2月、ミシガンは真冬。白銀の世界が広がる時期。春が、花が恋しい! 日本も冬真っ只中ではあるが、早咲きの桜が咲き始める。一足早く春の訪れを知らせてくれる早咲き桜の名所として伊豆の河津町を発祥とする河津桜が有名だが、さらに早く咲き始める沖縄の桜と合わせて、何カ所かを紹介したい。

沖縄の寒緋桜:日本一早い桜祭りは沖縄の桜まつりで、1月に始まる。寒緋桜(かんひざくら*別名
緋寒桜)という、本州に咲くものとは異なる種類で、桜の原種の一つ。濃桃色から紅色の濃いピンク色の花が釣り鐘のように下向きに咲くのが特徴で、特に琉球寒緋桜は花が大きめ。南国っぽい華やかさが感じられる。開花時期は年によるが、桜祭りは当然“例年の見ごろ時期”に設定しているわけで、1月下旬から徐々に始まる。桜が咲くには寒さも必要条件なので、沖縄では北から南へ、山頂から麓へと桜が開花していく。最初は本部(もとぶ)八重岳山頂からの開花、南部に位置する那覇市内は2月24日が桜祭りの最終日と、沖縄本島の中でも幅が広い。

本部町には全国屈指の規模と人気を誇る美ら海水族館がある。その10キロほど南東に広がる八重岳
一帯は沖縄県指定の自然保護区に指定されて、約7,000本の琉球寒緋桜がある。道路沿いにも多くの
木があるので、ドライブだけでも桜を楽しむことができる。もとぶ八重岳桜まつり「」は八重岳桜の森公園で開催(2019年は1/19,1/20)。地元の子供たちによる獅子舞の演舞や、沖縄ならではの三線や唄、舞、そして琉球古武道の実演などで日本の桜前線のスタートを祝う。

水族館から数キロ東にある今帰仁城跡の桜もポピュラー。琉球が3つに分かれていた時代に北部を収めていた勢力の本拠地であった今帰仁城の跡は『琉球王国のグスク及び関連遺産群』という名称で全体が登録されている9つの資産のうちのひとつとして世界遺産に登録されている。「今帰仁グスク桜まつり」(2019年は1月26日2月11日)では、日によって琉球音楽や舞踊の実演が組まれ、開催中は城跡と桜がライトアップされる。

城そのものは基礎が残っているだけだが、石垣を見ることができる。地形を巧みに利用し、敵からの守りを固めるべく、波打つような曲線を描く城壁のディテールは美しく、沖縄屈指の名城といわれている。南の海の鮮やかな青色と桜とのコントラストも見事。

国際通りから徒歩圏内にある那覇与儀公園は、観光の合間の散歩がてら訪れ易い所にある。公園内に植えられた約400本は例年2月中旬から下旬が見ごろ。沖縄独特なガジュマルなどの木々との混在がこの地ならでは。桜まつり(2019年は2/20~2/24)ではエイサーや沖縄民謡ショーが組まれている。

桜とは離れるが、公園内には蒸気機関車D51が!鉄道路線のない沖縄になぜ? 昭和47年に沖縄が本土復帰した記念に北九州の国鉄門司鉄道管理局の人たちが、沖縄の子供達72名を九州に招いたところ、鉄道のない沖縄の子供達が蒸気機関車を見て感動し、沖縄に持ち帰りたいと声が上がった。

600kmの搬送の方法も費用も容易ではなかったが、当時のお金で1400万円の寄付が集まり実現したとの話。桜祭りの会期は限られているものの、寒緋桜は開花期間が長く、同じ地区でも幅があるので、楽しめる時期は長め。ソメイヨシノのような散り方はせず、ボトっと落ちるタイプなので、はらはらと舞い散る風情も花吹雪も無いが、その鮮やかさは格別。

河津桜はソメイヨシノよりもボリュームのある花びらで濃いピンク色の花が特徴で、長い期間楽しめるのも魅力。寒緋桜と早咲き大島桜の自然交配種という説がある。

伊豆の河津の原木は樹齢約60年で、伊豆急河津駅から1キロ強離れた飯田家に在る。

全国に咲く「河津桜」はこの原木から始まったといわれている。

「河津桜祭り」: 河津町では町内に約8,000本、駅から歩いてすぐの河津川の川沿い約4kmにわたって約850本の河津桜があり、例年は2月の中旬から3月上旬が見ごろ。2019年の桜祭りの開催は日は2月10日~3月10日で、期間中の夜には桜並木などのライトアップも行われ、河津川周辺で様々なイベントが開催される。電車で行けるのが嬉しい。ちなみに2018年は遅めの開花となった。

「みなみの桜と菜の花まつり」: 河津から南西へ30キロ弱、伊豆半島の最南端にある石廊崎まで10キロ弱の内陸部にある下賀茂温泉を流れる青野川沿い、約4.2kmの両岸に約800本の河津桜が植えられている。河川敷に咲く菜の花とのコントラストが美しい。ここでも河津桜祭りと同時期(2019年2月10日~3月10日)に祭りが開催される。

他の地域の早咲き桜

保田川頼朝桜(ほたがわよりともざくら) (千葉県)この周辺では河津桜を頼朝桜と呼んでいるとのこと。千葉県の内房、鋸南町を中心に、約14,000本が植えられている。保田川沿いに続く約600本の河津桜の景観は写真で見ても郷愁を駆られる風景。3月ごろには土手の菜の花との饗宴に出会えることも。

三浦海岸駅 (神奈川県)

京急三浦海岸駅を出ると、線路近くの遊歩道沿いに河津桜の並木道がある。根元には菜の花。時期が合えば2色の華やかな景色を楽しめる。赤のレトロな京急線と、河津桜、菜の花とのコラボレーションが電車好きはもとより写真愛好家、そして多くの人に人気。車窓からも線路際の並木が見える。レポーターが運よく見ごろの日に乗った電車では、運転手さんが並木の横でスピードを落として運転してくれた。

「三浦海岸桜まつり」は例年2月中旬~2月下旬の開催。三浦海岸駅前のテント村(売店)では地元特産品や期間限定のお菓子やお酒を提供。

なばなの里(三重県)

イルミネーションや草花がきれいな「なばなの里」。弊紙(2017年5月号)に紹介記事を掲載したが、ここでも河津桜を見ることができる。数は300本ほど、例年3月上旬頃がピーク。ほぼ同じ時期に、しだれ桜も見ごろを迎え、いずれも夜にはライトアップされ、ロマンチックな空間が生まれる。

「世界最高峰クオリティの美しい光り輝く電球だけでつくる本物のイルミネーション」と誇る今季のイルミネーションは2019年5月6日まで。名古屋から近鉄電車+バスで最速35分。

直通バス(有料)で30分。足を延ばす価値あり。