と時間を掛けて、昨年のラグビーワールドカップ日本大会に続いて『おもてなし』による景気刺激・高揚を目指していたのに、万一延期か中止の事態となれば完全にコスト割れで赤字となり、当初の目論見は外れて消費税アップの残骸だけが残り、不況感が増すばかりという最悪のシナリオになりかねません。これに焦点を合わせて日々の努力を続けて来た各国の代表選手達にも気の毒な事になります。

 当地米国では、先月議会上院での大統領弾劾裁判が無罪で結審し、私が予想していた通りトランプ大統領は古きマッカーシー上院議員時代のレッド・パージ(共産党員、共産主義志向者の粛清・排除)を彷彿とさせる、自分に不利な証言をした者、反抗分子の粛清・排除を時を待たずして始めました。また、同時に彼の諸々の政治的陰謀の協力推進者であったロジャー・ストーンの求刑を軽減する圧力を司法長官や裁判官に掛けたかと思えば、ここ数年で告訴、有罪判決を受け服役中または服役見込みの犯罪者で自分が以前企画し人気を博したTV番組『アプレンティス』に出演した縁がある曲者揃いの面々11名の量刑・刑期軽減特赦を独断で断行しました。

 上院共和党を完全に懐柔し、弾劾裁判で勝訴したトランプは「俺が何をやっても、もう誰も止められない」とばかりに以前にも増して好き放題やり始めました。スーザン・コリンズ共和党上院議員が弾劾裁判結審後のコメントで「大統領は今後もう少し気を付けて行動すると思う」と言っていましたが、余りに甘いどころか大甘の希望的コメントで、トランプは反省・自重するどころか全く逆の方向に動いています。コリンズ議員は弾劾裁判の開始直前・直後には追加証人喚問に賛同するような口振りでしたが、結局は大勢に迎合し証人喚問に反対票を入れました。3年間も大統領の言動を見ていて本当にどんな人物なのか未だに分かっていないならば彼女の目はただの節穴としか思えません。先の彼女のコメントを逆説的、皮肉的に取れば、確かにその後トランプは自分の悪事や陰謀がバレないように反抗分子、反対派を粛清・排除し、秘密が外部に絶対に漏れないようにもう少し気を付けて行動し始めたと言えます。共和党多数の議会上院が大統領弾劾裁判で有罪とし、罷免に追い込める絶好の機会と義務を放棄した罪は重いです。

 共和党下院議員と合わせてオカルト教祖のトランプの言いなりになるように完全に飼い馴らされ、教祖様を盲信する教徒達と同じです。トランプウィルスに感染し、脳も神経も冒されて正常な思考・判断も言動・機能も出来ない情けない状態に陥ってしまいました。

 新型コロナウィルス肺炎に関しても、「ウィルスが1日で消えて無くなる奇跡が起こるかもしれない。何が起こるか分からない。様子を見てみよう」などと全く呆れるばかり楽観的で無責任な発言とカリフォルニア州北部で発生源不明の罹患者2名が出るなど国民の不安は増すばかりです。トランプ自身は国民の安全や健康が最優先ではなく、株価の暴落→支持率下落→次期大統領選の敗北のシナリオを心配しての非常事態宣言と素人集団の緊急対応チーム結成であり、リーダーに指名されたペンス副大統領はインディアナ州知事時代に対応の拙さからHIV汚染拡大を招き、最近でも「Vaporing喫煙は害無し」と的外れの発言をした人物であり、とてもより深刻な非常事態に対応出来る器ではありません。

 また、公式コメントはチームメンバーの個別発言を許さず全てペンス副大統領のスクリーニングと許可を得た物しか許さないとは言語道断。今まで他の諸々の事でも散々嘘をつき、事実を隠し、自分達に都合の良い部分だけ大袈裟に取り上げたり、ねじ曲げた作り話に加工して国民を騙し、扇動して来たトランプ教団だけにこのような人の命に関わる重大案件でも全く信用出来ません。何度銃の乱射事件があっても、何人も罪のない人達が亡くなっても一向に進まない銃規制と同様にまた多くの人命が失われない事を祈るばかりです。

 新型コロナウィルスとトランプウィルス、あなたはどちらが怖いと思いますか?

執筆者紹介:小久保陽三

Premia Partners, LLC (プレミア・パートナーズ・エルエルシー) パートナー。主に北米進出の日系企業向け経営・人事関連コンサルタント業務に従事。慶応義塾大学経済学部卒。愛知県の自動車関連部品・工業用品メーカーに入社後、化成品営業、社長室、総合開発室、米国ニューヨークの子会社、経営企画室、製品開発部、海外事業室、デトロイトの北米事業統括会社、中西部の合弁会社、WIN Advisory Group, Inc.勤務を経て現在に至る。外国企業との合弁契約、技術導入・援助契約、海外現地法人設立・立ち上げ・運営、人事問題取扱い経験豊富。06年7月より本紙に寄稿中。JBSD個人会員。

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