デトロイトりんご会補習授業校の恒例行事であるオープンハウスが、10月26日(土)に開催された。このオープンハウスは、児童生徒が平日に通う現地の学校の先生や教育委員など教育関係者を招待して行われ、授業参観及び交流と、日本文化紹介を通じて児童生徒への理解と関心を高めてもらい、ひいては現地校での児童生徒への指導に役立つ情報を提供することを目的としている。

 現地の先生にとっては貴重な休日にも関わらず、幼稚部から高等部まで合わせて80名以上の訪問者を迎えた。

 参加者は受付で校内地図などの参考資料を受け取った後、1時間ほど授業を自由に参観。現地校の学級担任やESL(ELL)の先生方は、担当の子ども達が所属する教室を探して訪れ、学習する姿に温かいまなざしを向けていた。幼稚園部では工作や折り紙を園児と一緒に作業する訪問者の姿も多く見られた。廊下には児童生徒による絵日記や研究発表、書道作品などが壁に貼りだされ、教科書や副教材(学習帳)などが並べられ、少しでも理解を深めてもらおうとする担任の先生の想いが現れていた。父母会の案内担当者に熱心に授業内容や教材について質問する参加者も多く、日本の指導法への関心の高さも窺えた。

 来校者からは「ここでも(現地校に居る時と)同じようにのびのび活動していて安心した」「活発に発言している姿が見られた」といった児童に対する感想の他、クラス全体の集中度の高さを称賛する声も寄せられた。「学習形態がかなり違う」「言葉の分からない状況が察せられた。より工夫して指導していきたい。」といった感想も多く、オープンハウス開催の効果は大きい。

 参観後には体育館にて、全体会が行われ、幼稚園部年長組の「つき」と「どんぐりころころ」の愛らしい歌唱によるオープニングに続き、日本の学習指導要領や教育課程について、また同校の歴史や教育課程、高校での指導教科と評価及び現地の高校での単位認定等について、スライドを示しながら説明がなされた。質疑応答では、教師のトレーニングの仕方、帰国後の子どもたちの様子などについての質問があり、興味関心の高さがここでも窺われた。

 例年はこの行事にあわせて催されていたETJ(日本へ教育関係者を送るプロジェクト)報告会は、今年は受け入れ側の事由で日本訪問そのものが実現しなかったために実施されなかったが、廃止されたわけでは無く、再開するとの説明が担当者から伝えられた。

 その後、小学部4年生が太鼓と合唱による「ソーラン節」の演奏と校歌を披露し、最後にりんご会理事長を務める谷口氏がお礼の言葉と願いを伝え、締めくくられた。

 全体会の会場となった体育館には日本の学校生活や風習文化を紹介するパネルや花嫁衣装の着物、こいのぼり、ひな人形などが多数展示され、りんご会の保護者らが説明にあたって交流する和やかな姿が見られた。

 

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