
若葉や芝の緑と草花が目立つ5月となりました。日本では平成から令和に元号が替わり、これを契機に少しでも多く明るい話題と良いニュースが聞けることを願う次第です。先月新たな人生のスタートを切った新入生、新入社員達も早1ヶ月が過ぎ、それぞれの学校や会社の環境、雰囲気にいくらか慣れた頃ですが、緊張感とストレスで所謂『5月病』になっていないといいです。近年では5月病どころか4月初めのわずか数日か1~2週間でノイローゼ状態になり、情緒不安定や精神的失調に陥る新人も多く、不登校や退社に至るケースもあると聞きます。作成・発表者に変遷があり、2018年度からは産労総合研究所が引き継いで発表している毎年恒例の『今年の新入社員のタイプ』は『呼びかけ次第のAIスピーカー』でした。新入社員や企業、大学のキャリアセンターにアンケート調査やヒアリングしたデータから特徴を判断しタイプを決めているとのことで、根拠がない訳ではなく理由説明を読むとそれなりに分かる気もしますが、サンプリング対象者の人数や属性によって異なる結果になると思いますし、価値観が複雑多岐にわたる今の時代、実態は微妙に、もしくは、かなり異なる対象集団を十把一絡げ(じっぱひとからげ。十羽一唐揚げではありません)にしてステレオタイプ的にまとめてしまうのもどうかと思います。食べ過ぎて胸ヤケしないように遊び心の参考程度に留めましょう。
スポーツの話題を少々。MLBイチロー選手の引退後日米両国を中心にしばらく『イチローロス』状態が続いていましたが、米国では今のところ引退試合の予定もなく、マリナーズ球団として今後の身分の扱いや本人の去就に関して具体的なニュース報道もなく、今は各球団ともレギュラーシーズンの話題に移っています。作年ほぼフルシーズン選手登録から外れ、ファンや野球関係者の間で予行演習的にイチローロスの心の準備がある程度出来ていてショックを和らげる効果があったのかもしれません。「今はどうしてる?」の野次馬根性でなく、「しばらくそっとしておいてあげて」が私の率直な気持ちです。タイミング的にも平成のスーパースター引退と入れ替わりに二刀流大谷選手が令和のスーパースターに成長し、他の日本選手と共に毎試合ワクワクするプレーを続けて我々を楽しませて欲しいですね。順調なら今月間もなく専任打者として彼がデビューするのを待ち切れません。世代交代、チーム再建途上の地元タイガースは結構若手が台頭して頑張っており、勝率5割前後を行き来していますが、プレーオフ出場可否が見えて来る夏場過ぎにどうなっているか?です。女子テニスの大坂選手は先月下旬今期初のクレーコートイベントに出場し、従来苦手なクレーコートへの順応度がポイントでしたが、第1シードで臨んだ2回戦、3回戦で難敵を振り切り、準決勝は左脇腹の怪我で棄権を余儀なくされたものの進歩の跡が見え、怪我が完全回復すれば引き続きNo.1ランクで戦う次戦マドリードオープンも期待出来そうです。男子の錦織選手も過去2度優勝している相性の良いバルセロナオープンで調子が上向き、準決勝では惜敗しましたが、男女同時開催のマドリードでも活躍して欲しいですね。バスケットボールNCAA大学選手権ではミシガン州立大学がファイナル4まで進み、準決勝で涙を飲みましたが、大健闘でした。プロのNBAイースタン・ディビジョンでは地元ピストンズがぎりぎり8位でプレーオフに滑り込みましたが、主力のグリフィン選手を怪我で欠いた不運とトーナメントの1stラウンドでNo.1シードのミルウォーキー・バックスと当たる組合せは荷が重く、4連敗のスウィープを食らって敗退し、残念。来年は更に上を目指して頑張れ、ピストンズ!今年もレッドウィングスが出ないNHLプレーオフは興味が湧かず、記事になりません。
さて今回の本題ですが、「新人でなくても5月病??」としました。新入社員でなくても昨今のように悲しいニュース、恐ろしい出来事、暗い話題ばかりに囲まれていると気持ちが沈み、ウツに近い心理状態になって、なかなかポジティブな思考や元気な活力が出ず、5月病のような状況に陥りかねません。
先月ニュースで連日報道されたように、世界中のキリスト教信者が一年で最も重要視するイースターの直前にかの有名なパリのノートルダム大聖堂の尖塔が突然の火事で焼け落ちてしまいました。当日朝のTVニュースで現場からの実況中継を見てビックリしましたが、他にも重要文化財に指定されている天井、壁、窓などの内・外装飾品や歴史的遺物も焼失・破損の被害を蒙り、パリ市民、フランス国民のみならず世界中の信者や歴史的寺院の愛好者が悲嘆にくれました。折りしも改修工事中で高所にあった十数体の彫像は寺院外に移動・保管されていて難を免れ、名作映画「ノートルダムのせむし男」でも登場した対の鐘楼や他の建物部分は消防隊の必死の消火作業により延焼を免れたのは不幸中の幸いでした。それでも莫大な被害が出たことは間違いなく、正確な数字は掴み切れていませんが、再建・修復に数千億から兆円単位の費用が掛かると思われます。マカロン仏大統領は翌日の演説で「5年で再建する」と声明しましたが、建築専門家の中には「5年では無理、10年は掛かる」と見ている人もいます。過去に建物の脆弱性を調査・指摘した報告書があり、今回の改修工事もそれに関連していたと思われますが、再建・修復にあたっては脆弱性を改善して火事や自然災害に強い建材、建築構造を当然盛り込むものと予想され、広く世界からのデザイン募集を呼び掛けています。また、既に再建・修復用に百万ドル単位の寄付金、義援金拠出を申し出た国や大手企業グループも多数あり、日米でも同様の動きがあると予想されます。
パリに続いて、イースターサンデーの当日スリランカで複数のキリスト教会とホテルを狙った同時爆破テロ事件があり、250人以上の死者と数百人の負傷者が出る悲惨なニュースがありました。過去にテロの前例がなく、平和で穏やかな国柄を好んで海外からの観光客が訪れていたようですが、実際は大統領と首相が対立し対話も協力もせずに権力闘争に走る現政権に対する不満分子グループが水面下で着々と準備を進め、実行犯の一人は先に別件で一度逮捕されたものの釈放されていた事実もあるようです。ニュージーランドで起こったユダヤ教会での銃乱射事件に見られるように、従来何も事件がなく安全で警備が手薄なソフトスポットが今は狙われる時代になりつつあります。最早地球上で安全な場所、安心して暮らせる場所はないのではないかとさえ思ってしまいます。本当に嫌な世の中、恐ろしい世の中になってしまいました。
政界ニュースでは、ロシア疑惑を2年掛かりで捜査したロバート・ムラー特別検察官が3月下旬にウィリアム・バー司法長官に提出した400ページ超の最終レポートの余波が広がっています。バー長官がレポートを本当に全ページ読んだのか?と疑う程電光石火の早業で自らの要約報告を公表し、トランプ大統領が選挙キャンペーン活動中およびその前後にロシア政府関係者と共謀した事実は無しと結論付け、トランプ大統領と政権幹部、官邸スタッフ、弁護団は欣喜雀躍の体で民主党とメディアを事実無根のでっち上げした嘘つき集団と糾弾し逆襲に転じました。その後先月半ば過ぎに民主党が過半数を占める下院の各委員会の圧力で国家機密や安全保障、現在進行中の別な捜査案件に関わる部分を黒ベタ処理した編集版レポートが公表されましたが、公表に先立ちバー長官が異例の先行記者会見を開き、またまたトランプ大統領を擁護する内容の発言をして、司法の独立性を無視し特定の政治色に染まった偏向的言動として民主党のみならず良識派の顰蹙を買いました。バー長官は就任前の資格審査確認聴聞会では民主党議員からの厳しい質問に対し当たり障りのない答弁で可決承認されましたが、容姿と風貌の印象から子狸みたいだと思っていたところ、就任後に本性(正体?)を現して化けの皮が剥がれたら大狸だと分かりました。法の番人として正義を貫くべき立場にある最高責任者がこの体たらくでは全く情けない限りです。編集版公表直前の先行記者会見で一般国民に色眼鏡を掛けた内容説明をして目を曇らせ、現大統領や政権幹部、共和党に有利になるように洗脳しようとしたと受け取られても仕方のない言動でした。
実際に公表された編集版レポートでは大統領にはロシアとの共謀疑惑に関して犯罪行為があったと断定出来ない、また司法妨害があったと結論を出せる十分な根拠がないと記してあるようですが、本件捜査中にインタビューした関係者証言に関する部分には現大統領が一度ならず側近経由でジェフ・セッションズ前司法長官にムラー特別検察官を辞めさせるように依頼した旨の記述があり、結果として断られたり、実行されなかったものの、これは司法妨害に当たる行為と見なされるものです。ムラー特別検察官は何か深い考えがあってか自らその結論は出さず、最終報告書提出で司法のメカニズムと議会の判断に委ねた形となっています。
当の議会、特に民主党が多数の下院では現大統領の直近5年間分の個人所得申告書提出、現政権幹部や元側近の議会証言喚問、トランプ一族メンバーの国家保障機密に触れる権限許可が与えられた審査書類の提出など立て続けに要求しても全て無視または拒絶されており、大統領擁護に走るバー長官の下では正当な法の適用はままならぬと見て、以前急先鋒の複数民主党議員が大統領弾劾審議を実施すべしと上げた声をナンシー・ぺロシ下院議長が「今はすべきでない」と抑えていましたが、ここに
来てまたそれが再燃し、声高になりつつあり、この先どうなるか予断を許さない状況です。
「毎日のようにトランプ絡みのニュースを聞いているとストレスが溜まる」と言っていた人がいましたが、諦めて野放しにしたら状況は更に悪くなるばかり。2020年の次期大統領選挙に向けて直近で出馬表明したバイデン前副大統領を含めて現時点で21名の民主党候補者と2名の共和党候補者が名乗りを上げていますが、5月病が長引かないように誰がトランプ再選を止められるでしょうか?「神のみぞ知る」ですかね。