
今回は、自然が豊かなミシガンに住んでいるのだからトライしなくてはもったいないキャンプやカヌー、フィッシングをレンタル込みで気軽に体験できる耳より情報。やってみたいけれど道具を揃えるのは大がかり・・と感じている人、本格的に揃える前に一度試してみたい・・と考えている人にぴったりのサービスだ。しかも、問い合わせは日本語でOK。アウトドアに興味が薄い方でも、現地の人との話題づくりのためとしても価値があるだろう。
紹介するのは、キャンプ場のロケーションはランシングの北へ約85マイルのFarwellという市。日本人が多く住むノバイから車で2時間強のところである。フリーウェイからもアクセスしやすいプライベートのキャンプ場で、敷地内にあるBrookhaven Lakeでのフライフィッシングや、ネイチャートレイルの散策もできる。こじんまりとした規模ながらも、湿地、砂地、林、原っぱ、と様々で、植物も多様。時期が合えば、自生している山菜や、モレルという貴重なキノコにも出会える。
キャンプは、アメリカンスタイルの、立って歩けるほどの大型テントのレンタルが可能。アメリカ式とは? 外でバーベキューグリルでクッキングもできる一方、テントには電気が通っているので、照明付き。電子レンジも備えられているし、暑い日には扇風機も使える。エアーベッドにシーツ、調理用具と食器も用意されている。なんと、テレビ&DVDプレーヤーもあり、日本語のDVDも用意。自分のテントの持ち込みも可。テント数個分のキャンプ場なので、ほぼ貸し切り状態。リクエストすればキャンプ場を完全に貸し切ることも可能とのこと。*食料やタオル類は要持参。
敷地内には3つのキャンプファイヤースペースがあり、焚き木も準備。チェアーとテーブル、そしてハンモックもある。数分の距離にレストランやマーケット、ガソリンスタンドもあるような便利な地区でありながら、焚き木が爆ぜる音と虫やカエルの鳴き声が耳によく届く。いかにもアウトドアライフという気分になれること請け合い。日が落ちれば、市街地や行楽地では目にすることができない数の星が頭上に広がる。サテライトも見えれば、運が良ければ流れ星も・・・。
手軽なドライブで、日常を離れ、自然に囲まれた空間に身をゆだねることができる、別天地といえようか。オーナーであるジョンソン氏は「この自然を楽しんで欲しい。家族で素晴らしい時を過ごして思い出を作ってくれるのが自分の願い」と話す。
敷地内でのフィッシングは、ガイド付きでボートを借りることが可能(追加料金)。釣り道具も貸してもらえる。レッスンも提供。個人の湖なのでライセンスは不要。魚が潜む所を把握しているガイドの指導で、かなりの確率で釣りあげることができる。魚の種類はマス。千匹以上住んでいるとの話だ。大きいものは60センチ程=4キロ。30センチほどの魚がしょっちゅう釣れるとのこと。ただし、キャッチ&リリース。記念写真を撮ったら放ちましょう。
このキャンプ場と同じオーナーが提供しているカヤックレッスン、キノコ狩りレッスンもある。5月から10月まで、異なる種類のキノコ狩りが可能だという。
カヤックレッスンはキャンプ場から25分ほど南のMount Pleasantで、Chippewa Riverという美しい中規模の川を3~4時間かけて下る。流れが緩く、小岩に底を擦らないように気を配る必要があるほど、大半が浅い川なので初心者でも挑みやすいコース。ガイド同乗のカヌーライドも可能。ライフジャケット、ウォーターシューズも用意してくれる。川沿いに個人の家を時々見かけるものの、川面の石や流木の上で亀たちが甲羅干ししていたり、ワシやタカが頭上を悠然と旋回したり、生き物との出会いも多い。

春(5月ごろ)のキノコ狩りのターゲットは前述したモレル・マシュルーム(写真左)という貴重な種類。日本名でアミガサタケという名前のごとく、カサが網目状になっていて独特な外見が特徴で、食用として珍重され、スーパーマーケットでは1ポンドあたり数十ドルの値が付くほど。なので、販売のためにハンティングする人もいるという話。乱獲が問題になっている。私有地に勝手に入らないことはもちろん、自然を荒らさない配慮が必要。また、似て非なる“食べられないキノコ”もあるので、知識のあるガイドと、採って良い場所でキノコ狩りをすべしと記しておく。経験豊富なガイドと一緒でも全く見つからないこともあるほど、難しいことも追記しておく。鹿やターキーの好物でもあると話。動物や自然が相手の戦いといえるのかも知れない。ちなみに筆者は上記キャンプ場の敷地内、それも前日に何度か歩いて行き来した車道の横で数個発見!オーナーの許可を得て、採取させていただく幸運に授かった。「前日には気づかなかった」と口にしたところ、一日で数センチ伸びるとのこと。知識と経験に加えてタイミングが重要だと思い知った。
キャンプ場の近くにはゴルフ場(30分以内に10コース)、ジップライン、ウォーターパークなどのレジャー施設もある。1泊でも充分にアウトドアを楽しめるが、長く滞在すればさらにバラエティーに富んだプランを立てることができる。周辺のレストランが安めなのも嬉しい点。
この近隣にはアーミッシュという、宗教的理念のもと、電気や自動車など現代技術を拒否または遠ざけて暮らしている人々が多く住んでいる。農耕や牧畜が主な生活基盤で、彼らが昔ながらの方法で育てた鶏の卵、野菜や果物、そしてそれらを材料にしたパンやパイ、ジャムを購入できる場所もある。キャンプ場のオーナーが教えてくれた自家製ペーカリーのお店=自宅の納屋では、パンやパイの他、メープルシロップ、そして、庭には売り物のキルトも並んでいた。クレジットカードは取らないので要注意。もう一つ注意したいことは写真撮影。アーミッシュの典型的な服装やバギー(馬車)は素朴で、絵柄的に魅力的だが、撮影はNG。キャンプ場オーナーを通してバギーライド体験もできる。
Natural Way Cheeseという、自然の材料と工程を踏襲しつつ、近代設備でチーズを作っている工房が最近オープンした。チーズ作りの様子を見学したり試食したり、買うだけではない楽しみも味わえる。ちなみに、ソーラーパワーはOKというアーミッシュの人々もいる。
前述したカヤックレッスンの拠点Mount Pleasantには、この周辺のネイティブアメリカンについての展示・学習施設であるZiibiwing Center、そしてすぐ近くにカジノもある。Ziibiwing Centerについては別の号で紹介したい。
キャンプやカヌー/カヤックレッスン、フィッシングの料金など詳細はホームページwww.brookhaven-lake.comに掲載されている日本語のパンフレット(“Japanese brochure”をクリック)に記載。営業は5月から10月まで。
問い合わせや申し込みはウェブ内のフォームまたは info@brookhaven-lake.com
オーナー/ガイド:Jeffry Johnson (313) 510-0928
jeffjohnsonriverguide@yahoo.com (英語のみ)
日本語での問い合わせ:サナエ (810)441-5653 sanaedori1818@yahoo.co.jp