文&写真 by ヤマトノオロチ

偶然が時には大きなきっかけになる。ミシガンにある300以上のクラフトビール、全米というよりは世界的に有名なビールブランド。数え切れない。

たまたま、春先にフォード・フィールドでの展示会で手にしたクラフトビール、M-43(AVB 6.8%)がミシガン産のものだった。格別に印象に残った。ちょうどその時期がそのビールの缶入り販売デビューだったのだ。

Old Nation BreweryのM-43は素朴な缶ラベルからは想像できないほどの風味だ。まるで自家製のシールのようなラベルとフォント文字、M-43というネーミング。どれをとってもソフィスティケートさはない。おまけに、ブリューマスターに、誌面で紹介したい、という旨の話をしたが、さほど興味のないそぶりだった。その答は、「手にして飲んだ人だけがわかればいい」ということだろう。

WilliamstonはNoviエリアからI-94を西に40分ほどのところにある。高速を出て北に向うとグランド・リバーはM-43と呼ばれる。地元を走る幹線の名前をフラッグシップのビールの名前にしたのだ。

がっちりと冷やされた缶入りを初めて飲んだとき、その風味のよさが気に入った。New EnglandスタイルのIPA、それがフォード・フィールドという場所だったから、ということではなくて、缶で小売りされているローカル色の強いものにしては、違いを感じさせる物だった。それからすぐに、一般のスーパーの店頭でも「M-43」を目にし始めた。

ブリュー・パブは「旧道」的なWilliamstonのメイン・ストリートの外れ。「今日は、このM-43を目当てにわざわざ何十マイルも走ってきたんだ」というと、サービスに自家製のビールのラベルをくれた。店内は豪華、とは言えないが、明るい感じだった。8月の平日の昼下がりのせいか、落ち着いた年齢層の人が多かった。お目当てのM-43。缶では見えなかったボディーの色に驚いた。濃厚な小金色というよりは黄色い豊かなパイナップル色。これがあの忘れられない風味を生み出していたのか、と思った。

M-43はスーパーでも缶4本セット(16oz4本)で販売されているが、$13-15ぐらいなので、少々割高。それもそのはずで、使われているホップの名前を聞くと納得がいく。Citra, Amarillo, Calypso, Simcoe。「どうしてほかの4本入りよりも値が張るの」と聞くと、「儲けの分よ」。あっさりとサーバーは答えた。実に素朴だけれど、さらりというところがおもしろかった。

人気のせいか、卸業者の都合なのか、以前のようにスーパーの店頭にはなかなか見つけにくくなっている。店頭に入った、と思ったらすぐなくなっている。Williamstonまでは買いにいけなくて、待ち構えているファンも多いということだろう。M-43というネーミング、ミシガンならではだ。

ちなみにOktobefestの2種類のスペシャルビールが9月後半の週からリリースされた。Chestnut buckとOktobefest。缶入り販売はなし。

M-43、スーパーの店頭で見かけたら、どうぞお試しあれ。

Old Nation Brewery

1500 W. Grand River Ave.
Williamston, MI 48895
(517) 655-1301
www.oldnationbrewing.com