ハイスクールと大学の日本語学習者を対象とした日本語弁論大会が在デトロイト日本国総領事館の主催で2月中旬にノバイ市のシビックセンターを会場にして行なわれた。このコンテストは毎年、デトロイト日本商工会(JBSD)、ミシガン南西オンタリオ日米協会、ミシガン日本語教師会、国際交流基金の支援や協力、そしてデルタ航空の協賛を得て実施されている。事前の選考を経て、今年は高校部門11名と大学部門10名が本大会に出場し、学習の成果を披露した。

 当大会への応募資格と条件は、日本に長期滞在していないこと。よって、日本渡航の無経験者か、あるいは短期滞在を経験した出場者たちであるにも拘らず、滑らかな話し方をする参加者が年々増えている。高校生は吸収力の高い時期とあって、応募条件内の数カ月という留学経験を通して驚異的な語彙と会話力をつけている学生もいて、滞在期間の違いがスピーチにも現れる傾向が強いと言える。一方、インターネットなどを通して、当地に居ながら吸収してきた学生も少なくない。日本に一度も行ったことのない学生が上位に食い込むケースも珍しくない。作文(論文)コンクールではないため、語彙力や知識、文章構成力が高いからといって上位入賞するとも限らない点もスピーチコンテストの難しさであり、面白さでもあると言える。

 本コンテストでは規定時間内に、暗記したスピーチの発表を課せられる。大学生にはスピーチ後の質問応答もあり、これも審査の対象となる。語彙の豊富さと正しい使い方、話題の展開など作文の要素に加えて、発表の話し方などが総合的に評価される。

 スピーチ内容の多くが、日本語を学ぶ意義や楽しみ、また、学習を通じて得た思い・文化比較を題材としている。言語だけではなく、日本の習慣や価値観も学ぶ若者たちの新鮮な観点や感想を垣間見ることができるこのイベントは、聴く人々、特に日本人にとっても興味深く、得るところが大きい。

全参加者のスピーチ内容の要約と両部門の優勝者の原稿全文を来月号で紹介予定。

☆入賞者 ☆

High School

優勝/総領事賞
Jessica Jang (Novi High School) – “日本語の魅力 The Charm of Japanese”

2位
Sheridan Skinner (South Lyon East High School) – “心が熱いです。 My Heart is On Fire.”

3位

Vishwaas Gangeddula (Novi High School) – “言語の意味 The Meaning of Language”

JBSD特別賞

Laya Sathyan (Troy Athens High School) – “あつくない Not Passionate”

 

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