アジア系アメリカ人の商工会であるAPACC(Asian Pacific American Chamber of Commerce)による表彰イベント“2018 Salute to Excellence Awards Dinner”が 11月1日にGM Heritage Center (Sterling Heights, MI)で開催された。

APACCは、アジアおよび環太平洋圏と米国企業間のビジネス関係を強め、アジア太平洋系アメリカ人の経済発展を促進することをミッションとしている。この日の表彰は当地において経済発展のみならず地域への寄与や還元に功績を収めたアジア系のビジネス専門家ならびにアジア系企業に光をあてて敬意を表し、またその功績を奨励して祝うもの。過去15年以上、表彰を継続してきている。

 今回会場となったGM Heritage Centerは、一般公開されていない博物館であり、クラシックカーを含む160台以上ものGMの車が展示されている。余談ではあるが、いずれも走れる状態に整備維持されているという。施設の中央にテーブルやフードブースが設置され、受賞者の家族や関係者、スポンサーを含む多くの人々が出席し、華やかな集まりとなった。

表彰は、4部門に分けられ、合わせて14の個人や企業が受賞。受賞者名はwww.apacc.net/event-photosのSpecial Edition e-Newsに掲載されている。

 この日のレセプションでは、受賞者に対する盾の授与、そして各受賞者からのコメントの他、受賞者の一人であるDr. Peter Hahn(M.D MBA)による基調講演も行われた。Dr.Hahnは、Metro Health, U of M Healthの代表兼CEOを務めており、All-star Business Professional Awardという個人部門で賞された。

 Dr.Hahnは、アジア人として、どうリーダーであるかについて、自身の経歴を交えて語った。Dr.Hahnの親はベトナム戦争後に提供された様々なプログラムを利用し、学ぶために渡米。ミシガン州テイラー(DTW空港の東)で育ち、親と共に韓国に戻ったが5年後に再渡米。親は、教育が成功の鍵であると信じ、できる限りのことを与えてくれたと語った。話は一転し、米国のトップ4企業の従業員の27%をアジア人が占めていながら、上級管理職や経営幹部はせいぜい1~2%であると示し、「なぜ?」と問いかけた。自身が移民としてして育ち、「出る杭は打たれる」とばかり、目立たないようにしていたという。尊敬の対象にならず生きてきたため、(移民ではない人と)同等になるのには抵抗があった。しかし、能力を認められたからにはメンタル面でもリーダーであろうと思い努めてきたと話した。そして最後に、移民の次世代の子供たちがSpeak Up(積極的に主張すること)ができ、ハイレベルを目指せるように、我々が後押ししていきたいといった旨を述べた。

 1年おきとなっている同イベント。2年前には日系企業や個人の名は無かったが、今回は日系企業 Hirotec America Inc.(所在地:Auburn Hills) がAll-Star Company Awardという企業部門で受賞。
同社は自動車メーカー各社向けに組立設備を提供している。生産台数変動にフレキシブルに対応可能なことを武器にトップサプライヤーとしての地位を確立。今回の受賞にあたっては、企業成果による貢献と並んで、地域の学校などへの寄与、ジョブフェアでのバイリンガル人材向けの機会提供などが認められた。CEOの鵜野克俊氏は受賞スピーチの中、貿易戦争のころには厳しい立場にあったことに言及し、アジア系の企業や人々が互いにサポートし団結する肝要さを示唆すると同時に、繋がる機会を提供してくれているAPACCに賛辞と感謝の言葉を伝えた。

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