
10月21日(日)の午後、当地に拠点をおくNPOミシガンタオル帽子会(Towel Hats USA)の主催によるベネフィットコンサートがノバイ市のプロビデンス病院のキャンサーセンターで開催された。
「タオル帽子」は岩手県のホスピス会の事務局長(吉島さん)が、抗癌治療で脱毛した癌患者のために、フェイスタオルから作れるタオル帽子を考案し、2008年にタオル帽子作製講演の活動を始めたことから広がった。そして、当地ミシガンタオル帽子会は、その情報を知った藤田トシさんが行動を起こし、パターンの使用などに関して日本側の理解と協力を得て2011年に正式に登録。日本人を中心とする活動をスタートした。今回コンサートが開かれたプロビデンス病院キャンサーセンターの一室で集まって手縫いの帽子作製をボランティアで行なっている。また別の場所で数人のグループやリタイアした方がご自宅で帽子を製作し届けてくれている。過去に2,000個を超すタオル帽子をミシガン州内外の数か所のがんセンターや病院に寄贈してきた。
ベネフィットコンサートは、同会の活動紹介を兼ねて、賛助金や賛同を募る意図もあり、2013年に行なった初回はミシガン訪問中の琴生田流大師範2名の方々のご協力でノバイミドルスクールで開催し、近年はプロビデンス病院のキャンサーセンターがReflection Spaceというオープンスペースを会場として無料で提供してくれている。
今回のコンサートのオープニングには同センターの係りの方も駆けつけてスピーチに立ち、この施設がヒーリングアートのセンターでもあることを説明し、タオル帽子会の活動は帽子の寄与に留まらず、コミュティー交流の場づくりにも貢献していることに謝辞と称賛のことばを加えた。
コンサートはタオル帽子会のメンバーでもある大光晴美さんが率いている琴グループ6人による合奏のほか、バイオリンとチェロのソロ演奏もあり、優雅な音が流れる贅沢な時間を提供。ガラス張りのサンルームのようなスペースに時折日差しが降り注ぎ、色づき始めた木々を背景に、穏やかで平和な空間となった。
演奏は、作曲者や曲に関する逸話などの解説付きで、琴曲の代表ともいえる「六段の調べ」にはじまり、琴による古典と現代曲、バイオリンのソロ、チェロのソロの他、琴とチェロによる「イエスタデイ」(ビートルズ)も織り込まれ、体を揺らしながら聴いている観客の姿、うっとりと聴き入っているにこやかな表情が見られた。
タオル帽子会メンバーは会場やリフレッシュメントの準備、案内に動き回っていたが、演奏終了後に、演奏者一人一人に花束を贈呈。代表として藤田トシさんより来場者と演奏者、プロビデンス病院に対する感謝の言葉を届けた後、日本のタオル会社が多数のタオルを寄贈してくれているがまだまだ足りないことを告げ、協力を募った。
日本のタオルで作った帽子は肌触りが良く、吸湿性に優れ蒸れず、また、簡単に洗えるため、患者さんに好評を得ているが、アメリカの厚手のタオルは手縫いには向かず、かぶり心地も違うとのこと。常時、日本のフェイスタオル(未使用に限る)の寄贈を受け付けている。会への寄付も受け付けている。また、「タオル帽子を必要、あるいは届けたい方がいらっしゃれば、お知らせください」とのこと。
今回は古本の販売コーナーも設置。寄付金は全て会の運営費に充てられる。抗がん剤治療で苦しんでいる人々へ、支援の想いのこもった数多くの手作りの帽子が届けられていくことであろう。
お問い合わせは下記まで。
タオル帽子 作製会 Facebook: Towel Hats USA
日時: 毎月第二火曜日 午前10時―午後1時
場所: Ascension Providence Park Hospital
Assarian Cancer Center for the Healing Arts
47601 Grand River Avenue Novi, Michigan 48374
会費: 無料 但し、初回のみ$10(型紙、縫い方、タオル1枚分)。
連絡先: towelhat@yahoo.com
藤田:248-349-9682 稲葉:248-227-1621