今回はアメリカの国立公園の中から、イエローストーンを紹介。

さまざまなアメリカの国立公園人気ランキングで上位にくいこむが、U.S. Newsが発表した国立公園ランキング“20 Best National Parks in the World”で一位を獲得している。アメリカには(アメリカ領を含めて)60の国立公園があり、年間2億人以上の観光客が訪れるという。U.S. Newsはこの人気ランクを決定するにあたり、旅行の専門家と最近の訪問者の両方の意見を考慮に入れたとのこと。

ちなみに、日本のとある旅行サイトではグランドキャニオン国立公園が1位、イエローストーンは7位。色々な絶景が楽しめるという理由などで景観面ではかなり高得点だが、アクセス面でのポイントが低く、総合点を下げている。また、主観の入らない訪問者数としては、グレート・スモーキー山脈国立公園(Great Smoky Mountains National Park)が例年トップ。イーストコーストには数少ない国立公園であり、弊紙(2018年12月号)で紹介したGatlinburg(ギャトリンバーグ)という行楽地要素もある麓町が北側の入り口に在り、利便性の高さや気軽なドライブを楽しめることが訪問者の多さにつながっているのであろう。直近(2017年)のナショナルパークサービス(NPS)集計による訪問者数のランキングでは、イエローストーンは6位。都市部や他の観光地からかなり離れているにも拘らずこの順位というのは、かなりの奮闘ぶり。その自然の特異さと美しさのゆえといえそうだ。

今から140年以上も昔、1872年に大統領ユリシーズ・S・グラントが署名し法的な公園となり、アメリカのナショナルパークの第一号となった。世界で初めての国立公園でもあった。

ナショナルパークに指定されたものの、当初は管理は無いに等しく、動物の密猟や、まだそれほど多くはなかった観光客による破壊などが発生していた。その後、セオドア・ルーズベルトが歴代大統領として初めて、アメリカ西部の国立公園視察を行ない、自然保護と国民による自然景観の共有が必要と判断。道路や宿泊施設の整備などに予算をつけるようになり、現在の姿がある。

イエローストーン・ナショナルパークはその自然系の豊かさと、地学的なユニークさが特徴。火山活動の活発な地域で、最もよく知られているのはアメリカの他の公園ではあまり見られ無い“Old Faithful Geyser”に代表されるガイザー(間欠泉)や煮えたぎる泥の池。これらは日本の別府にもあるが、間欠泉の規模も数もはるかに多い。自然が生み出す躍動やカラフルな景観を楽しむことができる。四国の約半分という広大な公園内には、渓谷もあり、湿地帯もあり、山、湖、滝、と、さまざまな自然の地形がある。そのほとんどはワイオミング州だが、モンタナ州とアイダホ州にもまたがっている。

イエローストーンという名前は、イエローストーン川が流れる大渓谷の絶壁の岩の色が黄色いことに由来している。また、平原や谷、湿地帯は植物が豊かで、バイソンやエルク、熊、狼などの野生動物も多く生息している。

イエローストーン・ナショナルパークは大きく5つのエリアに分けられる。

  • 1)ガイザー・カントリー: Old Faithfulを中心とするエリア
  • 2)マンモス・カントリー: Mommoth HotSprings周辺エリア☆北ゲート近くに
    温泉が流れ込む川がある。天然・露天。
  • 3)キャニオン・カントリー: イエローストーン大渓谷のあるエリア
  • 4)ルーズベルト・カントリー: ラマー・バレーを中心とするエリア ☆動物が多い。
  • 5)レイク・カントリー: Yellowstone Lakeを中心とするエリア

一日ですべての観光スポットを見て回るのは至難の業。最低でも二日は欲しいところ。ポピュラーな観光ポイント以外のハイキングをしたり、野生動物ウォッチングをするには、三日あっても足りない。
最も有名な間欠泉Old Faithfulの名はFaithful=忠実に一定周期で水蒸気や熱湯を噴出するので付けられたそうだが、60分前後から90分前後と幅がある。
噴出の長さと規模により次の噴出時刻をある程度予測ができ、看板に表示してある。ランチやスナックを食べながら待っている人を多く見かけた。最大の噴出をする間欠泉は、これでは無く、噴出時間と噴出間隔の予測が難しいスチームボート・ガイザー。何年も噴出しなかったこともある一方、昨年(2018年)は30回を超え、5 4年前の記録を更新し過去最大になったことがニュースになった。3月15日と4 月1 9 日に、それぞれ約9 1 メートルの高さの噴出を記録したとのこと。NorrisGeyser Basin Museumからのハイキングコースで近くまで行くことができる。

必見すべきは、なんともカラフルなグランド・プリズマティック・スプリング。周囲の緑・黄・赤などの色は、湖に生息するバクテリアによって作り出される。中心部は高温の為バクテリアが生息できず、透明度の高い青色になっている。

主な観光スポットへはパーキングから歩道や木道が整っていて歩きやすい。アクセスと宿泊
公園には東西南北5箇所にあるゲートからアクセス出来るが、北ゲート以外は晩秋から春まで閉鎖するので要注意。日本からのツアーでは日本からの直行便が飛んでいるソルトレイク・シティーに入り、観光バスで、南に隣接するグランドティートン国立公園も巡る行程になって
いるものが多い。デトロイトからも直行便が飛んでいる。ソルトレイク・シティーからイエローストーン公園までは5,6時間はかかる。最寄の空港は西ゲートの近くにあるウエスト・イエローストーン空港だが、直行便は無く、通常かなり割高になる。公園外の宿泊施設が多く、観光ビジネス拠点でもあるのがウエスト・イエローストーンで、車が渋滞しやすい方面でも
ある。グランドティートン国立公園の南にあるJackson Holeの空港から南ゲートまでは1時半ほど。

園内の宿泊施設は9つのロッジに二千室以上あるが、夏場の予約は早めでないと難しい。キャンプ場もしかりだが、予約を取らない、早く着いた者勝ちFirstcome, first-served campgroundsのキャンプサイトが数カ所ある。レポーターは8月中旬に予約無しで訪れ、10時ごろには便利な地区のキャンプ場は満杯であったが、空きの多いキャンプ場もあり、確保できた。便利な地区いうのは、イエローストーン公園の観光ポイントは数字の8の字のような二つのループ状の道路沿いに点在しているが、それを効率良く回るためや、売店やレストランへのアクセスの良い所。中心寄り(8の重なり部分の西側)のCanyon Villageや、北側のMommoth Hot Springs周辺が人気が高い。Yellowstone Lakeの湖畔も滞在場所として好まれる。オンタイムの空き状況をサイトでチェックすることができる。携帯・WiFiが使えないエリアも多く、検索できなくなる可能性があるので要注意。

宿泊情報は別サイトになるが、アメリカ国立公園のホームページwww.nps.govから進める。

夏が観光のメインシーズンだが、冬季も2件のロッジはオープン。雪上ハイキングなど冬ならではの楽しみがある。

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