“自然体”でつくるブリューワリー

文&写真 by ヤマトノオロチ

リボニアは Wayne Countyの北端にあり、早くからデトロイトの郊外の町として開けた。人口は約10万人でミシガン州第9位と大きい方だ。リボニアにはPlymouthに店を開いているLiberty Street Brewingの生産所やSchoolcraft Collegeの中の学生の醸造所はあるが、Supernatural & Spiritが個人経営のブリューワリーのリボニア第一号。どのように地元に根付いていくか、2017年秋にオープンしたSupernatural Brewingを紹介する。

どうしてブリューワリーを作ったのか。“世界をポジティブに変えたいからー大きなデザイン会社がプロデュースしたものや、どんな人の舌にも合うようなメニューサービスを勧める市場調査会社に頼らず、ただこの場に合った、そして20年のビール作りの経験からできたいいものを、地元から調達できる食材だけを提供する”。そんな場所を目指して3人のエンジニアがブリューワリーをはじめた。

Plymouth Rdに面したSupernaturalのユニークなサインが面白い。中に入ってみると、案外、こじんまりとしている。以前グリル・バーだったキッチンは全面作り直してはいるが、内装はそのまま生かしている。ガジェット、と呼んだらいいような、前世紀の容器や電話、美術品のようなものなどが店内のあちらこちらにある。ちょっと引いてしまいそうになり、入り口でウエイターが来るのを待っていると、見ず知らずの先客が、「こっちもあいているよ」と言わんばかりに手招きしてくれた。そのとき目に入った、オークバレルをテーブルに変えたテーブルのがあったので、そこのハイチェアーに腰を落ち着けることにした。「これはエイジド・ビール。2020年になったら開けるんだ」。

Imperial Stout、Amber Aleなど種類も多彩だったが、お勧めは最近流行のBrut IPA (ABV 6.5%)。4本パックがここで購入できる。タップからのを注文したが、きめが細かくフルーティーさは抜群。重量感が少ないので、IPAはちょっと、という人にはいいかもしれない。そのほか、Jerk Chicken (チキンウイング。ブルーチーズのディップソースつき)、

Fish N Chip (鱈のフライと自家製ポテトフライ)は、それぞれ一人分をシェアしてもいいぐらいの量だった。ややディープフライでじっくり揚げた感じが、人によっては好き嫌いがあるかもしれない。特徴的だったのが、Fish N Chipについてきたソース。色が緑がかっていたのは、サワークリーム、ハラペノペッパー、マヨネーズ、ピクルスをブレンドしたから。カリッ、と揚げたフライに合う。特別なソースのレシピを聞いたので、自宅でも試して作ってみたいソースだ。

1年半前にオープンした。「一日に16時間もブリューワリーのために費やしてしているのは」-商業的なコンサルタントやマーケティングによらない、自分たちの“自然体の”ブリューワリーだからだろう。模索中、ともいえるかもしれないが、こういう形の地元ブリューワリーも存在する。

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