Sierra Nevada とのコラボ――デトロイトから西海岸への発信

新年明けのデトロイトはマーティン・ルーサー・キングJRの生誕記念の祝日、北米自動車ショーと活気あふれることが続いた。総領事館やCoboホールからほんの3分ほどで街の雰囲気はローカルなものへと変わる。Wayne大学の施設が立ち並ぶ通りの数本西よりの通りは、10年前ぐらいとはうってかわって、落ち着きがでてきた。Porter St.の看板からちょっと雑然とした通りに入るとすぐにホームページにあった写真と同様の店の姿が見えた。

駐車場は店の前とその周辺でもよかったので、気楽に停められた。

カジュアルでBold、がっしりした、というのが店のチェアーとテーブルからの雰囲気。オーダーは最近はやりのキャッシャーのところで行う。ちょうど自動車ショーの一般公開前の、業界関係者のためのプレビューの帰りに寄ったので、ビジターパスを付けたままの人やコンピューターを片手にオーダーの合間に仕事をしている人もいた。

キッチンのマスターはアーカンソーで修業したのち、この店のために地元に戻ってきた。

HPでZen master、と書いてあったので、さぞかしアジアびいきかと思ったら、「そうじゃなくて、物静かってことよ」とサーバーに一蹴された。それだけそれぞれの料理には自信がある、ということだ。PoBoy Sandwitchはランチスペシャルでボリュームたっぷりのサラダと、自家製のガーリック・ピタスティックがクルトン替わりについてくる。白ワインの入ったビネガードレッシングも絶品。ビールをフライの衣に使ったのでいいか、と聞かれた。キャッシャーのところで注文する形式で、注文を受けてから作り始めるので、フレッシュさが気に入った。さすが、請われて任されたシェフの力がうかがえる。サンドイッチのエビはいい食感とボリュームで、これでランチメニューとはありがたかった。

店内は西側が一面の窓なので、訪れた午後は明るい感じがした。最近のブリューワリーはフランチャイズ形式、個人が経営しているがビジネスコンサルタントに任せた形式、ある程度のコンサルタントの手は入っているがオーナーがコミュニティーとのつながりを大切にしている形式、とあり方がパターン化してきている。アメリカのニュースに詳しい人は昨年の秋からカリフォルニア州での野火による被害をご存じだろう。そのカリフォルニアの家族経営のブリューワリーとして世界的に有名なSierra NevadaとのコラボのResilience IPAはお勧めだ。ここでしか味わえない。収益金は、火災の被害に遭った人たちに贈られることになっている。店内はバーカウンターのほかは、ベンチ・テーブル形式でカジュアル。テレビはなく、ボードゲーム(Unoなど、数人で楽しめるゲーム)やダーツなどがある。

シェフとそのチームが気を配っているのがわかるのと同時に、単にブリューワリーで製造しているだけではなく、マスターらのビジョンが読み取れる、奥の深いブリューワリーだ。