10月7日(日)、JSDウィメンズクラブとJBSD(デトロイト日本商工会)文化部会の共催による恒例の大イベント日本祭りが昨年同様にノバイ市のハイスクールを会場に開催された。急に肌寒くなり、朝からどんよりとした天候であったが、1時から4時までの開催時間を通して大勢の来訪者で賑わった。「親子で楽しめた。日本を離れて育っている子どもに貴重な経験です」「こんなに大勢の日本人が居て、驚きです」など、喜びや称賛の声が集まった。

 この日本祭りは、アメリカ人や他の文化背景を持つ人たちへの文化紹介と交流を主目的に日本文化紹介の様々な展示や実演などが行われている。周辺に滞在している日本人が楽しむ場にもなっており、当地の秋の行事として定着している。浴衣姿で散策する姿も多く、祭りムードを高めていた。

 オープニングのセレモニーでは、デトロイト日本商工会の文化部会長の挨拶に続き、和田充広総領事、列席したノバイ市長と教育委員長による開会の辞が述べられた。それぞれから、このイベントの開催と日米の文化交流と友好親善を祝福する言葉が伝えられた。

 お祭りらしいヨーヨー釣りや輪投げなどの縁日遊びや、屋台食の販売に加えて、アトリウムと呼ばれるガラス天井から光が差す広々としたスペースには茶の湯の席や、書道・折り紙などの体験のコーナーが設けられ、手馴れた日本人女性たちを中心に実演や体験ワークショップが提供された。茶の湯実演は、当地で活動する裏千家・表千家、2つの流派が手を携え実演が行なわれた。お点前に合わせて英語での丁寧な解説も添えられ、多くの人が興味津々の表情で見入っていた。参観者は和菓子と抹茶を味わうチャンスにも恵まれた。生け花インターナショナルによる秋らしい趣きを添えた展示が文字通り華を添えていた。老若男女、多くの人が生けられた作品の写真や、作品を背景に写真を撮っていた。

 また、ミシガン州と姉妹県関係にある滋賀県による文化紹介ブースを始めJCMU(Japan Center for Michigan University:ミシガン州立大学連合日本センター)など、日本に関連した団体のブースも並んだ。様々な活動や当地と日本との繋がりを知ることができる場としての日本祭りの意義も大きい。

 滋賀県のブースには訪米中の冨田人形のメンバーも特別参加し、人々に滋賀県の魅力を発信した。浄瑠璃人形という、日本人にとっても目の前で見る機会が少ない人形の、巧みな動きに関心と感嘆の声が上がっていた。

 書道と折り紙のワークショップも終始盛況で、ボランティアの女性や学生が懇切丁寧に手ほどきをしていた。書道では、難しい字に挑戦する人も多く、書き上げた作品を褒め合う姿があった。

 総領事公邸の料理人である中野楓さんが一昨年より領事館スタッフの協力のもとプレゼンテーションとワークショップを実施してくれているが、今年は「おにぎり」が題材。「三角にするのは無理」「日本人はシェフじゃなくてもできるって?すごい!」との声も聞こえたが、楽しく美味しいチェレンジに、和気あいあい盛り上がっていた。

体育館には櫓が組まれ、盆踊りを中心にパフォーマンスが繰り広げられた。

 幕開けは和太鼓の音でスタート。「五大湖太鼓センター」が、軽やかな祭囃子の太鼓とは一味異なるダイナミックなパフォーマンス和太鼓の魅力を披露した。

 一転して、可愛いパフォーマーの登場。JSDウィメンズクラブの親子と妊婦さんンのサークルによる「アンパンマン音頭」と「わーお!」の愛らしさ溢れる踊りが来訪者に笑顔と元気を届けてくれた。

 続いて有志メンバーによる盆踊り。何度となく参加してきた人も多く、「炭坑節」「東京音頭」「花笠音頭」の3曲を選び、 練習を重ねてきただけあり、日本の盆踊りの楽しさだけでなく、美しくしなやかに踊る姿を披露した。プログラム終盤にも行われ、見ていた人や他のパフォーマンスの出演者も加わり、賑やかな大きな輪が生まれた。教え合う姿もあり、まさに“交流の輪”となっていた。

 田川八段が長を務めるデトロイト剣道道場による実演は、通常の稽古通りに“礼”から始まり、打ち込み練習が真剣に行なわれ、“礼”にて終了した。短い時間ながらも日本の武道の礼儀正しさと気迫を観客に伝えた。

 ミシガン沖縄県人会「ちむぐぐる会」の演奏は5曲。民族衣装をまとい、琉球エイサースタイルの舞と太鼓を披露した。エイサーもまた盆踊りであるが、大小の太鼓を叩きながらの勇壮さを感じさせる踊りが、中国との文化交流の影響を受けた沖縄文化独特の雰囲気を会場に届けた。

 後半は学生たちの登場。まずは、ミシガン大学の日本学生会メンバーによる「ソーラン節」の切れの良い踊り。日本人に限らず、日本に興味のある学生が交流したり学内外で日本の紹介をしている彼らは、毎年「ソーラン節」を後輩に伝授し、アレンジも加えて踊っている。

 そして9年生から12年生の高校生13 人による「平成Bon Bon」が、「東京五輪音頭2020」を浴衣姿で踊り、会場に華やかさを届けてくれた。この曲は2020年に開催される東京オリンピック・パラリンピックを盛り上げるために作られたもの。飛び入り参加を募ると大勢の人が加わり、今年の日本祭りを大いに盛り上げてくれた。練習は3回ほどとのこと。さすが覚えの良い若者ならでこそ。「平成Bon Bon」メンバーは「豆つかみ」ゲームのコーナーも担当し、交流にも寄与した。

 プログラムの締めも太鼓センターがつとめ、「加賀虫送り」という害虫・災いを追い払う願いをこめたパワフルな曲の演奏で幕がおりた。

 このイベントは、在デトロイト日本国総領事館、日米協会、滋賀県の協力、そして会場のあるノバイ市・ノバイ教育委員会のサポートを得て毎年開催している。今年も多数の団体や個人ボランティアが協力してこのイベントを支えた。

JSDウィメンズクラブが書道コーナーのアレンジや当日の舞台の進行などを執り行なったほか、近隣の日本人女性がボランティアに応募し陰に表に活躍。また、日本語を学習する現地のハイスクール生や大学生たちもボランティアとして参加し、来訪者との懸け橋として若いパワーでイベントを支え、盛り上げていた。

全てのプログロムが終了し、縁日ゲームの賞品やワークショップでの作品を手に、笑顔で帰路につく大勢の来訪者の姿があった。来年もボランティアとして参加したいという高校生の声もあり、Festival.comで情報を得て1時間以上かけて初来訪した米人も「とても楽しく有意義だったので来年もぜひ来たい!」と感想を寄せてくれた。今から次の日本祭りの盛り上がりが楽しみである。